空き家の解体費用の相場
空き家の解体費用の相場は建物の広さと構造によって変わります(以下の表参照)。
建坪 | 木造 | 軽量鉄骨造 | 鉄筋コンクリート造 |
---|---|---|---|
20坪 | 80万円~130万円 | 120万円~160万円 | 140万円~190万円 |
30坪 | 120万円~180万円 | 180万円~240万円 | 210万円~270万円 |
40坪 | 180万円~240万円 | 240万円~320万円 | 280万円~370万円 |
50坪 | 200万円~300万円 | 300万円~400万円 | 350万円~460万円 |
60坪 | 250万円~350万円 | 360万円~470万円 | 420万円~530万円 |
平均的な空き家は30坪程度ですから、解体費用は木造であればおよそ120万円~180万円、軽量鉄骨造であれば180万円~240万円、鉄筋コンクリートであれば210万円~270万円程度になります。
一般家庭にとって、空き家の解体にこれだけの費用をかけるのは、決して安い出費ではないでしょう。
さらに土地や建物の状態によっては、さらに解体費用が高くなる場合もあります(詳しくは記事内の「空き家の解体費用が高くなる3つのケース」にて説明します)。
なお、空き家解体費用については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
空き家解体のメリット・デメリット
空き家解体は、高額な出費になるということを理解していただけたでしょうか。
空き家解体を検討し始めるキッカケや目的は人それぞれかと思いますが、目的によっては、解体が全く意味をなさず、費用がすべて無駄になってしまう最悪なケースもあります。
高額な解体費用を無駄にしないためにも、まずは解体の唯一のメリットと大きな2つのデメリットを正しく理解することが重要です。
空き家解体の唯一のメリットは空き家管理の手間がなくなること
空き家解体の唯一のメリットは、定期的に空き家を管理しなくてよくなることです。
空き家が建ったままだと必然的に管理が必要となり、管理を怠ると以下のようなリスクが発生します。
- 破損や倒壊した空き家が第三者に被害を及ぼし損害賠償請求される
- 空き家に害獣や害虫が住みつき近隣住民からクレームや損害賠償請求される
- 行政により「特定空き家」に指定される
特定空き家とは、管理不足により「著しく危険な状態になっている」と行政に判断された空き家のことです。
具体的には、以下4項目のいずれかに当てはまる空き家を指します。
・倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
・著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にある空家等
特定空き家に指定されてしまうと、所有者には具体的に以下のような罰則が科されます。
- 「住宅用地の特例」から外れるため土地の固定資産税が最大6倍になる
- 50万以下の罰金が課せられる
- 行政代執行が行われ、所有者は解体費用を請求される
住宅用地の特例とは、住居、アパート等、居住用の建物が建っている土地の固定資産税を減税する特例です。
特定空き家に指定されるとこの特例を解除されてしまうため、固定資産税が最大6倍となってしまいます。
空き家を解体してしまえば、上記したリスクに追われながら管理する必要がなくなり、精神的にも体力的にも所有者の負担は少なくなります。
ただ、空き家を解体しても更地の管理は必要です。
更地にゴミなどが不法投棄されないように定期的に様子を見に行き、不法投棄されていたら片付けなくてはいけません。
その他、雑草の除去なども必要となります。
更地であっても、管理を怠って近隣に被害を及ぼせば、苦情や損害賠償請求に繋がることには変わりないのです。
なお、特定空き家に指定による固定資産税増額については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご確認ください。
空き家解体の大きな2つのデメリット
更地にしても管理は必要なので、解体したところでメリット(管理義務からの解放)を100%享受できるわけではありません。
そのため、これから説明する大きな2つのデメリットを背負ってまで空き家を解体する必要はないと言えます。メリットとデメリットが全く見合っていません。
【空き家解体の2つのデメリット】
- 土地の固定資産税が6倍になる
- 高額な解体費用がかかる
デメリット①土地の固定資産税が6倍になる
