事故物件の建て替え・更地化は告知義務の対象|解体後の売却が損な理由を解説

事故物件

事故物件を更地にしたり建て替えれば、物件内で人が亡くなったことを告知する必要がなくなり高値で売却できると考えるかもしれません。

しかし、事故物件を更地や建て替えても告知義務がなくなることはありません。

事故物件を取り壊せば告知が必要なくなるといった間違った認識のまま、建物を解体して更地にした土地を告知せず売却した場合、売主は買主から契約解除や損害賠償を請求される恐れがあります。

加えて、平均的な戸建て木造住宅の解体費用である150万円をかけて更地にしても、通常の土地ではなく人が亡くなった土地としてしか売却できません。

人が亡くなった事故物件の土地は通常物件よりも売却相場が安価になるので、わざわざ解体せずに現状のまま売却したほうが最終的に手元に残るお金は多くなります。

そこで今回の記事では、以下の内容について詳しく解説します。

  • 事故物件を解体しても告知が必要
  • 事故物件を建て替えたり更地にしても売却価格が下がる
  • 手元にお金が残る事故物件の売却方法について
  • 事故物件の賢い活用方法について

この記事を読むことで事故物件の賢い売却方法と活用方法が理解できます。

正しい知識があれば、わざわざ手間と時間をかけてお金が残らない売却方法を選択せずに済みます。

この記事を書いている弊社は、事故物件を専門に取り扱う買取業者です。弊社は他社では売却することが困難な事故物件でも、独自のノウハウを活用して多数の買取を実現してきました。事故物件の売却でお困りなら、ぜひ弊社へお気軽にご相談ください。

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事故物件を建て替えたり更地にしても告知義務は残り続ける

事故物件を所有している場合は告知義務をなくすために、解体して売却を検討する人がいます。

告知義務
買主の契約判断に重大な影響を与える瑕疵を事前に告知する義務

しかし事故物件を建て替えたり、解体して更地にしても告知義務がなくなることはありません。

詳しくは下記で述べますが、殺人事件や自殺が起きた物件はその旨を買主に告知する必要があります。事故物件を更地にすることで、心理的抵抗感が薄まることはあっても、人が亡くなった事実が消えることはないからです。

なぜ事故物件を売却または賃貸にだす際に、買主や借主に告知が必要なのか下記で解説します。

事故物件における告知義務

「事故物件」とは主に心理的瑕疵のある物件で、心理的瑕疵は買主や借主に重大な影響を与える為、買主に告知する必要があります。

心理的瑕疵
物件内で過去に自殺や殺人などが起き、買主や借主に心理的な抵抗感を生じさせることがら

しかし、心理的瑕疵をどのように捉えるかは相手によって異なります。

例えば、過去に物件内で自殺があった場合に、事故物件は不吉だから購入しない人もいれば、購入価格が安くなるなら自殺があった物件でも気にしないという人もいます。

加えて、死因が殺人か病死かによっても心理的抵抗感が生じる強さが異なり、人が亡くなったら、必ずしも買主や借主の契約判断に重大な影響を与えるわけではありません。

実際に、弊社が独自に行った「事故物件ならどこまでが許容範囲か?」に関するアンケート調査でも、77%の人が孤独死や事故死なら許容範囲と答えており、一般の人の意識としても、「自然死であれば敬遠するほどの事故物件ではない」という結果が出ています。

事故物件ならどこまでが許容範囲

引用元:事故物件はあり?なし?983人にアンケート調査

相手によって捉え方が異なる心理的瑕疵を明確に定めたのが国交省の「死の告知に関するガイドライン」です。

このガイドラインには、買主に告知する必要がある死因や告知の内容が記載されています。

告知義務に関する判例について、さらに知りたい方は下記記事をご覧ください。

事故物件の告知義務はいつまで?ガイドラインや判例をもとに簡単解説
事故物件の告知義務の時効は「賃貸契約:原則約3年」「売買契約:時効なし」と定められています。本記事では、事故物件の告知義務に関する概要・事故物件の告知義務に関する売買・賃貸の3つの判例・事故物件を確実に売却する方法について解説します。

