再建築不可物件はコンテナハウスで活用できる場合もある
一度解体したら二度と建物を建てられない「再建築不可物件」でも、コンテナハウスで活用できる可能性はあります。
ここではまず、再建築不可物件とコンテナハウスの特徴について解説します。
なぜ再建築不可物件の活用法としてコンテナハウスが注目されたのか、その理由も紹介します。
再建築不可物件とは解体すると再建築できない土地のこと
一度解体すると建物を建てられない「再建築不可物件※」は、建築基準法上「違法建築(既存不適格)」として扱われます。
都市計画区域と準都市計画区域のみにある。
そもそも、なぜ再建築不可物件が存在するのかというと、建築当初は適法だった物件が、度重なる建築基準法の改正によって法に適合しなくなったという経緯があります。
「かつては道路幅や接道に関する規定が一切なかった」ので、建築当初は何ら問題ありませんでした。
しかし後から法に適合しなくなった「既存不適格物件」は、建物を建て替える際に建築許可が下りない「再建築不可物件」になってしまうという問題が生じます。
建物の建築前には「建築確認※」を行い建築許可を得なければなりません。
※建築確認とは
工事着手前に建築基準法に基づき、省庁の建築主事または民間企業の指定確認検査機関が、建物・設備・建築計画・築造計画が建築基準法令や建築基準関係規定に適合しているか、審査すること。
建築確認で適合が認められると「確認済証」が交付されますが、再建築不可物件の場合は、建築確認が通らず建築許可が下りないので、確認済証を取ることができません。
確認済証がないと工事に着手できないので、建築確認を通せない再建築不可物件は、二度と建物を建てられない土地として、売却も活用も困難になるのです。
今ある建物に軽微なリフォーム・リノベーションを施す分には問題ないものの、敷地に新たに建物を建てたい場合は、建築確認が不要の範囲内で建築するしかありません。
そこで最近「コンテナハウス」による再建築不可物件活用が注目されるようになったのです。
なお、以下の記事では再建築不可物件の問題点を詳細に解説しているので、参考にしてください。
コンテナハウスとは輸送コンテナを改造した家のこと
コンテナハウスとはコンテナで作られた住宅や店舗などの建物のことです。
もともと貨物の海外輸送に使われるコンテナを再利用していましたが、近年は建築用コンテナが用いられることが一般的です。
コンテナハウスは建築基準法上「建築物」つまり建物にあたります。
「再建築不可物件=コンテナハウスがおすすめ」といわれるのは、以下のケースで建築確認申請が不要になるからだと思われます。
【都市計画区域内】
- 床面積が10㎡以下であること
- 防火地域・準防火地域に該当しないこと
- 新築以外(増築・改築・移転)であること
【都市計画区域外・準都市計画区域外】
- 建築基準法第6条4号の「4号建築物」であること
コンテナハウスが上記に該当すれば、再建築不可物件を活用できるというわけです。
具体的な例でいうと、駅前や繁華街以外の場所で、10㎡6畳以下のコンテナハウスを増改築するだけなら、問題なく建てられるということになります。
参考までに、汎用的なコンテナのサイズは20フィートと40フィートで、それぞれ面積・広さを表すと以下のとおりです。
- 20フィート:約14.85㎡=約4.49坪=約8.14畳
- 40フィート:約29.7㎡=約8.9坪=約16.28畳
上記よりも小さなコンテナを活用するとなると、居住用の家屋というよりは、倉庫や趣味の部屋、勉強部屋など、離れとして使うなら良いかもしれません。
トレーラーハウスとの違いは「車両」か「建物」か
コンテナハウスとよく似た建物にトレーラーハウスがあり、混同している方もいるのではないでしょうか。
タイヤのついたシャーシの上に居住スペースの建物が乗っており、けん引して移動できる家がトレーラーハウスです。
法律上「建築物」であるコンテナハウスとは異なり、トレーラーハウスはすぐに移動できる状態を維持することを条件に、法律上は「車両」として扱われます。
コンテナハウスとトレーラーハウスの主な違いは以下のとおりです。
コンテナハウス | トレーラーハウス | |
---|---|---|
法律上の分類 | 建物 | 車両 |
かかる税金 | 固定資産税 | (大きさに応じて)自動車税 |
移動可否 | ✕ | 〇 |
拡張性 | 〇 | △ |
その他の特徴 | ー | 市街化調整区域に設置が可能 |
共通点 | 施工費用が安い、売却可能、強度が高く耐久性がある |
走行可能な状態のトレーラーハウスは「車両扱い」のため固定資産税が不要、かつ自走できないため自動車に対する重量税も不要です。
当然、建築確認申請は不要で、さらに通常は建物を建てられない市街化調整区域でも設置できる点はメリットといえます。
