いわくつき土地の売却自体は可能だが告知義務が生じるおそれがある
いわくつき土地とは、人の死にまつわる噂が残る土地のことです。
過去に住んでいた人が自殺や他殺などで亡くなった土地を指し、「事故物件」とも言われます。
事故物件の売却においては、死亡事故が起きた土地・物件は「心理的瑕疵物件」に該当し、売主から買主へ、事故物件であることを告知しなければなりません。
しかし、人の亡くなり方によっては心理的瑕疵が発生しない場合もあり、告知の必要がないケースもあります。
所有しているいわくつき土地が告知必須の土地かどうかを判断する基準についてお伝えしますが、その前に、そもそも告知義務や瑕疵とはどういったものなのかを解説します。
心理的瑕疵を伴う事故物件の売買時に生じる告知義務とは
事故物件とされる条件ともなる瑕疵とは、欠点・傷・過失といった意味で用いられる言葉であり、本来の不動産にあるべき品質や性能が備わっていないことです。
心理的瑕疵物件とは、瑕疵のなかでも住む人に心理的抵抗感を与える物件を指します。
こうした心理的瑕疵は、「その事実を知っていれば契約しなかった」と契約の結果を左右するほど、不動産の購入判断に重大な影響を与えるため、売買の契約締結前に必ず告知しなければなりません。
このように心理的瑕疵の事実を伝える義務を、告知義務と言います。
告知を怠ると買主から契約不適合責任を追及される
売主が心理的瑕疵をわかっているのに告知しない、あるいは告知事項に気付いていなかったとしても、告知を怠った場合は、売主に契約不適合責任が発生します。
契約不適合責任とは、引き渡した商品の種類・品質・数量が契約内容と違う場合に、損害賠償や契約解除などを売主に請求できる法律のことです。
過去に起きた事例では、土地を更地渡し条件で購入した買主が、地中に残置されていた地下室の撤去費用支払いを売主と解体業者に求め、認められたケースがあります。
参照元:RETIO判例検索システム
上記の経緯を話すと、
- 土地の売買において「地下室と建物をすべて撤去して引き渡す」という条件のもと、売買契約を締結した
- 売主は、土地の引き渡しに備えて撤去を業者Aに依頼した
- 業者Aから工事終了の連絡があり、買主へ土地を引き渡した
- 後日、その土地に家を建てようと掘ってみたら、地下室の一部や解体で生じた鉄筋やコンクリートガラが埋まっており、新たに撤去費用がかかった
- 買主が撤去費用として1472万円余の損害賠償を売主と業者Aに求め、裁判所に認められた
という流れです。
この事例では一見、売主は被害者のように見えますが、契約不適合責任では「引き渡した商品と契約内容に相違がある」という点がポイントです。
つまり、売主が気づかなかった事実だとしても、契約内容と異なれば罰則を科せられます。
瑕疵物件であることを伝えると不動産の価格が下がってしまうため、告知せずに売却したいと考える売主もいるでしょう。
しかし、契約不適合責任は将来的な大損害につながりかねないので、告知は必ずしておくべきです。
なお、契約不適合責任については以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
告知義務は原則永遠になくならない
不動産売買での告知義務は、原則永遠に残り続けます。
賃貸の場合は、事故物件となった後、一度入居者が入れば次から告知しなくてもいい慣習があります。
売買においては、建物を解体して土地だけになったとしても、その更地の告知義務が消えることはありません。
事故物件の告知義務については以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
いわくつき土地が告知必須かどうか確かめる方法
告知義務が生じる心理的瑕疵は、国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」で定められています。
令和3年10月に国土交通省により策定されたガイドラインで、人の死が生じた不動産の取引において、宅建業者がとるべき対応を具体的に記したものです。
ガイドライン上、どのようなシーンであれば、いわくつき土地が告知必須となるのかを見ていきましょう。
殺人・自殺・孤独死は告知が必須
殺人・自殺・孤独死など、不審死が起きた物件は告知が必須です。
孤独死に関しては亡くなったときの状況によって告知の要否が分かれます。
たとえば、遺体の発見が遅れて腐敗を起こし、物件にシミや匂いが染み付いて特殊清掃が必要となれば心理的瑕疵・物理的瑕疵に該当し、告知が必要です。
しかし、孤独死であっても、息を引き取ってから1. 2日程度で見つかって遺体の損傷が少なければ、告知の対象ではないと考えられます。
ガイドラインでは、「死後◯日経過していれば告知義務が発生する」という明確な日数は決まっておらず、特殊清掃を行ったか否かで判断されます。
このほか、社会的影響が大きな事件・買主から心理的瑕疵の有無を問われた場合は、告知が必須です。
病死や自然死は告知が不要
人の死が生じた物件であっても、病死や自然死であれば告知が不要となります。
