空き家の相続放棄の手順
空き家を相続放棄する手順は、以下のとおりです。
- 必要書類を取得する
- 管轄の家庭裁判所に相続放棄申述書と必要書類を提出する
- 家庭裁判所から届く照会書を返信する
- 相続放棄申述受理通知書が家庭裁判所から送付される
相続放棄には亡くなった人の戸籍謄本、住民票、相続放棄する人の戸籍謄本などの書類が必要です。
家庭裁判所に必要書類を提出すると、後日照会書が届きますが、質問に対しての回答次第では相続放棄自体が却下される可能性があります。
照会書を家庭裁判所に返信して、約10日間で相続放棄申述受理通知書が届き、手続きは完了となります。
なお、空き家の相続放棄については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
空き家を相続放棄する2つのメリット
空き家を相続放棄する場合のメリットは、以下の2つです。
- 空き家の管理費用を払う必要がなくなる
- 「現に占有している者」でなければ空き家の保存義務がなくなる
それぞれ詳しく解説します。
空き家の管理費用を払う必要がなくなる
空き家を相続放棄すると、以下のような費用を負担する必要がなくなります。
- 固定資産税、都市計画税
- 清掃のための光熱費
- 庭の手入れ費用
- 火災保険料
- 修繕費用など
人が住んでいない空き家でも固定資産税や都市計画税は毎年かかり、管理をするためには電気や水道などは契約しておく必要があります。
空き家を相続放棄すれば、上記のような費用の負担から解放されるでしょう。
なお、空き家の維持費については、以下の記事で詳しく解説しています。
「現に占有している者」でなければ空き家の保存義務がなくなる
空き家を相続放棄することによって、「現に占有している者」でなければ空き家の保存義務がなくなることもメリットといえます。
現に占有している者に当てはまる基準は、以下のとおりです。
- 被相続人(亡くなった人)と一緒に暮らしていた人
- 事実上、空き家を管理、支配をしてきた人
たとえば、実家から離れて暮らしている子供は、実家を相続放棄しても保存義務はありません。
法改正されるまでは相続人が相続放棄しても管理する必要がありましたが、2023年4月に民法が改正され、相続放棄の管理義務の対象者が明確になり、現に占有している者でなければ保存義務が免れることになりました。
参照元:法務省|財産管理制度の見直し(相続の放棄をした者の義務)
また、法改正までは不動産の管理義務とされていましたが、法改正後は保存義務という文言に変更となっています。
ただし、意味合いは大きく変わっていないため、単に呼称が変更となったといえるでしょう。
空き家を相続放棄する3つのデメリット
空き家を相続放棄する際のデメリットは、以下の3つです。
- 売れる物件をタダで手放している可能性がある
- 空き家だけを相続放棄できない
- 「現に占有している者」は相続放棄しても空き家の保存義務が生じる
それぞれ詳しく解説します。
売れる物件をタダで手放している可能性がある
空き家を相続放棄する際のデメリットとして、売れる物件なのに無償で手放している可能性があることが挙げられます。
とくに田舎にある空き家などは需要がないと考えて相続放棄する人が見受けられます。
確かに田舎にある空き家は仲介業者に売却を依頼しても売れる可能性は低いといえるでしょう。
しかし、専門の買取業者であれば、ボロボロの空き家でも商品化するノウハウがあるため、現金化ができるのです。
弊社アルバリンクでも全国の空き家を積極的に買い取っており、2020年から2023年の間に513件もの買い取り実績があります。
なお、古い家の売却方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。
空き家だけを相続放棄できない
空き家だけを相続放棄できないことも相続放棄するデメリットになります。
相続放棄とは、相続財産すべてを放棄することです。
つまり、相続放棄を選択すると、空き家だけでなく、預金などのプラスの財産も放棄することになるのです。
たとえ預金がわずかしかなくても、被相続人の形見などの想い出の品も相続できないため、空き家を相続放棄することはデメリットといえるでしょう。
「現に占有している者」は相続放棄しても空き家の保存義務が生じる
現に占有している者であれば、相続放棄しても空き家の保存義務が生じることもデメリットといえます。
参照元:法務省|財産管理制度の見直し(相続の放棄をした者の義務)
先述のとおり、被相続人と一緒に暮らしていた人などは現に占有している者に該当するため、たとえ相続放棄しても保存義務から免れることはできません。
たとえば、借金などの負債が多いため、相続放棄したとしても、被相続人と同居していた場合は修繕が必要なボロボロの実家を管理する必要があるのです。
相続放棄しても、後順位の相続人や相続財産清算人に引き渡すまでは、空き家に対して自分の財産と同様に管理する必要があるため、手間と費用がかかります。
被相続人の相続財産の調査や管理、処分を行う人のこと
保存義務を果たさないと損害賠償を請求される可能性がある
空き家は適切に管理をしないと近隣住民から損害賠償を請求される可能性があります。
相続した空き家は築年数が古い建物が多いため、適切に管理しないと倒壊の恐れがあるでしょう。
公益財団法人 日本住宅総合センターによると、空き家が倒壊して隣家が全壊し死亡事故が起こった場合の想定では、約2億円もの損害額が試算されています。
参照元:公益財団法人 日本住宅総合センター|空き家発生による外部不経済の損害額の試算結果
最悪の事態では、人生が変わってしまうぐらいの損害額になってしまうため、相続放棄しても空き家の保存義務が生じることは、大きなデメリットといえるでしょう。
なお、相続放棄した建物が倒壊した場合の責任については、以下の記事でも詳しく解説しています。
「現に占有している者」が相続放棄した空き家の管理から免れる2つの方法
現に占有している者が相続放棄した空き家の保存義務を免れる方法は、以下の2つです。
- 他の人に相続人になってもらう
- 裁判所で「相続財産清算人選任の申立て」を行う
他の人に相続人になってもらう
相続放棄をすると、次の順位の相続人に相続権が移行します。
後順位の相続人が相続すれば、たとえ被相続人と同居していたとしても保存義務がなくなることになります。
