タワマンが事故物件になった場合の資産価値は立地・状況によって下がる
タワーマンションで万が一、人が亡くなってしまったら、その不動産が立っているエリアや亡くなった状況によって資産価値の下がり幅が決まります。
ネットで下記のような相場を見かけたことはないでしょうか。
死因 | 相場の割引幅 |
---|---|
孤独死 | 10~20% |
自殺 | 20~30% |
他殺 | 30~50% |
ネットではよく「事故物件は相場の2割〜3割程度値下がる」「他殺や事件性があると5割減る」などとまことしやかにいわれていますが、実際は違います。
実際には立地や死因、死亡事故があった場所の状態などによって事故物件の売却価格は全く違ってくるため、一概に「〇割低くなる」とは言えないからです。
たとえば、23区内など人気エリアにある高級タワマンであれば、需要が多く、たとえ事故物件であったとしても欲しい人が多いため、価値が大きく下がることはありません。
一方、郊外に建つタワマンが事故物件になってしまった場合は、23区内ほどの高い需要は見込めないため、本来の資産価値より大幅に下がってしまうことが考えられます。
さらに、発見時の「ご遺体の状況」や「建物への影響」、「事故が近隣で知られているか」などによって、資産価値の下がり幅はまったく変わります。
このように、事故物件になってしまったタワマンの値下がり幅は一概に「このくらい下がる」と言うことはできません。
それでは、どのような要素がタワマンの資産価値の低下につながるのか、次の章でより具体的に解説していきましょう。
なお、事故物件の売却相場は以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
事故物件があったタワマンの資産価値の下がり幅を左右するポイント
「タワーマンションの中で人が亡くなった」だけでは、事故物件にはなりません。
タワーマンションが事故物件になるかどうかのポイントは、事故(入居者の死亡)が「物件の瑕疵(欠陥)」に該当するかどうかです。
後ほど解説しますが、「瑕疵」のある物件を売ったり貸したりするためには、瑕疵の内容を買主や借主に伝えなければなりません。
これを告知義務といいます。
もし仮に、「立地」も「築年数」も「広さ」も全く同じ2つの物件が同じ金額で売りに出されていたとします。
このとき、一方は瑕疵(欠陥)のない物件で、他方が事故物件であったら、買主(借主)がどちらを選ぶかは明白でしょう。
だから死亡事故によって「瑕疵のある物件」になってしまうと、価格を下げなければ売れず、結果的に資産価値の低下を招くのです。
事故物件における瑕疵には、「物理的瑕疵(ぶつりてきかし)」と「心理的瑕疵(しんりてきかし)」があります。
詳しく解説していきましょう。
「心理的瑕疵」と「物理的瑕疵」とは
人が亡くなった不動産では、心理的瑕疵と物理的瑕疵が問題になります。
「瑕疵(かし)」という言葉は、不動産売買取引で使用される法律用語で、心理的瑕疵と物理的瑕疵以外にも「環境的瑕疵」と「法的瑕疵」の併せて4つがあります。
物件上で人が亡くなった際に、問題となる「心理的瑕疵」と「物理的瑕疵」の意味は以下のとおりです。
心理的瑕疵 | その不動産を買ったり借りたりする人が、死亡事故の内容や建物に嫌悪感や抵抗感を持つ要素があること |
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物理的瑕疵 | 人が亡くなった痕跡(異臭や体液の痕など)が消えない状態のこと |
判断が難しいのは、「心理的瑕疵は人によって異なる」という点です。
人が亡くなった不動産でも気にしないという人もいます。
では、より具体的な判断基準を見ていきましょう。
事故物件にあてまはるかの判断
心理的瑕疵や物理的瑕疵がない、つまり、老衰などによる自然死で、すぐに遺体が発見されて建物に影響がない場合は、「事故物件」には当たりません。
一方、飛び降り自殺で近隣住民の噂になっていたら心理的瑕疵があるとみなされます。
また、孤独死であっても発見までに時間がかかり、ご遺体が腐敗して異臭や体液が建物に染み込んでしまった場合は物理的瑕疵があるとみなされ、事故物件になります。
このように「人が亡くなった不動産=事故物件」ではないので、もし所有している不動産で人が亡くなられた場合は、以上の表を参考に事故物件に当たるかどうかを判断してみてください。
事故物件に当たる場合は、瑕疵の内容を買主や借主に伝えなければならないので、物件の資産価値が低下してしまうおそれがあります。
ここからは、所有するタワーマンションが事故物件になってしまった場合、その後のベスト活用法について解説していきます。
