底地の買取相場は「売却相手」と「底地の条件」によって変わる
冒頭でもお伝えした通り、底地の買取相場は「売却相手」「底地の条件」によって、更地価格のどれくらいになるのかが大きく異なります。
そこで、この章ではまず更地価格の算出方法をご紹介したのち、「売却相手」と「底地の条件」によって、どのように底地の買取相場が異なるのかを具体的に解説していきます。
ただし、更地価格の計算方法は複雑ですし、売却時の土地の需要によっても買取価格は変化するので、専門知識の無い人が正確に価格を予測するのは困難です。不動産会社に依頼して、簡単&スピーディーに底地の買取価格を把握することをおすすめします。
底地の買取に特化した買取業者である弊社は、無料で底地の査定をおこなっております。
売却を前提としないご相談のみでも構いませんので、気軽にお問い合わせください。
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底地の買取相場の元となる土地の更地価格を算出する方法
では具体的に、底地の買取相場の元となる、土地の更地価格を算出する方法をご紹介します。
なお、繰り返しになりますが、底地の売却先や土地の持つ条件によって、実際の売却価格は大きく異なります。
不動産買取業者に直接査定を依頼し、簡単&正確に売却価格を把握することをおすすめします。
1.国税庁の路線価マップから「路線価」を調べる
前提として、土地の評価額は下記計算式で算出されます。
路線価とは、道路に面している土地の価格(千円/1㎡)のことです。土地が売買される際の価格の80%程度になるよう、国税庁によって設定されています。
ゆえに、路線価から求めた土地の評価額を80%で割り戻すことで、売却を見込める更地価格を算出することが可能です。計算式にすると、下記の通りです。
例題として、国税庁の路線価マップで、画像のように自身の底地が接してる道路に「140D」と記載されているとします。
路線価の単位は「1,000円/㎡」ですので、1㎡あたりの路線価(円/㎡)は下記のように算出されます。
1㎡あたりの路線価(円/㎡)=路線価(千円/1㎡)×1,000(円)より、
=140×1,000円=140,000円…①
2.横幅と縦幅から「土地面積」を調べる
土地面積は横幅×縦幅で計算できます。
上記の土地面積は「16m×30m=480㎡…②」となります。
3.奥行価格補正率表から「奥行価格補正率」を調べる
土地は道路から離れているほど利便性が劣ります。そのため、土地の奥行きに応じた奥行価格補正率を乗じます。奥行価格補正率は国税庁の奥行価格補正率表を参考にしてください。
引用元:国税庁:奥行価格補正率表
今回の例題底地が普通住宅地区とすると、奥行が30mなので、奥行価格補正率は「0.95…③」であることが分かります。
4.土地の更地価格を計算する
ここまでで、土地の1㎡あたりの路線価が①140,000円、土地面積が②480㎡、奥行価格補正率が③0.95であることがわかりました。
土地の評価額を求める以下計算式にこれらの値をあてはめると、次のように計算できます。
土地の評価額=路線価×土地面積(㎡)×奥行価格補正率より、
140,000円(①1㎡あたりの土地の路線価)×480㎡(②土地の面積)×0.95(③奥行価格補正率)
=6,384万円…④
したがって、土地の更地価格は下記の通りです。
土地の更地価格=土地の評価額÷0.8より、
土地の更地価格=6,384万円÷0.8=7,980万円
買取相場と底地の評価額はほとんど関係ない
底地の買取相場を調べると、「土地評価額×(1-借地権割合)」という計算式をよく見かけますが、これは底地の評価額であり、買取相場と相関するとは限りません。
底地の評価額とは、たとえば相続税や贈与税をどれくらい支払うのかを算出するもととなる金額を指します。補足程度ではありますが算出方法をご紹介しますので、興味のある方はご覧ください。(読み飛ばしていただいても問題ありません。)
「土地の評価額×借地権割合」で借地権評価額を求める
まず、先ほど土地の更地価格を計算するで算出した土地の評価額④から、借地権割合に応じた借地権評価額を求めます。
路線価には「140D」とアルファベットが記載されています。このアルファベットが借地権割合を示しており、記号に応じて、借地権割合は異なります。
実際に底地の路線価に記されている借地権割合を更地価格に乗じ、借地権評価額を算出してください。
