事故物件を売却する時の告知義務と価格相場
不動産取引で営業する不動産会社(宅地建物取引業者)には、買主の判断に重要な影響を与える事項を、隠さず正しく伝える告知義務があり、人の死の告知にはガイドラインもあります。
参照元:宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン
不動産会社の告知義務は、売主にまで拡大適用されるものではありませんが、仲介してもらう不動産会社に人が亡くなっていることを伝えないと、不動産会社から買主へ伝わりませんよね。
ですから、結局は売主にも同様の告知義務があると考えるべきで、人の死を隠して売却すると、後から買主に契約不適合責任を問われ、代金減額や損害賠償または契約解除を請求されかねません。
売買対象の種類・品質・数量が契約内容に適合しない場合、売主が買主に対して負う責任。
もっとも、買主への告知が必要かどうかは、仲介する不動産会社が判断しますので、売主は売却したい不動産で起こった人の死を、隠さずに不動産会社へ伝えるだけで大丈夫です。
売買での告知義務に期限は定められていない
ところで、人の死をどのように感じるかは、価値観・宗教観・性格などによって個人差があります。
例えば、老衰で眠るように息を引き取った場合と、悲惨な殺人事件で亡くなった場合では、誰でも印象が変わるでしょう。
そこで、ガイドラインでは、老衰や病死などによる自然死と、生活上で起こった不慮の事故死(転落・転倒・誤嚥など)については、買主に告知しなくてもよいと定めました。
ただし、自然死・不慮の事故死であっても、発見が遅れることで特殊清掃・大規模リフォーム等が行われた場合には、告知する必要があります。
遺体の腐敗によって、異臭や体液等の流出が発生したときに、原状回復を目的として除菌・消臭等を行う特殊な清掃作業のこと。多くは専門業者によって行われる。
その他の死(自殺・殺人・焼死・死因不明など)については、買主が日常生活で通常使用しない集合住宅の共用部分に限り、原則として告知しなくてよいとされています。
また、ガイドラインで重要なのは、売買において告知を必要とする期間が定められていない点です。心理的瑕疵は、時間の経過で薄れていくと考えられますが、売買では何年経過しても告知が必要です。
告知義務について詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
心理的瑕疵は売買価格が下がる傾向
前述のとおり、人の死に対する感じ方には個人差があり、同じ事故物件でも買主によって心理的瑕疵の強さは変わりますので、売買価格への影響は買主しだいで異なります。
しかし、ある程度の相場が存在するのは間違いなく、良く言われているのは次のような値下げです。
- 孤独死+特殊清掃では10〜20%程度の値下げ
- 自殺は20〜30%程度の値下げ
- 他殺は50%程度の値下げ
主に影響するのは死因ですが、その他には事件性・経過期間・地域性・立地にも影響されます。
つまり、世間で話題になった殺人事件では、50%の値下げで済まないかもしれませんし、駅近の単身用マンションで起こった孤独死なら、気にしない人が値下げなしで買う可能性まであるということです。
仲介業者は心理的瑕疵物件を取り扱いたがらない
不動産の売却方法として最も一般的なのが、「不動産業者に買手を探してもらう」手段です。
一般的に「仲介」などと呼ばれる方法で、買手探しをする不動産業者は「不動産仲介業者(以下、仲介業者)」と呼ばれます。
「仲介」の仕組みを簡単に説明すると、売主に買手探しを依頼された仲介業者が、新居を探す個人に向けて広く物件情報を公開し、買手を探します。
無事買主が決まって売買契約が成立したら、仲介業者は売主や買主から成功報酬として仲介手数料をもらい、それが仲介業者の利益となります。
このような仕組みから、仲介業者は、売れにくい心理的瑕疵物件の売却活動を積極的にしたがらないという、売主にとっては大きなデメリットがあります。
以下では、仲介のメリットのデメリットの詳細をそれぞれ解説していきます。
仲介のメリット
仲介の最大のメリットは、一般市場での売却なので比較的高い価格が期待できることです。
もちろん、売却価格は買主との交渉になりますが、売却希望価格で売れるまで待つことができるのも仲介のメリットでしょう。結果的に、心理的瑕疵をそれほど感じない買主に高値で売れるかもしれません。
また、不動産会社は広告を出したり、レインズという不動産情報システムに登録するなど、幅広く買主を探しますので、それだけ興味を示す人も増えます。
仲介に向いているとしたら、売り急いでいない場合、値下げが小さい死因で亡くなったケースの他、地域の中心地、大都市など不動産の流通が活発な立地・利便性のある物件になるでしょう。
仲介のデメリット
メリットだけ見ると、仲介で売るのが良さそうに感じますが、実は、事故物件の仲介をしてくれる不動産会社そのものが少ないという実情があります。
