築70年のマンションも売却は可能
築70年が経過しているマンションも売却することは可能です。
ただし、何の問題も抱えていない築浅マンションと同様に売却できるかというと、当然そうではありません。
この章では「築70年以上のマンションの取引事例」と「築古マンションが売れにくい理由」を解説します。
築70年以上のマンションの取引事例
「不動産取引価格情報検索」で検索すると、築70年以上のマンションの取引事例を見ることができます。
例えば東京での取引事例は、以下の表の通りです。
築70年以上の一棟中古マンション取引事例(東京都)
所在地 | 取引総額 | 建築年 | 取引時期 |
---|---|---|---|
立川市 砂川町 | 1,800万円 | 戦前 | R03/07-09月 |
渋谷区 初台 | 4,700万円 | 戦前 | R03/04-06月 |
渋谷区 初台 | 6,200万円 | 戦前 | R03/10-12月 |
稲城市 東長沼 | 2,400万円 | 戦前 | R02/07-09月 |
小金井市 本町 | 5,800万円 | 戦前 | R03/04-06月 |
台東区 池之端 | 8,600万円 | 昭和25年 | R04/01-03月 |
台東区 池之端 | 7,600万円 | 昭和25年 | R03/07-09月 |
台東区 池之端 | 6,700万円 | 昭和25年 | R02/10-12月 |
台東区 池之端 | 8,700万円 | 昭和25年 | R03/04-06月 |
台東区 池之端 | 7,300万円 | 昭和25年 | R03/04-06月 |
台東区 池之端 | 7,500万円 | 昭和25年 | R03/04-06月 |
参照元:不動産取引価格情報検索
表を見てみると、築70年以上のマンションにもきちんと金額がついて売買取引が成立しているのがわかります。
築70年のマンションもたしかに売却することはできるのです。
築70年以上のマンションは当然簡単に売れるわけではない
上記の表の通り、たしかに取引事例は多数ありますが、築70年以上ともなるとそう簡単に買手がつくわけではありません。
以下では、築70年以上のマンションが売れにくい理由を解説していきます。
(ただ、記事後半では「築70年のマンションを売却するテクニック」をご紹介しますのでご安心ください。築70年以上のマンションも売却することは可能です)
旧耐震基準に則って建てられているから
築70年以上のマンションが売却しづらい大きな理由の1つは「旧耐震基準に則って建てられているから」です。
一定の強さの地震がきても破損や倒壊しないよう、建築基準法で定められた建物の強度の基準
建築基準法(1950年制定)は、1971年と1981年、そして2000年に大きな改正が行われました。
3回行われた大きな改正のうち、1981年の改正前の耐震基準を「旧耐震基準」、改正以降の耐震基準を「新耐震基準」と呼びます。
旧耐震基準は「震度5強程度の地震で損傷を受けないこと」が条件だったのに対し、新耐震基準は「震度6程度の大規模な地震でも建物の倒壊や損傷を受けないこと」が条件となりました。
世界で4番目に地震が多いと言われる日本では、新耐震基準のマンションを好む買主も多いため、旧耐震のマンションが売れにくいのは明らかです。
参照元:世界報告書「”災害リスクの軽減に向けて”~開発に課せられた課題」
また、旧耐震基準の不動産は購入の際に融資が受けにくいので、なおさら売れにくくなってしまいます。
融資が受けにくい理由は、旧耐震のマンションは担保価値(担保評価額)が低いからです。
もし債務者のローンの返済が滞ったとしても、旧耐震のマンションは安価でしか売却できないため、債権者がローンを回収できる見込みは決して高くありません。金融機関は回収できる見込みが低い融資をわざわざ行わないのです。
管理組合がない・機能していないケースが多い
築70年のマンションは、管理組合がない・機能していない等の理由から、マンションの管理が行き届いていないことが多々あります。
現代では、法律により管理組合の規定が義務化されていますが、義務化以前は管理組合の規定は義務ではなかったからです。
また、管理組合はあるけれど、組合員の高齢化により適切に機能していないこともあります。
管理組合がなければ(機能していなければ)、清掃業者の手配などがされず、マンションのエントランスや共用部に清掃や管理が行き届かなくなってしまいます。
共有部が汚れていれば、当然購入希望者が現れにくくなってしまうでしょう。
修繕積立金が高額
築年数が古いマンションほど修繕積立金が高くなるため、買手がつきにくくなります。
修繕積立金とは、建物の診断や修繕工事、日ごろの清掃を行うために充てられる費用で、管理組合が毎月マンションの所有者から徴収します。
築年数が古いマンションほど管理に費用がかかるため、修繕積立金も高く、買主の購入意欲を削いでしまいます。
建て替えが近いと判断される
築70年ともなると「建て替え時期が迫っている」と買手に判断されるので、買手がつきにくくなります。
購入したマンションが建て替えになったら、建て替え費用の一部や仮住まいに引っ越す手間や費用を買主が負担しなければならないからです。
築70年のマンションは国が定めた耐用年数(表参照)を優に超過しているため、買主は「もうすぐ建て替えの時期だ」と判断しますし、実際に建て替えの時期が迫っていることは確かでしょう。
建物の耐用年数
鉄骨鉄筋コンクリート造 | 47年 |
---|---|