ただしトレーラーハウスでも公道を走れない状態にしたり、土地に定着させたり、配管接続を行ったりすると「建築物」として建築基準法の規制を受けます。
対するコンテナハウスは、基本的に建築物なので市街化調整区域には設置できません。
設置にかかるコストはコンテナハウスのほうが割高ですが、どちらが良いかは、ランニングコストも考慮して判断すべきでしょう。
なお、以下の記事ではトレーラーハウスで再建築不可物件を活用する方法を解説しているので、参考にしてください。
プレハブ小屋との違いは「軽量鉄骨」か「重量鉄骨」か
コンテナハウスと似たもう1つの建物に「プレハブ小屋」があります。
プレハブ小屋とコンテナハウスの違いは、建材が「軽量鉄骨」か「重量鉄骨」かです。
プレハブとは、工場であらかじめ部材を加工し、設置現場で組み立てる工法、もしくはその建築物のことを指します。
厳密にいうと、プレハブの建物には「プレハブ住宅」「PC(プレキャストコンクリート)建築」「規格建築」の3種類がありますが、ここでは3番目のプレハブ小屋として解説します。
参照元:一般社団法人プレハブ建築協会「プレハブ建築について」
建築基準法上のプレハブ小屋は、建築物としてコンテナハウスと同等の扱い(確認申請の基準など)です。
以下がコンテナハウスとプレハブ小屋の主な違いです。
コンテナハウス | プレハブ小屋 | |
---|---|---|
建材 | 重量鉄骨 | 軽量鉄骨 |
施工期間 | 最短1~2日 | 7~10日 |
耐久性(寿命) | メンテナンス次第で40年以上も可 | 10年以上 |
断熱性(居住性) | 一般の住宅並み | 外気温に左右される |
間取りの自由度 | 中程度 | 低い |
設置費用 | 坪単価70万円~80万円 | 坪単価30万円~ |
設置できる場所 | 制約が多い | 比較的自由 |
プレハブ小屋は部材を設置場所に運んでから組み立てるのに対し、コンテナハウスは工場でドアや窓まで、すべて組み立ててから搬入して設置するだけです。
プレハブ小屋は設置場所を選ばず低コストで設置できるので、居住性を考えなければ短期的に住むことも可能です。
ただし、プレハブ小屋は夏には暑く冬は寒く、また塩害や大雪のある地域の長期居住には不向きです。
一方でコンテナハウスは重量鉄骨製のため、軽量鉄骨のプレハブ小屋よりも丈夫で、防音性・断熱性にも優れています。
ちなみに、最初から住宅として造られたプレハブは、居住性も備えている場合が多いので、上記の限りではありません。
再建築不可物件にコンテナハウスを設置できる4つの条件
まず前提として、日本の建築基準法は世界的にも厳しく、建物の建築時には原則、建築確認が必要となります。
そのため、海外のおしゃれなコンテナハウスのイメージをそのまま再現することは、日本では極めて困難です。
コンテナハウスが再建築不可の土地に建てられる条件は、建築確認が不要な以下のいずれかに該当する場合に限られます。
- 建築物に該当するが、建築確認が不要な例外
- そもそも建築物に該当しないため、建築確認が不要
上記を踏まえて、再建築不可の土地に建てられるコンテナハウスの条件を整理しました。
都市計画区域外で延べ床面積が200㎡以下の平屋の場合
都市計画区域外※で「延べ床面積が200㎡以下の平屋」の場合には、建築確認が不要のため、再建築不可でもコンテナハウスの設置が可能です。
※都市計画区域外とは
都市計画法に基づいて指定された「都市計画区域」や「準都市計画区域」以外の区域で、建築基準法の集団規定が適用されない地域のこと。
現時点で都市としての整備や開発が計画されていないエリアともいえる。
都市計画区域内の「市街化区域」「市街化調整区域」「非線引き区域」以外で、かつ「準都市計画区域」でもないエリアが「都市計画区域外」です。
イメージとしては、自然豊かな環境で、コンビニやスーパー、医療施設がないエリアと考えるとよいでしょう。
また「延べ面積が200㎡以下の平屋」とは、小規模な木造以外の建物(建築基準法上の4号建築物)という分類です。
ちなみに、200㎡の面積のイメージは以下のとおりです。
- 200㎡=約60.5坪、約110畳~138畳
上記を満たせば再建築不可の土地にコンテナハウスを設置できます。
ただし、建築確認不要でも、建築基準法は遵守しなければなりません。
建築物として確認済と同じ水準を満たす必要があり、違反した場合は罰則を受ける恐れがあります。
下に車輪が付属しいつでも移動できる場合
コンテナハウスの下に車輪が付属し、常時移動できる状態となっている場合も、建築確認が不要、つまり再建築不可の土地に設置が可能です。
移動できるコンテナハウスは「移動式コンテナハウス」と呼ばれ、タイヤ付のシャシーに載せてけん引できる状態になっています。
こうすれば法律上はトレーラーハウスと同じ扱いになり、建築物とはみなされません。
