こんな一棟アパートは買取が最適!【10のケースを紹介】
一棟アパートの所有とは、一部屋ではなく建物まるごと一棟を所有している状態を指します。
不動産の売却方法には、居住用物件を求める買主をメインターゲットに販促活動をする「仲介」と、自社で運用・投資家へ再販を目的に直接買い取る「買取」の2つがあります。
一棟アパートを購入する人は、主に投資目的で購入する業者・投資家であるため、「買取」に依頼したほうが買い手は見つかりやすいです。
一棟アパートの買取が最適なケース10選は以下のとおりです。
- 空室が発生している
- 家賃が相場より安い
- 家賃滞納が発生している
- 建物の老朽化が激しい
- アパートの立地が悪い
- 事故物件となってしまった
- 再建築不可物件である
- アパートの相続で揉めている
- アパートローンが残っている
- 売却費用を安く抑えたい
まずは、上記が一棟アパートに該当するか否かを確認し、本当に買取が最適な選択肢なのかを見極めましょう。
なお、仲介・買取の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
空室が発生している
空室が発生している一棟アパートは買取がおすすめです。
空室が発生している一棟アパートは収益性が低いと判断されるため、投資家から敬遠される傾向にあります。
前述したように、一棟アパートを購入する人は少数派であるため、満室状態など売れやすい条件を兼ね備えていない限り、売却活動が長引きやすいです。
売却期間が長引くと、アパートの維持管理費が着々とかかり続けて、金銭的な負担を強いられてしまいます。
たとえば、アパートを維持管理するのにかかる費用は以下のようなものが挙げられます。
このように、アパートの維持管理費には毎年かかる費用もあれば、毎月支払いが必要な項目もあります。
買取業者であれば、自社で運用するノウハウをもつため、空室が発生している一棟アパートでも問題なく売却可能です。
また、買取業者が直接の買主となり平均1週間〜1ヶ月というスピード感で買い取るので、アパートの維持費がいつまでもかかり続ける心配がありません。
「一棟アパートを早く売りたい」という方は買取が適していると言えます。
家賃が相場より安い
家賃を相場より安く設定してしまっているアパートは買取がおすすめです。
家賃が相場以下だとアパート経営を継続していくために家賃の値上げが必要になりますが、それには一定の要件を満たす必要があるからです。
借地借家法32条1項では賃料の増減について、以下のように定められています。
第三十二条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
つまり、「契約時より固定資産税が上がった・周辺相場より著しく家賃が安い、などの事情があれば、借主に値上げを請求してもよい」という内容です。
しかし、上記の要件を満たすには、現在の家賃が「不相当」であるという旨を、根拠となる資料をもとに入居者に説得する必要があります。
入居者に家賃の値上げ交渉をする手順は、大まかに以下の流れです。
- 値上げが正当な理由であることを明記している文書を作成する
- 必要に応じて納税書等の証明書類を入居者に提示する
- 入居者から合意を得られたら、賃料改定の覚書を作成する
納税書は、毎年4月〜6月頃に自宅へ送付される「固定資産税納税通知書」に税額の記載があります。
固定資産税を算出する元となる「固定資産税評価額」は3年に1回見直しが行われるため、評価額が上がる前の通知書も持参しましょう。
ただ、家賃の値上げには一定のリスクが伴い、入居者の退去や訴訟につながる可能性もゼロではないため、アパート所有者が金銭的・精神的な負担に負う恐れがあります。
しかし、買取業者に売却を依頼すると、所有者が家賃の値上げ交渉を行わず、そのままの状態で買い取ってもらえます。
買取業者はアパートを買い取った後に、入居者にもメリットがあるよう値上げ交渉を行えるので、相場よりも安い賃料設定の物件も問題なく買い取れるのです。
「入居者と交渉するのが不安」という方は、買取業者に丸投げする形で売却しましょう。
家賃滞納が発生している
家賃滞納が発生しているアパートも買取業者への売却が適しています。
アパートのオーナー自身が滞納者から滞納分の家賃を回収したり、立ち退きを申し出たりするのは膨大な労力とコストが伴うからです。
滞納者に「家賃を支払ってほしい」と一報入れただけで支払われるケースはほとんどなく、滞納が続けば必然的に立ち退きを求める形になります。
