無料の空き家をもらってくれる人の特徴
所有する空き家を無料で手放すとしても、実際には「無料の家には何かウラがありそう」と思われてしまうので、タダでも貰ってくれる人は多くありません。
無料の空き家をもらってくれそうなのは、以下の人たちぐらいでしょうか。
- DIYでリフォームして田舎暮らしをしたい人
- フルリフォームして好立地のマイホームを手に入れたい人
- DIYでリフォーム・リノベして高利回りの投資物件にしたい人
田舎で自給自足生活をするために、わざわざ田舎の廃屋を手に入れるタフな人は、時々テレビで紹介される程度のレアな存在でしょう。
また稀にDIYの達人がリフォーム前提で、交通の便の良い場所に「掘り出し物物件」を探している場合もありますが、こちらもめったにお目にかかれません。
3番目の不動産投資家なら、空き家を無料でもらってくれる可能性がありそうです。
しかし0円空き家がいくら高利回りといっても、やり手投資家なら入居需要の見込めない物件を掴まないでしょう。
いずれにせよ、無料の空き家を欲しがる人は多くないことを前提として覚えておきましょう。
空き家を無料で譲るべき3つの理由
これまで空き家を放置していた所有者は、以下の理由で空き家を「無料でもいいから手放すべき」です。
それぞれ解説します。
維持するにも管理費がかかるから
無料でも空き家を手放すべき1つ目の理由は、空き家を維持するだけでさまざまな管理費がかかるからです。
空き家の放置には以下のようなリスクがあり、回避するためには適切な管理が欠かせません。
- 劣化が進み倒壊のリスクが増す
- 周辺の景観と環境を損ねる
- 不法投棄・不法滞在を招く
- 犯罪の温床になる
空き家が招くトラブルの詳細については、以下の記事も参照してください。
またたとえ住んでいなくても、空き家には継続的に以下の維持・管理費用がかかります。
- 水道光熱費
- 火災保険
- 固定資産税
水道光熱費は、定期的な通風や掃除などのメンテナンスに必要です。
火災保険は万が一の発火で近隣に被害が及んだ際のために必要で、保険料は年間6万~12万円ほどです。
上記のほかに、空き家が自宅から離れていれば交通費もかかり、空き家管理業者に管理を委託すれば委託費用もかかります。
空き家を維持・管理するだけでも年間総額26万~35万円ほどかかってしまうので、無料でも空き家を手放すべきです。
固定資産税が6倍に跳ね上がる恐れがあるから
無料でも空き家を手放すべき2つ目の理由は、前述の通称「空家等対策特別措置法」により、固定資産税が6倍に跳ね上がる恐れがあるからです。
本来の固定資産税額は固定資産税評価額の1.4%ですが、敷地面積200㎡以内の住宅用地は固定資産税が6分の1に、200㎡を超える場合は3分の1になる軽減措置があります(固定資産税等の住宅用地特例)。
しかし空き家の管理状態が悪く「特定空家※1」「管理不全空家※2」に指定されると「固定資産等の住宅用地特例」から外れ、固定資産税が最大6倍になるのです。
参照元:e-Gov法令検索|地方税法第349条の3の2第1項「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」
参照元:国土交通省|固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置
※1 特定空家とは
そのまま放置すると以下の状態になる恐れがある空き家のこと。
- 倒壊などの保安上の危険を招く
- アスベストや異臭など衛生上有害となる
- 著しく景観を損ねる
- 周辺の生活環境保全に不適切
※2 管理不全空家とは
1年以上誰も住んでおらず管理が不十分で、このままだと特定空家になる恐れがある空き家のこと。
2023年の空き家対策特別措置法改正で設けられた。
空き家の維持管理には費用がかかり、かといって放置すれば固定資産税が跳ね上がってしまうため、無料でも空き家を手放すほうが賢明です。
なお、空き家にかかる税金については以下の記事で詳しく解説しています。
解体するにも費用がかかるから
無料でも空き家を手放すべき3つ目の理由は、空き家を解体すると高額な費用がかかるからです。
一般的に築古の空き家は解体して、更地にしたほうが売却しやすいといわれます。