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
石やレンガ造 | 38年 |
金属造(骨格材の肉厚が4mmを超える建物) | 34年 |
金属造(骨格材の肉厚が3mmを超えて4mm以下の建物) | 27年 |
金属造(骨格材の肉厚が3mm以下の建物) | 27年 |
木造 | 22年 |
築70年のマンションを売却するテクニック
ここまで解説通り、たしかに築70年が経過している不動産は売却しにくいのが実情です。
しかし、築古マンションを売却するためのテクニックは複数ありますし、実践していただくことでほぼ確実に売却できます。
以下では、不動産売買のプロの視点から、築古マンションを売却するためのテクニックを余すところなく解説します。
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築古物件も取り扱い可能な不動産業者を選別する
不動産を売却する際は、まず不動産業者に物件の査定を依頼します。このとき、築古マンションの取り扱いに長けた不動産業者を選ぶようにしてください。
というのも、不動産業者によって取り扱いが得意な物件の種類は異なるからです。
もし築古マンションの取り扱いが得意でない不動産業者に査定を依頼すれば、適正な査定価格を提示してもらえなかったり、売却に時間がかかったりしてしまいます。
築70年が経過しているマンションを売却する際は、不動産業者のHP等で築古物件の取り扱い実績があるかしっかりと確認し、実績がある不動産業者に相談しましょう。
なお弊社AlbaLink(アルバリンク)は、築古マンションなど一般の不動産業者では取り扱えない物件を積極的に買い取っております。
年間5,000件以上(※)のお問い合わせ・ご相談をいただいているので「まずは相談だけしたい」という方もお気軽にお問い合わせください。
※2023年1月1日~2023年10月25日現在の物件査定に関する相談実績5,555件
豊富な相談・買取実績を活かし、どんな築古マンションにも適正な査定をさせていただきます。
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築年数に見合った価格で売り出す
築70年のマンションは、築年数に見合った金額で売り出しましょう。
不動産の売出価格は、周辺物件の売出価格と照らし合わせて決めるのが一般的ですが「築70年」は大きなハンデとなるため、周辺の築浅物件と同じような価格帯で売り出しても当然買手はつきません。
必ず複数の不動産業者に査定してもらい、査定価格の根拠を聞いたうえで、築70年のマンションの売出価格を決めるようにしましょう。
1社のみの査定価格を鵜呑みにして売出金額を決めてしまうと、不適正な金額で売り出すことになり、結果的に永遠に買手がつかないおそれもあります。
買取業者に直接売却する
築70年のマンションは、築古マンションに特化した専門の不動産買取業者に直接買い取ってもらえば、ほぼ確実に売却できます。
築70年のマンションは「築70年のマンションも売却は可能」で説明した通り、かなり売却しづらいのが実情ですが、これは「自身の住居を探している個人」が買主だった場合に限ります。
自身の住居を探している個人は、明るい新生活をイメージして物件を選ぶので、老朽化が進んだ築70年のマンションをわざわざ買いたがりません。
しかし、不動産買取業者は社員用の住居を探しているわけではなく、事業用(買い取った不動産にリフォーム等をして運用し、利益を上げる)として不動産を買い取っています。
築古マンションに特化した専門の不動産買取業者は、築古物件を運用して利益を上げるノウハウを豊富に持ち合わせているため、築70年以上のマンションも問題なく買い取ってくれます。
弊社AlbaLink(アルバリンク)も、築古物件に特化した専門の不動産買取業者です。日本全国のどんな築古マンションもスピーディーに買い取れます。
もちろん、まずは相談や査定だけしたいという方のお問い合わせも大歓迎です。
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築70年のマンションを売却する際の注意点
実際に築古マンションを売却する際に、知っておくべき注意点を3点解説します。
物件の瑕疵(欠陥)を買主に伝える
買主の購入の意思を左右するであろう物件の情報(告知事項)を、売主は売却前に必ず買主に伝えなければなりません。
不動産の売主には「告知義務」が課せられるからです。
物件の欠点等を隠して売却すると「告知義務違反」に該当し、売主は「契約不適合責任」を問われてしまいます。
引き渡した物件に、契約書に記載されていない欠陥があったとき、売主が買主に負わなければならない責任。売主は買主からの損害賠償請求や売買契約取り消しに応じなければならない。
築70年ともなれば、建物の老朽化に伴う欠陥(雨漏り等)はもちろん、過去に建物内で人が亡くなった等、様々な告知事項があることでしょう。
買主に告知するのはもちろんのこと、売却活動をサポートしてくれる不動産業者にもキチンと物件の欠陥を伝え、告知義務違反にならないように注意してください。
どのような欠陥が告知義務に該当するかは、以下の記事で解説しています。

建て替えの計画があるなら買主に伝える
マンションを建て替える予定があるなら、売却前に買主に伝えなければなりません。
マンションの建て替え予定を伝えないまま売却した場合も、買主は契約不適合責任を問われてしまうおそれがあるからです。
