事故物件は買い手や借り手から避けられるため値引きが必要
事故物件を売却する場合や賃貸にだす場合は値引きが必要になります。
一般的に事故物件は敬遠される傾向にあるため、割安にしないと買い手や借り手が見つからないのです。
具体的な事故物件における値引き相場については、売却する場合と賃貸にだす場合に分けて次章で詳しく解説します。
事故物件かどうかは国土交通省のガイドラインで概ね把握できる
実際に事故物件に該当するかどうかは、2021年10月に国土交通省によって制定されたガイドラインで把握することが可能です。
国土交通省のガイドラインに法的な拘束力はなく、実際に取引を行う不動産会社の判断基準とされています。
一般的に、事故物件とは「自然死や日常生活における不慮の死以外の死」や「死後、放置されたことによって特殊清掃が必要になる死」が発生した物件のことです。
たとえば、殺人事件があった物件や孤独死が長期間放置されて特殊清掃が必要になった物件が該当します。
なお、事故物件の基準については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
事故物件には告知義務がある
事故物件のように、契約の判断を大きく左右する瑕疵については、告知義務が発生します。
瑕疵とは、欠陥や不具合のことで、事故物件の場合は心理的瑕疵に該当します。
事故物件における瑕疵の有無や内容については、口頭で説明したうえ、重要事項説明書に記載することが宅地建物取引業法によって義務付けられているのです。
所有している事故物件を売却する場合や賃貸にだす場合は、依頼する不動産会社に伝えておかないと、告知義務違反となり、損害賠償を請求されたり、契約解除されたりといったリスクがあります。
実際に2017年には、7年前に殺人事件が起きたことを隠して売却した結果、以下のような判例が出ています。
【神戸地裁 H28.7.29】
事案:本件売買に際し、買主は「事件・事故」はなかったと売主に聞いたが、7年前に本件建物で殺人事件があったことを売主は告知しなかった。売買後に本件事件を知った買主は、3300万円の損害賠償を請求した。
判断:売買不動産について殺人事件が発生しているという情報は、社会通念上売買価格に相当の影響を与え、売買契約の成否・内容を左右するものであり、売主が告知しなかったことは買主に対する不法行為にあたるとして、買主請求について市場価格との差額1575万円、弁護士費用160万円を認容した。
上記のように売主に約1千7百万円の損害賠償請求が命じられた判例もあるため、事故発生からかなりの期間が経過していても告知は必要です。
事故物件を売買する時の値引き相場
事故物件であっても、立地条件や築年数など物件の特徴により売却相場が異なりますが、一般的な値引き相場は以下のとおりです。
事故物件の内容 | 値引き相場 |
---|---|
自然死 | 10~20%程度の値引き |
自殺 | 20~30%程度の値引き |
他殺 | 40~50%程度の値引き |
たとえば、売却相場が5,000万円のマンションが他殺の事故物件に該当する場合は、2,500〜3,000万円程度の売却金額が想定されます。
ただし、実際の売却金額は、事故物件における買い手の受け取り方によって大きく変わってくるため、上記の値引き相場はあくまで参考程度に留めておくことをおすすめします。
また、事故物件を売却する場合は告知義務の期限がないため、何年経過しても事故物件であることを伝えなければいけません。
事故物件を賃貸契約する時の値引き相場
事故物件における家賃相場も物件の特徴によって大きく異なりますが、一般的な値引き相場は以下のとおりです。
事故物件の内容 | 値引き相場 |
---|---|
自然死 | 0~10%程度の値引き |
自殺 | 30~50%程度の値引き |
他殺 | 70~80%程度の値引き |
たとえば、家賃相場が20万円の戸建て賃貸物件が他殺の事故物件に該当した場合、4〜6万円の家賃になってしまうことが想定されるでしょう。
ただし、売却する際と同様に、借り手の事故物件に対しての受け取り方や経過年数などによって大きく変わります。
なお、賃貸の事故物件については、以下の記事で詳しく解説しています。
事故物件を貸し出すときに値引きをしなければいけない期間は3年
事故物件における国土交通省のガイドラインでは、賃貸においての告知義務が生じる期間は、事故発生からおおむね3年とされています。
参照元:国土交通省|宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン
事故発生から3年間は賃貸においての告知義務が生じる期間のため、家賃の値引きが必要です。
3年を経過すれば告知は不要となるため、家賃を相場に戻しても問題ないといえます。
ただし、事故物件として家賃を下げた状態の入居者がいる場合は、3年を経過しても途中から上げることは困難です。
事故発生から3年経過したあとに新しく入居者を募集する際に家賃をあげることが現実的でしょう。
孤独死が発見されたケースでは、死亡した日ではなく、発見された日から3年間は告知義務が生じるため、起算日は正確に把握しましょう。
また、3年を経過すれば告知は不要となりますが、賃貸契約の際に借り手から過去に事故があったかの有無を聞かれた場合は、後々トラブルにならないように、隠さず伝えることをおすすめします。
買い手や借り手を見つけるため事故物件でやった方が良いこと2つ
事故物件を売却する場合や賃貸にだす場合の対策として、やった方が良いことは以下の2つです。
- 特殊清掃
- お祓い
売却金額や家賃に影響するため、詳しく解説します。
特殊清掃
買い手や借り手を見つけるために事故物件でやった方が良いこととして、特殊清掃が挙げられます。
特殊清掃とは、事件や事故などで死亡したり、孤独死で発見が遅れて腐敗したりした場合に部屋を除菌、消臭する清掃のことです。
たとえば、孤独死で遺体が腐敗している場合は、臭いやシミが残っており、通常の清掃では消せません。
特殊清掃を専門に行う業者に依頼すれば、市販されていない薬剤や機器を使って、除菌や消臭を行うことが可能です。
ただし、長期間にわたって遺体が放置されている場合は、フローリングや畳、壁紙などについている臭いがとれない可能性もあるため、リフォームも検討する必要があるでしょう。