下記ではガイドラインをもとに告知が必要なケースを紹介します。

告知義務が生じるケース

病死や老死などの自然死や、物件内の階段で転倒して亡くなるなどの日常生活における不慮の事故死は、心理的抵抗感が弱く告知義務がありません。

上記の死因は買主や借主の契約判断に、重大な影響を与える可能性が低いと考えられるからです。

しかし、殺人事件や自殺が起きた物件や、特殊清掃が必要なほど遺体が腐敗していた物件は告知が必要になります。

実際に、買主や借主の契約判断に重大な影響を与え、告知が必要な心理的瑕疵を下記で整理しました。

    • 殺人や自殺
    • 遺体が放置されてことによって特殊清掃等が行われた物件

注意点として告知が生じないケースでも、心理的抵抗感が生じるかは買い手次第なので、売主は自分自身で瑕疵を告知するかを判断せずに売却を依頼する不動産業者に伝える必要があります。

実務上では売主が買主と売買契約を結ぶ際に、買主に告知事項を説明するのが不動産業者なので、売主は売却を依頼する不動産業者に心理的瑕疵を説明しましょう。

心理的瑕疵を告知せずに、売却した際のリスクについて下記で確認しましょう。

告知を怠ると契約解除や損害賠償を請求される

前述のとおり、売主は買主や借主の契約判断に重大な影響を与える心理的瑕疵を、買主に伝える必要があります。
心理的瑕疵を告知しないと契約不適合責任を問われ、買主から契約解除や損害賠償を請求されるおそれがあるからです。

契約不適合責任
売主と買主間で契約を結ぶ対象の不動産が契約内容と相違があった場合に、売主が買主に対して負う責任

売主が買主に対して払う損害賠償金額の一例を紹介します。

売買不動産について事件事故等の有無の買主質問に対し、約7年前の殺人事件を告知しなかった売主に不法行為責任が認められた事例

売買契約を結ぶ売主から「過去に事件や事故はない」と聞いていた買主は物件を購入。しかし7年前に建物内で殺人事件があったことが発覚。売買後に知った買主は3300万円の損害賠償を請求した。
裁判所は「殺人事件が発生してたという情報は売買価格に影響を与え、売買契約に重大な影響を及ぼすものであるのに告知しなかったことは不法行為にあたる」として、買主の請求について市場価格との差額である1575万円と弁護士費用160万円を容認した。

参照元:神戸地裁平成28年7月29日

事故物件を解体して更地にしたり、建て替えたりした後、告知せずに売却すると売主は買主から契約不適合責任を問われるので必ず告知しましょう。

この章では、事故物件を取り壊しても告知義務が消えないことと、告知義務を怠った場合のリスクについて解説しました。

契約解除や損害賠償請求の他に、契約不適合責任で買主に認められる権利があるので詳しくは下記記事をご覧ください。

不動産売買における契約不適合責任の教科書【弁護士監修の保存版】
契約不適合責任の要点をわかりやすく解説 契約不適合責任とは、売買取引の場面で、「契約の内容と目的物の数量や品質が適合しない時、売主に課せられる責任」を指します。 平たく言えば、引き渡したものが契約内容と異なる(契約不適合)と...