借地借家法第27条では、オーナーが入居者に解約を求めるには原則、解約日の6ヶ月前までに告知が必要と定められています。
そのため、内容証明郵便の送付から強制執行が完了するまでスムーズに進んでも1年以上の時間が必要です。
くわえて、強制執行が出ても、家賃滞納者に支払い能力がなければ回収できないため、手間と時間をかけたわりに費用倒れになる可能性が高いのです。
所有するアパートに家賃滞納者が入居しているなら、そのままの状態で買取業者に買い取ってもらいましょう。
買取業者は法に則って入居者と交渉し、問題解決するスキルがあるため、家賃滞納者が居ても買い取ってもらえます。
なお、立ち退きを拒否されたときの対処法については、以下の記事で詳しく解説しているので興味がある方はお読みください。
建物の老朽化が激しい
建物の老朽化が激しいアパートも、買取業者に買い取ってもらいましょう。
老朽化が進んだ一棟アパートをリフォームして売れやすい状態にしてから売却するには、膨大な費用がかかります。
かといって、適切なリフォームを行わず売却をすると、契約不適合責任に問われて損害賠償や契約解除を強いられる可能性があります。
契約書に記載のない欠陥が売買契約の後に発覚した場合、買主・借主が売主に対して責任追及できる制度
老朽化を抱えた不動産はどこに欠陥が隠れているか見当がつかないため、修繕をしないまま売却するのは危険です。
しかし、買取業者に買い取ってもらう場合、契約不適合責任を免除で買い取ってもらえます。
買取業者は、買い取った後に家屋の欠陥が発覚したとしても、最低限のコストで再生するノウハウを持ち合わせているからです。
一棟アパートの売却と同時に、金銭的リスクなどからも解放されるのは、買取業者に売却するメリットと言えます。
なお、契約不適合責任については以下の記事で詳しく解説しています。
アパートの立地が悪い
立地の悪い一棟アパートも、買取に向いている不動産と言えます。
居住用の物件においては「立地がすべて」と言われるほど、立地は買主・借主の生活環境に多大な影響を与えるからです。
実際に、「家を購入した経験のある493人に聞いたアンケート調査」では、家の購入で優先された要素の1位は「立地」という調査結果になりました。
上記は「家を購入した人」を対象にしたアンケートですが、居住用の物件である限り、賃貸・売買問わず立地は重要視されます。
アパートの立地が悪いと、賃料が予算内で理想的な間取りをしていても、入居者が見つかりにくく、入居付けの難しさを懸念して不動産投資家が「購入しない」を選択する可能性が高まります。
一般的に好立地は、都内のアパートなら「最寄り駅から徒歩10分圏内」「主要駅まで乗り換えせずアクセスできる」など、交通の便の良さを指す場合が多いです。
交通の便が悪い一棟アパートは、買取業者に依頼して最短ルートで売却するのが得策です。
事故物件となってしまった
事故物件とは、不動産の分野で使われる言葉で、一般的には過去に人の死が発生した物件を指します。
事故物件は住む人に心理的抵抗感を与えてしまうため、売買・貸借が難しくなります。
実際に、弊社が行った「賃貸住宅を選ぶ際に事故物件かどうかを気にするか」をテーマにしたアンケート調査でも約9割の人が抵抗感を抱くという結果になりました。
このように、住まいを探す上で事故物件かどうかを気にする人は大多数であるため、売却活動が難航しやすいと言えます。
しかし、事故物件の買取実績が多い買取業者なら、告知事項を抱えているアパートでも問題なく買い取れます。
なぜなら、専門の買取業者は事故物件をリメイクして収益化につなげる再生ノウハウを熟知しているからです。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は事故物件に強い買取業者です。
日本全国の事故物件を数多く買い取ってきた実績があり、安価に取引されやすい訳あり不動産も適正価格で買取しています。
事故物件であることが原因で売れない一棟アパートは、ぜひ一度弊社にお問い合わせください。
もちろん、相談のみの問い合わせも大歓迎です。
>>【事故物件のアパートでも高額売却!】無料の買取査定を依頼する
アパートが事故物件になった時の対応・活用方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
再建築不可物件である
再建築不可物件のアパートも専門の買取業者への売却が適しています。