また、特殊清掃を行う範囲によっても異なりますが、30〜40万円の費用がかかるため、ある程度の出費を覚悟する必要があります。
なお、事故物件における特殊清掃については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
お祓い
お祓いすることも買い手や借り手を見つけるために事故物件でやった方が良いことの1つです。
お祓いとは厄災を取り除く儀式のことで、神社やお寺に依頼することが一般的です。
日本の慣例であるお祓いをすることによって死者を弔うことができるため、購入希望者や入居希望者は事故物件に対する心理的瑕疵が和らぐでしょう。
さらに事故物件で行うお祓いは購入希望者や入居希望者に安心感を与えられるだけでなく、売主に対しての信頼感へもつながります。
また、事故物件におけるお祓いの費用相場は3〜10万円程度ですが、死因や範囲によって費用が異なります。
一般的には、病死などの自然死は3万円、自殺は5万円、他殺であれば8万円程です。
なお、事故物件におけるお祓いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
事故物件を売る方法2つ
事故物件などの理的瑕疵のある物件は敬遠される傾向にあるため、売却方法を間違うと売れ残ってしまうリスクがあります。
所有する物件の特徴にあわせて、適切な売却方法を選択する必要があるでしょう。
この章では、事故物件を売る方法を2つ紹介します。
- 時間を空けて通常の方法で売る
- 訳アリ物件専門の不動産に売却する
なお、事故物件を高く売却する方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
時間を空けて通常の方法で売る
事故物件を売る方法として、一定期間の間隔を空けて売却することが挙げられます。
事故が起こって、すぐ売却するよりも、時間を空けたほうが売却しやすいです。
たとえば、「半年前に孤独死している物件」よりも、「5年前に孤独死があった物件」の方が、買い手が感じる心理的瑕疵が少なくなるでしょう。
ただし、時間を空ける売却方法は、間隔を空ける間は所有しないといけないため、管理する費用や手間がかかります。
また、どんなに期間を空けても売却における告知義務は一生続くため、心理的瑕疵がなくなるわけではありません。
一般的に人が亡くなった事故物件を気にしない買手は少ないため、売れ残る可能性は十分に考えられます。
実際に、弊社が独自に行った「事故物件に住むのはあり?なし?」に関するアンケート調査でも、7割以上の人が「なし」と答えています。
事故が起こって時間を空ければ売却できる可能性が高くなりますが、売れ残るリスクがあることも頭に入れておきましょう。
なお、弊社が行った許容できる心理的瑕疵物件のレベルランキングのアンケート調査については、以下の記事で詳しく解説しています。
訳アリ物件専門の不動産業者に売却する
事故物件をなるべく早く手放したい場合は、訳アリ物件専門の不動産業者に売却することをおすすめします。
訳アリ物件専門の不動産業者であれば、1週間〜1ヶ月程度の短期間で売却することが可能です。
訳アリ物件専門の不動産業者に直接売却するため、不動産会社に売却を依頼する場合のように一般の買い手を探す必要がありません。
また、訳アリ物件専門の不動産業者に売却する場合は、契約不適合責任を免責できます。
売買契約書に記載のない欠陥や不具合が発覚した場合に買主が負う責任のこと
不動産会社に依頼して一般の買い手に売却する場合は契約不適合責任は免れませんが、不動産のプロである訳アリ物件専門の不動産業者は免責して契約することが可能です。
契約不適合責任は、そもそも一般の消費者を守るためのものなので、訳アリ物件専門の不動産業者は免責できるのです。
一般の買い手が敬遠する事故物件であっても、訳アリ物件専門の不動産業者には安心して売却できるでしょう。
なお、事故物件の買取業者については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
アルバリンクの事故物件の買い取り事例
弊社アルバリンクは、訳アリ物件専門の買取業者として、一般の買い手が敬遠する事故物件を多数買い取ってきました。
実際、弊社は以下のような孤独死などの事故物件を全国から買い取っています。
先述のとおり、孤独死した事故物件の売却における値引き相場は、1〜2割程度です。
上記の買取金額を見ていただけばわかるとおり、弊社は事故物件であっても物件全体としての価値を適切に評価し、売却相場にあった適正価格で買い取っています。
弊社アルバリンクは、事故物件を最低限のコストで再生して、再販するノウハウがあるため、そのままの状態でも高く買い取ることが可能です。
アルバリンクの事故物件の買い取り実績
弊社アルバリンクは、全国の事故物件を積極的に買取しています。
実際、事故物件をはじめとして、弊社に物件の買取をしていただいたお客様からは、以下のような感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)。
また、2023年11月29日に東京証券取引所に上場しており、支店もどんどん全国に拡大中です。
事故物件という一般の買い手が敬遠する物件でも、売主様のプライバシーを守りながら、速やかに高値で買い取らせていただきます。
事故物件を誰にも知られず売却したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
まとめ
今回は、事故物件の値引き相場について詳しく解説しました。
事故物件でも工夫すれば、相場よりも高く売れたり、高く貸せたりできますが、できるだけ早く事故物件を手放したい人は、訳アリ物件専門の買取業者に売却しましょう。
訳アリ物件専門の買取業者であれば、事故物件でもそのままの状態で、契約不適合責任を免責して売却することが可能です。
なお、弊社アルバリンクは事故物件などの訳アリ不動産を積極的に買い取っている業者で、「フジテレビ」を始めとする各メディアにも取り上げられた実績があります。
事故物件を手放したくてお困りの方は、査定のみ、相談のみのお問い合わせでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。