古い家屋を解体して更地にすれば、買主が自由に活用できる分「古家付き土地」よりも需要が高まり、売却しやすいのです。
とはいえ、空き家の解体には高額な費用がかかります。
解体費用は30坪の木造住宅で120万円程度が目安ですが、実際には「重機の駐留可否」「家屋の構造」「アスベストの有無」などにも費用が左右されるため、もっと高額になる可能性もあります。
こうした高額な解体費用を捻出できそうにないなら、無料でも空き家を手放すべきです。
空き家の構造別・坪数別解体費用相場や内訳について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
ただで空き家を譲る5つの方法
空き家を無料でも手放すべきとお分かりいただけたところで、空き家をただで手放せる5つの方法を紹介します。
自分の所有する空き家にはどの方法が適切なのか、十分検討してください。
国へ返す
空き家を相続で取得している場合、「相続土地国庫帰属制度」を利用して国へ返すことも可能です。
相続土地国庫帰属制度とは、相続または遺贈によって土地の所有権を相続した人が、一定の要件を満たした場合に土地を手放して国に引き渡せる制度です。
2023年4月に開始した制度ですが、それ以前に土地を相続した場合でも申請できます。
兄弟などの共同で相続した土地でも、共有者全員で申請すれば申請可能です。
ただし生前贈与を受けた人や、通常の売買などで土地を取得した人は申請できません。
なお相続土地国家帰属制度の要件は厳しく、以下の場合は申請できないか、しても却下されます。
- 建物がある土地
- 担保権や使用収益権が設定されている土地
- 他人が利用を予定している土地
- 土壌汚染がある土地
- 境界がはっきりしない土地
- 所有権の争いがある土地
- 危険な崖など、管理に費用と労力がかかる土地
- 土地の管理・処分上の障害物がある土地
- 管理のために埋設物の除去が必要な土地
申請するにはまず、空き家を撤去する必要があります。
さらに審査手数料として土地一筆あたり14,000円、10年分の土地管理費相当額の負担金として20万円を支払わなければなりません。
参照元:政府広報オンライン「相続した土地を手放したいときの『相続土地国庫帰属制度』」
解体費用や管理費用がかかるため、空き家を国へ返すのが現実的でない方も多いでしょう。
なお相続土地国家帰属制度については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
自治体へ寄贈する
空き家を無料で手放す2つ目の方法は、自治体へ寄贈することです。
空き家を自治体に寄贈(譲渡)すれば空き家を解体する必要がなく、地域で有効に再利用してもらえる点がメリットです。
自治体は引き取った空き家を以下の用途で活用するケースがあります。
- 防災倉庫置場
- ポケットパーク(住宅街の小規模な公園)
- 住民の交流場所
ただし自治体が進んで空き家を引き取っている訳ではありません。
自治体にすれば空き家を引き取ると固定資産税の税収が減ってしまうので、自治体が引き取ってくれるのは有効活用できることが明らかな空き家に限られます。
実際に引き取ってもらえた事例は多くないので、あてにせず他の方法も併せて検討するほうがよいでしょう。
空き家バンクで譲渡先を探す
空き家を無料で手放す3つ目の方法は、空き家バンクで譲渡先を探すことです。
空き家バンクとは、空き家を売りたい人と買いたい人が登録することで双方をマッチングするシステムで、運営母体は自治体です。
近年は全国版空き家バンクとして、「LIFULLホームズ」「アットホーム」による全国の空き家バンクを検索できるサービスも登場しています。
空き家バンクに登録するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 自治体のエリア内にある
- 不動産会社と媒介契約をしていない
- 建築基準法に違反していない
- 自治体の長の承認を受けている
注意点として、空き家バンクでは自治体が仲介業者のように仲介してくれるわけではないため、空き家の譲渡先は自分で探す必要があります。
そのため、空き家を必ず手放せる保証はありません。
また、空き家バンクでは譲渡先との交渉も自分で行う必要があります。