再建築不可物件とは現行法に適合しておらず、建て替えができない土地を指します。
再建築できない要因はいくつかありますが、もっとも多いのは接道義務を満たしていない物件です。
接道義務とは、建築基準法43条で定められている幅員4m以上の道路に、敷地が2m以上接していなければならない義務です。
当然ですが、一棟アパートを購入する投資家は、長期的に収益化するつもりであるため、建て替えできないのは大きな懸念材料となります。
ですが、専門の買取業者なら、建て替えができない土地に見合った活用ノウハウを多くもっているため、再建築不可物件でも問題なく買い取れます。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、再建築不可物件の買取実績が豊富な買取業者です。
所有する一棟アパートが再建築不可物件でしたら、弊社に一度ご相談ください。
あなたの一棟アパートの特徴に見合った活用ノウハウを駆使して、高確率・適正価格で買い取れるよう全力で対応いたします。
>>【売れない再建築不可物件でも高額売却!】無料の買取査定を依頼する
なお、再建築不可物件の概要について詳細を知りたい方は、以下の記事もあわせてお読みください。
アパートの相続で揉めている
一棟アパートが相続物件で、不仲な他の相続人と共有関係である場合、買取に売却したほうがよいです。
共有名義の不動産は、修理など現状を維持する行為以外は、貸借も売却も共有者の過半数、もしくは全員の合意が必要になるからです。
共有不動産全体を売却できない場合、一つの不動産に対してそれぞれがもつ所有権の割合である「共有持分のみ」の売却をすることになります。
ただし、共有持分のみを買い取ったところで自由に活用できない不動産であるため、売り出しても買主が見つからないのが実情です。
しかし、一棟アパートの共有持分も専門の買取業者であれば、問題なく売却可能です。
共有持分に強い買取業者は、共有持分を買い取った後、他の共有者からも持分を買い取る交渉を行い、単独名義の一つの不動産にして第三者に再販します。
専門の買取業者は、弁護士や税理士などの専門家と連携があるため、入居者とのトラブルの心配もありません。
弊社AlbaLink(アルバリンク)もこれまで数多くの共有持分をトラブルなく買い取ってきた経験がございます。
相続で揉めているアパートの所有でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
もちろん、相談のみの問い合わせも大歓迎です。
>>【共有持分のみで高額売却・トラブル解消】無料の買取査定を依頼する
なお、共有名義・共有持分については以下の記事で詳しく解説しています。
アパートローンが残っている
アパートローンとは、投資用の目的で戸建てやアパートなどを建築・購入する時に利用するローンです。
前提として、ローンが残っており「預貯金 + アパートの売却金」でローンが完済できないなら、アパートは売却できません。
しかし、専門の買取業者は、売主がローンを完済できるよう「買取金額の調整」「資金調達方法のアドバイス」などが行えるため、ローンが残った状態の相談でも売却を実現しやすくなります。
専門の買取業者は、ローン返済が困難になった時、債権者(金融機関)に許可をもらい不動産を売却する方法である「任意売却」の扱いに長けているためです。
任意売却の不動産は債権者へ合意をもらう過程があるため、取り扱える不動産は多くありません。
そのため、ローンの残債が支払えない一棟アパートは、専門の買取業者に相談して売却を実現するのが有効な手段なのです。
なお、任意売却について詳細を知りたい方は、以下の記事もあわせてお読みください。
売却費用を安く抑えたい
売却費用を安く抑えたい場合も買取業者がおすすめです。
買取業者はアパートを買い取った後に、自社でリフォーム等を施して商品化します。
商品化コストを差し引いた価格で売却価格を提示するため、売主がリフォーム費用を新規で用意する必要がありません。
くわえて、買取業者が直接の買主であるため、仲介業者で成約した際に業者に支払う「売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税」の仲介手数料も不要です。
【一棟アパートを2,000万円で売却した場合の仲介手数料の計算例】
(2,000万円 × 3% + 6万円)×1.1(消費税) = 72万6,000円
