空き家が社会問題に!放置するとたくさんのリスクが…
近年、増え続ける空き家が社会問題化しています。
総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、日本には約848.9万戸の空き家が存在します。
総住宅数が6,240万7,000戸なので、約7戸に1戸が空き家となっていることが分かります。
「令和5年住宅・土地統計調査」では空き家数は900万戸と過去最多、2018年から51万戸の増加、空き家率も13.8%と過去最高の割合になっていて、今後も空き家の数は増え続けると予測されており、2038年には全住宅の3戸に1戸が空き家になるとの試算も出ているほどです。
誰も住んでおらず、適切な管理が行き届いていない空き家は以下のような問題を起こしかねません。
- 老朽化した家屋が倒壊して近隣の住宅に被害を与える
- 雑草の繁殖などによって地域の景観が悪化する
- ゴミの不法投棄などによって悪臭が発生する
- 害虫や害獣が発生する放火や不法侵入など犯罪に利用される
そこで国は増え続ける空き家の数を抑制すべく、2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」を施行。
以下の状態にある家を「特定空き家」に指定し、自治体による指導・処分を行えるようにしました。
- 倒壊など保安上危険となる恐れがある
- ゴミによる悪臭など衛生上有害となる恐れがある
- 適切な管理が行われておらず景観を損ねている
- 動物の糞尿などによって周辺の生活環境を乱している
所有している家が特定空き家に指定されると、それまで適用されていた住宅用地の特例の対象外となり、固定資産税の負担が最大で6倍になります。
居住用の家屋が建っている土地に適用される固定資産税の減税措置。
200㎡までの部分は6分の1、200㎡を超える部分は3分の1に固定資産税額が軽減される
また、自治体の勧告に従わず引き続き管理を怠った場合は最大50万円以下の過料に処されるほか、最終的には行政代執行によって強制的に家屋が解体されてしまいかねません。
空き家などの所有者に代わって行政が適正管理に向けた措置を強制的に行うこと
数百万円にのぼる解体費用は、空き家の所有者が負担する必要があります。
所有している家が「特定空き家」に指定されるのを防ぐには、定期的な管理が不可欠といえます。
遠方に住んでいるなどの理由で空き家を自分で管理するのが難しい場合は、次の章でご紹介するようにリノベーションやリノベーションをしてから人に貸す方法も検討の余地があるでしょう。
また今後も空き家を活用する予定がないなら、売却して現金化する方法も選択肢のひとつです。
空き家の具体的な売却方法は、後述の「空き家のリノベーションが難しいなら売却を検討しよう!」の章で解説します。
なお、特定空き家については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
空き家をリノベーションして活用するビジネスが注目されている
増え続ける空き家問題の対策として注目を集めているのが、空き家をリノベーション・リフォームして以下の方法で活用するビジネスです。
ここでは、空き家を活用するビジネス事例を3つご紹介します。
賃貸
空き家にリノベーション・リフォームを施し、賃貸物件として人に貸し出して収益を上げる方法です。
築年数が古く、建物や設備の状態が悪い空き家を貸し出そうとしても、ほぼ借り手が見つかることはありません。
しかし、リビングをはじめとする生活空間、キッチンや浴室、トイレなどの水回りスペースを生活しやすい環境にリノベーションすることで、借り手が見つかりやすくなります。
空き家を賃貸物件として貸し出せば、毎月賃料を得られる点がメリットです。
また空き家の借り手が維持・管理をしてくれることから、自分で管理を行う手間が省けるほか、家屋の老朽化の進行を遅らせることもできます。
状態の悪い空き家をそのまま貸し出すより賃料を上げられる点も、リノベーションをするメリットです。
ただし、必ずしも借り手を見つけられるとは限らない点がデメリットとして挙げられます。
借り手がいなければ、家賃収入は得られません。
空き家を賃貸物件として活用する際には、賃貸需要のある地域なのか、どのくらいの年代の方をターゲットにすれば成功しやすいかなどをしっかりと検討する必要があります。
カフェ
飲食店経営に憧れている方は、空き家をリノベーションしてカフェとして活用するのも選択肢のひとつです。
所有している空き家でカフェ経営を行う場合は、当然ですが月々の家賃がかかりません。
