空き家掃除をする必要性
空き家を所有する背景には、解体費用が払えない・思い入れがある・将来使う可能性がある、などさまざまな事情があります。
しかし、空き家掃除は定期的に行う必要があります。
空き家掃除には、以下のようなリスクを回避する意味合いもあるためです。
・空き家の劣化を防ぐ
・放火犯による火災などの犯罪を防ぐ
・特定空き家認定されることを回避する
この章では、空き家の掃除をする必要性について解説していきます。
空き家の劣化を防ぐ
空き家の劣化を防ぐために掃除は欠かせません。
なぜなら、空き家の劣化の主な原因は以下の4つだからです。
・気温の変化
・害虫や害獣の侵入
・風雨による損傷
湿気と結露、気温の変化に対しては、定期的な換気対策が必要です。家の中と外の気温の温度差を減らす対策をとらなければなりません。
シロアリやゴキブリなどの害虫、ネズミやコウモリなどの害獣の侵入対策として、窓やドア、通用口など家の隙間を封鎖することも必要です。空き家に行った際は、害虫、害獣の侵入した形跡がないかの確認もすることが求められるでしょう。
空き家の風雨による損傷も定期的に確認が必要です。長期間、放置していると空き家内部の腐食が進み、建物の強度が下がります。
空き家の劣化を防ぐためには、事前対策も必要ですが、定期的な点検やメンテナンスも必要です。
そのためにも、月に1回は空き家の掃除へ行き、掃除と共に空き家の状態を確認することも求められます。
放火犯による火災などの犯罪を防ぐ
近隣住民に空き家であると認知され空き家が犯罪に使用されることを防ぐためにも、空き家の定期的な掃除は必要です。
空き家が放火、薬物の受け渡し、遺体遺棄の犯罪現場として使用される事件が増えています。
参照元:亡き夫や息子の思い出の品盗まれ「片付ける気力も出ない」…空き家窃盗、昨年4500件超
参照元:空き家を狙う窃盗事件増加…埼玉県警が地域の郵便配達員とパトロール
管理が行き届いていない空き家は近隣住民からは空き家であると認知されやすいです。ゴミが放置されていたり、庭が生い茂っていたりすると人が住んでいない家だとわかります。
特定空き家認定されることを回避する
特定空き家と認定され、行政からの指導を無視し続けると、「住宅用地の特例」から外れます。そうなると、最大6倍の固定資産税を支払わなければならなくなります。
特定空き家とは、空き家対策特別措置法により、問題があると自治体から認定された空き家のことです。
倒壊の恐れがあったり、衛生上有害であったりする空き家のことを指します。加えて、景観を損ねている場合や周囲の生活環境に悪影響を及ぼすと判断された場合も特定空き家として認定されます。
特定空き家認定の流れは以下の通りです。
特定空き家と認定される前に、空き家の掃除をきちんとしておくことが必要です。月に1度は空き家へ足を運び、空き家を綺麗な状態に保つことが求められます。
空き家対策特別措置法について、詳しくはこちらをご覧ください。
自分で空き家掃除をするポイント
自分で空き家を掃除する時のポイントはいくつかあります。
- 道具の準備
- 室内の換気
- 郵便物の確認
- 水道の通水確認
- 電気設備の確認
- カビの除去
- 害虫・害獣の侵入を防ぐ
この章を読むことで、事前に準備しておくことや空き家の掃除だからこそ気を付けることがわかります。
月に1度を目安に、空き家の掃除は所有者にとって義務となるでしょう。空き家を所有し続けるのであれば、空き家の片付けに労力を使い続けることに通じます。
空き家の片付けという負担を手放すには、売却が1番早いです。
1円でも高く売りたいのであれば、専門の買取業者にスピーディーに対応してもらった方が良いです。
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道具の準備
空き家掃除の事前準備として、電気、ガス、水道の状態を確認します。掃除の前に空き家の安全性を確保します。
また、空き家掃除に必要なものは以下のものです。
・掃除機
・モップとバケツ
・ほうきとちりとり
・掃除用ブラシ
・雑巾とスポンジ
・多目的クリーナー
・ガラスクリーナー
・カビ取り剤
・消毒液
・古歯ブラシ
・ゴム手袋
・マスク
・ハシゴや脚立
・ゴミ袋
・ペーパータオル
上記のアイテムで、大きなゴミを除去した後は、床の拭き掃除・窓掃除・排水溝掃除・ゴミの回収などを行いましょう。
室内の換気
空き家は定期的に人が出入りせず、窓も閉めたままになっているため、空気がよどんでいます。
換気扇を回し、対角線上に窓を開けて空気の入れ替えを行いましょう。