「あの物件は心霊現象が起こる」といった単なる噂が流れている不動産も同様です。
このほか、以下のような事故で亡くなった場合も告知の対象外となります。
- 自宅の階段からの転落
- 入浴中の溺死や転倒事故
- 食事中の誤嚥
このような日常生活で起こりうる不慮の事故での死亡であれば、契約の判断に重要な影響を及ぼす可能性は低いと考えられ、買主へ告げる必要がありません。
ただし、あくまでガイドラインの内容に過ぎず、病死や自然死でもいわくの噂を聞きつけた買主がクレームを付ける危険性は十分にあります。
契約後のトラブルを避けたいのであれば、病死や自然死だとしても告知しておくのが賢明な判断と言えるでしょう。
自然死でも告知義務が必要となるケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。
いわくつき土地の売却価格は買手の捉え次第で大きく変わる
いわくつき土地の売却価格は、買い手がどう捉えるかによって金額が大きく変わります。
そのため、事故物件の紹介などで「いわくつき土地は◯%安くなります」といった文言を見かけますが、個々の物件を見る前に一概に「◯%値下がりする」といった判断は難しいものです。
たとえば、不動産全般でみると、都心の駅近物件は人気エリアです。
それであれば、いわくがあっても別に住みたいという需要が見込まれるため、それほど土地価格の下落はしないでしょう。
一方、地方の人里から少し離れているようないわくつき土地は、流動性が低く、大きく価値が下落する事が多いです。
このように、いわくつき土地がどこに所在しているのか、それを買い手がどう捉えるのかなど、さまざまな要素を加味しないと売却価格は算出できません。
いわくつき土地の売却価格を知りたい方は、いわくつき土地に詳しい専門の買取業者に聞いてみましょう。
なぜなら、全国のさまざまないわくつき土地を実際に取引してきたデータが豊富にあるからです。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、事故物件専門の不動産業者です。
無料査定は随時行っておりますので、いわくつき土地の売却にお困りの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
いわくつき土地の売却は事故物件に強い専門の買取業者へ
いわくつき土地は、普通の不動産屋では何年も売れ残ったり、そもそも断られることも多々あります。
事故物件を売却する際には、事故物件専門の買取業者に依頼しましょう。
いわくつき土地などの訳あり不動産は、専門の買取業者の方が高額で売却できるからです。
なぜ高く買い取れるのか、という理由の前に、不動産の売却方法の種類についてお伝えします。
まず、前提として不動産の売却方法には、「仲介」と「買取」の2種類があります。
仲介と買取の主な違いは下記のとおりです。
売却方法 | ビジネスモデル | 特徴 |
---|---|---|
仲介 | 仲介業者が、売主から売却依頼を受けた不動産の、広告・仲介業務のみを手伝い、片方・あるいは両方から仲介手数料をもらうことで収益を得る | ・売却価格が高い ・仲介手数料として業者におおむね3〜5%支払う ・買い手が見つかるまで売却ができない |
買取 | 買取業者が直接、売主の不動産を買い取り、リフォームや付加価値を加えたうえで、第三者に再販して収益を得る | ・売却価格は仲介の6〜8割程度 ・仲介手数料は不要 ・平均1週間〜1ヶ月で売却できる |
上記のように、仲介では広告を出して買い手を探すところから着手するので、売却までに時間がかかります。
ゆっくり時間をかけてでも高く売りたい方は、仲介業者に相談すると良いでしょう。
ただし、仲介は成功報酬型のビジネスモデルのため、売れるかわからない物件に時間と手間をかけたがらない傾向にあります。
つまり、人気がなさそうな不動産は何年も売れ残るリスクがあります。
一方で、買取業者は、直接業者が買い取るため買い手を探す時間がかかりません。
売主と業者が条件に合意して書類が揃っていれば、すぐに契約して決済できるため、売却までの時間が圧倒的に短いのが特徴です。
安くなってもいいから早く売却したい、といった方は買取業者への相談が向いているでしょう。
以下の記事でも、仲介と買取の違いを詳しく解説しています。
では、いわくつき土地のような事故物件はどこへ売却するのがベストかというと、買取業者のなかでも「事故物件に強い専門の買取業者」です。
一般の買取業者のビジネスモデルは、リフォームや付加価値をつけて第三者に再販することである、と先ほどお伝えしました。
ただし、これは売却先がマイホームを検討している一般の買い手であるため、事故物件となると業者が買取を断るか極端に安価となる可能性が高いです。
理由は言うまでもなく、いわくつきの土地に家を建てたい人はいないからです。
その一方で、専門の買取業者は、事故物件であっても積極的に買い取ります。
なぜかというと、事故物件専門の不動産業者が売却する先は、不動産投資家だからです。