売買契約や登記手続きも自分で行うか、自分で専門家を手配せねばならず、トラブルになった場合も当事者同士で解決が必要です。
なお空き家バンクについては、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
空き家マッチングサイトで譲渡先を探す
空き家を無料で手放す4つ目の方法は、民間の空き家マッチングサイトです。
空き家マッチングサイトは、インターネットで空き家を売りたい人と手放したい人をマッチングさせる民間版空き家バンクで、空き家を欲しい人と手軽につながって交渉できる特徴があります。
利用者に高評価の空き家マッチングサイトには以下のものがあります。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
家いちば |
|
空き家ゲートウェイ |
|
みんなの0円物件 |
|
これらのサイトでは空き家バンクと同様、基本的に仲介を行っていないため、交渉や契約は当事者同士で行います。
また、トラブルも当事者間で解決が必要です。
参考:無料の空き家が多い地域
近年空き家が増えたとはいえ、どこにでも無料の空き家があるわけではありません。
無料の空き家が多く出るエリアは、大都市圏よりも地方に多い傾向です。
2023年の総務省統計によると、空き家率の高い県のトップ3は以下のとおりです。
順位 | 県 | 空き家率 |
---|---|---|
1・2位(同率) | 和歌山県・徳島県 | 21.2% |
3位 | 山梨県 | 20.5% |
4位 | 鹿児島県 | 20.4% |
5位 | 高知県 | 20.3% |
参照元:総務省「令和5年住宅・土地統計調査住宅数概数集計(速報集計)結果 」
こうした過疎化が進むエリアほど、空き家を無料でも手放したい人が増えています。
なお弊社AlbaLinkが男女500名を対象に実施したアンケート「住むなら『都会』『郊外』『田舎』のどこがいい?」によると、「田舎に住みたい」と回答した人はわずか14.0%でした。
引用元:AlbaLink「【住むなら都会?郊外?田舎?】男女500人アンケート調査」
58.4%の人が「郊外」、27.6%が「都会」と回答していることからも、田舎の空き家は人気がないことがわかります。
田舎で空き家を貰ってくれる人を探すなら、かなりの好条件がそろわないと譲渡は難しいかもしれません。
近隣住人や知人に引き渡す
空き家を無料で手放す5つ目の方法は、近隣住人や知人と直接交渉し引き渡すことです。
知人や親戚、もしくはその紹介で空き家を欲しい人が見つかった場合は、信頼関係があるので安心して引き渡せるでしょう。
または、空き家の隣家の住人に空き家の買取交渉をしてみるのも1つの方法です。
隣人に空き家の買取交渉をする場合、以下の理由で通常よりも交渉に応じてもらえる可能性が高まります。
- 自分の土地を広く使える
- 日当たりや風通しが良くなる
- 建ぺい率や容積率が高まる
- 知らない隣人が来て環境が悪化する心配がない
- 敷地面積によってはアパートなどにも活用できる
自分で直接譲渡先の候補者に当たるのはもっとも安全・安心な方法です。
しかし手間や交通費がかかり、時間と体力がないと現実的ではないかもしれません。
空き家を無料で手放す5つのリスク
ここまで空き家を無料で手放す方法を紹介しましたが、無料譲渡には以下のリスクもあるため注意が必要です。
売れる物件も無料で手放す可能性がある
空き家を無料譲渡する1つ目のリスクは、有償で売れるはずの物件を無料で手放す可能性があることです。
このページを読まれている方のほとんどは「空き家を売却するためにあらゆる手を尽くしたから、無料でしか手放せない」と感じているのではないでしょうか。
しかしどんなに古くて放置された空き家でも、価格を付けて売却できる可能性が1つだけ残ってします。
それは、古い空き家専門の買取業者に買い取ってもらうことです。
不動産を売却する方法には、一般的な仲介と買取の2種類があります。
一般的な仲介の場合には、家を売りたい人と買いたい人を業者がマッチングさせ、成功報酬としての仲介手数料を得ています。
そのため売買が成立する見込みの薄い、需要のない物件の仲介は断られやすいのです。
仲介業者は住宅を探している一般の個人に物件を斡旋するため、以下の条件に当てはまらない居住ニーズの低い物件は、仲介業者に相談しても売れません。