定期的に換気・通風を行うことで、家屋・家財の湿気による劣化を防ぎやすくなります。
郵便物の確認
たまに行く空き家には郵便物がある程度、溜まっているでしょう。ポスト一杯ではないからと放置しておくと、郵便物が溜まります。
そして、ポストの郵便物から近隣住民から空き家だと認定される恐れがあります。
定期的な確認が必要なので、月に1回の空き家の際に忘れずに必ず確認しましょう。
水道の通水確認
空き家にあるキッチン、バスルーム、トイレなどの水が流れる場所は通水することが重要です。
使用していない蛇口は汚れや錆びが溜まっているので数分間、水を流しっぱなしにしておく必要があります。悪臭の原因にもなりますので忘れずに行ってください。
各蛇口の通水確認をして、水道管に水漏れがないか確認します。
水漏れがあった場合は、水道業者に修理依頼をする必要があります。
水漏れ等のトラブルが起きた場合は、すぐにプロの水道修理事業者に依頼してください。
ご自身で対処しようとすると症状が悪化する危険性があります。
水道修理事業者の中にはぼったくりを行う悪徳業者もいます。
被害に遭わないためには比較サイトにて信頼できる業者に依頼しましょう。
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蛇口の点検はしっかりと行い、被害が大きくなる前に対処していく方が良いでしょう。
電気設備の確認
室内のコンセントとプラグの間にホコリが溜まっている場合は、雑巾などで除去しましょう。
溜まったホコリを放置していると、湿気を吸収して漏電・発火するトラッキング現象が起こりやすくなります。
待機電力の消費・火災などを防ぐためにも、空家の掃除が終わったら都度ブレーカーを落としておくのがおすすめです。
カビの除去
空き家のカビは適宜、除去が必要です。
カビが広範囲に広がってしまい壁の内側に入り込んだ場合は、専門の業者に依頼する必要が出てきます。強引に自分で除去しようとすると、カビの胞子が広がってしまいます。このような場合は自分で無理せずに、プロに頼みましょう。
また、カビが浸透する前に、定期的な点検をすることが大切です。
換気の頻度が低い空き家だからこそ、カビの確認にはいつも以上に気を払う必要が出てきます。
害虫・害獣の侵入を防ぐ
空き家の隙間から、シロアリやゴキブリのような害虫、ネズミやコウモリのような害獣が家に入り込んでいる可能性は十分にあります。
空き家にある隙間を塞いで事前に対策しておくことも大切ですが、食べ残しのようなゴミ、不要物を捨て空き家を綺麗に保つことも大切です。
加えて、ネズミのような害獣には害獣用のトラップを空き家に設置しても良いでしょう。
害虫、害獣に対して、自分で対処できないと思ったら、直ぐに専門の業者へ依頼することをオススメします。被害が大きくなる前に防ぐのも立派な管理です。
空き家の掃除業者7選
「空き家まで行くのが大変だから掃除業者に頼もう」
「ここまで汚いと自分では片付けられないから掃除業者にお願いしよう」
空き家の掃除を業者に依頼するとなると、上記のようなことを考える方もいるのではないでしょうか。
お金はかかりますが、空き家が遠方にあって月に1度の掃除ができない場合、空き家を汚いまま放置するよりも掃除業者に依頼して空き家を綺麗にしてもらった方がいいです。
しかし、業者に依頼するときは気を付けなければいけないこともあります。
サービス内容と見積・料金はしっかりと確認しましょう。自分が求めるサービス内容か、サービス内容に対して金額は見合っているかどうかは業者とのやり取りで明確にした方がいいです。
業者とのコミュニケーションで信頼できる業者かどうかもわかります。また、複数の業者に見積を依頼した上でサービス内容を吟味する手段もあります。
近年では、空き家の管理サービスを行う掃除業者もあります。掃除だけでなく、郵便物の確認〜換気や通水など行うので空き家管理に適しています。
この章では、7つの空き家の管理サービスを行う掃除業者をご紹介します。
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- ダスキン
- 東京ガス
- カジスキー
- 家事処(かじどころ)
- 大東建託パートナーズ
- Livness(リブネス)
- 日本空き家サポート
ダスキン
引用元:DUSKIN
ダスキンでは、空き家の保持に適した「空家点検サービス」を行っております。空き家を定期的に訪れ、掃除や点検、換気や通水を代理で行います。このサービスの標準料金は13,200円〜となります。