事故物件の基準については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
事故物件になってしまったタワマンの活用方法は3つ
もし所有しているタワーマンションが事故物件になってしまったら、その後どう活用するのが最も良い方法なのでしょうか。
事故物件になったタワーマンションのベストな活用方法は、その不動産が建つ立地や死亡事故の内容によって変わります。
ここでは以下の3つの活用法がどんな人に向いているのか、活用のためにするべきことは何かなどを解説していきます。
住み続ける
タワーマンションが事故物件になってしまったとしても、特に気にすることがなければ、ご自身で居住用マンションとしてそのまま活用できます。
事故によって汚れやニオイが著しければ、住み続けるためには、特殊清掃やリフォームを行う必要があるでしょう。
特殊清掃とはご遺体から出てしまった体液や異臭を除去する特殊な清掃作業のことで、専門の業者に依頼します。
リフォームは、たとえば体液が床に染みとなって消えない場合は床を張り替えたり、ドアノブで首吊り自殺があった場合には、ドアごと交換するなどの作業を行います。
こんな方に向いています
- お金や仕事の都合で、その後もそこに住み続けたい人
- 亡くなった人と離れたくない人
- 死亡事故があったことを気にしない人
特殊清掃については、以下の記事で詳しく解説しています。
賃貸に出す
物理的瑕疵がある箇所を直すことができれば、ほかの人に貸し出して、定期的な家賃収入を得る活用方法があります。
事故物件を賃貸に出す場合は、必要に応じて特殊清掃やリフォーム、お祓いを行います。
その後、仲介業者に依頼して賃貸物件として借主を募ります。
賃貸に出す場合には、事故物件であることを伝える告知義務があります。
告知義務の範囲や義務の期間については、このあと「事故物件となったタワマンを貸したり売ったりするときには告知義務がある」で詳しく解説します。
こんな方に向いています
- そこには住みたくないけれどタワマンを手放したくない人
- タワマンが好立地にあり、賃貸収入が望める人
事故物件にお祓いをしたほうがよいか迷っている方は、以下の記事をご参照ください。
売却する
事故物件になってしまったタワーマンションでも、売却できさえすれば、まとまった現金に変えることが可能です。
こんな方に向いています
- 事故物件を所有していたくない人
- ほかの場所に引っ越すけど賃貸管理はしたくない人
- 事故物件を売却して、まとまった現金を手にして新生活にかじを切りたい人
売却のために行うべきことは、どんな売却方法を選ぶかによって変わってきます。
次の章で、事故物件になってしまったタワーマンションの3つの売却方法をご紹介します。
なお、事故物件を高く売却するコツは以下の記事でも詳しく解説しています。
事故物件になってしまったタワーマンションを売却する方法
事故物件になってしまったタワーマンションを売却するには、以下の3つの方法があります。
- 自分で買主を探して売る
- 仲介業者に依頼して一般市場で買主を探す
- 買取業者に売却する
3つの売却方法のうち、どれを選ぶのがよいのでしょうか。
それぞれの売却方法はどんな人が選ぶべきか、メリット・デメリットと併せて解説していきます。
自分で買主を探して売る
事故物件であってもそのタワーマンションを買いたいという家族や親せき、知人が要る場合、個人間で売買契約を結ぶことができます。
個人間取引のメリット | 仲介手数料がかかりません |
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個人間取引のデメリット | 高額になる不動産取引で、売買契約に関する専門知識がない場合、後々、面倒なトラブルになったり、法的責任を課せられるリスクがあります |
個人間で不動産取引を行った場合、契約書に不備があったり、口約束で「言った言わない」の口論になってしまったりして揉めるケースが多く、おすすめできません。
特に事故物件の売買では「契約不適合責任(詳しい説明は次章で解説)」という売主に法的な責任が発生する可能性があり、損害賠償請求や売買契約の解除により売買代金の返還を求められるなど、売却後に大きな出費をしなければならないという状況になることがあります。
専門知識のない個人間取引はリスクが大きいため、事故物件になったタワマンの売却方法としておすすめしません。
買手候補となる知り合いがいるのであれば、必ず間に知識のある不動産業者に入ってもらうようにしましょう。
