空き家の維持費はいくら?計算方法を解説

空き家

空き家の維持費用にかかる年間コストは、

  1. 固定資産税
  2. 都市計画税
  3. 火災保険料
  4. 修繕費用
  5. 光熱費
  6. その他

の合計を足したものとなります。

仮に、土地と建物の評価額がそれぞれ土地1,200万円、建物500万円だった場合には約35万円/年となります。名目ごとの計算方法について、記事内で詳しく解説していきます。

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空き家の維持に必要な費用

空き家の維持に必要な費用

冒頭の通り、空き家を維持していくのには下記の6つの費用がかかります。

固定資産税

空き家を使用していない場合でも、不動産の所有者は必ず固定資産税の納税義務があります。

固定資産税は、所有する不動産がある市区町村が「固定資産税評価額(課税標準額)」を定めます。

この評価額に一定の税率(1.4%)を掛けて算出します。

また、住宅用地で200㎡以下の土地は、固定資産税評価額が6分の1になる優遇措置があります。

※原則税率は全国一律1.4%となっていますが、特に必要のある際は上回った税率を課すことができます。

補足
固定資産税評価額は、納税通知書と一緒に送られてくる課税明細書を確認するのが一番早いでしょう。手元になければ該当する市区町村の納税課などで課税証明書などを取得する必要があります。

都市計画税

都市計画税は、都市計画法によって線引きされた「市街化区域」内にある土地が課税対象になります。

一般的な都市計画税の税率は0.3%で、都市計画税も固定資産税と同様に、200㎡以下の住宅用地の場合、評価額が3分の1になる優遇措置が設けられています。

税金

※税率は自治体によって異なる場合もあります。

都市計画税も、固定資産税と同じく固定資産税評価額(課税標準額)を確認する必要があります。

火災保険料

火災保険料は保障内容や空き家の築年数・構造・大きさなどによって費用が大きく異なります。
当然、加入する保険会社によっても差があります。

あくまでも目安としてですが、6万円~12万円/年で想定しておきましょう。地震保険にも加入する場合ももう少し負担が大きくなります。

火災保険料

修繕費用

建物は経年劣化によって、さまざまな箇所に不具合が生じてくるものです。特に人が住んでいない空き家は建物の劣化が早い傾向があります。

外壁の剥がれや屋根の雨漏り、外構のブロックの亀裂や破損などです。

また、寒冷地では凍結によって、古い水道管は破損しやすくなり大規模な修繕が必要になる場合もあります。

自分でもできる小さな修繕なら費用はかかりませんが、業者に大きな修繕を依頼する場合は出費もかさみます。

光熱費

定期的な掃除など、空き家の管理のために電気や水道などの契約を継続しておくことが必要です。

そのため、基本使用料は支払っていくことになります。

月々の金額は小さいですが、長期間積み重ねると意外と大きな額になっていきます。

維持管理費

その他

空き家の管理などを業者に依頼している場合は、管理委託料などがかかってきます。

管理業者のサービス内容によって委託料はまちまちですが、1ヶ月で5,000円~10,000円/月が相場となっています。

空き家の維持費の計算方法

では具体的に、空き家の1年間の維持費用を計算していきましょう。
土地面積が100㎡で、土地の固定資産税評価額が1200万円、建物が500万円の例でみていきましょう。

【土地】
固定資産税:1,200万円×1/6×1.4%=2.8万円
都市計画税:1,200万円×1/3×0.3%=1.2万円

【建物】
固定資産税:500万円×1.4%=7.0万円
都市計画税:500万円×0.3%=1.5万円

固定資産税と都市計画税の合計:12.5万円
管理に必要な水道光熱費
1.5万円~3.0万円
火災保険料約12万円
地震保険料約5万円
修繕費や管理にかかる雑費3万円~

この例の場合、1年間の空き家維持費は35万円前後になります。

維持費の計算

実際には、光熱費の基本使用料は地域によって2~3倍違うこともあります。

また、空き家が遠方の場合はこのほかにも交通費などが必要です。

また、寒冷地と温暖な地域では維持費にも違いがあり、空き家の状況や条件よって維持費用には大きな差があるものです。

このように、空き家を所有しているだけで月に3万円近い出費がかさんでしまいます。ただ、空き家を放っておくことのデメリットは費用だけではありません。空き家を所有し続けるデメリットについてもう少し具体的に見ていきましょう。

空き家を所有し続けるデメリット

空き家を所有し続ける1番のデメリットは、先にも書いたとおり費用ですが、それ以外にも下記のようなデメリットがあります。

  1. ゴミや害獣の発生
  2. 犯罪に悪用される可能性がある
  3. 賠償責任を負わされる可能性がある
  4. 特定空き家に指定されるとペナルティがある
  5. 固定資産税が最大6倍になる

などです。

空き家の管理は1ヶ月単位でみれば大した額ではないかもしれませんが、何十年もの期間に換算すると結構な金額になるものです。

維持管理に費やすのはお金だけではありません。掃除・点検・メンテナンスなど、大切な財産の資産価値を守るためには、時間や労力がかかることも頭に入れておきましょう。

空き家の修繕や点検などの定期的なメンテナンスをせずに放置状態が続くと、通風の悪い室内から湿気やカビが発生して建物の劣化が早く進行します。

老朽化した建物は景観が悪くなるだけではなく、資産価値の下落や周囲へ与える悪影響で近隣トラブルの可能性も懸念されます。

それぞれ詳しく見て行きましょう。

ゴミや害獣の発生

空き家が地方都市など遠方にある場合、こまめな管理が難しくなります。

放置されて荒れた空き家がゴミの不法投棄場所になってしまうことが多く、ネズミやハクビシンなどの害獣やシロアリなど害虫の繁殖を誘発して、近隣の住宅にも被害が及ぶことになります。