テナントを借りてカフェを始めるよりもランニングコストを抑えられる点は大きなアドバンテージといえるでしょう。
また、カフェを始める際に必要なのは「飲食店営業許可」のみです。
消防法に基づく消防設備の設置基準も宿泊業などと比較すると緩いため、リノベーションの費用を抑えることもできます。
しかしカフェは飲食業のなかでも開業が容易であることから、競争が激しい点がデメリットとして挙げられます。
カフェがひしめくエリアで開業する場合には、思うようにお客を集められずに赤字に陥りかねません。
イートインコーナーを設置しているスーパーマーケット・コンビニエンスストアもライバルとなり得ます。
カフェ経営を成功させるには、事前の競合調査が欠かせません。
ほかのカフェにはないコンセプトや強みを打ち出せれば差別化が図れ、長く安定した経営を実現できるでしょう。
民泊
空き家をリノベーション・リフォームし、民泊として活用する方法もあります。
民泊とは、個人が所有している住宅を旅行者などに宿泊施設として貸し出すサービスです。
空き家を民泊として活用すれば、利用者から宿泊料を得られるメリットがあります。
国土交通省観光庁の「住宅宿泊事業の実態調査」によると、宿泊単価でもっとも多かったのは「5,000円以上1万円未満」でした。
民泊新法(住宅宿泊事業法)では営業日数が180日に制限されているので、宿泊料を1日5,000円と仮定すると、年間で90万円の収入を得られることになります。
また新たに物件を購入するわけではないため、最低限のリノベーション代、設備修繕費の負担程度で始められる点もメリットです。
ただし、賃貸物件として貸し出すときと同様に、利用者がいなければ収入を得ることはできません。
民泊を始めるにあたっては、宿泊需要の高いエリアか、周辺に競合となるリーズナブルな宿泊施設があるかなどをよく確認する必要があるでしょう。
地域によっては民泊としての営業が認められないことがあるので、民泊を始める際には自治体への事前確認が必須です。
空き家を民泊として活用する方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、空き家が観光地などにある方は参考にしてください。
なお、以下の記事では古民家の活用方法を10種類ご紹介しています。
空き家をリノベーションして活用した事例【2つの成功例】
空き家問題への取り組みとして、空き家をリノベーションして活用する動きが全国的に見られています。
そこでここからは、自治体・民間企業が空き家をリノベーションして活用した以下2つの成功例をご紹介します。
自治体の事例|丹波篠山市「町全体をホテルに」
兵庫県丹波篠山市において、歴史的資源である古民家を活用して観光まちづくりに取り組んだ事例です。
丹波篠山市はかつて篠山城の城下町として栄えた地域であり、2004年には東新町、西新町、南新町、北新町、河原町、小川町および立町の一部が「丹波篠山市篠山伝統的建造物群保存地区」に指定されました。
瓦屋根の平屋が建ち並ぶ旧商家町、萱葺き屋根と塀が特徴的な旧武家町の町並みがよく保存されており、毎年170万人ほどの観光客が足を運んでいます。
参照元:丹波篠山市観光交流部商工観光課|丹波篠山観光まちづくり戦略
しかし年々空き家の数は増加傾向にあり、総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」によると市内の空き家率は16.5%にのぼりました。
全国平均が13.5%であることを踏まえると、高い数値であることが分かります。
そこで丹波篠山市では空き家問題を解消すべく、古民家の再生による地域の活性化に着手。
「町全体をホテルに」をコンセプトとし、リノベーションによって再生した古民家を宿泊施設やレストラン、カフェなどとして活用して訪れた観光客が町を楽しく巡れるようなまちづくりを行っています。
築100年を超える町家を宿泊施設・NIPPONIAとして再生
引用元:兵庫県|令和5年度古民家再生促進支援事業
民間企業の事例|空き家活用サービス
近年は、空き家を活用してビジネスを展開する民間企業も少なくありません。
たとえば株式会社ジェクトワンでは、首都圏を中心に空き家活用サービス「アキサポ」を展開。
所有者から借りた空き家をジェクトワンが費用を負担してリノベーションを行い、一定期間第三者に貸し出して収益を上げる取り組みを行っています。
木造平屋の空き家をイタリアレストランとして再生
引用元:株式会社ジェクトワン|報道資料
空き家の所有者が費用や管理などを負担する必要はありません。