なお、タワーマンションを個人間売買する際に注意すべきポイントは以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
仲介業者に依頼して一般市場で買主を探す
事故物件になってしまったタワマンが人気エリアや駅前にあるなど好条件の場合は、仲介による売却を検討してみてもよいかもしれません。
仲介とは、仲介業者に依頼して、広く不動産の取引市場で買主を探してもらう方法です。
仲介のメリット |
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仲介のデメリット |
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仲介を利用する売却は、「時間がかかっても、一般相場通りの金額で売却したい方」に向いています。
買取業者に売却する
事故物件は買取で売却するのが向いています。
買取とは、市場に出さずに事故物件の扱いのプロである買取業者が買主になってすぐに購入してくれる売却方法です。
買取のメリット |
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買取のデメリット |
買取業者によってはそもそも買い取ってもらえない場合があります |
買取を断れる業者は、事故物件など訳あり物件専門の買取業者以外の業者です。
こうした業者には、事故物件に対する専門知識がなく、物件への適切な対処方法が分からなかったり、買い取った不動産をどう活用すればよいかが分かっていないため、買取を断ることがあるのです。
訳あり物件を専門に取り扱う買取業者であれば、事故物件の対処法からその後の活用方法、どんな人に売却すればよいかが分かっているため、適切な価格ですぐに買い取ってもらうことができるでしょう。
弊社も他社では断られた事故物件でも数多くの買取実績があります。
無料査定も行っていますので、お気軽にご相談ください。
事故物件となったタワマンを貸したり売ったりするときには告知義務がある
事故物件になってしまったタワーマンションに自分が住み続けるのであれば問題はありませんが、もし売ったり貸したりする場合には「告知義務」に注意が必要です。
不動産を売却する際や賃貸に出す場合に、買主または借り主に事故物件である事実など不動産取引を左右する事項について契約前に伝える義務のこと
先述した通り、人が亡くなった不動産が必ず事故物件に当たるわけではないので、この告知義務も同様に心理的瑕疵、物理的瑕疵などの瑕疵があるかどうかによって告知義務が発生します。
特に告知義務に関しては国土交通省により「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」が公表されていますので、紹介しましょう。
ガイドラインのなかで告知しなくてもよいケースの大前提は以下のように記されています。
宅地建物取引業者は、人の死に関する事案が、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合には、これを告げなければならない。
より具体的な例が紹介されているので見ていきましょう。
事故物件であることを告知しなくてもよいケース
ガイドラインでは事故物件になってしまったタワーマンションを売ったり貸したりする場合、以下の3つのケースは告知しなくてもよいといっています。
- 【賃貸・売却】自然死、日常生活のなかで起こった不慮の事故による死の場合
- 【賃貸・売却】普段使用しないボイラー室や屋上など共用部分で発生した自然死、不慮の事故による死以外の死で、特殊清掃が行われた場合
- 【賃貸のみ】普段から使用するエレベーターやエントランスなど共用部分で発生した自然死、不慮の事故による死以外で、特殊清掃から3年経過した場合
ガイドラインでは、賃貸、売却とも日常起こりえる自然な死や予期せぬ死については告知義務はないとしています。
また、普段使用されていない共用部であった死に関しても、特殊清掃が行われていれば告知しなくても差し支えありません。
なお、普段から使用する共用部で行った自殺、他殺などに関しては、特殊清掃から3年経過するまでは伝えるべきだが、3年以上経過したら伝えなくてもよいとしています。
ただし、これはあくまでも原則であって、これらに該当すれば全て伝えなくてもよいとはいっていません。例外のケースも見ていきましょう。
上記の3つでも告知義務が発生する例外がある
ガイドラインでは、告知しなくてもよいケースであっても以下の場合は告知義務があるといっています。
- 買主・借主から聞かれた場合