空き家を解体してしまうと、前述の住宅用地の特例が外れるため、固定資産税が最大6倍に増額してしまいます。
解体したところで、特定空き家に指定された場合と同様に、固定資産税が6倍になってしまうわけです。
解体すれば建物(空き家)の固定資産税はなくなりますが、土地の固定資産税が増額するため、固定資産税の総額は解体前と変わらないか、高くなってしまう恐れがあることを覚えておきましょう。
デメリット②高額な解体費用がかかる
先述したように、平均的な空き家(30坪)の解体相場は、木造であればおよそ120万~270万円ほどかかります。
高額な解体費用をかけて空き家を解体しても、増額した土地の固定資産税を払い続けていかなくてはいけません。
もちろん、土地の管理も行う必要があります。
そう考えると、「空き家の管理から逃れたい」という理由だけで高額な費用をかけて空き家を解体するのは得策とはいえません。
「では、空き家は解体しない方がいいのか」と思うかもしれませんが、話はそう単純ではありません。
そこで、次章では空き家を解体すべきケースと、書いたするべきではないケースを詳しく解説します。、
目的別!空き家を解体するべきか否か正しく見極めよう
前章で述べたように、空き家の解体はメリットよりデメリットの方が多くあります。
そのため、空き家を解体する際は、解体の目的ごとに解体すべきかどうかを慎重に判断する必要があります。
そこでこの章では以下の4つのケースについて、空き家を解体すべきかどうかについて解説していきます。
ただ、先に結論をお伝えしてしまうと、上記4つのうち、4つめの「自身の新居に建て替えるため」以外で空き家を解体することはお勧めできません。
その理由も含めてそれぞれ解説します
売却しやすくするために解体する必要はない
ボロボロな空き家付きの土地として、仲介で一般の買手を募集するより、いっそ解体して更地にした方が売却しやすくなると考えるかもしれません。
たしかに、更地の方が、買手は敷地全体の奥行きや幅のイメージがつくため、新築需要を取り込みやすく、売れやすくなることもあります。
仲介業者に解体を勧められることもあるでしょう。
しかし、売却のために解体する必要はありません。
解体の前に売却を検討してください。
なぜなら、解体して売れ残ってしまったら、高額な解体費が丸々赤字になってしまいますし、土地の固定資産税は6倍になってしまうからです。
「でも、解体せずに老朽化した空き家を売る方法なんてあるの?」と思うかもしれませんが、解体しなくても専門の不動産買取業者に依頼すれば売却できます。
詳しくは記事内の「状態・立地の悪い空き家は買取業者に直接売却」で解説していますので、ご確認ください。
なお、弊社Albalinkも空き家の買取を得意とする、不動産買取業者です。
空き家の処分に困っており、解体を検討している方は、解体する前にぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
空き家の老朽化問題を解決するために解体するべきではない
空き家の老朽化を放置した場合のリスクから解放されるために、解体という選択肢が浮かぶ方もいるかと思います。
【空き家の老朽化を放置した場合のリスク】
- 特定空き家に指定され固定資産税が6倍になる
- 近隣や行政からクレームを受ける
しかし、老朽化問題解決のために解体するべきではありません。
そもそも解体費用が高額ですし、更地にすれば固定資産税は6倍になってしまいます。
また、更地にしても管理義務は残るので、適切な更地管理を継続できなければ、近隣のクレームや行政の指導を受けることには変わりません。
解体しても上記のような手間や経済的負担が残ることを考えれば、空き家を残したまま売却する方が賢明です。
空き家を売却すれば、上記の負担から完全に解放され、売却金も手にすることができます。
空き家の売却方法については、記事内の「空き家の売却は空き家の状態・立地によって仲介か買取を選ぶ」で詳しく解説していますので、ご確認ください。
収益目的で安易に空き家を解体するべきではない
せっかく不動産を所有しているのだから、空き家は解体して、土地活用で収益を得たいと考えるかもしれません。
しかし、土地活用には大きなリスクがあるため、不動産の知識や経験がない方には推奨できません。
土地活用の大きなリスクは、うまく集客できず、収益があげられないことです。
都心の駅チカや、人気エリア等、パーキングが明らかに不足している土地なら利用者がつく可能性も少しはありますが、それ以外の土地では基本的に難しいと考えてください。
もし土地活用に失敗すれば、高額な解体費用や6倍になった固定資産税が、まるまる赤字になってしまいます。