空き家をジェクトワンに貸すだけで、リノベーションによって物件の資産価値を上げられるだけでなく、毎月一定の賃料を得られる点がメリットです。
また契約形態は定期借家契約であり、契約期間の満了をもってリノベーション後の物件が戻ってくるところもメリットといえるでしょう。
契約期間の満了により賃貸借契約が終了する制度。
契約更新はない。
定期借家契約中の途中解約はできませんが、「自身で空き家を活用するつもりがないものの、思い入れがあって手放したくない」なら検討の余地があるでしょう。
その他の空き家対策の成功例は、以下の記事で解説しています。
併せて参考にしてください。
空き家をリノベーションする3つのメリット
空き家をリノベーションするメリットは、以下の3つです。
ただし、空き家のリノベーションにはメリットだけでなく、後述の「空き家をリノベーションする2つのデメリット」で解説するようにリスクも存在します。
空き家をリノベーションしようか迷っている方は、メリットとデメリットを踏まえたうえで慎重に検討することをおすすめします。
空き家をリノベーションする3つのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
空き家リスクを軽減できる
空き家をリノベーションすると、以下のリスクを軽減・回避できる点がメリットとして挙げられます。
- 倒壊リスク
- 犯罪リスク
- 資産価値の下落リスク
- 特定空き家に指定されるリスク
築年数が古く現行の耐震基準を満たしていない家であっても、リノベーションを行うことで耐震性や耐久性を高められて長く快適に暮らせるようになります。
老朽化が進んだ空き家とは異なり、リノベーションによってきれいな状態となった家には犯罪者や不審者が寄りつきにくくなる点もメリットです。
それに加えて資産価値を上げられるだけでなく、特定空き家に指定されるリスクも回避できるようになります。
空き家を所有し続けるリスクは以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
新築するより家が安く手に入る
空き家を取り壊して新たな家へと建て替えるには、数千万円以上の費用がかかることは珍しくありません。
しかし既存の空き家をリノベーションすれば、新築するよりも費用を抑えながら理想の住まいを手に入れられる可能性があります。
ただし、空き家の状態があまりにも悪い場合にはその限りではありません。
構造がシロアリに喰われていたり、水道管などの排水管が劣化していてすべて取り替えなければならなかったりするケースでは、新築よりも費用がかかる恐れがある点には注意が必要です。
買い手がつきやすくなる
空き家の外観や内装、設備をリノベーション・リフォームして新しくすることで、古いままの空き家よりも買い手がつきやすくなる点もメリットです。
空き家の資産価値も上がるため、より高い価格で売却できる可能性も十分にあるでしょう。
ただし空き家をリノベーション・リフォームしても、確実に買い手が見つかるとは限りません。
とくに以下の条件に該当する空き家は、リノベーションできれいな状態に再生しても立地の悪さを理由に売却できない恐れがある点に注意が必要です。
- 駅から徒歩15分以上かかる
- 近隣に日常生活の買い物ができる商業施設がない
- 周辺に学校などの教育機関が充実していない
実際、弊社が行ったアンケート調査によると、マイホームの購入を検討している方がもっとも重視する条件は「立地」でした。
参照元:訳あり物件買取プロ|【家を購入する際に優先したことと妥協したこと】経験者493人アンケート調査
売却を目的として立地の悪い空き家にリノベーションを行っても、買主が見つからずに費用が無駄になってしまいかねません。
そのため、あなたが所有している空き家の立地が悪く、そもそもの購入需要が少ない場合には、後述の「空き家のリノベーションが難しいなら売却を検討しよう!」で解説するように、リノベーションを行う前に専門の買取業者へ相談することをおすすめします。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、築年数が古く状態の悪い空き家を積極的に買い負っている専門の買取業者です。
過去には、訳あり物件専門の買取業者としてフジテレビの「newsイット!」にも紹介されました。
弊社には、状態の悪い空き家をリノベーションなどで再生して収益化できるようにする独自のノウハウがあります。
そのため、どれほど築年数が古い空き家であっても、問題なく適正価格で買い取ることが可能です。