売却費用を抑えたい場合、買取業者にそのままの状態で買い取ってもらうのが得策です。
一棟アパートの買取利益が増えやすい8つのタイミング
ここまで、買取が最適な一棟アパートの特徴10選について解説しました。
一棟アパートの買取を依頼する際に、次に紹介する諸条件が揃っていれば、より買取利益は増やせます。
一棟アパートの買取利益が増えやすい8つのタイミングは以下のとおりです。
- 売り手市場である
- 一棟アパートの利回りの相場は7%〜8%
- 築20年以内である
- エリア内で開発が行われている
- 減価償却が終了した
- デッドクロスが発生した
- 満室になった
- 所有期間が5年以上になった
トータルの売却益が最大限に増やせるよう、諸条件を理解して売却しましょう。
売り手市場である
売り手市場の時期に売却すると、同じ不動産でも売却益が多くなりやすいです。
売り手市場とは、商品を売る人よりも買う人のほうが上回っており、売る人にとって有利な条件を提示しやすい市場です。
売り手市場の時期であれば、購入希望者が多くいる分、多少強気な価格設定でも売却が決まりやすくなります。
一棟アパートが売り手市場かどうかを調べる方法として、国土交通省が毎月公表している「不動産価格指数」を確認するのも一つの手段です。
これは、年約30万件の不動産取引情報をもとに、2010年平均を100として指数化した時に「どれくらい価格が変化したのか」を表し、市場の動向を大まかに把握するのに役立ちます。
2022年〜2023年の一棟アパートの売買における指数は以下のとおりです。
2022年 Q1 | 151.2 |
---|---|
2022年 Q2 | 155.3 |
2022年 Q3 | 156.2 |
2022年 Q4 | 157.4 |
2023年 Q1 | 158.4 |
2023年 Q2 | 158.7 |
2023年 Q3 | 157.8 |
参照元:国土交通省|不動産価格指数
なお、「Q」とは四半期決算を表しており、Q1は「4月~6月」 Q2は「7月〜9月」Q3は「10月〜12月」Q4は「1月〜3月」を意味します。
上記の数値からは、全国的に一棟アパートの価格が上昇傾向にあり、売り手市場である可能性が高いと推測できます。
一棟アパート価格指数は、国土交通省の公式サイトで「最新データ」の欄にある「不動産価格指数(商業用不動産)」をクリックすると閲覧可能です。
このように、市場の動向を確認して、ベストな売却のタイミングを伺うのも一つの手段です。
一棟アパートの利回りの相場は7%〜8%
一般的に、一棟アパートの利回りの相場は7%〜8%程度です。
利回りとは、賃貸経営をする際に、物件の購入費に対して1年間の家賃収入がどれくらいの割合になるかを数値化したものです。
たとえば、家賃収入が物件の購入費の10%なら10年間で回収できる、という単純計算ができます。
利回りには、上記のように単純計算で算出する「表面利回り」と、諸経費を差し引いた「実質利回り」の2つがあり、まず、表面利回りの計算例を紹介します。
アパートの購入費5,000万円・年間家賃収入500万円で計算した時の表面利回りは以下のとおりです。
表面利回り = 年間家賃収入の合計額 ÷ 物件の購入費 × 100より、
500万円(年間家賃収入) ÷ 5,000万円(物件の購入費) × 100 = 10%
上記のアパートの例では、10%が表面利回りと計算できます。
次に、実質利回りの計算式を見ていきましょう。
実質利回りの計算は表面利回りの計算式に、「年間諸経費」「購入時の諸経費」の2つが加わります。
アパートの購入費5,000万円・年間家賃収入500万円・年間諸経費200万円・購入時の諸経費200万円での実質利回りの計算式は以下のとおりです。
より、
(500万円 – 200万円) ÷ (5,000万円 + 200万円) × 100 = 約5.7%
上記の計算例では、約5.7%が実質利回りと計算できました。
一般的なアパートの表面利回りで7%〜8%程度ですが、実質利回りで計算した時に、理想的なラインは5%・最低ラインは3%と言われています。
当然ですが、利回りが高いほうが売却価格を有利にしやすいため、一棟アパートの利回りが高いのであれば、価格交渉の時に積極的に提示しましょう。
築20年以内である
一棟アパートは築20年以内で売却するのも買取利益を高めるポイントです。
一般的に不動産の売却価格は築年数の経過と共に下落していくためです。
