事故物件のメリット3選
事故物件におけるメリットは、以下の3つです。
- 賃貸・購入価格が相場よりも安い
- 投資先として魅力がある
- リフォームがされている場合が多い
それぞれ詳しく解説します。
賃貸・購入価格が相場よりも安い
事故物件における最大のメリットは、賃貸で借りる場合も購入する場合も相場よりも金額が安いことです。
事故物件とは、過去に事件や事故、自殺、孤独死などにより入居者が部屋で死亡した物件のことです。
事故物件では心理的瑕疵があり、一般の人が敬遠するため、相場よりも安くする必要があります。
生活するうえでは問題ないものの、居住者に心理的抵抗や嫌悪感を与える瑕疵のこと
事故物件によってどのくらい安くするかの値引き相場は、死因によって大きく異なり、以下のように賃貸と購入でも変わります。
【賃貸の場合の事故物件の値引き相場】
事故物件の内容 | 値引き相場 |
---|---|
自然死 | 0~10%程度 |
自殺 | 30~50%程度 |
他殺 | 70~80%程度 |
【購入の場合の事故物件の値引き相場】
事故物件の内容 | 値引き相場 |
---|---|
自然死 | 10~20%程度 |
自殺 | 20~30%程度 |
他殺 | 40~50%程度 |
自然死であれば、賃貸、購入ともに値引き相場は、そこまで高くはありませんが、他殺であれば、値引き幅は非常に大きくなります。
ただし、事故物件に対して、入居希望者や購入希望者の受け取り方によって相場は大きく異なるため、あくまで参考程度に留めておきましょう。
投資先として魅力がある
事故物件のメリットとして、投資用物件として考えた場合に魅力があることも挙げられます。
投資目的として物件をみると、事故物件は割安な金額で購入できるため、利回りが高くなるでしょう。
利回りとは不動産投資をする場合に、投資した金額に対する利益の割合を示したものです。
売却相場で購入した物件の利回りと事故物件で安く購入した場合の利回りは、以下のとおりです。
投資物件 | 利回り |
---|---|
売却相場で購入した物件 | 5~10% |
事故物件で安く購入した物件 | 5.5~20% |
たとえば、売却相場で購入した物件の利回りが7%の場合で、他殺による事故物件のため相場よりも50%安い金額で購入して家賃を下げずに貸した際は、利回りは14%になります。
都市部で交通利便性が高い立地であれば、もともとの賃貸需要が高いため、多少家賃を下げれば、入居希望者が現れる可能性は高いといえます。
事故物件をあまり気にしない層も一定数いるため、人口が多い都市部であれば、入居が決まりやすくなるでしょう。
ただし、人口が少ない地方では、事故物件をあまり気にしない層も少なくなるため、投資用として購入する場合は慎重に検討することをおすすめします。
リフォームがされている場合が多い
事故物件は、リフォームがされている場合が多いこともメリットといえます。
死因によっても異なりますが、事故の痕跡を消すために、リフォームがされることが多くなるのです。
たとえば、孤独死して遺体が長期間放置されている場合は、市販されていない薬剤や機器を使用する特殊清掃をしても臭いやシミが消えないこともあります。
事故の痕跡を徹底的に消すために、大幅なリフォームを行っているため、入居希望者や購入希望者にとってはメリットになります。
事故物件のデメリット10選
一方、事故物件におけるデメリットは、メリットよりも多くあります。
「購入・借りる」場合と「売却・貸し出す」場合に分けて、それぞれ詳しく解説します。
「購入・借りる」際のデメリット5選
「購入・借りる」場合のデメリットは、以下の5つです。
- 精神的なストレスがある
- 契約を更新する際に家賃が上がることがある
- 事故の痕跡が残っている可能性がある
- インターネットに事故物件として公開されていることがある
- 近隣住民の間で噂される
それぞれ詳しく解説します。
精神的なストレスがある
事故物件を「購入・借りる」場合のデメリットとして、ストレスがかかりやすいことが挙げられます。
事故物件は、自殺や殺人事件などが起こった物件のため、通常の物件に比べると、どうしても精神的な負担が大きくなるのです。
たとえば、事故物件とわかっていて購入したり、借りて住んだりした場合、近隣の人に事故の詳細な内容を聞いて後悔するケースや実際に住んでみて、些細な物音が気になり、ストレスになるケースがあります。
中には霊的なものは全く気にしないという人もいますが、一般的には気になる人が多いため、事故物件を借りて住む場合は、ある程度のストレスは覚悟しておく必要があるでしょう。
契約を更新する際に家賃が上がることがある
事故物件は契約を更新するときに家賃が上がる可能性があることもデメリットといえます。
事故物件における国土交通省のガイドラインでは、賃貸においての告知義務が生じる期間は、事故発生からおおむね3年です。