立地が悪い空き家を売却したいなら、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。
>>【リノベーションせずに空き家を高額売却!】無料の買取査定を依頼
空き家をリノベーションする2つのデメリット
ここまで空き家をリノベーションする3つのメリットを解説してきましたが、以下2つのデメリットが存在する点も押さえておく必要があります。
空き家をリノベーションする2つのデメリットについて、詳しく解説します。
費用が膨大になる可能性がある
空き家をリノベーションする最大のデメリットは、工事費用が高額にのぼる恐れがある点です。
築年数の古い空き家の場合、目には見えない構造部分が腐っていたり、シロアリ被害にあっていたりするケースが少なくありません。
そのため、着工後に追加で費用が発生することがあります。
また、1981年以前に旧耐震基準で建てられた家はリノベーションに際して現行の耐震基準を満たすように耐震補強工事をしなければならず、相場よりも費用が高くなりがちです。
工事着手後に予想していなかった追加費用が発生することを防ぎたいなら、事前に施工業者に綿密な調査を行ってもらったうえで見積もりを出してもらうとよいでしょう。
ただし、リノベーションをして空き家の資産価値を高めたとしても、工事費用を回収できる価格で売却できるとは限りません。
空き家を売却して赤字になるのを回避するには、施工業者にリノベーション工事費用の見積もりを依頼するとともに、不動産業者に査定を依頼して売却価格の目安を立てておくことも大切です。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)では全国の空き家を無料で査定しています。
査定を依頼したからとはいえ無理な営業をかけることはいっさいありませんので、空き家をいくらで売却できるのかが知りたい方はお気軽にご活用ください。
>>【リノベーションせずに空き家を高額売却!】無料の買取査定を依頼
リノベーション工事費用は「空き家のリノベーションにかかる費用」の章で後述します。
理想の家を作れるとは限らない
空き家をリノベーションしても、理想の住まいにできるとは限らない点もデメリットといえます。
リノベーションをすれば、空き家の間取りや設備などを比較的思いのままに変更することが可能です。
しかし、通し柱や筋交いといった構造上必要不可欠な部材は撤去できません。
そのため、「2部屋をひとつにして開放的なリビングを作りたい」と考えても、構造的に実現が不可能なケースも少なくないのです。
また、建築基準法の制限を超える増改築もできません。
戸建て住宅の建築面積は、敷地ごとに設定されている建ぺい率と容積率によって制限されています。
建ぺい率
敷地面積に対する建築面積の割合
容積率
敷地面積に対する延床面積の割合
たとえば、あなたが所有している空き家の敷地面積が100㎡、延床面積が100㎡、建ぺい率が60%、容積率が100%のときに建築できる家の最大面積は以下のとおりです。
【1階の最大床面積】
100㎡×60%=60㎡
【1階と2階の最大延床面積】
100㎡×100%=100㎡
つまり上記のケースでは、2階建てを3階建てに増築したり、1階の床面積を敷地いっぱいにまで広げたりといったリノベーションは行えないということです。
空き家の大規模な増改築を行いたいなら、施工業者にその旨を伝えてできるかどうかを確認しておきましょう。
空き家のリノベーションにかかる費用
一口にリノベーションといっても、空き家の構造だけを残して全面的に改築する「フルリノベーション」なのか、設備など一部のみを取り替える「部分リノベーション」なのかによって費用は大きく異なります。
リノベーション後の後悔を防ぐためにも、事前に費用相場を把握しておきましょう。
ここでは、空き家のリノベーションにかかる費用相場を以下3つの項目に分けて解説します。
フルリノベーション
フルリノベーションは構造以外を全面的に改修する工事となるため、費用も500~2,000万円ほどはかかると見込んでおいたほうがよいでしょう。
平米単価に換算すると、1㎡8~22万円ほどです。
たとえばフルリノベーションの施工面積が70㎡だったときにかかる費用は、以下のとおりです。
70㎡×8~22万円=560万円~1,540万円
デザインや間取り、建材、設備などにこだわると、工事費用はさらに高くなります。
また、築年数が古い旧耐震基準の家をリノベーションするときは、耐震補強工事費用として別途180万円ほどの費用が必要です。
参照元:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合|木耐協耐震診断結果調査データ