- 不動産取引の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合
- 事件性、社会的影響がある場合
告知義務がないケースであっても借主や買主から聞かれた場合は、告知しなければなりません。
「不動産取引の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合」という部分は、ガイドラインの原則にも書かれており、最も重要視される部分です。
たとえば、自然死であっても発見までに1か月近く遺体が放置されていれば、それは不動産を買う人や借りる人にとっては判断に影響することかもしれません。
事件性、社会的影響がある場合は、上記の不動産取引の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合に該当しますので、伝える必要があるでしょう。
このガイドラインはあくまでも一つの指針ですが、実取引では借主や買主にとって心理的瑕疵があるのか、物理的瑕疵はあるのかを考え、瑕疵がある場合は告知すべきです。
ただし、心理的瑕疵は人によって感じ方が違うため、判断が難しいところです。
基本的に伝えておくことで、損害賠償請求や売買契約の解除になるリスクを避けられるでしょう。
事故物件売却時の告知義務の範囲や期間についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も併せて参考にしてください。
告知義務に違反すると契約不適合責任になり、契約解除や損害賠償請求される
ここまで告知義務の範囲を説明してきましたが、告知せずに貸したり売ったりしてはダメなのでしょうか。
告知義務に違反すると、貸主または売主は告知義務に違反すると「契約不適合責任」に問われてしまいます。
契約不適合責任とは、不動産取引で対象となる不動産の内容が契約時の内容と異なっていた場合に売主、貸主に課される責任です。
契約不適合責任になると、貸主または買主から代金の返還や契約解除を請求されることがあります。
過去の判例をみてみると、たとえば以下のような事例があります。
【賃貸で起きた告知義務違反の判例】
対象不動産 | 賃貸アパート |
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事案 | 賃貸アパートの階下の部屋で半年以上前に自然死があったが、賃借人は入居時に知らされてなかった |
請求 | 賃貸人および仲介業者に対し、入退去に対する費用および慰謝料 合計94万円を請求 |
判決 | 半年以上前に階下の部屋で自然死があった事実は、社会通念上、心理的瑕疵には値しないと、請求は棄却された |
【売却で起きた告知義務違反の判例】
対象不動産 | 中古マンション |
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事案 | 家族と住むために購入した中古マンションで、6年前にベランダで自殺したことが判明した |
請求 | 契約解除および売買契約約定の違約金の請求 |
判決 | 心理的瑕疵にあたるとされたが6年経過しているため損害賠償では賄えないとされた 瑕疵を伝えなかった売主には履行利益を賠償する責任があるとされ、売買契約解除および売買契約約定の違約金640万円の損害賠償をみとめた |
参照元:一般財団法人不動産適正取引推進機構「心理的瑕疵に関する裁判例について」
契約不適合責任になると貸主や買主から損害賠償請求や契約解除を求められ、せっかく貸したり売却できたりしたタワマンに関して、高額なお金の請求を受ける可能性があります。
所有するタワマン内で人が亡くなった場合は「瑕疵はあるか」をしっかり判断し、告知義務が発生する場合は正直に伝えることが大切です。
なお、買取業者の多くが、売買契約の特約に「契約不適合責任の免責」を付けてくれます。
免責とは、その責任を負わなくてもよいという約束なので、事故物件に関してトラブルが長引く不安のある方は、買取を選ぶと安心できます。
契約不適合責任については、以下の記事で詳しく解説しています。
告知義務の際のポイント
告知義務に関して、最後に告知の際のポイントを抑えておきましょう。
- 告知義務の伝え方と内容
- 「機微(センシティブ)情報」を伝えてはいけない
- 隣の部屋で人が亡くなった場合は原則は不要だが伝えるべき
告知義務の伝え方と内容
国土交通省が公表している「人の死に関するガイドライン」では、「書面での交付が望ましい」としています。
賃貸契約、売買契約とも契約書に重要事項説明書を付けることになっています。
一般的には重要事項に事故物件であることを記載し、口頭でも伝えるのがよいでしょう。