土地活用はリスクが大きすぎるため、解体せずに売却することをお勧めします(記事内の「空き家の売却は空き家の状態・立地によって仲介か買取を選ぶ」を参照ください)。
新築を建て替えるための解体なら問題ない
ここまで一貫して解体のリスクを強調してきましたが、空き家を自身の新居に建て替える場合であれば、解体を行っても問題はありません。
実際に解体する際は以下の点に注意してください。
- 空き家が再建築不可物件でないか
- 解体~新築を来年の1月1日までに終わらせられるか
なお、解体業者の選び方等は、この記事の後半「解体業者の選び方」を参考にしてください。
空き家が再建築不可物件でないか注意
再建築不可物件とは、土地が現在の建築基準法の基準を満たさないため、解体しても再建築(新築含む)ができない土地のことです。
新居を建てることを夢見て空き家を解体しても、再建築不可物件であれば新居を建てられません。
解体前に、空き家がある地域の役所に再建築不可物件でないかを確認しましょう。
なお、再建築不可物件の調べ方については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
解体~新築を来年の1月1日までに終わらせられるか
空き家を解体すると、土地の固定資産税が6倍になるのは、先述した通りです。
固定資産税は毎年1月1日に課税されます。
そのため、空き家を解体した翌年の1月1日時点で新築の建築が完了せず更地のままだと、その年の土地の固定資産税は6倍になってしまいます。
解体工事は3~4カ月かかり、新築工事は4~6カ月かかります。
つまり、解体から新築工事完了まで10ヶ月近くかかるということです。
そのため、解体の翌年の1月1日時点に建築を完了させるためには、2月くらいから解体を開始する必要があります。
土地の固定資産税を余計に払わないようにするためにも、計画的に解体~新築建築を進めましょう。
解体業者の選び方&流れ
前章を読んで、「自分の空き家は解体した方が良い」と判断した方に向け、解体業者の選び方と解体工事の流れを解説します。
空き家解体の流れは以下の通りです。
- 解体業者をピックアップする
- 解体工事業登録がされているか確認する
- 複数の解体業者に解体見積もりを依頼する
- 依頼する解体業者を決める&契約
この章を読めば、実際の解体工事がどのように進むかイメージできるようになりますので、ぜひご確認ください。
解体業者をピックアップする
まず、空き家所在地周辺の解体業者を、いくつかピックアップしてください。
複数ピックアップすれば、解体費用の比較ができるのはもちろん、担当者の対応も比較できるため、最終的に最も信頼できる解体業者に依頼ができます。
解体業者の中には、解体後の廃棄物を適切に処分しなかったり、ずさんな解体を行っている業者もいます。
場合によっては、解体業者の不正が、依頼者の責任になることもあるので、複数の中から信頼できる業者をしっかり見極める必要があります。
次項でお伝えする、その解体業者が解体工事業登録をしているかを確認することも、信頼できる解体業者の見極め方の1つです。
解体工事業登録がされているか確認する
選んだ複数の買取業者が、解体工事業登録を行っているか確認してください。
解体工事業登録とは、建設リサイクル法第21条によって定められた、解体工事を行うために必要な登録制度です。登録せずに解体業を行うことは違法にあたります。
確認方法は主に以下の3つです。
- 解体業者のHP上の登録番号を確認する
- 解体業者に直接問い合わせて登録番号を確認する
- 市役所で「解体工事業者登録名簿」を確認する
解体工事業登録をしていない解体業者は、たとえ費用が安くても候補から外してください。
未登録だと知って依頼すると、利用者であるあなたも違法行為に加担することになります。
自社のwebサイトがない業者(≒新規顧客に自社の紹介をする必要がない業者)はお得意様のような決まった業者間での取引を中心としている可能性があります。
そのため解体を発注するのが初めてという顧客へのサポートが不十分だったり、いつも通りの施工となり融通が利かない等、イメージと違ったと感じてしまう可能性がある為注意が必要です。
複数の解体業者に解体見積もりを依頼する
候補に残っている、複数の解体業者に、解体見積もりを依頼します。
正確な見積もりを出すには、現地調査が必要なため、解体業者の担当者と実際に現地に行きましょう。
その際、解体業者の担当者は、主に以下の必要項目を確認します。
- 工事内容
- 建物の構造と状態
- 近隣環境等の立地
- 重機の搬入ルート