ケースによっては、建て替えたほうが安いこともある点に注意が必要です。
少しでも費用を抑えたいなら、「いまの間取りを活かす」「設備のグレードにこだわらない」「複数の施工業者に見積もりを依頼する」などの工夫をするとよいでしょう。
部分リノベーション
築年数がそこまで古くなく、建物の状態も比較的良いなら劣化している箇所のみをリノベーションするのも選択肢のひとつです。
施工箇所別のリノベーション費用の相場は以下の表のとおりです。
施工箇所 | 費用相場 |
---|---|
壁紙張り替え | 800から1,000円/㎡ |
フローリング張り替え | 1万円/㎡ |
間仕切り壁の撤去・部屋の拡張 | 5~100万円 |
ユニットバス交換 | 50~150万円 |
トイレ交換 | 10~50万円 |
キッチン交換 | 50~150万円 |
屋根の修繕・交換 | 50~400万円 |
外壁の修繕・交換 | 50~400万円 |
内装や設備のグレードにこだわるほど、リノベーション費用が高くなる点に注意しましょう。
その他諸費用
空き家のリノベーションを行う際は、工事費用以外にも以下の諸費用がかかる点を考慮しておく必要があります。
費用の名目 | 費用相場 |
---|---|
ローン諸費用 | 借入額×2~3% |
設計費 | 工事費×10~20% |
建築申請手数料 | 15~50万円 |
引っ越し代 | 20~30万円 |
リフォームローンを組んでリノベーションを行う場合は、金融機関へ支払う融資手数料やローン保証料、契約書にかかる印紙税など借入額の2~3%ほどの諸費用が発生します。
たとえば2,000万円のローンを組んだときには、以下の費用を負担する必要があります。
ローン諸費用=2,000万円×2~3%=40~60万円
施工業者によっては、設計費として工事費の10~20%ほどの金額を請求されることもあります。
少しでも費用の負担を軽減したいなら、設計費のかからない施工業者に依頼するとよいでしょう。
そのほか、フルリノベーションなど工事が大規模だった場合には自治体に建築確認申請を行わなければならず、手続き費用として15~50万円ほどが加算されます。
また、リノベーション工事後の空き家に住むのなら、現在の家から引っ越す費用として20~30万円ほどの費用を見積もっておく必要もあるでしょう。
リフォームローンの適正金利についてさらに詳しく知りたい方はこ
空き家のリノベーションに利用できる3つの補助金
空き家のリノベーションにかかる費用を節約したい方は、国や自治体が提供している補助金制度を活用しましょう。
ここでは、以下3つの補助金制度の概要と適用条件を解説します。
給湯省エネ2024事業
給湯省エネ2024事業は、家庭内でもっともエネルギーを消費する給湯器を「エコキュート」や「エネファーム」などの高効率給湯機に変更した際に最大で18万円を補助する制度です。
高効率給湯器に変更すると、一般的な給湯器と比較して年間のランニングコストが約半分に軽減されるといわれています。
そのため、リノベーションを機として給湯器を交換すれば、光熱費を節約できるようになるでしょう。
高効率給湯器の設置には40~60万円ほどの費用がかかるデメリットがあるものの、補助制度を使うと負担を軽減することが可能です。
給湯省エネ2024事業は2024年12月31日までに工事に着手すれば補助対象となりますが、予算の上限額に達した時点で受付が終了となる点に注意が必要です。
なお、次にご紹介する「子育てエコホーム支援事業」との併用はできますが、同一機器に対して両方の事業の補助金を受け取ることはできません。
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、住宅の省エネリフォームを行った際に最大で60万円を補助する制度です。
補助の対象となるリフォーム工事は、以下のとおりです。
- 開口部の断熱改修
- 外壁、屋根・天井または床の断熱改修
- エコ住宅設備の設置
- 子育て対応改修
- 防災性向上改修
- バリアフリー改修
- 空気清浄機・換気機能付きエアコンの設置
- リフォーム瑕疵保険などへの加入
4~8に該当するリフォーム工事は1~3のいずれかと同時に行わなければ補助の対象とはなりません。
また、リフォーム金額が5万円に満たない場合も補助の対象外です。
ただし同制度を利用するには、子育てエコホーム支援事業に登録している施工業者と工事請負契約を締結する必要があります。
登録していない施工業者に依頼しても補助制度は受けられないので、注意しましょう。