というのは、事故物件が売れにくいだけではなく、人の死があったと聞かされて購入を断念する検討者が続出することで、不動産会社にとっては問い合わせ対応の手間がかかり、さらに売れても安いため仲介手数料が安い「高コスト低リターン」な物件だからです。
また、事故物件は融資の対象になりにくい点も買主を選びます。
事故物件とはいえ高額ですから、ローンを使えないと資金力のない買主は購入を検討する余地がありません。
このように、事故物件が売れにくい理由には心理的瑕疵以外にも色々あって、売却まで長期化すると、資産価値の低下や維持費の負担が続き、さらに値下げを強いられる負のスパイラルになりやすいのです。
買取業者なら心理的瑕疵物件も買い取れる
前述した通り、仲介業者に買手探しを依頼しても、心理的瑕疵物件を確実に売却することはできません。
心理的瑕疵物件を確実に手放したい方は、訳あり不動産専門の買取業者に直接売却するべきと言えます。
これは「業者買取」などと呼ばれる方法です。一般的に買手がつきにくい不動産(心理的瑕疵物件など)を、不動産の買取業者が売主から直接買い取ります。
ただ、業者買取にもメリットとデメリットはあるので、それぞれ把握したうえで自身に合った売却方法(仲介or買取)を選んでください。
では、メリットから解説していきます。
買取のメリット
買取の最大のメリットは、とにかく早く売れることです。
仲介のように販売活動がなく、買主のローン審査待ちなどで遅れる心配もないため、金額に合意できれば、早いと数日で支払い・引渡しまで完了します。当然、仲介手数料は発生しません。
他のメリットとしては、物件の状態がそのままでも買い取ってもらえる、契約不適合責任の免責で売った後にクレーム・請求がないなど、買取業者は仲介での買主と比べて融通が利くことでしょうか。
買取に向いているケースは、早く現金化したい場合、値下げが大きい自殺・殺人の物件、不動産取引が活発ではない郊外・地方都市となりますが、基本的にどのような事故物件でも買取の対象になるので、向き・不向きを考える意味はないでしょう。
弊社も、心理的瑕疵物件・事故物件をはじめ、どのような不動産の買取にも、スピーディーに対応しております。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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買取のデメリット
当たり前の話、買取業者は慈善事業をしているわけではないのですから、買取では買取業者の営業利益と、買い取った物件を再利用する費用を考慮して買取金額が提示されます。
要するに、買取のデメリットは、価格が安くなることに尽きるのですが、仲介で売れる価格は売れるまでわからず、売れると思っていた価格より値下げしたり、継続的な維持費の負担で相対的に売却価格が下がったりと、不確定要素まで考えた場合にどちらが有利かわかりません。
買取金額の安さが気になるのであれば、複数の買取業者へ査定依頼することで少しは緩和されるとはいえ、売却価格にこだわって売りたい場合、買取では難しいということです。
心理的瑕疵物件も買取可能!専門業者3選
心理的瑕疵物件も買い取れる、訳あり不動産専門の買取業者を3社ご紹介します。
これからご紹介する専門の買取業者が、心理的瑕疵物件も買い取れる理由は、一言で言うと「買い取った不動産を確実に再販できるから」です。
前提として、買取業者は、社員の住居として不動産を買い取るわけではありません。買い取った不動産を再販し、利益を出すために買い取ります。
中でも、訳あり不動産専門の買取業者は、心理的瑕疵物件に付加価値をつけるノウハウや、確実に再販するルート(顧客リスト)を豊富に持ち合わせています。
それ故に、心理的瑕疵物件も確実に再販し、利益に繋げる自信があります。当然、心理的瑕疵物件も、ためらわずに買い取れるというわけです。
以下では、そのような買取業者を3社ご紹介します。
株式会社AlbaLink/訳あり物件買取プロ
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、日本全国の訳あり不動産を買い取っている専門業者です。心理的瑕疵物件をはじめ、どんな問題を抱えた不動産も買い取れます。
手前味噌ですが、全国展開で、なおかつ、ここまで幅広い訳あり不動産を買い取れる買取業者は、他にないと言っても過言ではありません。
創業以来11年間の豊富な買取実績を活かし、お客様が納得できるよう、できる限り高値の買取金額をご提示できる自信があります。
無料で査定金額をお出しできますので、「とりあえず査定金額だけ知りたい」という方も、お気軽にご連絡ください。
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会社名 | 株式会社 Alba Link |