なお、重要事項の説明は不動産業者に義務が課せられています。
また、記載すべき内容は「基本的に死亡事故があったこと」「死因」「建物への影響とその度合い」です。
「機微(センシティブ)情報」を伝えてはいけない
同ガイドラインでは、亡くなった方とそのご遺族のプライバシーを侵害しない、名誉を棄損しないよう明記されています。
つまり、亡くなった方の使命や年齢、家族についてなど個人情報は伝えてはいけません。
また具体的なご遺体の様子や発見時の状況までは伝えないようにしてください。
隣の部屋で人が亡くなった場合は原則は不要だが伝えるべき
同ガイドラインの告知しなくてよいケース(3)でご紹介した「【賃貸・売却】普段使用しない共用部分で発生した自然死や不慮の事故による死」以外の死で、特殊清掃が行われていた場合には、以下のような文章があります。
賃貸借取引及び売買取引いずれの場合も、原則として、これを告げなくてもよい。
ただし、事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案はこの限りではない。
つまり居住者が普段使用しない隣の部屋で死亡事故があった場合、告知しなくてもよいと考えられます。
しかし、例外にある「不動産取引の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合」にあたると判断されると、契約不適合責任に問われる可能性があるため、告知したほうがよいでしょう。
少しでも賃料や売却価格を下げないためにできること
事故物件になったタワーマンションを貸したり売ったりする場合には、周辺相場より賃料や売却価格は値下げする必要があります。
しかし、できるだけ賃料や売却価格を下げたくないものですよね。
そこで価格を下げないためにできることを賃貸、売却それぞれご紹介します。
【賃貸】事故があったことを感じさせない内容にリフォームする
事故物件になったタワーマンションを賃貸に出すときは、死亡事故があったイメージを払拭するようなおしゃれで清潔な内装にリフォームするとよいでしょう。
特に水回りをキレイにすると印象がよくなります。
また人気の家電や設備などを付加価値として付けるのも1つの手です。
【売却】事故物件専門の買取業者に売却する
事故物件になってしまったタワーマンションの売却は、事故物件専門の買取業者にするのが一番早く、良い条件で売却できます。
仲介に依頼すると値下げを繰り返し長期化する
事故物件になってしまったタワーマンションを仲介で売却すると、長期化して価格を下げるケースが多くあります。
先述した通り、人気エリアになる高級タワマンで瑕疵の状態もそれほど問題がなければ仲介で一般市場に売り出してみるのも手でしょう。
ただし、仲介には事故物件ではない普通の物件が数多く出ており、ライバルとなります。
たとえばおなじタワマンで、事故物件ではない部屋が出ていた場合は、選んでもらえない可能性は高いでしょう。
仲介でなかなか売れないと、結局、販売価格を下げていくことになります。
それでも売れないとまた値下げしますが、不動産購入検討者は物件情報を何度も見ていますので「この物件なかなか売れないな」と印象はどんどん悪くなっていく可能性があります。
だから、仲介に事故物件を出すと多くの場合、なかなか売れずに値下げを繰り返しても何年経っても売却できず、維持管理コストだけが増えていくというケースが多いのです。
買取のなかでも事故物件専門の買取業者を選ぶべき
事故物件になってしまったタワーマンションをできるだけ良い条件で売却したいなら、専門の買取業者に相談しましょう。
事故物件に慣れていない買取業者の場合は、そもそも買取してくれなかったり、査定で付けた価格から実際に事故物件にかかる費用を後から請求されることもあります。
これは、事故物件に慣れていない業者に知識がないためです。
事故物件専門の買取業者の場合は、事故物件に必要な経費もあらかじめ分かっています。
さらに事故物件専門の買取業者は買い取った後にどのように活用し、誰に売れば買い取ってもらえるかが分かっているため、できるだけ良い条件の価格を提示することができるのです。
弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような事故物件を多数買い取ってきました。
実際、弊社は下記のように「孤独死」「自殺」「溺死」などさまざまな事故物件を全国から買い取っています。
上記の買取金額を見ていただけばわかる通り、弊社は事故物件であっても物件全体の価値を適切に評価し、適正価格で買い取っています。