- 更地後の希望
一括見積もりサイトの注意点
利用者(施主)は無料で手軽にお見積もりが取得できますが、
実は解体業者側は工事費用の最大20%程度の中間マージン(仲介手数料)を一括見積もりサイトに支払っています。
その為、解体業者はマージンを支払っても赤字にならないよう、見積もり額に上乗せする必要があるのです。
中間マージンなど余計な費用を掛けたくない場合や、解体工事業登録の有無を自身で確認出来る場合は複数の業者へ直接お見積もり依頼をする事がベストな選択となるでしょう。
会社名を検索し、過去に事故を起こしていないか、自治体の指名停止を受けていないか等を調べる事も重要なポイントです。【監修者】フルボッコスくん(株式会社上池解体興業)
一都三県を中心に特殊解体/総合解体業を展開するボッコス。
解体業界のイメージ一新を志し、「次世代の解体」で業界を牽引している
現地調査の際には、解体業者の担当者の対応も見極めてください。
【担当者の対応チェックポイント】
- 上記の項目を丁寧に1つひとつ確認してくれるか
- 所有者が質問した際は、根拠をもって答えてくれるか
- 「絶対大丈夫」等、極端な言葉を使って解体を急かしたりしないか
- 解体のおおまかな流れを知識がない人にもわかりやすく説明してくれるか等
依頼する解体業者を決める&契約
複数の解体業者を比較し、最終的に1番信頼できると感じた業者に解体を依頼してください。
解体費用が1番安い解体業者を選びたくなってしまう気持ちもわかりますが、あまりにも安い費用を提示してくる業者は、解体後にあれこれ理由をつけて追加費用を請求してくる恐れがあります。
追加費用を請求されたりしないためにも、1番信頼できると感じた解体業者に、他の業者で出された安い解体費用を見せて、提案&相談してみましょう。
お客様ファーストな解体業者であれば、できる限り希望の解体費用に応じてくれる可能性もありますし、応じられない場合は、その理由を説明してくれるはずです。
空き家の解体費用がない場合の解体費用削減の3つのポイント
空き家を解体した方が良いと思っていても、解体費用が工面できずに困っている方もいるでしょう。
そうした方に向け、この章では解体費用を削減するポイントをお伝えします。
空き家の解体費用削減のポイントは以下の3つです。
- 空き家所在地から近い解体業者を選ぶ
- 繁忙期や天候が不安定な時期を避ける
- 空き家の解体費用の補助金を利用する
解体費用削減のポイントを把握して、高額な負担を少しでも軽減させましょう。
なお、以下の記事でも解体費用を抑える方法を解説していますので、合わせてご確認ください。
空き家所在地から近い解体業者を選ぶ
遠方から解体業者を呼ぶと、交通費がかかり、費用に上乗せされます。
空き家所在地からなるべく近い解体業者に依頼してください。
繁忙期や天候が不安定な時期を避ける
工事の繁忙期である2月~3月は、解体費用が高額になる可能性があるので避けてください。
また、天候が安定しない梅雨や、積雪の可能性がある冬も、解体に適していません。
天候によって解体が計画通り進まなかった場合、遅延した分の費用を追加で請求されることがあります。
解体費用を少しでも抑えたいのであれば、冬や繁忙期にあたる12月~3月、梅雨の6月はできる限り避けるようにしましょう。
空き家の解体費用の補助金を利用する
自治体が支給している、空き家の解体費用に対する補助金を利用するのも、解体費用を削減するポイントです。
たとえば、埼玉県の秩父では解体工事費の3分の1を助成しています。
また、秩父市内の業者が施工した場合は上限30万円まで助成し、市外の業者が施工した場合でも上限20万円まで助成を行っています。
まずは、空き家がある自治地で空き家解体費用の助成を行っていないか、自治体HPや、自治体に直接問い合わせて確認してみましょう。
なお、空き家に関する補助金については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
空き家の解体費用が高くなる3つのケース
解体費用削減のポイントを説明しましたが、どうしても解体費用が高くなってしまう場合もあります。
空き家の解体費用が高くなるのは以下の3つのケースです。
- 地中埋設物が見つかった場合
- 現在使用禁止の部材が使われている場合
- 建物の周辺環境が解体に適していない場合
それぞれ解説しますので、自身の空き家が該当していないかご確認ください。
地中埋設物が見つかった場合
空き家のある土地から地中埋設物が見つかった場合、撤去が必要となるため、解体費用が高くなります。