入居する際に事故発生から3年が経過していなければ、相場よりも安い家賃になっていることが多いですが、入居後に契約を更新するときに3年を経過している場合は告知義務がないため、オーナーが家賃を相場に戻す可能性があるのです。
もともとの家賃が高く、住めない物件でも事故物件で安くなっているために無理して住んでいる場合は、契約更新の時に家賃が上がって困る可能性があるでしょう。
事故の痕跡が残っている可能性がある
事故物件は事故の痕跡が残っている可能性があることもデメリットの1つです。
一般的に事故物件では、特殊清掃やリフォームをすることが多いため、事故の痕跡は消えている可能性が高いでしょう。
ただし、死因や遺体が放置された期間によっては、特殊清掃やリフォームでも事故の痕跡が消えないこともあります。
とくに臭いが完全に消えていない場合は、体調を崩してしまうこともあり、先述のとおり、精神的にストレスがかかってしまうでしょう。
事故物件を「購入・借りる」場合は、内覧の際に事故の痕跡が完全に消えているか慎重に確認することをおすすめします。
インターネットに事故物件として公開されていることがある
事故物件としてインターネットで公開されていることがあることも「購入・借りる」場合のデメリットです。
たとえば、ニュースなどで報道された事件が起こった物件などは「大島てる」などのサイトで公開されていることがあります。
「大島てる」は、事故物件を誰でも無料で閲覧できるサイトで、住所付きで公開されています。
インターネットで誰でも無料で調べることが可能なため、事故物件に住んでいてトラブルに巻き込まれる可能性があるでしょう。
実際に2000年に東京都世田谷区で一家4人殺人事件が起きた物件では、高校生約10人が敷地内に侵入して警察に逮捕されています。
参照元:朝日新聞デジタル|世田谷一家4人殺人現場敷地内に高校生約10人侵入「肝試し感覚」
ニュースなどで報道された事件が起こった物件は、とくに割安になっていることが多いですが、トラブルに巻き込まれる可能性があることは覚えおきましょう。
近隣住民の間で噂される
事故物件に住むと近隣住民の間で噂される可能性があることもデメリットになります。
事故や事件で人が亡くなった建物は不吉と捉えて近づきたくないと思う人は少なくありません。
また、自分が気にならなくても一般的には敬遠される物件のため、事故物件に住んでいる変わり者と捉えられ、あらぬ噂を立てられる可能性があります。
事故物件を借りて住む場合は、近隣住民との関係性に注意する必要があるでしょう。
「売却・貸し出す」際のデメリット5選
一方、「売却・貸し出す」場合のデメリットは、以下の5つです。
- 事故物件には告知義務があるので避けられやすい
- 相場より安くしなければならない
- リフォームが必要
- 契約不適合責任を問われることがある
- お祓いをする必要がある
それぞれ詳しく解説します。
事故物件には告知義務があるので避けられやすい
事故物件を「売却・貸し出す」場合のデメリットとして、告知義務があるため避けられやすいことが挙げられます。
先述のとおり、事故物件における国土交通省のガイドラインでは、賃貸においての告知義務が生じる期間は、事故発生からおおむね3年とされています。
しかし、3年を経過すれば告知は不要となりますが、賃貸契約のときに借り手から過去に事故があったかの有無を聞かれた場合は、後々トラブルにならないように、隠さず伝えることが必要です。
とくにニュースなどで報道された事件が起こった物件は、知っている人も多いため、避けられやすくなることはデメリットといえるでしょう。
なお、事故物件の告知義務については、以下の記事でも詳しく解説しています。
相場より安くしなければならない
事故物件は相場より安くする必要があることもデメリットといえます。
事故物件は心理的瑕疵があり、一般的に敬遠される傾向が強いため、賃料や価格を相場より安くしなければ、入居希望者や購入希望者が現れないのです。
事故物件における値引き相場は、入居希望者や購入希望者の受け取り方によって大きく異なりますが、投資物件として所有している場合は利回りが悪くなるでしょう。
また、売却する場合も、周辺の売却相場よりも安くしなければ売れません。
事故物件になると、賃貸においても売却においても相場よりも安くしないといけないことは大きなデメリットといえるでしょう。
なお、事故物件の家賃については、以下の記事でも詳しく解説しています
リフォームが必要
事故物件はリフォームが必要になることもデメリットです。
事故物件は床材や壁紙などがダメージを受けていることが多いため、リフォームによって事故の痕跡を消す必要があります。
物件の状態によっては、特殊清掃で事故の痕跡が消える場合もありますが、入居希望者や購入希望者の心理的瑕疵を払拭するためにリフォームすることをおすすめします。