国土交通省の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」の資料では、築年数に応じて以下のように売却価格が変動しています。
このように、新築時をピークに築20年を迎える頃には、木造戸建て住宅は新築時の20%・中古マンションは60%程度まで下落しています。
日本の中古住宅は、後述する法定耐用年数を参考にして価値が評価される傾向にあります。
ですので、所有するアパートが木造なのであれば、築20年で20%程度まで下落すると予想が可能です。
木造住宅は下落スピードが早いため、できる限り早期に売却したほうが高額売却につながりやすくなります。
エリア内で開発が行われている
一棟アパートの所在するエリア内で開発が行われていると売却価格が高くなりやすいです。
物件周辺で大規模な商業ビル・新しい駅などが開業すると、入居ニーズが高まるため、将来性を見込んだ投資家が購入の対象にするからです。
したがって、一棟アパートの所在するエリアによっては購入価格よりも売却価格が上回る可能性があります。
開発エリアは、各都道府県のホームページで確認可能です。
たとえば、東京都の場合、東京都都市整備局の公式サイトの「市街地再開発事業について」のページで、どの駅に、どのような建築物が建設される予定なのかがわかります。
開発が行われているエリアに該当するのであれば、価格交渉でも有利になりやすくなります。
減価償却が終了した
節税効果を使い終えたタイミングである「減価償却の満了時」も売却に適しています。
減価償却とは、物件の購入代金を定められた使用年数(法定耐用年数)で分割して経費計上する手続きです。
不動産においては建物の構造別に建物の法定耐用年数が、以下のように定められています。
建物の法定耐用年数 | |
---|---|
構造 | 法定耐用年数 |
鉄筋鉄骨コンクリート造 | 47年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
鉄骨造(鉄骨の厚さで異なる) | 19年〜34年 |
木造 | 22年 |
たとえば、5,000万円の木造アパートを新築で取得したとすると、「5,000万円 ÷ 22年」で、毎年約227万円の節税効果が得られていたはずです。
しかし、22年目を迎えた翌年からは節税効果がなくなるため、一つの不動産売却の節目になります。
一棟アパートの節税効果を使い終わってから売却すると、買取利益を増やしやすいでしょう。
デッドクロスが発生した
デッドクロスが発生したタイミングも、アパートの売却に適しています。
ローンの元金返済額が減価償却費を上回っている状態である「デッドクロス」が発生すると、手元のキャッシュが枯渇する可能性があるからです。
一般的にアパートローンを組む際に選ばれる「元利均等返済」は、返済額は毎月一定であるものの、内訳としては年々元金部分が増える返済方法です。
ローン返済においては、利息部分は経費に計上できますが、元金部分は経費にできません。
したがって、ローン返済が進むにつれて経費に計上できない元金部分だけが増え続けます。
減価償却期間中はアパートの購入費が経費計上できるので、税の負担は減らせますが、期間が終わると「手元のキャッシュは減るのに経費にならない支出が多い状態」に陥るのです。
そのため、デッドクロスが発生したタイミングで売却すると、重い税負担によって利益がマイナスになるリスクを回避できます。
満室になった
一棟アパートを高値で売りやすいタイミングの一つに「満室になった時」も挙げられます。
家賃滞納者など問題のある入居者がいない満室状態は、投資家にとって将来的な収益が見込める魅力的な物件に映るからです。
入居者の退去はいつ発生するか予測が難しいため、満室になったタイミングを見計らって売却するのも一つの手段です。
所有期間が5年以上になった
不動産は所有期間が5年以上になってから売却するのが望ましいです。
不動産を売却した時の利益の部分に課せられる「譲渡所得税」は、所有期間が5年を超えるとおよそ半額になるからです。
譲渡所得税率は5年を境に以下のように税率の差が生じます。
譲渡所得の区分 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 |
---|---|---|---|---|
短期譲渡所得( 5年以内) | 30.63% | 9% | 0.63% | 39.63% |