購入してからマンションが建て替えになったら、買主はマンションの建て替え費用を負担したり、仮住まいに引っ越したりしなければなりません。
買主は生涯暮らすマイホームとしてマンションを購入したにもかかわらず、一時的に引っ越さなければならないとなれば、契約内容に違反しています。さらに建て替え後は、契約当初から建物の状態も変わってしまいます。
契約内容やマンションの状態が変わること(建て替え)が事前にわかっているのであれば、売却前に買主に伝える必要があります。
室内のリフォームしない
築70年が経過しているマンションは、売却前に室内のリフォームをしないようにしましょう。
前述の通り、築70年のマンションは「建て替え時期が迫ってる」と買主に判断されます。そのため、建物の一部のリフォームは意味がないと思われ、買主の購買意欲を掻き立てる要因にはなりません。
買主にとってプラスに働かないのであれば、売却価格にリフォーム費用を上乗せすることは当然できません。
そもそもリフォームしたところで買手がつかない可能性も大いにあります。そうなれば、リフォーム費用の分、買主は損をすることになってしまいます。
築70年のマンションはたとえ老朽化が顕著であっても、売却前にリフォームするべきではありません。
築70年のマンションを放置すると起こりうる惨劇
この章では、築70年が経過しているマンションを放置した場合のリスクを解説します。
築古マンションはたしかに売却しづらいですが、所有者にとって大きなリスクが複数あるため絶対に放置してはいけません。
放置するくらいであれば、築古マンションは専門の買取業者に直接売却して手放すのが賢明でしょう。売主はマンションを放置するリスクから解放されるうえ、売却代金がまとまった現金で手に入るので一石二鳥です。
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管理が行き届かず荒廃する
築古マンションは、管理組合がない・機能していない等の理由から、管理や清掃が行き届かず、放っておくと廃墟と化してしまいます。
物件が廃墟化するとゴミの不法投棄等の被害にも遭いやすくなりますが、管理組合がなければ(機能していなければ)不法投棄されたゴミすら誰も片づけてはくれません。
廃墟化が加速すれば害虫等も増えるため、快適に暮らせなくなって住人が減ってしまうのはもちろん、新たな買手もつきにくくなります。当然、売却できる金額もどんどん安価になり、負のループに陥ってしまいます。
そうなれば、資産価値は急下落してしまうので、売却するなら早い方が得られる利益は大きいでしょう。
建て替えで再取得か転居を迫られる
前述の通り、中古マンションの耐用年数は40年と定められています。築70年のマンションの寿命はそう長くないので、近い将来建て替えを余儀なくされることは間違いありません。
そうなれば、マンションの再取得か転居を迫られます。
どちらを選択するにしろ、そのまま住み続けることはできないので、費用と手間をかけて引っ越ししなければなりません。生活する場所が変わることで精神的なストレスも感じるでしょう。
なお、建て替え費用は、管理組合が所有者から毎月徴収している修繕積立金で賄われるのが基本ですが、不足分は所有者に別途請求されます。
別途請求される建て替え費用は、数百万~高ければ数千万と高額であるため、支払えないのであれば転居し、現在のマンションは売却するしかありません。
ただし、建て替えが決まった後に売るのであれば、リフォーム費用を差し引いた金額で売却することになってしまうので注意してください。
マンションの建て替え計画が始動してから売り出す場合
建て替え計画始動前に売却可能な価格:1,000万
個人で負担しなければならないマンションの建て替え費用:200万
建て替え計画始動後に売却可能な価格:1,000万-200万=800万
そのため、築70年が経過しているマンションは放置せず、マンションの建て替え計画が始動する前に売却してしまうのが賢明です。
そうすれば、売却金額からリフォーム費用を差し引く必要もなくなるので、次の住居取得にかけられる金額が大きくなります。
マンションを売却して得た利益で、今のライフプランにより合う新居を取得(もしくは賃貸)できるでしょう。
まとめ
築70年のマンションが売却しづらい理由や売却のためのテクニックを不動産のプロの視点から解説しました。
築70年が経過しているマンションは、旧耐震基準であったり老朽化が著しかったり、なかなか売却できません。
しかし、売却するためのテクニックさえ知っておけば築古マンションも売却できるのでご安心ください。
もし築70年のマンションを早く・確実に手放したいのであれば、築古物件に特化した専門の不動産買取業者に直接売却するのが最も賢明です。
専門の不動産買取業者は築古マンションを活用し、収益に繋げるノウハウを豊富に持ち合わせているため、築70年の物件も問題なく買い取り、現金化してくれます。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、築古物件をはじめ一般の不動産業者では扱えない物件も積極的に買い取っています。
年間5,000件以上の相談実績(※)を活かし、築70年のマンションも適正な価格をつけて買い取りいたします。
※2023年1月1日~2023年10月25日現在の物件査定に関する相談実績5,555件
もちろん、まずは話だけ聞きたいという方のお問い合わせも大歓迎です。
不動産業界にありがちと思われる無理な営業等は行っておりませんので、お気軽にお問い合わせください。