- 築年数が浅く家屋がきれい
- 最寄駅から徒歩10分以内
- 駅や道路のアクセスが良い
- 商店や病院、公共施設が近い
- 敷地が広すぎず狭すぎない
一方で優良な空き家専門の買取業者ならば、物件をリフォームし、事業用などに再販するノウハウがあるため、古い空き家でも買い取ることが可能です。
さらに自分で解体やリフォームをしなくても、そのままの状態で古い空き家を買い取ってもらえます。
空き家を無料で手放すのは、買取業者に相談してからでも遅くありません。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、古い空き家を専門に買い取る買取業者です。
これまでも長年放置されてきた空き家や損傷の目立つ空き家など、引き取り手のいない空き家を多数買い取ってきた実績があるので、無料で手放したい空き家でも高額で買い取れる可能性があります。
空き家を手放したい方はぜひ一度ご相談ください。
以下の記事では、専門の買取業者と優良業者の選び方について解説しています。
費用関係でトラブルになることがある
空き家を無料で手放すリスクの2つ目は、費用関係でトラブルになる場合があることです。
家は無料でも取得者には以下の費用がかかり、もし相手が把握していなければ「こんな費用がかかるなんて聞いてない!」と、トラブルにつながる恐れがあります。
- 税金(不動産取得税・登録免許税・贈与税)
- 修繕費用
- 譲渡(贈与)契約書作成費用
空き家の取得者にとって無料なのは土地と建物だけで、不動産の名義変更などの諸手続きにかかる経費は発生します。
空き家の取得にかかる税金は以下のとおりです。
税金 | 概要 |
---|---|
不動産取得税 | 不動産の有償・無償、登記の有無などに関係なく、不動産を取得した人が固定資産税評価額の一定割合を都道府県に支払う |
登録免許税 | 法務局に不動産の「登記(名義変更)」を行う際に支払う |
贈与税 | 無償譲渡(贈与)によって不動産を取得する人が支払う |
税金以外にも、不動産の所有権移転にともなう「譲渡(贈与)契約書」の作成費用がかかり、司法書士や弁護士などに譲渡契約書の作成を依頼すると、1万円~3万円程度かかります。
空き家を無料で引き渡しても譲渡先に費用がかかることを伝えていないと、トラブルになりやすいので注意が必要です。
後から住宅に瑕疵が見つかる恐れがある
空き家を無料で手放すリスクの3つ目は、後から瑕疵が見つかる恐れがあることです。
空き家の無償譲渡は基本的にリフォームなしの現状引き渡しのため、引き渡し後に隠れた瑕疵が見つかり、トラブルになるケースも少なくありません。
通常の売買契約であれば、仲介業者などの専門家が契約に関わるため、売買前に隠れた瑕疵を発見できたり、契約書面に瑕疵の責任を記載するなどの対処により、トラブルを防止できます。
しかし無償譲渡は仲介業者が介在しない個人間交渉のため、重大な瑕疵についての説明が行われず、瑕疵に対する責任の所在もあいまいになりやすいです。
なお不動産の瑕疵については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
無償譲渡に「契約不適合責任」はないがトラブルに注意
民法上、無償譲渡では譲渡者側に契約不適合責任※が生じないとはいえ、トラブルになるリスクは避けられません。
契約書のない口約束では、引き渡し後に重大な瑕疵が見つかった場合に、譲渡者側が責任を負う必要がなくても、「言った」「言わない」のトラブルになってしまう確率が高いです。
トラブルを回避するためには、売買時の「売買契約書」と同等の効力を持つ「譲渡(贈与)契約書」を作成し、譲渡者側が「瑕疵の責任を負わない」と記載しておくことが大切です。
譲渡契約書には空き家の譲受人と取得者の間で取り決めた条件を記載します。
- 譲渡者(贈与者)
- 受贈者
- 譲渡(贈与)の目的物※地番、家屋番号など
- 譲渡(贈与)の時期
- 譲渡(贈与)の方法
司法書士や弁護士と相談し、登記費用の負担、税金の負担、残留物の所有権の放棄、債務不履行の責任などについても記載しておきましょう。
「不動産贈与契約書(みんなの0円物件)」のテンプレートが参考になるかと思います。