加えて、「お部屋の全てお掃除サービス」や「害虫獣駆除サービス」、「空き家の庭のお手入れ」などの追加オプションもあります。空き家の状況に合わせて必要なサービスを選択しても良いかもしれません。
東京ガス
引用元:東京ガス
東京ガスでは、空き家管理サービスとして「実家のお守り」というプランがあります。このサービスは東京ガスに契約しているしていないに関わらず、誰でも利用することができるサービスです。
誰も住んでいない空き家を月に1回、掃除や点検を代行するものです。作業内容は現地カウンセリングで決めることができるので依頼する側も十分に考えた上でサービス内容を決めることができるのではないでしょうか。
サービス内容は以下の通りです。
引用元:東京ガス
加えて、オプションとして、郵便物転送や除湿剤購入、除草剤購入などがあります。購入された除湿剤や除草剤は作業時間内であれば無償で対応できます。
現地カウンセリングで必要なサービスを決めることができるので、自分の空き家に適したプランを考えることができるのではないでしょうか。
カジスキー
引用元:カジスキー
通気・換気、通水、掃除、設備管理、防犯上の管理・郵便物の転送など空家管理の代行サービスを行っています。
このサービスは空き家だけでなく、長期出張や海外赴任で家を長く空ける方にもサービスを提供しています。
関東や関西、札幌市近郊、名古屋市近郊のエリアによって、料金が異なってくるので見積で金額の確認が必要です。
見積では、実際にプランナーの方が家に訪問し、要望を聞いた上で最適なプランを提供してくれます。
家事処(かじどころ)
引用元:家事処
空き家管理サービスでは、掃除や通水・通風などを専門のスタッフが行います。住宅価値を損なわないために必要なサービスは網羅されています。
加えて、家財道具などの移動や処分も行ってもらえるので、空き家に不用品がある方におすすめです。
空き家・留守宅でもハウスクリーニングを行なってもらえるのは、家事処のメリットといえます。
さらに、家事処ではサービス提供時間を幅広く提供しています。料金は追加でかかりますが、時間の融通が利きやすいサービスです。
大東建託パートナーズ
引用元:大東建託パートナーズ
空き家管理サービスがあり、3つのサービスから自分の空き家に適したサービスを選べます。
料金 | 巡回の回数 | |
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内外部巡回サービス | 11,000 円(税込) | 月1回 |
外部巡回サービス | 5,500 円(税込) | 月1回 |
マンション巡回サービス | 8,800 円(税込) | 月1回 |
約70分で空き家の維持に必要な作業・確認を実施します。室内に雨漏り等の異常がないか細かくチェックするのもサービスに含まれているので、空き家をきれいに保ちたい方におすすめです。
Livness(リブネス)
引用元:Livness
Livnessは、大和ハウスグループの大和ライフネクストが警備会社であるALSOKと業務提携を行い、全国にて有人巡回や機械警備による24時間監視をするサービスです。
空き家の維持に必要な通水や換気などのサービスだけでなく、巡回結果をメールで確認することもできます。
防犯に気を付けたい方におすすめのサービスです。
日本空き家サポート
引用元:日本空き家サポート
日本空き家管理サービスでは、所有している空き家のニーズに合わせた管理プランを提供しています。
以下は一戸建て専門の空き家管理プランです。
管理料金/月額(税込) | 巡回管理 | |
---|---|---|
ライトプラン | 5,500円 | 月1回 |
スタンダードプラン | 11,000円 | 月1回 |
スタンダードプラスプラン | 14,300円 | 月2回 |
ライトプランは、近隣住民に迷惑がかからないようにする必要最小限のサービスです。
空き家をきれいに維持したい方や掃除まで依頼したい方であれば、スタンダードプランを検討した方が良いです。
また、くまなく空き家を管理し、維持したい方はスタンダードプラスプランで、空き家の異常をいち早く確認できるサービスが良いでしょう。
他に、マンション専用の空き家管理プラスもあります。約60分の作業時間で月額の費用がリーズナブルになっています。
管理料金/月額(税込) | 巡回管理 | |
---|---|---|
マンション管理プラン | 5,500円 | 月1回 |
所有している空き家に合わせてプランが選べるところがおすすめです。
空き家掃除を手放す方法
空き家の劣化を防ぐには月に1回の掃除が必要です。
空き家の掃除を自分で行う手段もあれば、空き家管理の業者に依頼する手段もあります。