ただし、他の相続人すべてが相続放棄した場合は、保存義務を免れることはできません。
裁判所で「相続財産清算人選任の申立て」を行う
先述のとおり、相続放棄しても他の相続人すべてが相続しない場合は保存義務が残るため、家庭裁判所に相続財産清算人選任の申立てを行う必要があります。
相続財産清算人の選任には時間と費用がかかる
相続財産清算人を選任するためには、以下のような費用がかかります。
収入印紙代 | 800円 |
---|---|
切手代 | 家庭裁判所によって異なる |
公告料 | 5,075円 |
上記の費用以外にも、相続財産清算人に支払う報酬が1〜5万円ほど毎月かかります。
仮に財産管理をする時間が長ければ、数十万円かかることになるでしょう。
また、通常であれば、相続財産清算人の報酬などの費用は相続財産から支払われることになりますが、価値がなければ予納金が必要です。
予納金の金額は財産状況によって異なりますが、一般的には20~100万円が相場といわれています。
相続放棄する以外の空き家の対処法
空き家を相続放棄する以外の対処法は、以下の2つです。
- 空き家を活用する
- 空き家を売却する
それぞれ詳しく解説します。
空き家を活用する
空き家を活用する方法として、以下のようなものが挙げられます。
- 戸建て賃貸物件として活用する
- 店舗物件として活用する
- 福祉施設として活用する
- シェアハウスとして活用する
- 民泊物件として活用する
- トランクルームとして活用する
具体的には空き家となっている建物を活かして活用することになりますが、いずれの方法を選択しても修繕などで費用が発生します。
また、いくら修繕にお金をかけても借りてくれる保証はないため、需要があるかを慎重に調査する必要があるでしょう。
なお、空き家を活用して、ビジネスできる可能性については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
空き家を売却する
相続放棄せずに空き家を処分したい場合は、売却することも1つの選択肢です。
ただし、仲介業者に依頼して売却できる空き家は限られます。
仲介業者は市場から一般の買い手を探すため、立地が良く、築年数が20年以内の比較的新しい建物である必要があるのです。
一般的には、相続することになる空き家は田舎にあることが多く、築年数が経過した建物であることがほとんどです。
基本的には、相続した空き家を仲介業者に依頼して売却することは難しいといえるでしょう。
なお、空き家を高く売却する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
空き家は買取専門業者に売却するべき
相続で所有することになった空き家は、買取専門業者に売却することをおすすめします。
空き家の買取専門業者であれば、直接売却するため、仲介業者に依頼しても売れない物件でも問題ありません。
また、仲介業者に依頼して売却した場合には契約不適合責任を負うリスクがあります。
売買契約書に記載がない欠陥や不具合に対して負う責任のこと
しかし、空き家の買取専門業者に売却する場合は契約不適合責任を免責することが可能です。
そもそも契約不適合責任は、一般の買い手をトラブルから守るためのものなので、不動産のプロである空き家の買取専門業者であれば、免責して契約できるのです。
なお、弊社アルバリンクも、契約不適合責任を免責して空き家を買い取っている業者です。
実際、空き家をはじめとして、弊社に物件の買取をしていただいたお客様からは、以下のような感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)。
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弊社Albalinkの空き家の買取事例
実際に、弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような空き家も数多く買い取ってきました。
たとえば、下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ空き家」や「不用品で室内があふれてしまっている空き家」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された空き家の買取事例】
【不用品で室内があふれてしまっている空き家の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
20年以上放置された空き家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっている空き家の所有者は、他の不動産業者から「不用品の回収だけで100万円近くかかる」と言われ、途方に暮れていたそうです。
それだけに「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
信頼できる買取業者に安心して空き家を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
まとめ
今回は、空き家の相続放棄について詳しく解説しました。
解説したとおり、空き家だけを相続放棄することはできず、現に占有している者には空き家の保存義務が生じます。
被相続人と同居していた相続人など現に占有している者でも相続放棄した空き家の保存義務を免れる方法はありますが、時間と費用がかかります。
できるだけ早く空き家の保存義務を免れたい人は売却することをおすすめします。
ボロボロの空き家であっても、買取専門業者に依頼すれば売却することが可能です。
空き家を相続放棄するのはもったいないため、まずはアルバリンクに査定依頼しましょう。
空き家の査定は無料で、売却する場合も面倒な手続きはなく、1週間から1ヶ月ほどの期間で完了します。
さらに買取専門業者であれば、契約不適合責任を免責して契約できるため、引渡し後も安心できます。
なお、弊社アルバリンクは空き家を積極的に買い取っている業者で、「フジテレビ」を始めとする各メディアにも取り上げられた実績があります。
空き家を手放したくてお困りの方は、査定のみ、相談のみのお問い合わせでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。