なお、コンテナハウスが車両扱いとなるためには、以下の条件を満たすことが必要です。
- 道路運動車両法に定められた自動車であること
- 公道を適法に移動できること
- 電気・ガスなどのライフラインを工具なしで着脱できること
- 車輪を常時装着し随時かつ任意に移動できる状態を維持していること
- 設置場所から公道に至る搬入出通路があること
コンテナハウスに後付けでタイヤを取り付けても、移動できない状態であれば建築物として扱われる可能性があるので注意しましょう。
上記を満たせず建築物とみなされた場合には、固定資産税や不動産取得税の対象にもなります。
なお「車両」扱いになった場合はナンバーの取得が必要となり、サイズによっては車検の取得と自動車税の納付も必要です。
- 全長12m・幅2.5m・高さ3.8m以下の場合=車検取得と自動車税・重量税の納付が必要
- 上記を超える場合=車検不要
防火地域・準防火地域以外かつ10㎡以下の増築、改築、移転である場合
防火地域・準防火地域以外で、かつ10㎡以下の増築、改築、移転である場合は、地面に固定されていても建築確認は不要です。
したがって再建築不可の土地でも設置できます。
なお「増築・改築・移転」つまり敷地内に新たに建てる場合(建ぺい率・容積率は守る)はOKですが、「新築」はNGです。
なお、10㎡(約3坪・6畳)のコンテナを活用するとなると、用途としては物置や離れの事務所、勉強部屋などが適切でしょう。
仮設建築物である場合
設置するコンテナハウスが「仮設建築物」に該当する場合も、建築確認が不要なため、再建築不可の土地でも設置できます。
仮設建築物とは、建築基準法第85条第6項に基づいて、災害時などに一定期間内・一時的に設置される以下の建築物のことです。
- 工事現場の仮設事務所や材料置き場
- 非常災害時の応急的な仮設建築物
通常、建築物を設置する際には、建築確認・完了検査などが必要ですが、上記の仮設建築物については建築確認が不要です。
ただし同じ仮設建築物でも、以下の建築物については仮設許可が必要となるので注意しましょう。
- 選挙用事務所・講演会事務所
- 仮設住宅展示場
- 仮設興行場・博覧会建築物等
- 仮設申告所
自治体によって扱いが異なる部分もありますが、建築確認申請が必要となり、期間が過ぎれば撤去する必要があります。
なお、仮設建築物はあくまで仮設にすぎず、再建築不可の土地を恒常的に活用することにはならないでしょう。
再建築不可物件にコンテナハウスを設置する6つのメリット
ここで再建築不可物件にコンテナハウスを設置するメリットを紹介します。
耐用年数が長い
コンテナハウスの最大のメリットは、耐用年数が長いことでしょう。
建築用コンテナハウスの法定耐用年数は34年とされています。
木造住宅が22年のため、コンテナのほうが1.5倍長持ちするということです。
ちなみに、海上輸送用のコンテナの耐用年数は50年ともいわれますが、日本の建築基準法を満たす仕様にするのはかなりハードルが高いので、現在はほとんど使われることがありません。
建築用コンテナでも、定期的に適切なメンテナンスを行うことで100年以上の使用に耐えるといわれています。
工期が短い
一般の住宅にはないコンテナハウスの魅力として、設置工期が短いことが挙げられます。
現場で組み立てる通常の住宅建築とは異なり、コンテナハウスは建物の躯体が完成した状態で搬入されるので、竣工までに最短1~2日、数日程度しか期間を要しません。
施工期間が短い分人件費もかからず、工費が安く上がることはコンテナハウスの大きなメリットです。
耐震性・防火性に優れている
もともとコンテナは本来貨物輸送用に作られているため、揺れや衝撃に強く、防災性に優れていることもメリットです。
構造が頑丈なコンテナハウスは倒壊の心配がないため、地震大国の日本においては大きな安心材料といえます。
コンテナハウスは防火性にも優れ、延焼のリスクが少ないことも魅力です。
断熱性・遮音性に優れている
コンテナハウスは断熱性や遮音性にも優れています。
もともとコンテナは壁が厚いため、熱や音を通しにくい特徴があります。
よく「鉄鋼だから熱を通しやすいのでは?」「夏は暑く冬は寒いのでは?」といわれますが、建築時に断熱材を入れるので、断熱性は通常の住宅と遜色ありません。
実際に2018年の北海道胆振東部地震では、コンテナハウスが建設型仮設住宅として提供され、厳しい寒さや風雪に耐えたといわれます。
また2024年1月の能登半島地震においても、仮設住宅や復旧作業員宿舎などとしてコンテナハウスが多数提供されており、現在も過酷な自然環境や寒暖差に耐えているようです。
多様な用途に活用できる
コンテナハウスは原型がシンプルな分、カスタマイズ次第で多様な用途に活用できる点も魅力です。