地中に埋まっているコンクリートや鉄くず。昔はずさんな解体工事をする解体業者も多かったため、以前建っていた家屋を解体した際の廃棄物が、適切に処分されずに埋められている場合が多い。昔の浄化槽や井戸がそのままになっていることもある。
仮に、地中埋設物を放置したまま更地を売却し、売却後に埋設物が発覚した場合は、売主に契約不適合責任が問われます。
売却後、契約書にない不具合が空き家に見つかった場合、売主が負わなければならない責任。売主は、損害賠償請求や、場合によっては契約の取り消しに応じなければならないこともある。
埋設物は見積の段階では存在に気がつかないことが多く、ほとんどの場合、解体時に気がつきます。
解体時に埋設物が見つかれば、埋設物撤去の費用が想定外にかさんでしまいます。
なお、専門の買取業者に売却する場合は売主の契約不適合責任を免責(責任を問わないこと)されます(記事内の「契約不適合責任の有無の違い」参照)。
ですから、先述したように、建て替え以外の理由で空き家を解体しようとしている場合は、解体せずに専門の買取業者に売却することをお勧めします。
弊社Albalinkも契約不適合責任なしで空き家を買い取れますので、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
契約不適合責任については以下の記事でわかりやすく解説していますので、参考にしてください。
現在使用禁止の部材が使われている場合
築年数が古い空き家は、アスベスト等、現在は使用・製造を禁止されている有害物質を使って建てられている場合があります。
その場合、周囲に飛散しないための特別な処理等をしなくてはならないため、通常より解体費用がかさみます。
アスベストは飛散しやすさにより、最も飛散しやすいレベル1からレベル3に分類されており、処分費用もレベルによって以下のように異なります。
アスベストのレベル | 処分費用(1㎡あたり) |
---|---|
レベル1 | 1万5千円~8万5千円 |
レベル2 | 1万円~6万円 |
レベル3 | 3千円 |
もしレベル2のアスベストを10㎡処分するとなると、解体費用とは別に10万円~60万円かかるということです。
空き家の築年数が古い場合は、アスベストの処分費用がかかるかもしれないと思っていおいた方が良いでしょう。
建物の周辺環境が解体に適していない場合
解体工事は、重機を用いて建物を壊し、大型トラックに廃棄物を載せて運搬します。
そのため、空き家の周りには当然、重機や大型トラックが入るスペースが必要です。
しかし、周辺の道が極端に狭かったり、敷地いっぱいに空き家が立っているとそれらが入ることができません。
重機等が入れない分、手作業が増えることで、人件費がかさみ、出費が大きくなってしまいます。
空き家を解体する前に売却を検討するべき3つの理由
ここまで述べてきたように、空き家の解体には百万円以上の高額な費用がかかります。
また、管理の手間を省きたいなど、建て替え以外の理由で解体してしまうと、固定資産税が増えてしまうといったデメリットの方が多くなってしまうリスクもあります。
そのため、空き家を処分し、空き家管理から解放されたいのであれば、解体より売却がお勧めです。
空き家を解体する前に売却した方が良い理由は以下の3つです
- 固定資産税から永遠に解放されるから
- 管理義務から完全に解放されるから
- 高額な解体費用をかけずに空き家所有の負担から完全に解放されるから
それぞれ解説します。
空き家の解体費用が高いと感じている方や、解体費用がない方は、ぜひご確認ください。
固定資産税から永遠に解放されるから
空き家を売却すれば、空き家所有者は土地と建物両方の所有権を手放せます。
そのため、固定資産税(年間約10万円)の負担から完全に解放されます。
当然、解体して更地にした場合の、土地の固定資産税が6倍になるリスクもありません。
管理義務から完全に解放されるから
空き家を解体しても場合は、土地の管理義務は残ります。
しかし、空き家を売却すれば、土地と建物両方の所有権を手放すことができ、空き家の管理義務から完全に解放されます。
高額な解体費用をかけずに空き家所有の負担から完全に解放されるから
解体せずに売却すれば、当然に高額な解体費用はかかりません。
「こんなに老朽化した空き家、解体せずに売れるの?」と疑問に思うかもしれませんが、老朽化した空き家でも空き家買取専門の不動産買取業者に依頼すれば売却できます(詳しくはこの記事の「状態・立地の悪い空き家は買取業者に直接売却」をご確認ください)。
空き家の売却は空き家の状態・立地によって仲介か買取を選ぶ
空き家は、解体する前に売却を検討するべき理由を理解していただけたでしょうか。