境界線が不明確だとトラブルになる
空き家を無料で譲渡した場合に、境界線が不明確だとトラブルになるケースが多いです。
境界線が明確でないと、譲り受けた人が境界線について隣人からクレームを受けるなど、引き渡し後にトラブルに発展する可能性があります。
仲介業者の入る通常の不動産売買では、境界線がはっきりしない場合に「土地家屋調査士」による測量で境界線を確定してから売買契約を行うのが一般的です。
しかし空き家の場合、隣地との境界線があいまいなまま放置されていたケースも多く、個人契約で気づかずそのまま取引されてしまう恐れがあります。
「無料で譲渡するから手続きは簡単でいい」と境界線の確定まで怠ると、最悪の場合譲渡先から訴訟を起こされる可能性もあるので注意が必要です。
「再建築不可」でトラブルになることもある
空き家を無料で譲渡するリスクの5つ目は、その土地が「再建築不可」だった場合に譲り受けた人が家屋を建て替えられないことです。
※再建築不可物件とは
建築基準法の接道義務を果たしていない物件のことで、元の家を解体してしまうと新たに家を建てられない。
幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない。
建築基準法の改定や都市計画法制定の前に立てられた以下の年代の家は、再建築不可物件に当てはまっていないかチェックが必要です。
- 建築基準法改定前の1950年以前に建てられている
- 都市計画法制定の1968年以前に建てられている
譲渡した空き家がの土地が再建築不可の土地だった場合、譲り受けた人は最低限のリフォームしか行えなくなるので、トラブルに発展する可能性が高いです。
なお再建築不可物件とその対処法については、以下の記事で詳細に解説しているので参考にしてください。
無料で手放したい空き家を活用する6つの方法
空き家を無料で譲渡することは案外難しいとお分かりいただけたのではないでしょうか。
ここで無料で手放したい空き家を活用する6つの方法を紹介します。
空き家の活用には初期投資が必要なので、回収できる見込みを立ててから着手しましょう。
賃貸する
無料空き家の活用方法の2つ目は、賃貸することです。
リフォームの初期投資が必要ですが、賃貸住宅にすれば家賃収入を得られるので、順調ならば短期間でペイできる可能性もあります。
戸建て住宅ならファミリー向けか、床面積の広い家ならシェアハウスとしての運用も視野に入れられるかもしれません。
家が物置になっている場合などには、家の一部だけを貸し出す方法もあります。
ただし賃貸にするなら立地や入居者ニーズを考慮し、適切なターゲットを定めるなどの戦略が必要です。
せっかくリフォームしても入居者がいなければ、収益化どころかリフォーム費用の回収もできません。
とくに、下記アンケート結果からもわかるとおり立地条件は入居付けに影響を与えるため、適切なターゲット選定が重要です。
なお以下の記事では、賃貸経営について詳しく解説していますので、参考にしてください。
民泊にリフォームする
無料空き家の活用方法の3つ目は、民泊にリフォームすることです。
民泊(住宅宿泊事業)とは、戸建やマンション、アパートなどの民家の全部または一部を宿泊施設として提供する宿泊サービス形態です。
住宅宿泊事業法に定められた届出をすれば、「旅館業法」の厳しい規定を満たさなくても、民泊を運営できます。
空き家が観光地や交通の便が良い場所にあるなら、民泊で収益化できるかもしれません。
なお民泊に活用する空き家は、以下の要件を満たす必要があります。
設備要件として「台所」「浴室」「便所」「洗面設備」のすべてを備えていること。
居住要件として以下のいずれかを満たすこと。
- 「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」
- 「入居者の募集が行われている家屋」
- 「随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋」
民泊を始めるには「住宅宿泊事業届出書」に必要な添付書類を添えて、空き家所在地の都道府県知事に届け出る必要があります。
民泊の注意点としては、人を宿泊させる日数が年間180日を超えてはならず、180日を超えると旅館業法の対象となり「延床面積33㎡以上」など、要件が厳しくなることが挙げられます。