記号 | 借地割合 |
---|---|
A | 90% |
B | 80% |
C | 70% |
D | 60% |
E | 50% |
F | 40% |
G | 30% |
例題の土地は「140D」とされているので、借地権割合は60%となります。
したがって、借地権評価額の計算式は下記の通りです。
借地権評価額=更地価格×借地権割合より、
6,384万円(④更地価格)×60%(借地権割合)=3,830万円…⑤
「土地の評価額-借地権評価額」で底地評価額を求める
最後に、更地価格から先ほど求めた借地権評価額を差し引くことで、底地の評価額を算出できます。
よって、例題の底地評価額は下記計算式で求められます。
=6,384万円(④土地の評価額)-3,830万円(⑤借地権評価額)
=2,553万円(底地の評価額)
売却相手による底地の買取相場の違い
底地の買取相場を予想する元となる更地価格の算出方法をご紹介しました。
算出した更地価格のうち、どれくらいの金額で底地を売却できるかは、「借地人」「借地人以外の第三者」どちらに売るのかによって大きく異なります。
それぞれ分けて解説していきます。
借地人に底地を売却したら、更地価格の50%
借地人に底地を売却できれば、土地の更地価格の50%程度の金額で売れる見込みがあります。
底地を購入すれば、借地人は完全な所有権を得られることで、自由に土地を活用できるからです。
例えば、建替行為や増築工事、土地の売却や賃貸経営などが可能です。
このような利点があるため、借地人は更地価格の50%程度で底地を買い取ってくれるのです。
ただし、底地を売却するには当然借地人との売却の合意が必要ですし、適正な取引価格を巡ってトラブルとなってしまうことも、珍しくはありません。
借地人との交渉の決裂や、そもそも交渉自体したくなければ、後述する借地人以外の第三者に底地を売却するしかありません。
借地人以外の第三者に底地を売却したら、更地価格の10%
お伝えした通り、借地人に底地を売却するには、売却の同意を得るのが必須条件です。
借地人から同意を得られなければ、第三者に売却せざるを得ません。
そうなれば、底地の売却価格は更地価格の10%程度になります。
借地権の付いた底地を購入したところで、底地権しか持たない第三者は自由に土地を活用できないからです。
また、理想通りの地代収益が得られるとも限りません。例えば、
- 借地人が地代の支払いを滞納してしまう
- 都市計画税や固定資産税を支払うと収益が見込めなくなる
などにより、地代収益が理想よりも低くなる恐れがあります。
以上のように、自由に土地を活用できないことや、理想の地代収益を得られるか分からないことから、底地を買いたがる第三者はほとんどおらず、売却価格は低くなってしまいます。それどころか、一生売れ残ってしまうこともあります。
そこで、専門の不動産買取業者に依頼すれば、適正な価格で確実に底地を売却できます。
詳細は後述しますが、底地専門の買取業者は借地人との交渉に慣れていますし、再販を見込める売却先を豊富に持っているからです。
弊社では、スタッフが蓄積した知識や経験、活用ノウハウを活かして、少しでもお客様の希望に答えた金額で買い取れるよう、全力で対応いたします。
査定のみや、ご相談のみのお問い合わせも大歓迎ですので、お気軽にお問い合わせください。
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なお、地代の計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
底地の条件による買取相場の違い
お伝えした通り、底地の買取相場は売却相手によって異なります。
加えて、底地の条件によっても、買取相場は変わってきます。
底地の買取相場を左右する条件は、主に下記の3つです。
- 土地の接道状況
- 地主の共有状態
- 期待される利回り
それぞれ分けて説明していきます。
土地の接道状況
土地の接道状況によって「再建築不可物件」となっている底地は、買取相場が著しく下がります。
再建築不可物件とは、法律で決められた接道義務(4m以上の幅員道路に2m以上接していなければいけない)を満たしていない土地を指します。
再建築不可物件は、今ある建物を壊してしまうと、2度と建物を建てられません。
このように、購入したところで活用方法が限られてしまうので、買い手がつきにくく、再建築不可物件である底地の買取相場は低くなります。