不動産投資家は、購入した物件を賃貸として貸し、家賃収入を得ることを目的にしています。
収益が得られるのであれば、事故物件であっても買い取るのです。
専門の買取業者は、難ありな物件に付加価値をつけて売却するノウハウを豊富に持っているため、投資家への売却もすぐに成約を決められる、という仕組みです。
このように、いわくつき土地のような事故物件であっても、専門の買取業者であれば収益性のある不動産へリメイクできるので、高値で買い取れます。
では、高額で売却できる以外のメリットを、以下で見ていきましょう。
最短数日で引き渡しまでが完了する
買取は、業者が直接の買主となるため、双方が契約内容に納得できれば1週間から1ヶ月程度、早ければ最短数日で売却できます。
また、不動産もそのままの状態で売却できるため、売主の手間は一切かかりません。
契約不適合責任が一切ない
仲介業者では、事故物件の売却後も契約不適合責任は売主が抱えたままです。
しかし、買取業者であれば契約不適合責任が免責となります。
そもそも、不動産に詳しくない一般の買い手をミスマッチな契約から守るために、制定されたものであり、買取業者は不動産の欠陥部分も把握したうえで買い取ります。
売主が「自分で気づいていない欠陥があったらどうしよう」と、売却後を心配する必要はありません。
秘密厳守で内密に売れる
不動産仲介だと、業者が不動産情報サイトやレインズに搭載するため、不動産を売却しようとしている事実が公になります。
買取業者では、売主・業者の2者の間で契約が完結するため、周囲の人に知られずに売却できます。
いわくつき土地をより高額で売却できる不動産業者の選び方
先ほどお伝えしたとおり、いわくつき土地は専門の不動産業者へ依頼すれば高額で売却できます。
では、数ある専門の買取業者から、どのような基準で選べば良いのでしょうか。
いわくつき土地をより高額で売却できる業者の選び方を見ていきましょう。
事故物件の取り扱いに強い専門の買取業者をピックアップする
まずは、それぞれの業者の公式サイトで、過去の取引実績やどのような事故物件を買い取ってきたのか、などをチェックしましょう。
そのなかで、事故物件の買取実績が豊富な不動産業者を複数社ピックアップします。
複数の不動産業者に査定依頼を出す
先ほどピックアップしたそれぞれの業者に、査定依頼を出しましょう。
事故物件はそれぞれの不動産業者の判断基準や活用ノウハウの豊富さによって、査定価格は大きく異なります。
納得感のある金額を提示してくれた業者に、本見積もりを依頼しましょう。
弊社も、2011年に創立して以来の豊富な活用ノウハウを駆使して、少しでも高く買い取れるよう、全力で対応させていただきます。
業者の口コミを確認する
業者の公式サイトに搭載されているお客様の口コミを確認しましょう。
実際の利用者の生の声をチェックすることで、公式サイトだけでは伝わらない企業や担当者の雰囲気を把握できます。
とくに、担当者の対応への評価が高い口コミが多ければ、納得感のある契約をできる可能性が高いです。
実際に、弊社が独自に行った「不動産会社の情報を調べる手段」のアンケート調査では、46.4%の人が「ネットや知人の口コミ」を参考にすると答えています。
不動産会社を調べるとき、46.4%の人が「ネットや知人の口コミ」を参考にしている
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は事故物件を専門に買い取っている買取業者であり、以下のようにお客様からも高い評価をいただいております。
弊社には買い取った事故物件を再生して活用するノウハウがあるので、あなたの事故物件を適正価格で買い取ることが可能です。
いわくつきの土地を売りたい、事故物件を早く手放したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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なお、以下の記事でも事故物件を高額売却するためのポイントを解説しています。
併せて参考にしてください。
まとめ
今回の記事では、いわくつき土地の売却においての注意点や、高額で売却するための業者選びのポイントを解説しました。
いわくつき土地は、瑕疵を抱えている以上、普通の価格では売れません。
しかし、不動産の状況によってはそこまで価格を落とさなくて良いケースもあります。
少しでも高額で売却できるよう、弊社をはじめとした事故物件専門の買取業者に査定を依頼してみてください。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、日本全国のどのような不動産でも、スピーディーに買取できます。
過去には、一般の不動産業者が取り扱わない訳あり物件専門の買取業者としてフジテレビの「newsイット!」にも紹介されました。
無料相談・無料査定のお問い合わせも歓迎しておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。