この補助制度も予算の上限額に達成したら受付が終了となるため、利用するなら早めの申請をおすすめします。
自治体の住宅リフォームに関する支援制度
給湯省エネ2024事業と子育てエコホーム支援事業はいずれも国が主導していますが、各自治体もリノベーション・リフォームに際してさまざまな補助制度を実施しています。
たとえば東京都世田谷区には、1981年5月31日以前に建てられた木造住宅の耐震改修工事を行う際に最大で30万円を補助する「世田谷区木造住宅耐震化支援事業」があります。
また岡山県岡山市では、1981年以降に建てられた空き家のリフォーム工事に際して費用の3分の1を補助(上限は50万円)する「空家等適正管理支援事業」を実施し、空き家の活用に取り組んでいます。
自治体の補助制度をうまく活用すれば、リノベーション費用の軽減が可能です。
空き家のリノベーション・リフォームに際して使える補助制度がないかどうか、空き家の所在地を管轄する自治体に確認してみてください。
き家をリノベーションする際の3つの注意点
空き家をリノベーションするときには、以下3つの注意点を押さえておきましょう。
それぞれの注意点について、詳しく解説します。
DIYは慎重に行う
空き家にかかるリノベーション費用を少しでも節約したいなら、自分のできる範囲でDIYを行うのも選択肢のひとつです。
たとえば6畳の部屋のクロスを自分で張り替えたら、2万円ほどの材料費を負担するだけで済みます。
しかし、間取りの変更を伴うリノベーションや水回り・電気回線など専門工事が必要なリフォームは業者に依頼したほうが安心です。
そもそも、電気工事や排水管工事などは資格を持った方でなければ行えません。
リノベーション費用を抑えたいからといって、むやみやたらにDIYを行うのは避けたほうがよいでしょう。
耐震基準を確認する
空き家のリノベーションを行う前には、現行の耐震基準を満たしているかどうかも確認しておきたいポイントのひとつです。
住宅を建てるときに守らなければならないルールである建築基準法は、1950年に制定されました。
しかし1978年に発生した宮城県沖地震で多くの木造住宅が倒壊する被害にあったため、1981年に大改正が行われて耐震基準が強化されることになったのです。
1981年5月31日までに建築確認が完了した家は「旧耐震基準」、6月1以降に建築確認申請を受けた家は「新耐震基準」と呼ばれます。
旧耐震基準の家は「震度5強の地震でも倒壊しないレベル」であるのに対して、新耐震基準の家は「震度6強~7程度の地震でも倒壊しない」強度を持っている点が特徴です。
耐震基準は過去に遡って適用されないため、旧耐震基準の家であっても違法というわけではありません。
ただし旧耐震基準の家には「住宅ローン控除を利用できない」「担保評価が低く住宅ローンを組みにくい」などのデメリットがあるため、売りに出しても買い手が見つかりにくいのが実情です。
旧耐震基準の家を売却するには、前述のように約180万円の費用をかけて耐震補強工事を行い、現行の耐震基準を満たすようにする必要があります。
なお、空き家が旧耐震基準であっても、専門の買取業者ならスピーディーに売却できます。
専門の買取業者は買い取った空き家をリフォームしてから活用するので、旧耐震基準でもとくに問題にはならないのです。
耐震補強工事が必要となってリノベーション費用が予想以上に高額になってしまった場合は、リノベーションを行わずにそのままの状態で専門の買取業者に売却するのもひとつの方法といえます。
弊社AlbaLink(アルバリンク)でも、旧耐震基準の空き家を現状で買い取っております。
空き家の売却に際して余計な費用を負担したくない方は、お気軽にご相談ください。
>>【リノベーションせずに空き家を高額売却!】無料の買取査定を依頼
なお、旧耐震基準の空き家でも問題なく売却できます。
以下の記事では旧耐震基準の空き家を高額で売却するコツを解説しているので、併せて参考にしてください。
空き家の状態を確認する
リノベーションを行う前には、空き家の状態をしっかりと確認するようにしましょう。
とくに築年数が古く管理が行き届いていない空き家は、柱や土台など内部の構造が傷んでいるケースが多い点に注意が必要です。
既存の構造で耐震基準や必要な耐久力を確保できない場合は構造部材ごと取り替えなければならず、結果的に新築にかかる費用とさほど変わらないといったケースも珍しくありません。
空き家のリノベーションに高額な費用がかかる場合は、次の章で解説するように売却を検討したほうがよいでしょう。
空き家のリノベーションが難しいなら売却を検討しよう!