コンテナの具体的な活用方法は後述しますが、実際によく目にするのは、自宅のガレージやオフィス、カフェやショップ、モールなどではないでしょうか。
さらに、コンテナハウスは塗装や外壁の工夫次第で、外装を個性的にアレンジすることも可能です。
自分だけのクリエイティブな家や店を持ちたい方には、コンテナハウスがおすすめです。
不要になっても移動・撤去がしやすい
コンテナ1つに建物のすべての機能が納まったコンテナハウスは、不要になったり引っ越ししたい場合に、簡単に移動・撤去できることもメリットです。
引っ越し時はトレーラーで家ごとけん引して移動できるため、住み慣れた家はそのままで、引っ越したいときに、引っ越したいところへ気軽に引っ越しできる魅力があります。
また、撤去が必要になった場合でも、通常の家屋より解体費用が安価に済む点もメリットです。
コンテナハウスで再建築不可物件を活用する4つの方法
ここからは実際にコンテナハウスで再建築不可物件を活用する方法を紹介します。
自分で住む
再建築不可物件にコンテナハウスを建てて活用する1つ目の方法は、自分が住むことです。
コンテナハウスは一般的な木造住宅と比べると手狭にはなりますが、人が過ごせるだけの空間は確保できます。
3点ユニットバスや2段ベッドなど、空間を上手く使う工夫をすれば、ワンルームマンションやビジネスホテル感覚の快適な居住空間を実現できます。
ただし10㎡の制限がある場所では約6畳・3坪までに制限されてしまうので、指定区域外で200㎡までOKなら定住用として検討しても良いかもしれません。
または、たまに泊まりに行くセカンドハウスや別荘にするのも1つの方法です。
物置や作業場として使う
コンテナハウスは物置や倉庫、作業場としても活用できます。
コンテナは頑丈で壁が厚いので、趣味のガレージや倉庫、アトリエや工房、個人的な音楽練習用・音声収録用スタジオとして使用する方も少なくありません。
バイクや自転車とパーツ、修理道具を収納し、メンテナンス用の作業場として使うこともできるでしょう。
居住する家屋とコンテナハウスが離れていても、雨風を心配することなく大切な物品を保管できる安心感は大きいといえます。
民泊や簡易宿泊施設にする
コンテナハウスを民泊や簡易宿泊施設として活用する方法もあります。
コンパクトなコンテナハウスは長期の居住用というよりは、簡易的な宿泊施設としてなら多少狭くても気にならないかもしれません。
民泊(住宅宿泊事業)とは、民家を宿泊施設として提供する宿泊サービス形態のことです。
交通の便が良い立地や、観光名所の近くであれば、インバウンド需要なども見込めるでしょう。
民泊の場合は「住宅宿泊事業法第3条第1項」の届出をすれば、従来の「旅館業法」よりも少ない制限で住宅宿泊事業を運営できます。
ただし民泊・宿泊施設を開設するには、法的な規定を遵守する必要がある点に注意が必要です。
ちなみに民泊は年間で180日しか人を宿泊させられないので、あまり収益性は期待できないでしょう。
参照元:国土交通省「住宅宿泊事業法(民泊新法)とは? | 民泊制度ポータルサイト「minpaku」」
なお、以下の記事では民泊を運営するノウハウを紹介しているので、参考にしてください。
店舗や事業用途で活用する
個性的な外見や内装を実現できるコンテナハウスは、店舗や事業用途でも幅広く活用されています。
コンテナハウスの出店実績が多い主な店舗形態は、ショップやカフェ、理美容室、ピザショップ、ダイニング&カフェ、ベーカリーなどです。
また、事業用途としてもマリーナのクラブハウス、オフィス・貸オフィス、教室、コインランドリーなどに活用されています。
ただし土地が再建築不可である以上、都市計画区域外でないと中規模以上の事業は行いにくいでしょう。
郊外や田舎で開業する場合は、集客方法も考えておかなければなりません。
ちなみに、ある大規模ホテルチェーンでは、コンテナを利用したルームが話題となっています。
参照元:R9ホテルズグループ「【公式】コンテナホテルについて」
コンテナのトランクルームは行政の取り締まりが厳しい
再建築不可物件の活用に、コンテナのトランクルームを検討している方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、コンテナを使ったトランクルームは行政による指導が厳しくなっているため、今後の開設は難しいといえます。
近年、コンテナを倉庫として設置し、継続的に使用する例等が見受けられますが、このような随時かつ任意に移動できないコンテナは、その形態及び使用の実態から建築基準法第2条第1号に規定する建築物に該当します。
このため、一般に、建築基準法に基づく確認申請を行い、確認済証の交付を受けないと設置できませんので、ご留意ください。