また、孤独死した物件で長期間遺体が放置されている場合などは、腐敗臭やシミが特殊清掃ではとれないこともあるでしょう。
リフォームが必要な範囲にもよりますが、基本的には事故があった部屋のフローリングや壁紙を替える必要があるため、数十万円の費用はかかります。
なお、所有物件が事故物件になった場合の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
契約不適合責任を問われることがある
事故物件であることを告知しないと契約不適合責任を問われる可能性があります。
契約不適合責任とは、売買契約書に記載されていない瑕疵が発覚した場合に負う責任のことで、事故物件の場合は心理的瑕疵が該当します。
事故物件などの契約の判断を大きく左右する瑕疵については、告知義務が発生し、契約前に口頭で説明し、重要事項説明書に記載しなければいけません。
所有している事故物件を売却する場合や賃貸にだす場合に告知義務を怠ると損害賠償を請求されたり、契約解除されたりといったリスクがあるのです。
実際に、2017年には7年前に殺人事件が起きたことを隠して売却した結果、売主に約1千7百万円の損害賠償請求が命じられた判例もあるため、どんなに事故が起こって期間が経過していても告知する必要があります。
事故物件であることを告知すると売れづらくなりますが、告知義務違反に該当すると契約不適合責任を問われるため、大きなデメリットといえるでしょう。
なお、契約不適合責任については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
お祓いをする必要がある
事故物件ではお祓いをする必要があることもデメリットの1つです。
お祓いとは厄災を取り除く儀式のことで、一般的に神社やお寺に依頼するため費用が発生し、手間もかかります。
ただし、お祓いは日本の慣例で死者を弔うことができるため、購入希望者や入居希望者は事故物件に対する心理的瑕疵が和らぐメリットもあります。
さらに、事故物件でお祓いを行うことによって、売主に対しての信頼感にもつながるため、売却する場合や賃貸にだす場合には必要不可欠な行動といえるでしょう。
事故物件におけるお祓いの費用相場は3〜10万円程度ですが、死因や範囲によって費用が異なります。
一般的には、病死などの自然死は3万円、自殺は5万円、他殺であれば8万円程の費用がかかります。
なお、事故物件のお祓いについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
事故物件はデメリットが多いので手放した方が良い
所有している物件が事故物件になってしまった場合は、賃貸にだすことが難しくなります。
心理的瑕疵がある事故物件は、一般の入居希望者が敬遠するためです。
また、事故物件になっても所有し続ける場合は、リフォームやお祓いなどで余計な費用もかかることになります。
以上の2点から、事故物件は手放すことをおすすめします。
事故物件専門の買取業者に売却するべき
事故物件は、不動産会社に売却を依頼しても売れづらいため、事故物件専門の買取業者に売却することをおすすめします。
事故物件専門の買取業者であれば、先述した契約不適合責任を免責して契約することが可能です。
契約不適合責任とは、もともと一般の消費者を守るためのものなので、不動産のプロである事故物件専門の買取業者は免責できるのです。
また、事故物件専門の買取業者は、そのままの状態で1週間〜1ヶ月の短期間で買い取ってくれます。
不動産会社に売却を依頼する場合と違い、事故物件専門の買取業者に直接売却するため、一般の買い手を探す必要がなく、時間がかからず現金化することが可能なのです。
なお、事故物件を高く売却する方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
アルバリンクは事故物件を買い取ってきた実績がある
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まとめ
今回は、事故物件のメリット、デメリットについて詳しく解説しました。
事故物件は割安で住めたり、安く購入できたりといったメリットもありますが、「購入・借りる」場合でも「売却・貸し出す」場合でもデメリットが多く存在します。
所有している事故物件で問題を抱えており、できるだけ早く手放したい人は、事故物件専門の買取業者に売却することをおすすめします。
事故物件専門の買取業者であれば、事故物件でも契約不適合責任を免責して、素早く現金化することが可能です。
なお、弊社アルバリンクは事故物件などの訳あり不動産を積極的に買い取っている業者で、「フジテレビ」を始めとする各メディアにも取り上げられた実績があります。
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