ゴミや害獣の発生

 

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犯罪に悪用される可能性がある

空き家の劣化で景観が悪くなっていくことで、治安の悪化を招きます。

「雑草が伸び放題」「ポストに古いチラシが溜まっている」など、明らかに人の気配がない建物は、不審者の侵入や放火などにつながります。

最近では悪質な犯罪の拠点にされるケースも増えていて、オレオレ詐欺の現金受け渡し場所として利用されたり、不正入手したクレジットカードで商品を購入して、空き家を配送先に利用するなどの事例が起こっています。

所有者が知らないうちに犯罪の温床になっている可能性があるのです。

近年、空き家の点検や管理をしてくれる業者も増えています。自分で手をかけられない場合には、業者に定期的な管理を任せておけば安心です。

賠償責任を負わされる可能性がある

日本の住宅の多くが木造のため、空き家の老朽化で倒壊しやすい構造です。

柱などの基礎部が腐食して傾いてくると、屋根材や壁、塀などが落下することも。

  • 台風や地震などの災害時はさらに倒壊の可能性が増加
  • 屋根材はスレートや瓦など、重さがあるため非常に危険

空き家の落下物で「隣家の車を破損させた」「通行人にケガを負わせた」などの損害が起こった場合、空き家の所有者は被害者に損害を賠償する責任があります。

これは民法717条で定められています。

特定空き家に指定されるとペナルティがある

管理されていない空き家による悪影響を阻止するために、国は平成27年に「空き家等対策の推進に関する特別措置法」(空き家対策特別措置法)を施行しました。

この法律によって、「空き家」「特定空家」が区別され、特定空家の指定を受けると、まず自治体は立ち入り調査をおこない、所有者に改善すべき点を指導します。

指定された期間内に改善しない場合は、自治体から修繕や解体の「勧告」「命令」が下されます。

これに従わずに放置したままでいると、所有者は「罰金を課せられる」「固定資産税の軽減措置が受けられなくなる」といったペナルティを科せられることになるのです。

2023年3月3日に閣議決定された「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」では、所有者の責務と空き家の活用や管理についての規制がさらに強化されました。

特定空家

特定空家に指定される条件は以下のようになります。

特定空家に指定される条件

  1. 放置すると倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある
  2. 放置すると著しく衛生上有害となるおそれがある
  3. 適切な管理がおこなわれていないことにより著しく景観を損なっている
  4. 周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である

固定資産税が最大6倍になる

特定空家に指定されペナルティを科せられ、固定資産税の軽減措置(住宅用地の特例)が適用できなくなると、固定資産税評価額を6分の1にはしてもらえなくなります。

固定資産税評価額が1,200万円の空き家の場合、以下のようになります。

・軽減措置がある場合・・・固定資産税評価額1,200万円×1/6×1.4%=2.8万円
・軽減措置がない場合・・・固定資産税評価額1,200万円×1.4%=16.8万円

特例の適用で2.8万円に引き下げられていた固定資産税が、6倍の金額16.8万円になる、ということなのです。

空き家が「特定空家」に指定された場合、固定資産税が上がるタイミングは「行政から勧告を受けた翌年」です。

最悪の場合、行政が空き家所有者に空き家の状態改善に関する指導や命令などを行っても改善が見られなかった場合に、自治体により強制的に解体が行われ、相場以上の解体費用を請求される可能性もあります。

空き家の活用方法

空き家を有効に活用する方法はいくつかありますが、ある程度の資金は必要になります。

費用をかけられないのであれば、老朽化が進んで資産価値が下がらないうちに売却することをおすすめします。

賃貸住宅として貸し出す

一番簡単な活用は、現状のまま居住用の賃貸住宅として貸し出す方法です。ただし、不具合がなく状態のいい空き家に限られます。

多少手を入れるとすれば、クロスの張替や水回り設備の交換などのリフォームをおこなって貸し出すのが一般的です。

最近は古民家などの古い建物をリノベーションして、民泊施設やシェアハウス、カフェなどにした賃貸物件に人気があります。

賃貸住宅として貸し出す

建物を解体して更地で活用する

建物が利用できない状態の場合は、解体して土地として活用をする方法もあります。

立地や接道の状態がよければ駐車場に、近隣にニーズがあれば事業用の貸地などにもいいでしょう。

売却する場合も、建物がない更地の方が土地の形状がわかりやすく、見た目のイメージもいいため、売却がしやすくなります。

建物を解体して更地に

 

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現況のまま売却する

空き家に出費をしたくない、費用はかけられないという場合には、現状のまま売却をする方法が一番いいでしょう。

築年数が古い場合には、「古家付き土地」として建物を解体しないまま土地として売却することも可能です。

ただ、室内に残っている家財道具やごみなどは廃棄してから売り出しましょう。

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まとめ

空き家の維持管理には費用や時間や労力がかかることをおわかりいただけたかと思います。

空き家を所有している目的や将来的な計画がないのであれば、なるべく早いうちに空き家の活用を考えることをおすすめします。

建物は、最終的に建て替えや解体が必要な時期がおとずれます。

大きな費用が掛かる前に最善の方法を選択していきましょう。

 

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監修者

新谷和也 住宅ファイナンシャルプランナー

プロフィールページへ
住宅に強いFP事務所FP Lab Route10代表。金融業界と住宅業界での実務経験をもとに住宅取得等の中立的なサポートを得意とする。

◆保有資格・関連リンク
省エネ建築診断士(Passiv House Japan)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(日本FP協会
証券外務員二種(日本証券業協会
住宅ローンアドバイザー
ハウジングライフ(住生活)プランナー(JTI)
木構造マイスター準1級(全国ハウジングマイスター協会

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