次章で、事故物件を取り壊して売却するべきか否かの判断材料を紹介します。

事故物件を建て替えたり更地にしても売却価格は下がる

事故物件は買手に心理的抵抗感を与えるため、通常物件の30〜50%程度安価になります。

しかし、安易な考えで事故物件を解体してはいけません。事故物件は現状のまま売るのが賢明な判断です。

事故物件を解体して更地にしたとしても告知義務は残るため、事故物件として安価で売り出さなければならず、売主負担で支払った解体費用分を損する羽目になるからです。

実際に建物の解体費用がどれくらいかかるのか、下記で計算しました。

統計局の土地統計調査によると一軒家の木造住宅が全体の約60%を占めているので、今回は木造住宅の解体費用をもとに計算します。

建物の解体費用は建物の構造によって異なるので下記をご覧ください。

建物の構造 坪単価
木造  坪3~4万円
RC造  坪7~8万円
鉄骨造  坪5~6万円

注文住宅の床面積の全国平均である約38坪に、木造解体費用の坪3?4万円をかけて計算すると、解体費用は150万円程度かかることがわかります。

土地と建物込みの売却価格と、建物を解体して更地にした場合の売却価格を下記で比較してみました。

土地と建物込みの売却価格と建物を解体して更地にした場合の売却価格の計算式
解体せずに土地と建物を売却500万(土地)+500万(建物)=1,000万
解体して土地のみを売却500万(土地)ー150万円(解体費用)=350万