買取業者の中にはホームページなどで「事故物件を買い取ります」とアピールしておきながら、実際はタダ同然の買取価格しかつけない業者も存在します。
弊社がそうした業者とは違うことが、この買取価格を見て頂けばわかっていただけると思います。
実際、事故物件をはじめ、弊社に物件の買取依頼をしていただいたお客様からは「思った以上の高値で買い取ってもらえた」「もっと早く依頼すれば良かった」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)。
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
そのため、事故物件というデリケートな対応が求められる物件も、売主様のプライバシーを守りながら、速やかに高値で買い取らせていただきます。
信頼できる買取業者に安心して事故物件を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
事故物件専門の買取業者のメリットについては以下の記事でもご紹介しています。
ここからは憧れのタワマンで暮らしたい人、少しでも安くタワマンを買いたい人に向けての情報を解説していきます。
少しでも安くタワマンを購入したいなら事故物件も視野に入れる【購入者向け】
窓から遮るもののない景色が見れるタワーマンションに暮らしてみたいというニーズは一定数いますが、その戸数には限りがあるためタワマンは人気のエリアほど高く、競争率が高くなっています。
さらに下層階より中層、上層階が人気があり、価格も階層が上がるほど高く設定されています。
タワマンにはファミリータイプから単身者向けタイプまで、1つのタワマンのなかにさまざまな間取りの部屋があります。
このためタワマンの価格は立地や階層だけでなく、部屋の広さや間取りによっても変動があります。
東京の港区や中央区や、大阪の中央区や北区などの人気エリアでは5,000万円〜2億円くらいが相場になっています。
そんなタワマンを少しでも安く手に入れたいなら、事故物件を検討してみるのも一つです。
売却に出されている事故物件は、住むための実用性には問題のない物件です。
メリットもありますので、メリットとデメリットを確認していきましょう。
事故物件のメリット・デメリット
事故物件になったタワーマンションを購入するメリットとデメリットを比較し、購入が現実的かを考えていきましょう。
事故物件を買うメリット
事故物件のメリットには以下のようなものがあります。
- 相場より安い
- 住むには実用的な問題はない
- プラスの設備やリフォームがされている
- そもそも気にならない人は問題ない
相場より安い
事故物件は周辺相場と比較して価格が安いのが何よりのメリットといえます。
通常では手が届かないタワーマンションの上層階でも相場よりかなり下がるため、購入できる可能性があります。
実際弊社のアンケート調査でも、事故物件はコスパが良いから住みたいと答えた方が多い結果となりました。
引用元:訳あり物件買取プロ|ブームの兆し!事故物件はあり?なし?983人にアンケート調査をしてわかった年収別の超意外な傾向とは?
住むには実用的な問題はない
売りに出されているタワーマンションは、すでにリフォームや清掃がしっかりと行われており、住むには問題がありません。
プラスの設備やリフォームがされている
さらに売れやすくするためにより良い設備が一新されている可能性もあるので、お得なケースもあるでしょう。
水回りなどが新しいと気持ち良いですよね。
そもそも気にならない人には問題がない
そもそも過去にあった死亡事故が気にならない方には、良い条件の物件といえます。
病死や不慮の転倒による事故死などの場合、日常生活で誰にでも起こりえるものです。
事故物件だから嫌煙するのではなく、死亡事故の内容を確認してみると案外気にならなかったというケースも考えられますよ。
事故物件を買うデメリット
購入後に後悔しないためにも、事故物件を購入する場合に抑えておくべきデメリットも抑えておきましょう。
- 購入後にまた売却したい場合、なかなか売れない可能性がある
- コミュニティがあるタワマンだと悪い噂をされる
- 霊感の強い方だと気になる可能性がある
購入後にまた売却したい場合、なかなか売れない可能性がある
購入したものの、さまざまな事情でまたそのタワーマンションを売却しなければいけないこともあるでしょう。
事故物件を購入するデメリットとして考えられるものには、購入した事故物件であるタワマンを売却するときに、なかなか売れない可能性があることです。
事故物件を売却する場合は、新たな買主にも事故物件であることを告知しなければいけない告知義務があります。