また、すでに設置されているコンテナを利用した建築物について、建築基準法に適合しない事項がある場合には、その所在地を管轄する特定行政庁より、違反建築物として扱われ、是正指導や是正命令の対象となりますので、ご留意ください。
詳しくは、以下の関係通知等をご参照いただくほか、所在地を管轄する特定行政庁にお問い合わせ願います。
規制は年々厳しくなっており、現在はコンテナハウスを倉庫として設置する場合に、確認申請が必須です。
例外として「小規模な倉庫・物置で建築物に該当しないもの」であれば、建築確認は不要のため、再建築不可の土地にも設置できることになります。
以下は自治体の規制の一例です。
建築物に扱わない倉庫・物置の基準について
1 奥行きが1メートル以内又は高さが1.4メートル以下であること。
2 床面積が10平方メートル以下であること。(幅や連結されているかどうか等は問いません。)
(既製のものであるか等、その構造種別にかかわりません。)
上記によれば、奥行1mもしくは高さ1.4mということは、ほとんど小物を収納するだけのスペースしか許されないことになります。
コンテナハウスは小さくても10㎡以上なので、再建築不可物件でコンテナを使ったトランクルームはまず不可能ということです。
再建築不可物件にコンテナハウスを建てる際の8つの注意点
コンテナハウスで再建築不可物件を活用する方法をチェックしたところで、コンテナハウスを建てる際の注意点を解説します。
設置費用や維持費用は意外と高い
「100万円台で家が建つ」と、コンテナハウスの設置を考えた方は多いでしょう。
しかしコンテナハウスの設置や維持には予想以上の費用がかかります。
コンテナ本体価格に加え、運送費や基礎工事、給排水管、外装・内装まで合わせると、木造住宅を建てるよりもかえって割高になるケースも少なくありません。
コンテナ設置費用の内訳を見てみましょう。
費用項目 | 相場 |
---|---|
コンテナ本体価格 |
|
土地代 | ※場所による |
運搬費用 | ※コンテナの大きさ、運搬距離、土地や道路の広さにより異なる |
基礎工事 | 約170万円 ※傾斜地と平坦地で大きく異なる |
仮設工事 | 約85万円 |
給排水設備工事 | 約190万円 ※水道の引き込み距離により大きく異なる |
外装・内装その他 | 約1,900万円 |
木造アパートの坪単価はおよそ77万円〜97万円程度であるのに対し、コンテナハウス の坪単価はおよそ80万円〜85万円です。
鉄骨造としては安いものの、コンテナ1台を設置するために最低でも500万円以上かかり、木造建築よりも高くつくことがわかります。
また、コンテナの運送費用や基礎工事の費用は、土地や道路の環境によって大きく異なり、給排水繋ぎ込みにかかる費用も、土地の条件によって50~100万円程度の差が生じることが一般的です。
特に国道の向こう側から水道を引き込むような場合は、水道を引くだけで500万円近くかかってしまうことも珍しくありません。
それだけでなく、コンテナハウスは設置してから年間10万~20万円ほど、以下の維持費用がかかります。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 修繕費
- 火災保険料
最終的に、一般的な木造住宅と変わらない費用がかかる点を見落とさないようにしましょう。
メンテナンス費用の詳細は後述します。
安価な中古コンテナはほとんどが違法
コンテナハウスと聞いて、安価な中古の海外輸送用コンテナをイメージした方も多いでしょう。
実際、中古コンテナは一般的に20万円前後〜50万円の価格帯で入手が可能ですが、建築基準法では、中古コンテナをそのままコンテナハウスに転用することが禁止されているため注意が必要です。
日本では「JIS鋼材」を使っていないコンテナハウスは違法であり、JIS鋼材が使用されていない海外輸送用コンテナをそのまま使って建てると違法となります。
または基準を満たすために、数百万円かけて大掛かりな改装が必要です。
また、建てるときに確認申請が不要でも、既存の違法建築物は取り締まりの対象となるため、最終的に撤去を求められる可能性が高いです。
コンテナハウスを設置できない場所が多い
コンテナハウスの設置は都市計画法などにより規制されている場合があります。
例えば防火地域・準防火地域、倉庫として建てる場合の都市計画区域、その他自治体による規制などです。
まず、立地が「防火地域」「準防火地域」の場合は建築確認が必要です。
また「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」においては、主に住環境を守るための地域であるため、営業用倉庫は建てられないと定められています。
したがって、これらの地域に倉庫型のコンテナハウスを建築すると違法です。