長期譲渡所得( 5年以上) | 15.315% | 5% | 0.315% | 20.315% |
このように、売却のタイミングが5年よりも早いと納税額が多くなり、家計が圧迫されやすくなります。
なお、譲渡所得の5年は「売却した年の1月1日」を基準に計算します。
そのため、2018年4月1日に購入したアパートを売却して長期譲渡所得の扱いになるのは、2023年4月1日ではなく、2024年1月1日以降です。
アパート取得から5年目に売り出す際は、売却するタイミングを考慮しましょう。
なお、譲渡所得税については以下の記事で詳しく解説しています。
一棟アパートの買取してもらう4つの手順
ここまで、売主の工夫でアパートの買取利益をできる限り高める方法について解説しました。
次に、一棟アパートを高値で売るポイントとして、適切な不動産会社の選定をする必要があります。
一棟アパートの買取をしてもらう4つの手順は以下のとおりです。
- 複数の買取業者に査定する
- 買取実績がある
- 売買契約を結ぶ
- 決済・引き渡しを行う
一棟アパートをスピーディーかつ高額で売却するために、買取の手順を確認しておきましょう。
複数の買取業者に査定する
一棟アパートを売却する際は複数の買取業者に査定を依頼しましょう。
不動産会社のもつ活用ノウハウ・担当者の力量によって買取価格に差が生じるからです。
複数の買取業者に査定依頼をすると、それぞれの業者から査定額が提示されます。
このうち、査定額の高さにくわえて、優良業者かどうかを下調べして選ぶのも重要なポイントです。
優良業者の選び方である以下3つをご紹介します。
- 買取実績がある
- お客さまからの評価が高い
- 行政処分歴がない
買取実績がある
所有するアパートが築年数が古い場合、「大型物件」「築古物件」の買取実績のある買取業者を選びましょう。
買取実績のない不動産会社に売却すると、適切な活用ノウハウが見出せず、売却価格が低くなりやすいからです。
複数社に査定を依頼し、納得のいく査定額を提示してくれた業者のホームページでどのような物件種別の買取実績があるかを確認します。
所有するアパートの条件に近い物件の買取実績があれば、次に解説するその業者の利用者からの口コミを参考にします。
お客さまからの評価が高い
買取業者を利用したお客さまからの評価が高いかどうかを確認します。
買取業者のホームページ以外にも、SNSやGoogle口コミでも業者の評判は確認できます。
とくに、口コミの中でも担当者への満足度が高い業者は、希望の価格や売却プランを提案してもらいやすいです。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、担当者の対応の丁寧さに多くの高評価をいただいております。
お客さまとWin-Winの関係を築けるよう、できる限りご希望に沿ったアパート売却が実現できるよう、全力で対応いたします。
強引な勧誘などは一切ありませんので、まずはお気軽にご相談ください。
>>【売れにくい一棟アパートを高額売却!】無料の買取査定を依頼する
行政処分歴がない
候補に挙げている買取業者に行政処分歴がないかどうかもチェックしておきましょう。
不動産会社の中には、高額な査定額で売主を呼び寄せて、契約直前で著しく安い売却価格を強引に提示する悪質な業者もいるからです。
国土交通省が運営する「ネガティブ情報等検索サイト」では、直近5年分宅地建物取引業者に対して行った行政処分情報が公開されています。
トップページの「宅地建物取引業者」をクリックし「事業者名」を入力して検索をかけると、行政処分歴があるか否かがわかります。
悪質な不動産会社にあたって不当な価格で買い叩かれて大損しないためにも、業者の下調べは重要です。
価格交渉を行う
売却を依頼したい業者を複数社ピックアップしたら、担当者に価格交渉を行いましょう。
売主の希望を尊重する担当者であれば、どうにか価格交渉に応じられるよう査定額を見直したり、上司に確認をとったり、アクションを起こしてくれるはずです。
たとえば、相見積もりをとった他の業者の買取価格のほうが高いのであれば、それ以上の金額で買い取ってもらえるか確認しましょう。
もちろん、価格交渉に応じられないケースもありますが、売主に納得感を抱ける説明をしてもらえるので、しこりない売却は実現できます。
できる限り、一棟アパートを高く、納得感をもって売却できるよう担当者に価格交渉はしましょう。
売買契約を結ぶ
売却を依頼する一社を選定したら、売買契約を締結します。