上限が180日では稼働率がMAX50%なので、リフォーム費用の回収が遅くなるかもしれません。
さらに自分がそこに常駐しない場合は、管理を「住宅宿泊管理業者」に委託しなければならず、その費用も必要です。
参照元:国土交通省「住宅宿泊事業法(民泊新法)とは? | 民泊制度ポータルサイト「minpaku」」
空き家を民泊として活用する方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、空き家が観光地などにある方は参考にしてください。
福祉施設を運営する
無料空き家の活用方法の4つ目は、福祉施設の運営です。
空き家を活用できる福祉施設には以下のものがあります。
施設名 | 概要 |
---|---|
認知症高齢者向けグループホーム | 地域交流ができ、慣れ親しんだ家に近い環境で自立した生活を支援する施設 |
小規模多機能居宅介護施設 | 利用者が「通所」「入所(宿泊)」「訪問介護」を一貫して利用できる施設 |
高齢者デイサービスセンター | 65歳以上の人や障がいのある人が、日中通って介護を受け、アクティビティやリハビリを行う施設 |
福祉施設なら都市部に限らず、高齢化の進む地方でも高い需要が見込まれます。
福祉施設を開設するには、まず法人格を取得し、都道府県または市町村に「事業者指定申請」を行います。
なお開業申請する前に、以下の基準を満たしていることが必要です。
- 人員基準
- 運営基準
- 設備基準
設備面では当然ながら、安全に入浴できる浴室の整備をはじめ、以下のバリアフリー化が求められます。
- 手すりの設置
- 転倒防止のための段差の排除
- ドアを引き戸に変更
- 照明の増設
- 廊下や居住スペースを車椅子の使える広さにする
不特定多数の人が利用する場所であるため、スプリンクラーや火災報知器の設置も義務付けられています。
また人員基準を満たすためには一定数の有資格スタッフが必要で、介護士不足の昨今は人員確保も簡単ではありません。
福祉事業は少ない「介護報酬」の中から収益を挙げねばならないため、経営難易度が高いといえます。
シェアオフィスを運営する
無料空き家の活用方法の5つ目は、シェアオフィスの運営です。
シェアオフィスとは賃貸形態の1つで、スペースを個室で区切ってオフィスとし、ミーティングのできる共用スペースを設けた施設のことです。
リモートワーク用スペースとしての利用を見込めるほか、物件を分割して運用するので、戸建て賃貸のような賃料収入0になるリスクを軽減できます。
空き家をシェアオフィスにするには、1オフィス10㎡~20㎡程度のキャパシティで、以下のOA環境を整備する必要があります。
- オフィス家具
- 電話機
- 複合機
- インターネット回線(安定した環境)
シェアオフィスの開設は、設備投資が高額になりやすい点に注意しましょう。
複数人でオフィスを共有することから、セキュリティ面の対策や利用者同士のトラブル防止にも配慮が必要です。
なおシェアオフィスが向いているエリアは都市部と郊外で、田舎になると自宅の作業環境を整える人が多いため、需要は少ないといえます。
トランクルームを運営する
無料空き家の活用方法の6つ目は、トランクルームの運営です。
トランクルームとは、収納スペースを設置して顧客の荷物を契約期間内で預かるサービスです。
戸建ての空き家なら、コンテナ型よりもコインロッカー型が現実的かもしれません。
空き家にコインロッカー設備を設置するだけなら、家屋自体は簡易なリフォームで済み、居住用住宅よりも初期費用を抑えられる可能性があります。
車での利用が多い性質上、居住用と比べて立地をそれほど気にしなくて済む点も、トランクルームのメリットです。
防犯カメラを設置すれば、あとの管理コストも居住用ほどかかりません。
トランクルーム開設の注意点としては、宅地並み課税の特例対象外となるため、固定資産税が評価額の1.4%の満額かかってしまうことが挙げられます。
また見た目が古い空き家のままだとトランクルームと気づいてもらえず、集客に苦労するかもしれません。
トランクルームには倉庫業と一般的な賃貸借契約とがあり、倉庫業として開設するには許可申請が必要になる点にも注意しましょう。
専門の買取業者にそのまま売却する