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本社所在地 | 東京都江東区富岡2-11-18 リードシー門前仲町 6F |
営業時間 | 10:00~19:00 (日曜日 定休) |
創業 | 2011年 |
宅建番号 | 国土交通大臣(1)第10112号 |
公式HP | https://wakearipro.com/ 買取実績はこちら |
株式会社MARKS/成仏不動産
株式会社MARKSは、心理的瑕疵を抱える物件を、「嫌われる物件」から「選ばれる物件」に生まれ変わらせることを経営理念に掲げている買取業者です。
一般的に敬遠されてしまいがちな心理的瑕疵物件ですが、売主さまにとっては思い出深い土地・建物であるかもしれません。
そのような方を想い、株式会社MARKSは、土地や建物の供養(お祓い)も行ってくれます。
「親族や家族の死亡によって事故物件になってしまった不動産を、丁寧に再生し、次の方に引き継いでほしい」という思いが強い方におすすめです。
会社名 | 株式会社MARKS |
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本社所在地 | 横浜市中区山手町246-1 カーネルスコーナーマンション1F |
営業時間 | 9:30~18:30 |
創業 | ー |
宅建番号 | 国土交通大臣(1)10129号 |
公式HP | https://jobutsu.jp/ 買取実績はこちら |
株式会社二大地苑
株式会社二大地苑は、栃木県と茨城県(特に古河市と水戸市)の心理的瑕疵物件やごみ屋敷に特化した買取業者です。
二県で買い取った物件に独自のリフォームを施し、「新築でも中古でもない第3の住まい」として商品化してくれます。
栃木県と茨城県にある心理的瑕疵物件を所有している方におすすめです。
会社名 | 株式会社二大地苑 |
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本社所在地 | 〒321-0954 栃木県宇都宮市元今泉1丁目8ー1 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
創業 | ー |
宅建番号 | 国土交通大臣(08)第003288号 |
公式HP | https://nidaitien.jp/ 売りたい方はこちら |
心理的瑕疵物件の買取事例
弊社の心理的瑕疵物件の買取事例の一部と、お客様の声をご紹介いたします。
「1番誠実さを感じる対応をしていただきました」(新潟県)
被相続人の孤独死によって心理的瑕疵が発生してしまった、新潟県の木造一戸建ての買取事例です。
伯父が相続した事故物件を、私が代理で売却することになり、不動産の買取業者を探していたら、たまたまアルバリンクさんのHPに辿り着きました。見やすく、過剰な演出のないHPに誠実さを感じました。他の買取業者さんにはメールを無視されたこともあったので、不安に思いつつアルバリンクさんに連絡したところ、すぐにメールが返ってきたので、信頼できる会社だと思いました。その後も、条件の良くない物件であるにもかかわらず、いろんな質問に真摯にお応えいただき、最後まで、1番誠実さを感じる対応をしていただきました。これから、自分や周りが同じような問題で困ったときは、まずはアルバリンクさんに相談してみようと思います。本当にありがとうございました。
弊社は、他の買取業者では買い取れないような不動産とも真摯に向き合い、売主様のお悩みが解決できるよう、全力を尽くします。
「他社に買取を断られてしまった」「丁寧に対応してもらえず、とても買い取ってもらう気にならなかった」そんな方は、ぜひ弊社にご相談ください。
お客様が納得できるお取引をすることを、我々はお約束いたします。
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「リフォームにかかるコスト等も詳しく説明していただけた」(秋田県)
室内でご家族が病死されて心理的瑕疵が発生してしまった、秋田県の鉄筋コンクリート造(RC造)一戸建ての買取事例です。
「事故物件」で検索して、初めてアルバリンクさんを知りました。電話で問い合わせたらすぐに担当の方が出て、丁寧な対応をしてくださいました。こちらの懸念点や、買取後のリフォームにかかるコスト等も詳しく説明していただけたことが、アルバリンクさんに買い取ってもらった決め手です。契約も、こちらに負担がないように臨機応変に進めていただき、非常に感謝しています。
不動産、特に心理的瑕疵がある物件の売却は、大半の方にとって初めての経験でしょう。
弊社にお問い合わせの際は、気になることを何でもご質問ください。どんな小さなことでも構いません。
売主様の不安を、我々が少しでも払拭できれば幸いです。