その他、自治体独自の条例によって規制される場合があり、コンテナハウスの高さや色、設置場所などに制限があったり、既存のコンテナハウスでも「違法性が認められれば撤去を命じる」としているところもあるようです。
事実、2004年にはコンテナハウスを設置した事業者に対し、横浜市が撤去を命じた事例があります。
参照元: 日経クロステック「倉庫用コンテナにも及んだ建築基準法改正の余波」
なお、用途を問わず常設していると指導する自治体もあるようなので、倉庫以外なら大丈夫とも言い切れません。
コンテナハウスの設置を考えている場合は、事前に役所や専門家に相談するほうが確実でしょう。
トレーラーやクレーンが入れないと設置できない
コンテナハウスはどこにでも簡単に建てられるイメージがありますが、物理的な制約により建てられない場合もあります。
コンテナハウスを設置するにはトレーラーとクレーンを使うため、それらが作業できない環境には設置できません。
- 設置する土地が狭い
- 現地までの道幅が狭い
- 電線が低い・複雑に絡み合っている場所
- 樹木が張り出している場所
まず、コンテナハウスは工場で組み立ててからトレーラーで現地まで運び込むので、道幅が狭いとトレーラーは通れず搬入できません。
また、設置にはクレーンで吊り上げる必要があるため、電線が低い場所・複雑に絡み合っているような場所や、樹木が張り出している場所はクレーンが使えないのでNGです。
コンテナハウスを購入する前に、建設したい敷地コンテナが設置できるか、最低でもGoogleマップで土地の様子や道幅のチェックぐらいはしておきましょう。
自由に電気を配線できない
コンテナハウスには電気の配線の自由度が低いというデメリットもあります。
通常コンテナハウスは電気の配線が難しく、コンセントが壁際にしかなく数も少ないことが一般的です。
ちなみに電気の配線をDIIYで行うためには、最低でも「第二種電気工事士」の免許が必要で、無資格者が配線すると違法になるため注意しましょう。
配線の自由が利かずコンセントの位置や数を選べないため、模様替えがしづらい点はコンテナハウスのデメリットといえるでしょう。
こまめなメンテナンスが必要
コンテナハウスはノーメンテナンスで長持ちしそうなイメージがありますが、実際にはこまめなメンテナンスが必要です。
コンテナハウスの経年劣化は一般的な重量鉄骨住宅と変わらないため、定期的に以下のメンテナンスを行う必要がなります。
- 防さび加工・塗装
- シロアリ対策
- 雨漏り対策・補修
雨風や強い日差しに晒され続ければ、コンテナの塗装は剥げてきます。
通常の住宅なら10年~15年で改修を考えれば済みますが、錆びやすいコンテナは5年に1度の定期的な塗装が欠かせません。
また、コンテナハウスに入っている断熱材はシロアリに浸食されやすいため、シロアリ対策も必須です
また、気密性が高い分、コンテナハウスは結露も起こりやすいので、日頃からこまめな換気を行うなど、環境や湿度に注意しなければなりません。
法定耐用年数こそ木造住宅よりも長いものの、快適な環境を長く保つには多くの手間と費用がかかります。
構造耐力を満たす必要がある
コンテナは単に置けばいいというものではなく、構造的な強度が規定を満たさなければ違法となってしまいます。
建築基準法第20条では建築物の「構造耐力」について規定され、コンテナが以下の状態で置かれた場合は違法とみなされるため注意が必要です。
- 適切な基礎が設置されていない場合
- コンテナと基礎の接合が適切でない場合
- コンテナを積み重ねる場合のコンテナ同士の接合が適切に行われていない場合
建築基準法の規定を満たさないコンテナハウスは、行政から撤去命令を受けると自費で撤去しなければなりません。
母屋がある場合は建ぺい率・容積率にも注意
再建築不可の土地に母屋がある場合、コンテナハウスを「増築」する際に建ぺい率・容積率をオーバーしないよう注意が必要です。
ここでいう増築とは、母屋とは別に離れを建てたり、倉庫、サンルーム、ベランダ、バルコニー、カーポートなどを増設することも含まれます。
したがって母屋とは別に、同じ敷地内にコンテナハウスを建てた場合の「建ぺい率・容積率」は、母屋とコンテナハウスを合計した床面積で見なければなりません。
「再建築不可物件にコンテナハウスを設置できる条件」に適合していたとしても、母屋との合計で建ぺい率・容積率オーバーだと違法となるので、注意が必要です。
「移動」は簡単だが「売却」は難しい
コンテナハウスは不要になったときに「移動」が簡単な半面、「売却」は簡単ではありません。
通常の家やマンションなどであれば、不動産仲介業者を通じて、全国の不特定多数の購入希望者に売り出すことが可能です。
多くの購入希望者から高く買ってくれる買主を選べるので、売主は比較的高値で売却できるでしょう。
しかしコンテナハウスの場合、いざ売ろうと思っても、流通できる市場や窓口が限られます。