売買契約を締結する当日は、以下のような不動産売買契約書が提示されます。
一棟アパートの基本情報や売買においての特記事項(特別な取り決め)が記載されているので、不明点は質問して疑問をクリアにしておきましょう。
売買契約の当日は、手付金の金額(売買価格の10%程度)が現金か小切手で受け取り、引き渡し時に残額が支払われます。
決済・引き渡しを行う
決済・引き渡しは担当者・売主・司法書士の3者で買取業者のオフィスで手続きが行われます。
当日は不動産会社のオフィスで、下記の流れで手続きが進行します。
- 売主の提出書類を司法書士が確認する
- 売主が必要書類へ署名捺印をする
- 売買代金の残額を業者から売主へ渡す
- 売主が業者へ関係書類と鍵を引き渡す
- 売主・業者で物件引渡確認書を取り交わす
物件引渡確認書は、物件を正式に引き渡した旨を証明する書類で、買取業者が用意します。
物件引渡確認書に、署名捺印をしたら一棟アパートの売却は完了します。
一棟アパートの売却金額によっては譲渡所得税が発生するので、翌年の2月16日〜3月15日の期間内に確定申告が必要です。
一棟アパートを売却する際の費用と税金
一棟アパートを売却する際の費用と税金は以下の3つです。
- 印紙税
- 登録免許税
- 譲渡所得税
売却時にかかる費用をあらかじめ把握して、スムーズに一棟アパートの売却を完結させましょう。
印紙税
印紙税とは、契約書や請求書など経済取引等に伴う文書を作成した際に課せられる税金です。
不動産売買契約書は課税対象であるため、以下の印紙税の納付が必要です。
たとえば、一棟アパートの売却価格が2,000万円であれば、印紙税は1万円必要です。
印紙税は売買契約書を締結する際に、収入印紙を添付して、印鑑・署名で消印して納付が完了します。
登録免許税
不動産の売却では、以下3つの登記を同時に行うため、登録免許税が発生します。
- 抵当権抹消登記
- 所有権移転登記
- 抵当権設定登記
このうち、一般的に売主負担となるのは「抵当権抹消登記」です。
抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1個につき1,000円であるため、一棟アパートの場合だと、「土地 + 建物」で2,000円が必要です。
なお、買取業者の場合、登録免許税を差し引いた金額を買取価格に反映しているケースが多いです。
譲渡所得税
譲渡所得税とは、不動産の売却益に対して課せられる税金です。
譲渡所得税の計算式は下記のとおりです。
実際の売却価格から、アパートを取得した時から売却までにかかった費用を差し引いた金額を譲渡所得として計算します。
差し引ける金額は国税庁の「取得費となるもの」「譲渡費用となるもの」で確認できます。
アパートの売却価格2,000万円・取得費1,500万円・譲渡費用200万円で長期譲渡所得の場合、計算式は以下のとおりです。
譲渡所得 = 売却価格 – 取得費 – 譲渡費用より、
2,000万円 – 1,500万円 – 200万円 = 300万円(譲渡所得)
譲渡所得 × 税率より、
300万円 × 20.315% = 60万9,450円
上記の計算例では、60万9,450円が譲渡所得税額となります。
譲渡所得税の支払い時期は、一棟アパートを売却した翌年の確定申告時(毎年2月16日〜3月15日)です。
まとめ
本記事では、一棟アパートの買取が最適かどうかを見極める10のケースを中心に解説しました。
一棟アパートの購入をする人は、収益物件として運用する人に限定されます。
そのため、売却するターゲットが限定される分、売却活動が長引きやすく、その間に維持管理費が膨れ上がって金銭的な負担を負う可能性が高いです。
できる限り、一棟アパートをスピーディーかつ高額で売却したいなら、直接の買主となる専門の買取業者に売却しましょう。
専門の買取業者なら、独自の再販ルートと自社で運用して上手に収益化につなげるノウハウがあるため、買取の決断が早く、買取価格に上乗せしてもらいやすいからです。
当サイトを運営している弊社AlbaLink(アルバリンク)は、一棟アパートなど大型物件に強い買取業者です。
自社での運用ノウハウ・投資家への再販ルートを豊富にもつ弊社なら、できる限り一棟アパートをスピーディーに、高額で買い取れると自負しております。
無料査定は365日受け付けております。もちろん、相談・査定のみのご連絡も大歓迎ですので、お気軽にお問い合わせください。