弊社は、再建築不可物件も積極的に買い取っていますので、売却にお悩みの方は、ぜひご相談ください。弊社スタッフが、お客様にご納得いただけるよう、適正な買取価格をご提示いたします。
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地主の共有状態
共有名義(複数人で底地を所有している状態)の底地を所有し、自身の持分のみを売却するとなると、買取価格は下がります。
まず、共有名義の底地全体を売却するには、共有者全員の合意が必要です。
共有名義の底地は、他の共有者からの同意が無いと、土地を自由に売却したり貸し出したりできません。
もし他の共有者から売却の同意を得られなければ、自身の持分のみを買い取ってもらうことになります。
そうなれば、不動産の価値が下がりますし、他の共有者とのトラブルを警戒して購入を避ける人も多くいます。
以上のことから、共有持分の底地は買い手がつきにくく、買取価格が下がります。
期待される利回り
地代が安く理想の利回りが得られない底地は、買取相場が低くなります。
底地の購入目的は定期的な地代収入を得ることだからです。
底地を所有すると、都市計画税や固定資産税を支払う義務が生じます。
これらの税金を支払うと収益が見込めないというケースも多くあります。このような利回りが出ない底地の買取相場も低くなります。
底地の買取価格を上げる!売却相手に合わせたテクニック
売却相手や底地の条件によって、買取相場が大きく異なることをお伝えしました。底地だけを所有しても自由に活用できないことから、買い手がつきにくく、売却価格は安くなってしまいます。
とはいっても、底地を少しでも高く売るテクニックはあります。
ここからは、底地を高く売るテクニックを売却相手に分けてご紹介していきます。
借地人に売る場合
底地を高く売りたい方は、借地人を売却相手の第一候補者に考えましょう。
借地人に底地を買い取ってもらえれば、更地価格の50%程度で売却できます。お伝えした通り、借地人が土地所有者になれば土地活用の自由度が増すからです。
借地人に底地を売却するなら、交渉タイミングを見極めてください。
最適なタイミングは建て替えや増築工事をするときです。なぜなら、改築工事を希望する借地人は建物を子世帯に引き継ぐことを検討しているからです。
子世帯に引き継ぐ際に、借地権など複雑な権利関係を解決したいと願う相続人は多くいます。
このタイミングで底地の買取の相談をすれば応じてもらいやすく、より高い価格で買い取ってくれる可能性が高まります。
買取業者に売る場合
「底地の売却に労力をかけたくない」「借地人と不仲で交渉自体したくない」という方は、底地を専門とする買取業者に相談してください。
底地専門の買取業者に依頼すれば、売主は借地人や第三者と交渉することなく、1週間から1ヶ月程度で底地を買い取りできるからです。
底地専門の買取業者は、買い取った底地を借地人や第三者に売って利益を得ています。
底地を買い取ってから活用するまでにかかるコスト分が物件の価格から差し引かれますが、売主は一生買い手が付かなったおそれのある底地を費用をかけず確実に売却できます。
不動産買取業者に底地を売る場合は、以下のポイントを押さえて高く買い取ってもらいましょう。
複数の不動産買取業者に査定を依頼して競わせる
底地の買取査定は、必ず複数の底地を専門とする不動産買取業者に依頼しましょう。
専門の買取業者といえど、業者によって活用方法が異なるので、その分査定価格にも大きな差が出るからです。
より高額で底地を買い取ってくれる買取業者を見つけられるよう、最低でも3社以上に査定を依頼して、査定価格を比較しましょう。
底地の買取実績が豊富な不動産買取業者を選ぶ
底地の買取実績が豊富な不動産買取業者は、借地人と交渉したり、第三者に売るためのネットワークを豊富に保有していたりします。
複雑な権利など訳あり物件の再利用方法などの知識を持っているため、一般の不動産買取業者と比較して高く底地を買い取ることができるのです。
底地の買取実績を豊富に持つ不動産買取業者は少ないですが、この記事の最後に業者をご紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
借地権の種類が定期借地権なら契約満了まで待つ
底地の借地権は、「普通借地権」と「定期借地権」の2つに分類できます。
- 普通借地権