ここまで、空き家をリノベーションするメリットやデメリット、工事費用の相場、利用できる補助制度についてご紹介してきました。
しかし、「自分で住む」「店舗経営を行う」など何らかの目的があって空き家をリノベーションするならともかく、売却するためだけに多額の費用をかけるのは得策ではありません。
リノベーションをしても、工事費用を回収できるほどの金額で売却できるとは限らないためです。
「空き家の状態が悪く、リノベーションにかかる工事費が高額にのぼる」「今後も空き家を使う予定がない」場合は、そのままの状態で売却を検討することをおすすめします。
空き家の売却方法は、以下の2通りです。
それぞれの売却方法について、詳しく解説します。
なお、以下の記事では仲介と買取の違いについて詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
仲介業者に売却を依頼する
仲介業者は、不動産を売りたい売主と買いたい買主の間に立ち、売買契約の成立をサポートする不動産業者です。
仲介業者に空き家の売却を依頼すると、あなたに代わって買主を探してくれます。
仲介では、マイホームの購入を検討している方が買い手となります。
そのため、あなたの空き家が以下の条件を満たしていれば、市場相場に近い価格で売却できる可能性があるでしょう。
- 築年数が20年以下
- 駅から徒歩10分以内
- 商業施設・医療機関・教育施設などが充実している
ただし、空き家を仲介で売却するには一般的に3~6か月ほどの期間がかかるといわれています。
空き家の立地や状態が悪ければ、それ以上の時間がかかることも珍しくありません。
空き家を売りに出しても半年以上買い手が見つからない場合には、次の見出しでご紹介するように専門の買取業者への売却を検討するとよいでしょう。
専門の買取業者に買取を依頼する
専門の買取業者は、自社が買主となって顧客から直接物件を購入する不動産業者です。
買主を探す必要がない分、仲介よりも売却期間を短縮できる点が特徴です。
専門の買取業者には、仲介では買い手の見つからないような物件をリフォームなどで再生して収益化できるようにする独自のノウハウがあります。
そのため、駅から遠く離れていたり、築年数が古くぼろぼろの状態だったりする空き家でも問題なく買い取ってもらえます。
ただし一口に買取業者といっても、得意としている物件種別は業者ごとに異なる点に注意が必要です。
たとえば土地の買取に特化している買取業者に空き家の売却を依頼しても、活用ノウハウがないために安く買いたたかれてしまいかねません。
その点、弊社AlbaLink(アルバリンク)のように空き家の買取を専門としている買取業者には最低限のコストでリフォームして商品化できるノウハウがあるので、より買取価格に還元することが可能なのです。
所有している空き家を少しでも高く売却したいなら、空き家の買取実績が豊富な買取業者に相談するとよいでしょう。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は空き家の買取に特化している専門の買取業者です。
年間の買取実績は600件を超え(2023年1月~10月実績)、以下のようにお客様からも高評価をいただけております。
弊社なら、あなたの空き家をできる限り高額で、かつスピーディーに買い取ることが可能です。
査定は無料で行っておりますので、「空き家がいくらで売れるのかが知りたい」方は、お気軽にお問い合わせください。
査定を依頼したからとはいえ、無理な営業をかけることはありませんので、ご安心して活用いただければ幸いです。
>>【リノベーションせずに空き家を高額で売却!】無料の買取査定を依頼する
なお、以下の記事では空き家の買取を専門としている買取業者を30社ご紹介しています。
空き家を売却するにあたってどの買取業者へ相談すればよいのかが分からないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
まとめ
空き家をリノベーションすると、倒壊リスクや自治体から特定空き家に指定されるリスクなどを回避できます。
また外観や内装、設備などを一新することで、買い手が見つかりやすくなる点もメリットです。
しかし、空き家の状態によってはリノベーションに2,000万円以上のコストがかかるケースは少なくありません。
リノベーションをしても、立地によってはまったく買い手が見つからずに工事費用がそのまま赤字としてのしかかる恐れがある点にも注意が必要です。
空き家のリノベーションに想定以上の工事費用がかかり、実現が難しそうな場合はそのままの状態で売却を検討するのも選択肢のひとつです。
立地や建物の状態が悪い空き家の買い手を仲介で見つけるのは難しいといわざるを得ませんが、専門の買取業者に依頼するとスピーディーに買い取ってくれます。
専門の買取業者には空き家に新たな価値を付加して再販できる活用ノウハウがあるためです。
当サイトを運営している弊社AlbaLink(アルバリンク)は、空き家の買取に特化している専門の買取業者です。
買取実績が豊富な弊社なら、あなたの空き家をできる限り高く、かつ迅速に買い取ることができます。
「1日でも早く空き家を手放したい」「リノベーション費用を負担せずに空き家を売却したい」とお考えの方は、ぜひ弊社へお気軽にご相談ください。