上記はあくまで一例で、実際は物件の立地や状態によって売却価格は異なります。

建物を解体して更地にすると住宅用地特例という税金を減額する特例が適用されなくなり、建物がある土地に比べて固定資産税が3倍以上高くなるので注意が必要です。

一概には言えませんが上記の内容をふまえると、建物を解体せずに事故物件として売却したほうが手元に残るお金が多くなります。

もし物件を解体せずに現状のまま売却する場合は、事故物件専門の買取業者に売却するのがおすすめです。

専門の買取業者なら、一般個人の買手が見つかりにくい事故物件も積極的に買い取ってもらえるからです。

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事故物件は更地にせずそのまま売却しよう

前述のとおり事故物件を建て替えたり更地にしても、建築費用や解体費用がかかるため、現状のまま事故物件を売却することを推奨してきました。

事故物件を現状で売却する際、大きく分けて「仲介」「買取」の2つの売却方法があります。

物件の状況によって最適な売却方法が異なるので下記で説明します。

仲介
売主が不動産を売却したい場合、不動産業者に依頼して購入希望者を探してもらう方法
買取
購入したい人を探さずに直接不動産会社に買い取ってもらう方法

仲介に依頼すべきケース

前提として、事故物件を仲介業者に依頼して売却することは推奨しません。

仲介業者に依頼する場合は、事故物件を購入する人が業者ではなく一般の個人になり、心理的抵抗感を生じる物件を避ける傾向にあるからです。

しかし、物件の状態や立地によっては事故物件でも購入したいと考える人がいるので、需要がある物件の条件を紹介します。

項目 内容
立地 駅から10分圏内・市街地から車で10分以内
築年・物件状態 築年数が10年以内・物件状態が良好

人によっては上記のような立地であれば、自殺や殺人が起きた物件でも購入したいと考えてる人は一定層いるので、仲介業者に依頼して買手を探してみる価値はあります。

実際に、弊社が独自に行った「家の購入で優先したこと」に関するアンケート調査でも、66.5%の人が「立地を優先」と答えています。

家の購入で優先したことのダントツ1位は「立地」家の購入で優先したこと

引用元:家を購入する際に優先したことと妥協したこと

ただ、事故物件は通常物件よりも売却価格が30-50%程度下がるので注意が必要です。

買取に依頼すべきケース

上記で記載した仲介に依頼すべき事故物件の条件に該当しても、心理的抵抗感を生じさせるため、一生買手が見つからない可能性はあります。

上記の条件以外は事故物件を買取業者に売却することを推奨していますが、わかりやすく条件を整理すると下記のようになります。

項目 内容
立地 駅から10分圏外・市街地から車で10分以上
築年・物件状態 築年数が10年以上・物件状態が不良

駅からも離れていて、市街地からも車で10分以上かかる場合は立地としての魅力もないので、買い手が現れる見込みはないに等しいです。

さらに、事故物件を所有しているだけで固定資産税や維持費がかかります。

そこで買い手が見つからない場合は、事故物件専門の買取業者に売却するのが得策です。

事故物件の活用方法に長けているため、一般の人が購入を避ける事故物件でも買い取れるからです。

もし、仲介業者に売却を依頼した場合、買い手は一般の個人になるので売却後に瑕疵がみつかると損害賠償などを請求されるリスクがあります。

しかし事故物件専門の買取業者に依頼すれば、契約不適合責任を免責して売却できるので、売主は買主から契約解除や損害賠償を請求される心配もありません。

専門の買取業者は事故物件の取り扱いに長けているため、瑕疵を把握した状態で買い取るからです。

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事故物件の活用方法

前章までは事故物件を売却する方法を紹介しました。

しかし、事故物件を売却せずに活用する方法もあります。

駐車場としての活用方法は賢い選択

土地の活用方法として事故物件を更地にして駐車場にするのは賢い選択です。

事故物件を建て替えて賃貸に出すまでの費用に比べて、駐車場は初期費用がかからないからです。

事故物件を建て替えると業者によって異なりますが、少なくとも1000万円以上はかかります。

駐車場にすると規模や経営方法によって異なりますが、初期費用が500万円以内で収まります。

駐車場経営の運営会社に土地を貸す場合は、初期費用をかけずに始められるのも大きなメリットです。

加えて、不動産投資の知識がなくても手軽にスタートでき、人の入退去もないので安定した収入を目指せます。

事故物件を建て替えて賃貸に出すのはおすすめしない

事故物件を建て替えて、賃貸に出すことは推奨しません。

更地にするためにかかる数百万円の解体費用に加えて、新しく建物を建てる費用がかさみ、投資した金額を回収するのに時間がかかるからです。

建て替えても心理的瑕疵が消えることはないので、新築でも事故物件として賃貸に出します。

通常物件よりも借り手が見つからないので、空室が増えて赤字の状態が続くリスクがあります。

そもそも事故物件が再建築不可物件の場合は、建て替えができません。

再建築不可物件
今建てられている建物を壊してしまった場合、再び新たな建物を建てることができない土地

建物を新しく建てるためには、幅員が4m以上ある道路に建物の敷地が2m以上接する必要があると、建築基準法で定められているからです。

推奨しませんが、もし事故物件を建て替えて賃貸に出す場合は、再建築できるか必ず確認してから建物を解体しましょう。

まとめ

事故物件を取り壊しても告知義務があることや、事故物件の売却について詳しく解説してみました。

事故物件を更地にしたり建て替えても、過去に人が亡くなった事実は消えないので告知義務があります。

また、告知せずに売却すると買主から契約解除や損害賠償の請求がくる可能性があるので注意が必要です。

事故物件を取り壊しても、過去に人が亡くなった土地として販売するので売却価格があがるわけではありません。

建物の解体費用として100万円以上かかるケースが多いので、更地や建て替えたりせず現状のまま売却するほうが手元に残るお金が多くなる可能性が高いです。

事故物件は取り壊さずに現状のまま売却することが賢明ですが、事故物件は買主に心理的抵抗感を生じさせるため買い手が見つからない可能性があります。

しかし、事故物件専門の買取業者に依頼することで、一般の個人が避けるような物件でも売却することができます。

弊社では事故物件を専門に取り扱う買取業者です。他社で断られた物件でも買い取ることができます。

事故物件を無料査定してますので、お気軽にお問い合わせください。

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事故物件の建て替えや更地についてよくある質問

告知義務を怠ると契約不適合責任を問われ、売主は買主から契約解除や損害賠償を請求される可能性があります。
事故物件の告知義務は売却と賃貸で期間が異なります。売却する場合は永久に告知義務があります。賃貸に出す場合は遺体が発見されてから、おおむね3年経過すれば告知する必要はありません。
事故物件を建て替えたり更地にしても、人が亡くなった事実は消えることはなく買主の購入判断に重大な影響を与えるため告知義務があります。
監修者
株式会社AlbaLink代表取締役の河田憲二です。同社は空き家や事故物件などの売れにくい不動産の買取再販を行う不動産業者です。同社が運営しているサービスサイトである「訳あり物件買取プロ」の運営者も務めています。同社は東京証券取引所東京プロマーケット市場にも上場している不動産会社になります。

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