- 土地賃貸借契約書の期間満了時に、借地権の更新ができる。借地契約上では、借地人の権利が強く守られており、地主から契約の更新拒絶ができない。
- 定期借地権
- 土地賃貸借契約書の期間満了時に、借地権の更新ができない。地主は契約期間満了時に土地を利用する権利を取り返せるので、土地の全ての所有権を得られる。
このように、普通借地権の底地は、正当な理由がない限り土地を利用する権利を取り返せないため、査定価格が低くなります。
一方、定期借地権の底地は、土地所有者となれば更地価格で売却できる可能性があります。
契約期間が満了し借地人との契約が終了すれば、完全所有権の土地となり、一般的な相場と近い金額での売却が見込まれるからです。
そのため、定期借地権の底地を少しでも高く売りたい方や、賃貸借契約期間の満了が近い人は、契約満了時まで売却を控えましょう。
定期借地権の契約期間はおよそ30年が一般的ですので、機会を逃せばさらに数十年待つことになってしまいます。
第三者に売る場合
お伝えしてきた通り、自由に活用できない底地を買いたがる第三者(不動産投資家など)はほとんどいません。しかし、地代収益の利回りが高いことをアピールできれば、売却しやすくなる可能性があります。
底地は賃貸住宅のような空室リスクの心配がないからです。
投資シミュレーション表を作成して、安定的に理想の地代収益が得られることを説明すれば、投資家に底地を買い取ってもらいやすくなります。
底地の査定・買取依頼におすすめの不動産会社3選
お持ちの底地を少しでも高く売りたい場合は、底地の実績を豊富に持つ買取業者に相談しましょう。
数少ない底地の買取業者の中でも、下記3つの買取業者がおすすめです。
それぞれの不動産買取業者の特徴を詳しく解説します。
なお、底地に強い買取業者については以下の記事でも詳しく解説しています。
要望を叶える提案力を持つ「Alba Link」
※2023年1月1日~2023年10月25日現在の実績:相談/5,555件:買取/600件
高い顧客満足度を実現できている理由は、底地に関する法律知識や運用方法を持っており、借地・底地トラブルにも対応できます。独自の販売経路を保有しているので底地のが買取も可能です。
お客様の要望を叶える提案力が魅力となっているため、底地を所有すべきか?売却すべきか?とお悩みの方におすすめの買取業者です。
即現金化を得意とする「NSアセットマネジメント」
ソクガイが実現できる理由は、不動産コンサルティング事業を中心にしているからです。同社は定期的に不動産コンサルティングセミナーを実施しており、不動産の購入希望者にお会いしています。
セミナー参加者へ底地を紹介できるため、ソクガイが実現できるのです。そのため、底地の買取先を早期に見つけて売却したいとお考えの方におすすめの不動産会社です。
上場企業で高い信頼度を誇る「サンセイランディック」
全国の訳あり物件の相談を受け付けており、2011年から2021年の10年間で3,800件以上の底地を買い取った実績を持ちます。
底地に関しては、土地と借地権を1つにまとめあげ、不動産本来の価値が取り戻せるように交渉することを得意としています。そのため、上場企業で信頼ができる不動産会社を通して、借地人と交渉してみたいという方におすすめの不動産会社です。
まとめ
底地の買取相場は、売却相手や底地の条件によって大きく変わるので、不動産会社に査定を依頼して、正確な売却価格を把握することをおすすめします。
目安としては、借地人が底地を買い取ってくれるのであれば、更地価格の50%程度の価格で売却を見込めます。
一方、借地人以外の第三者に売却するとなると、更地価格10%程度まで価格は下がり、どれだけ安くしても買い手がつかないこともあります。
そこで、底地を確実に手放したい方は、専門の不動産買取業者に直接売却することをおすすめします。
底地を専門とする買取業者は、1週間から1ヶ月程度で買い取ってくれます。売主自身が借地人や第三者と交渉する必要は一切ありません。
ここまでご案内してまいりました、弊社「株式会社Alba Link(アルバリンク)」は、底地を積極的に買い取っております。
弊社スタッフが適正な価格で底地を買い取れるよう、全力で対応致しますので、ぜひご相談ください。
もちろん、売却を前提としないご相談や、査定のみのお問い合わせも大歓迎です。
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