ほかに良い条件の物件が出ていれば、事故物件を選んで買ってくれる人は限られてしまうため、売れにくい可能性があるのです。
そのまま自分が住み続けるなら問題ないかもしれませんが、また売却する可能性がある人は、将来売れにくい可能性があるということも踏まえて検討するとよいでしょう。
コミュニティがあるタワーマンションだと悪い噂をされる
都心など人の流動が激しいエリアであれば、その物件が事故物件であることを覚えている人が周囲から次第に減っていきます。
しかし、郊外で長く同じタワーマンションで暮らす人が多かったり、タワマン内で人の交流が盛んだったりする場合は、いつまでも事故物件の噂が消えないケースもあります。
購入前にはその事故物件が周囲に知られているのか、タワマン内にどんなコミュニティがあるのかも確認しておくと安心です。
霊感の強い方だと気になる可能性がある
単純に「霊感が強い」というかたは住んでからつらい思いをするかもしれないので、注意しましょう。
気になる方は、売主にお祓いをしてもらうとよいでしょう。
タワマンの事故物件を探す方法
では実際に、事故物件であるタワーマンションを探すにはどうすればよいでしょうか。
主な方法は以下の通りです。
- 検索サイトで探す
- 不動産業者に聞く
- 競売情報をチェックする
検索サイトで探す
事故物件を専門に扱った不動産サイトが複数あります。
こうしたサイトでタワーマンションが出ないかをチェックすることになります。
ただし、不動産投資家もチェックしているため、人気があるタワマンだとあっという間に買われる可能性があるので注意しましょう。
不動産業者に聞く
不動産業者に直接聞いてみると、案外、事故物件の方法を持っている場合があります。
タワーマンションで限定しているなら、不動産業者にタワマンで安い物件が出てきたら事故物件でも教えて欲しいとお願いするのも手です。
競売情報をチェックする
競売とは、住宅ローンを支払えなくなってしまった場合に、住宅ローンを貸し付けている金融機関が所有者に変わって不動産売却を行う方法です。
競売は法的な強制力で売却されるため、価格が安く売りに出されます。
事故物件となったタワーマンションも出ている可能性があるので確認してみてください。
購入前に事故物件であることは分かりますので、安いタワマンがあったら申し込んでみるとよいでしょう。
まとめ
タワーマンションは気持ちの良い展望やおしゃれな外観が人気ですが、事故物件になってしまうと資産価値が下がってしまいます。
ただし、不動産のなかで人が亡くなったからといって全てが事故物件になるわけではありません。
事故物件かどうかに影響する要素は、心理的瑕疵や物理的瑕疵があるかどうかです。
こうした瑕疵があると、賃貸に出すにも売却するにも告知義務があり、価格にも影響します。
価格が下がるのが嫌だからといって事故物件であることを伝えずに貸したり売ったりすると、契約不適合責任となり損害賠償請求や契約解除を求められるので、告知義務は守る必要があります。
弊社調べでは事故物件であることを気にしない人は3割おり、住みたいと探している人もいるので、賃貸や売却に出すことは可能です。
少しでもよい条件で売却したい場合は、事故物件取り扱いのある訳あり物件専門の買取業者に売却すると早く、できるだけよい条件で売却できます。
また、訳あり物件専門の買取業者は、事故物件でも気にせず購入してくれ、契約不適合責任も免責にしてくれる業者がほとんどですので、おすすめです。
事故物件のタワマンを探したい人は、ネットで検索したり競売情報をチェックしたりするとよいでしょう。事故物件は周辺より安く購入できるだけでなく、プラスリフォームや新設備が付いていて住みやすいこともあります。
タワマンが事故物件になってしまっても、双方が価格や告知内容に納得すればお互いよい不動産取引ができる可能性があります。
事故物件になってしまったタワマンを所有している人も、少しでも安くタワマンを購入したい人も、大切な資産を活用するために、この記事をぜひ参考にしてください。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、全国の事故物件を積極的に買い取っている専門の買取業者です。
過去にはフジテレビの「newsイット!」にも訳アリ物件専門の買取業者として紹介された実績もあります。
弊社には買い取った事故物件を再生して活用できる独自のノウハウがあります。
そのため、あなたの事故物件をよりスピーディーに、かつ適正価格で買い取ることができるのです。
事故物件となったタワマンを売却したいとお考えの方は、弊社までお気軽にお問い合わせください。