具体的に、空き家の売却方法には「買取」と「仲介」の2種類があります。
仲介と買取のどちらを選ぶかは空き家の状態と立地で決まります。
具体的な空き家の売却方法を解説する前に、まずは仲介と買取の違いを簡単に説明します。
なお、仲介と空き家の違いについては以下の記事でもわかりやすく解説していますので、参考にしてください。
「仲介」と「買取」の違い
買取と仲介には大きく4つの違いがあります。
- 仕組みの違い
- 価格の違い
- 売却経費の違い
- 売却スピードの違い
仕組みの違い
仲介業者が、空き家を売りたい所有者と空き家の購入希望者をマッチングさせ、両者をサポートしながら売買契約を目指す方法です。
所有者から売却依頼を受けた仲介業者は、SUUMOやアットホームなどのポータルサイト等を使い、一般に広く買手を募集します。
仲介の特徴は、買手は一般の方で、購入目的は住居用である点です。
空き家を売りたい所有者から、不動産買取業者が直接空き家を買い取る方法です。
買取の特徴は、買手は言葉の通り買取業者であり、購入目的は事業目的であることです。
価格の違い
仲介で売却する場合は、市場価格通り売却できます。
市場価格とは、多くの購入希望者が購入を検討する中で、最終的に売主と買主の間で契約成立した価格です。
先述したように、仲介は一般に広く買手を募る売却方法であるため、ほぼ市場価格通りに売却できます。
一方、買取業者は、市場価格から再販する際のリフォーム費用や、諸経費(再販までにかかる人件費や会社の利益等)を差し引いた金額で買い取る必要があります。
なぜなら、買取業者は買い取った空き家を再販することで利益を出しているため、市場価格通りで買い取れば、再販費用が赤字になってしまうからです。
そのため、仲介に依頼した場合より、買取に依頼した場合の方が、買取価格は安くなってしまいます。
ただ、空き家は仲介で売却しても売れ残る恐れが高いため、多少安くなっても確実に売却できる点は買取の大きなメリットと言えます。
売却経費の違い
仲介は以下のような売却経費が必要です。
- 仲介手数料
- 残置物処理費用
- 補修費用
仲介手数料
仲介 | 仲介業者は、買手や売手から仲介手数料を受けることで利益を出しています |
---|---|
買取 | 買取業者は、仲介業務ではなく、直接買取なので当然に仲介手数料はかかりません |
なお、仲介手数料は売却金額によって以下のように異なります。
500万円で売却できた場合、仲介手数料として21万円(500万円×3%+6万円)支払うことになります。
買取の場合は、売却後にこうした出費はありません。
残置物処理費用
仲介 | 住居用として購入を検討する一般の買手は、内見を希望します。 内見の際に所有者の家具や荷物が放置されていると、汚い印象が残るだけです。 そのため、所有者自ら費用をかけて、残置物を処理しなければなりません |
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買取 | プロが事業用として直接買い取るため、残置物がない状態での内見は必要ありません。 残置物処理まで、買取業者が引き受けることがほとんどです |
補修費用
仲介 | 大掛かりなリフォームをする必要はありませんが、仲介は、一般の個人が住居用として購入するため、最低限の生活が始められるように修繕する必要があります |
---|---|
買取 | 先述しているように、買取は、プロが事業用として買い取ります。 リフォームして再販する前提で買い取っているので、所有者が売却前に修繕する必要はありません |
売却スピードの違い
仲介と買取では売却スピードにも大きな差があります。
買主を探す必要がない分、買取の方が短期間で売却が完了します(下図参照)。
仲介の場合、一般の個人にニーズがある空き家でも、買手が見つかり売却が完了するまでに3~6カ月かかります。
老朽化が進んでいたり、一般の方が住みたいと思わない空き家の場合、買手が現れず永遠に売れ残る恐れもあります。
一方、専門の買取業者に依頼した場合は、買取業者が利益が見込めると判断し、売主であるあなたが買取金額に合意すれば、平均1ヶ月程度で売却が完了します。
契約不適合責任の有無の違い
仲介の場合、不動産知識がない一般の買手が安心して購入できるよう、売主には契約不適合責任が課せられています。
もし売主に契約不適合責任が課されていなければ、売却後に空き家に不具合が見つかった場合、一般の買手は自己負担で修繕や、再度引っ越ししなければならず、安心して購入できないためです。