無料空き家の活用方法の7つ目は、専門の買取業者にそのまま売却する方法です。
「先の5つの方法で空き家を活用できそうにない」と判明した場合には、現状のまま買取してもらうことも可能です。
家を手放す一般的な方法には「不動産仲介」と「買取」の2種類があります。
無料で手放したい空き家の場合は、仲介業者に依頼しても仲介手数料が見込めないため、まず引き受けてもらえないでしょう。
しかし古い空き家を専門に取り扱う買取業者の場合、一般の居住用に物件を買い取るわけではありません。
事業用など多様な目的で再生・再販するため、居住用としては買い手のつかない築古の空き家でも有償で買取ができるのです。
仲介と買取の違いについては以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
売れない空き家は無料で譲渡するより「買取」がおすすめ
空き家が売れず無料で手放したい場合は、無料譲渡よりも「買取」のほうがおすすめです。
「無料でも引き取り手がいない空き家を買取なんてできるの?」と思われるかもしれません。
しかし築古の空き家を専門に取り扱う買取業者なら、豊富な販路と再生ノウハウがあるため、無料の空き家にも価値をつけられるのです。
専門の買取業者は買い取ってから再販のために最適なリフォームを行うので、売主側で解体やリフォームをする必要はありません。
さらに買取業者が空き家の瑕疵も把握したうえで直接買い取るため、譲渡先とトラブルになる心配がない点も安心です。
弊社AlbaLink(アルバリンク)も、築古の空き家を専門に買い取る買取業者です。
これまでも買い手がつかず、他社では断られるような空き家を多数買い取って再販してきました。
たとえば下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ空き家」や「不用品で室内があふれてしまっている空き家」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された空き家の買取事例】 【不用品で室内があふれてしまっている空き家の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
20年以上放置された空き家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっている空き家の所有者は、他の不動産業者から「不用品の回収だけで100万円近くかかる」と言われ、途方に暮れていたそうです。
それだけに「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
信頼できる買取業者に安心して空き家を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
>>【無料で手放したい空き家でも高額売却!】無料で買取査定を依頼する
まとめ
今回は空き家を無料で手放す方法とリスク、を解説しました。
空き家を無料で手放すことは可能ですが、専門家を挟まず譲渡手続きを簡素化してしまうと、後に重大なトラブルに巻き込まれる可能性が高いです。
空き家の維持管理や解体の費用を捻出できず手放す場合は特に、譲渡先には手続き費用やリフォーム費用を覚悟してもらわなければなりません。
空き家の活用方法はいくつか考えられますが、いずれも高額な初期投資と、高度な経営ノウハウが不可欠です。
もし「売却できない空き家を無料で手放したい」「空き家を活用したくてもノウハウと初期費用がない」とお悩みのときは、空き家専門の買取業者に買取を依頼するのが最善策です。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、築古の空き家を専門に買い取ってきた買取業者です。
これまでにも、長年放置されていた空き家やゴミ屋敷と化した空き家などを、多数買い取ってきた実績があります。
さらに弊社には豊富な再生ノウハウと販路があるため、他社よりも確実に買い取ることができ、高い買取価格を実現できます。
「他社で売却を断られた」「無料でも譲渡先が見つからない」という方は、ぜひ弊社の無料査定をご利用ください。
空き家の処分について誠心誠意アドバイスさせていただきます。