そもそも欲しいと思う人が少ないため、大変売れにくく、希望より大きく値を下げて売ることになるでしょう。
中にはコンテナハウスを買い取る専門業者もありますが、一般に「外装」「内装」「サイズと規格」を厳しくチェックされます。
そのため個人に特化した仕様だったり、少しでもメンテナンスが不足していると、引き取ってもらえない可能性が高いです。
ちなみに当サイトを運営する弊社AlbaLink(アルバリンク)は、再建築不可物件専門の買取業者として、活用できない再建築不可物件でも問題なく買い取ってきた実績が多数あります。
「再建築不可物件がコンテナハウスでも活用できそうにない」とお悩みの場合は、一度お気軽にご相談ください。
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コンテナハウス以外で再建築不可物件を活用する方法
最後に、コンテナハウスでは再建築不可物件を活用できない方のために、コンテナハウス以外で再建築不可物件を有効に活用する方法を解説します。
結論から言うと、3つ目の「専門の買取業者」がもっともスピーディーで、かつ手間もかからないおすすめの活用方法です。
賃料収入を得る
再建築不可物件を活用し、賃料収入を得る方法を紹介します。
活用方法 | 特徴 |
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戸建て賃貸物件 |
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駐車場 |
|
資材置き場 |
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古い家屋が残っている場合は「戸建て賃貸物件」として活用するのも方法の1つです。
他者に住んでもらうためにはリフォームをする必要がありますが、入居付けに成功すれば安定した家賃収入を得られます。
ただし、立地が良くないと入居希望者が現れない可能性があります。
また、建築基準法改正によって、2025年4月からは再建築不可物件で大規模なリフォームが行えるのが、延べ面積200㎡以下の木造平屋のみに限定される点にも注意が必要です。
参照元:国土交通省「2025年4月から木造戸建の大規模なリフォームが建築確認手続きの対象になります」
2番目の「駐車場」であれば、再建築不可の土地でも建築確認を気にせず活用できます。
ただし手軽そうに見えて意外に収益化は難しく、初期投資やランニングコスト、固定資産税分の出費を回収できない可能性があります。
続いて3つ目の「資材置き場」も、建築物を建てずに土地を活用できる方法です。
初期費用がほとんどかからずに済むものの、収益性は高くなく、近隣住人とトラブルにならないよう配慮が必要な点はデメリットといえるでしょう。
全般的に、再建築不可物件を活用して収益化するには、立地が良くないと難しいといえます。
なお、以下の記事では、再建築不可物件の詳細な活用方法を紹介しているので、参考にしてください。
「裏ワザ」で再建築可能にする
再建築不可物件は以下の「裏ワザ」を使って再建築可能にできる場合もあります。
裏ワザ | 詳細 |
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位置指定道路 |
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セットバック |
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隣地の一時購入・借受 |
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43条但し書き道路 |
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1つ目の「位置指定道路」とは、自分の土地の一部を法律上の「道路」とすることで、再建築を可能とする方法です。
位置指定道路と認めてもらうには、道路幅や舗装、勾配がないことなど、厳しい要件を満たす必要があるので、土地の条件によっては現実的でないかもしれません。
2つ目の「セットバック」とは、接道する道路幅が狭い場合に、道路を敷地側に後退させて4m道路にする方法です。
この方法なら再建築は可能になりますが、30万~80万円ほどの費用がかかることと、使える面積が狭くなることがデメリットです。
3つ目の「隣地の一部を購入または借受」する方法は、隣地の取得・借受で接道義務を満たす方法です。
ただこの場合、隣人の同意がなければ成り立たないので、隣人にもメリットがなければ難しいでしょう。
4つ目の「43条但し書き道路」とは、敷地の周囲の空き地を道路と認めてもらうことで事実上の接道状態をつくり、再建築を可能にする方法です。