一方、先述したように、買取業者に依頼すればほとんどの場合、売主の契約不適合責任を免責できます。
買取業者は不動産のプロなので、事前に空き家の不具合を把握できるためです。
また、買取業者は買取後にリフォームを施すことを前提としているため、多少の不具合を気にする必要がありません。
そのため、買取であれば売主は物件の不具合を気にすることなく売却できます。
状態・立地の良い空き家は仲介業者に売却依頼
一般の方が「住みたい」と思えるような、ニーズが高い空き家は、仲介に依頼しても十分に買手がつく可能性があります。
ニーズが高い空き家の目安として、以下のような条件が挙げられます。
立地
- 車文化の地方であれば市街地まで車で15分以内
- 電車文化の都心であれば電車の最寄り駅まで徒歩10分以内
築年数
- 築20年以内
- 築20年以上であっても、修繕やリフォームで綺麗な状態を保てている空き家
実際、弊社が行ったアンケートでも不動産を購入するなら築20年以内が良いと答えた方が8割以上に上りました(下図参照)
所有する空き家が上記の条件にあてはまる立地、状態、築年数の場合は、仲介で売りに出してみましょう。
状態・立地の悪い空き家は買取業者に直接売却
一般の方が「住みたい」と思えないような、ニーズが低い空き家は、買取業者に直接売却しましょう。
ニーズが低い空き家の目安として、以下のような条件が挙げられます。
立地
- 車文化の地方であれば市街地まで車で30分以上
- 電車文化の都心であれば電車の最寄り駅まで徒歩15分以上
築年数
- 築20年以上
- 築20年以内であっても見るからに著しく劣化が進んでいる空き家
実際、弊社がおこなったアンケート調査によると、マイホーム購入者の多くは「立地」を優先条件として掲げていました。
したがって立地の悪い空き家を仲介で売りに出しても、買い手を見つけるのは難しいでしょう。
しかし、専門の買取業者なら立地の悪い空き家でも問題なく買い取ってくれます。
弊社Albalinkでも、下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ空き家」や「不用品で室内があふれてしまっている空き家」を買い取ったことがあります。
【20年以上放置された空き家の買取事例】
【不用品で室内があふれてしまっている空き家の買取事例】引用元:Albalinkの空き家買取事例
20年以上放置された空き家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっている空き家の所有者には、「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者として上場を果たしており、社会的信用も得ています。
上記の買取事例を見て、「自分の空き家も買い取ってもらえるだろうか?」「買い取ってもらえるとしたらいくらになるのだろう?」と少しでも思った方は、ぜひお気軽に下記無料買取査定フォームからお問い合わせください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
まとめ
空き家解体の目的ごとに、本当に解体すべきか否か、実際はどんな処分方法が適しているのかを解説しました。
平均的な空き家(30坪)の解体費用の相場は、木造でも120万円、鉄筋コンクリートであれば270万円ほどで、決して安くありません。
しかも、収益化目的や、老朽化を食い止める目的での解体は費用対効果が低く、お勧めできません。
解体しても土地の管理が残ったり、固定資産税が増額されてしまうためです。
ですから空き家の解体目的と空き家の条件を照らし合わせ、自身の空き家に最も合った処分方法を選ぶことが重要です。
建て替えなどが目的であれば、この記事で紹介した自治体の補助金などをフル活用し、できる限り費用をかけずに解体するのが良いでしょう。
一方、空き家の管理から解放されたいのであれば、解体より売却することをお勧めします。
立地や状態が良い空き家であれば仲介で市場価格で売却できる可能性があります。
立地や状態が悪い空き家は、解体しても一般の住居を建てる土地としての需要が低いので、買取業者に直接売却した方が良いでしょう。
弊社Albalinkは空き家買取に強い専門の買取業者ですので、立地や状態が悪い空き家もスピーディーかつなるべく高値で買い取ることができます。
フジテレビの「newsイット!」をはじめ、数々のメディアにも「訳あり物件専門の買取業者」として紹介された実績もあります。
買取見積もりだけのお問合せでも構いませんので、空き家を手早く処分したい方は、お気軽に下記無料買取査定フォームからお問い合わせください。