空き家の掃除を自分で行う場合は、お金はかかりません。ただ、定期的に掃除をするために空き家に行くのが面倒であったり、近隣住民への気遣いなど疲労することが多いです。
一方、空き家管理の業者に依頼する場合は、自分で掃除しなくてもいいので楽ではあります。しかし、お金がかかり続けることなので、月額の費用としては小さくても年間で10万円以上はかかると考えると大きな出費でもあります。
空き家の掃除を手放すには空き家を貸すか売却するのが良いでしょう。
ここでは、空き家の貸出と売却についてご紹介します。
空き家の貸出
空き家貸出のメリットは以下の4つです。
- 空き家のメンテナンスを所有者の代わりに行う人ができる
- 空き家の老朽化を防ぐことができる
- 防犯効果
- 家賃収入が入る
空き家の貸出ができれば、住んでいる人が家の管理やメンテナンスを行うので、家の老朽化を防ぐことができます。家は放置すると劣化しやすくなるので、その点では安心です。
また、空き家であるという時点で不法侵入や放火など犯罪の温床になる可能性があります。誰かが住んでいるということで、防犯効果が期待できます。
加えて、賃貸料が定期的な収入源になることもあります。
しかし、空き家を誰かに貸すのであれば、自分で空き家に住みたい人を探すのは大変ですし、そもそも空き家に好んで住みたいと思う人は中々いないでしょう。
仮に、住む人が見つかったとしても、家を綺麗に使用する人でなかったり、近隣住民に迷惑をかけトラブルを起こす人であったら、掃除以上の労力がかかるでしょう。
空き家の賃貸もメリットばかりではないことを意識する必要があります。
空き家を売却
空き家を売却すれば掃除だけでなく、空き家の管理すべてを手放すことができます。加えて、今まで維持費にお金がかかっている空き家を現金化することもできます。
「空き家は売れない」
「空き家は売れたとしても大したお金にならない」
空き家を売ろうとした時、上記のようなことを考える方が多いのではないでしょうか。
不動産買取業者によっては、空き家は好まれませんし、空き家の査定を断るところもあります。
なので、空き家は専門の買取業者に依頼するのが手っ取り早く解決します。
空き家専門の買取業者であれば、空き家専門の独自のノウハウがあります。
それによって、空き家を買取後、売却する際に高く販売することができます。高く販売できた金額を上乗せして、空き家買取時に所有者の方に高い金額をお渡しするようにできる仕組みがあります。
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他社では断られた空き家を買い取った実績もございます。
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まとめ
本記事では、空き家の掃除に関して自分で掃除する際に気を付けることや、空き家管理サービスについてご紹介しました。
空き家の掃除は、空き家を掃除するだけと思われるかもしれませんが、定期的に継続し続けるものと感じると負担に感じるのではないでしょうか。
空き家の掃除は必ずしも自分で行わなければならないことではありません。空き家の管理業者に委託する方法もあります。
ただ、空き家掃除専門の業者に依頼するとなるとお金が定期的に発生します。年間でいうと、10万〜20万円はするでしょう。空き家の条件によってはもっと高くなることもあり得ます。
空き家を管理するとなると、そのような負担をしてまで空き家を維持し続ける必要があるのか一度、考える必要があるのではないでしょうか。
空き家を所有することで負担ばかりだと感じているのであれば、空き家を売却して負担を手放す方がこれからの生活を快適に過ごせるのではと思います。
不動産買取業者には空き家の買取・査定を断られるケースもあるのですが、空き家専門の買取業者に依頼すればスムーズです。
なぜなら、専門の買取業者は、通常の不動産屋や一般個人では取り扱いが難しいとされる空き家を、再生・商品化し、活用するノウハウに長けているからです。
その中でも、実績豊富な買取業者を選ぶことで、相場よりも高い金額で空き家買取を行っております。
実績豊富な買取業者ほど、他の買取業者よりも空き家を低コストかつ、最も資産価値の高い形で再活用するノウハウを有しており、その分を買取金額に上乗せして売主様に支払うことができるからです。
例えば、必要最低限のリフォームを施し、不動産投資家や店舗オーナーへ再販売するなどがあげられます。
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