認可を受けるには、自治体から「交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がない」と判断される必要がありますが、自治体によっても認可基準が異なり、必ず認可が得られるとは限りません。
上記4つの裏ワザはいずれも難易度が高いので、実施する場合は専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
なお、再建築不可物件を再建築可能にする裏ワザの詳細は、以下の記事でも解説しているので、コンテナハウスを諦めた方は参考にしてください。
専門の買取業者にそのまま売却する
再建築不可物件を活用できず、裏ワザも使えなかった場合には、再建築不可物件専門の買取業者にそのまま売却することをおすすめします。
なお一般的な仲介業者では、活用も売却も難しい再建築不可物件など取り扱ってくれません。
というのも、通常の買主で再建築不可物件を購入したい一般の買主はほとんどいないからです。
しかし再建築不可物件専門の買取業者なら、一般の買主や仲介業者に敬遠されるような再建築不可物件でも、問題なく買い取れます。
なぜなら、専門の買取業者には物件の再生ノウハウと再販ルートが豊富にあるので、買い取った物件を有効活用する方法をいくらでも持っているからです。
また、専門の買取業者は土地や法律など各方面の専門家と連携しているので、関連法規をクリアしながら物件を適切に再生し、流通させることが可能です。
ですので優良な買取業者は、買い取った再建築不可物件を放置したり、事実を告げずに売却するようなことはありません。
アルバリンクなら再建築可能物件でも高額で買い取れる!
弊社AlbaLink(アルバリンク)は再建築不可物件をはじめとする「訳あり物件」を専門に買い取る不動産買取業者です。
これまでも多くの再建築不可物件を買取・再販してきた実績が豊富にあり、お客様からも高くご評価いただいております。
実際に、他社では断られるような再建築不可物件を多数買い取ってきました。
たとえば下記は弊社が買い取った千葉県富津市の再建築不可物件です。
この物件は前面道路の幅員が2m未満で接道義務を果たしていませんでした。 また、下の写真の「BEFORE」でもわかる通り、室内も老朽化が進んでいましたが、弊社はこの物件を600万円で買取り、リフォームを施したのち、提携している不動産投資家へ再販致しました。 このように弊社は再建築不可物件の再販先や運用方法を豊富に持っているため、老朽化が進んだ再建築不可物件であっても買い取ることができます。
実際、再建築不可物件をはじめ、弊社に物件の買取依頼をしていただいたお客様からは「売れずに困っていたが買い取ってもらえてホッとした」「もっと早く依頼すれば良かった」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
さらに弊社はお客様からの評判だけでなく、以下の理由で高い社会的信用も得ています。
ですから、「再建築不可物件の売却など初めてで不安なことばかり」という方こそ、弊社にご依頼いただければと思っております。
これまで培ったノウハウをフル活用し、あなたの再建築不可物件をできる限りスピーディーかつ高値で買い取らせていただきます(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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まとめ
再建築不可物件をコンテナハウスで活用する方法もありますが、その場合は多くの条件を満たさねばなりません。
建築基準法上は、コンテナハウスもれっきとした建築物です。
建築基準法の規制は厳しいため、再建築不可の土地に建物を建てるには、建築確認のいらない方法や場所で建てるしかありません。
ただし建築時に建築確認が不要であっても、法に適合しない建物は取り締まりの対象となり、是正指導や撤去命令を受ける恐れがあります。
さらに2025年からは建築確認が必要な対象が広がるため、再建築不可物件を活用できる可能性はいっそう狭まるでしょう。
もし再建築不可物件を活用も裏ワザで再建築可能にすることもできないのなら、専門の買取業者に買い取ってもらうことをおすすめします。
再建築不可物件専門の買取業者なら活用できない再建築不可物件でも、適正な価格で買い取ってくれるからです。
なお弊社AlbaLink(アルバリンク)も、再建築不可物件をはじめとする訳あり物件専門の不動産買取業者です。
豊富な再生ノウハウと再販ルートを活かし、多くの訳あり物件を買い取ってきた豊富な実績は、多数のメディアでも紹介されてきました。
再建築不可物件の処分も活用も諦めかけていた方は、ぜひ一度弊社の無料査定からご相談ください。