心理的瑕疵物件を売却する際の注意点
最後に、心理的瑕疵を売却するうえで、絶対に知っておくべき注意点を3点ご紹介します。
解体しない
買主に与えるマイナスイメージを払拭したいからといって、心理的瑕疵物件を安易に解体してはいけません。
たしかに、更地にすると土地の利用目的が増えて購入層が広がりますし、心理的瑕疵によって買主が感じる不安感を軽減させる可能性もあります。
しかし、建物が必要か否かの判断は買主がすることですし、更地にしても心理的瑕疵の告知義務は残ります。そのため、更地にしたからといって、買手がつきやすくなるわけではないのです。
解体しても買手がつかなければ、100万円以上の高額な解体費用が全額赤字になってしまいます。
また、買取業者に直接売却する場合も、当然解体してはいけません。
前述の通り、買取業者は、心理的瑕疵物件に付加価値をつけ、再販するプロです。
プロである我々が、買取後の再販目的に合わせて、解体するか否かを判断いたします。
そのため、売主さまが解体費用を負担する必要は一切ありません。そのままの状態で売却していただけます。
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リフォームしない
買主に与える印象を少しでも良くしたいからと言って、心理的瑕疵物件を安易にリフォームしてはいけません。
というのも、リフォームしたところで、心理的瑕疵の告知義務はなくならないからです。
また、リフォームを歓迎する買主ばかりとは限りません。自分でリフォームしたい買主や、建物を解体して土地を使いたい買主は、無駄なリフォームで高くなった物件を購入したがりません。
これは、買取業者に直接売却する場合も同じです。
買取業者は、「リフォームするか否か」「するのであればどのようなリフォームをするのか」を、買取後の再販目的に応じて決めます。
そのため、売主様の独断で行ったリフォームは、大半が無駄になってしまうのです。
老朽化した物件も、瑕疵が目に見える状態で残った物件も、そのままの状態でご相談ください。
リフォーム代を売却価格に上乗せできるとは限らない
心理的瑕疵物件のリフォーム代は、必ずしも売却価格に上乗せできるとは限りません。
例えば、通常価格2,000万円の建物で殺人が起こったとしましょう。
事故物件になってしまったので、売値はおよそ半額(1,000万円)にしなければ売れる見込みがありません。
そこで、売主は「少しでも建物を綺麗にして、売れやすくしたい」という理由で、500万かけて殺人があった物件をリフォームしました。
当然、売主としては、リフォーム代金を上乗せした1,500万円で売却したいと考えます。
通常価格:2,000万
↓
殺人事件による心理的瑕疵が発生
売値:1,000万
↓
売主が500万でリフォーム
希望売出価格:1,500万
しかし、買主が以下のように主張してくるおそれがあります。
「2,000万に500万のリフォーム代を上乗せして、2,500万。しかし、事故物件なので半額の1,250万で売ってほしい」
このような主張をされてしまったら、リフォーム代金を丸々上乗せして売却することはできません。リフォーム代が赤字になってしまいます。
そもそも、リフォームしても心理的瑕疵の告知義務はなくなりませんし、どのようなリフォームを好むかは買主の好みによって異なります。
買主の主張によっては、リフォーム代を上乗せできない上記のような例も十分に考えられますので、売主の独断で安易にリフォームしてはいけません。
放置しない
心理的瑕疵物件を放置してはいけません。
不動産の売買契約における心理的瑕疵の告知義務は、永遠に消失しないからです。どれだけ時間が経っても、心理的瑕疵を買主に告知しなければならないことに変わりはありません。
むしろ、放置すればどんどん建物の老朽化が進み、今より資産価値が下がるうえ、所有者はその間も固定資産税を納め続けなければなりません。
心理的瑕疵を抱えた物件は、なるべく早く売却し、手放すべきと言えます。
弊社は、不動産スピード買取を行っております。心理的瑕疵を抱えた物件も例外ではありません。
ぜひ、弊社を利用して、心理的瑕疵物件を早急に手放してしまいましょう。
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まとめ
心理的瑕疵物件の告知義務や相場、売却方法について解説しました。
心理的瑕疵物件は、通常の不動産と比べ買手がつきにくいため、専門の不動産買取業者に直接売却するのが賢明です。
弊社AlbaLink(アルバリンク)も、心理的瑕疵物件などの訳あり不動産に特化して買取を行っています。
「本当にこの物件に金額がつくの?」「他社に断られてしまったけど、買い取ってもらえる?」など、不安を抱えている方も、ぜひ弊社にお問い合わせください。
我々がお客様のお悩みを少しでも軽くできれば幸いです。