借地上の建物の解体義務は借地人にある!解体回避の方法や交渉術を徹底解説

554 底地・借地

「借地を地主へ返すにあたって建物は解体しなければいけないのだろうか?」
「相続した借地上の建物を更地にしないで返還する方法はないのかな?」

借地契約が終了したら借地上の建物を解体して更地で地主へ返さなければならないのか、その際の解体費用は自分で負担する必要があるのか、不安に感じてしまいますよね。

原則として、借地を地主へ返還する際、借地人は建物を解体して更地にする必要があります。
建物の解体にかかる費用も借地人が負担しなければなりません。

ただし、ケースによっては建物が建っている状態で借地を返還できることがあります。
余計な費用を負担しなくても済むよう、更地にしないで返還できるケースを確認しておきましょう。

そこで今回は、地主へ借地の返還を考えている方へ向けて、以下の内容を詳しくお伝えします。

この記事を読むと、あなたが借地を返還する際に建物を解体する必要があるのかどうかがわかります。

なお、詳しくは本文で解説しますが、専門の買取業者に借地権を売却すれば建物ごと買い取ってくれるので、あなたが建物を解体する必要はありません。
地主との話し合いがうまくいかない、解体費用を負担したくない場合におすすめの選択肢です。

当サイトを運営している弊社AlbaLink(アルバリンク)は、借地権をはじめ権利関係が複雑な不動産の買取を得意としている専門の買取業者です。
あなたの借地権を建物ごとスピーディーに、かつ適正価格で買い取らせていただきます。
弁護士などの士業の方々とも提携しているため、地主との交渉もお任せください。

>>【借地権を建物ごと高額売却!】無料の買取査定を依頼する

底地・借地の売却は「訳あり物件買取プロ」へ!

底地・借地のみでも高額で売れる!

無料で底地・借地の高額査定を試す

他社で断られた訳あり不動産でも高額買取!
電話での簡単査定は下記をクリック!
0120-849-198
【365日受付中】10:00~19:00

そもそも借地権とは?

借地権とは、建物を建てる目的で地主へ地代などを支払って土地を借りる権利のことです。

借地権とは

借地権は、地主の承諾なしで自由に土地を利用できる「地上権」と、賃貸借契約の内容に基づいて土地を使用できる「賃借権」とに分けられます。

借地権:地上権と土地賃借権の違い

ただし地上権は借地人に与えられる権利が非常に強いことから、借地といえば賃借権を指すのが一般的です。

また一口に借地権といっても、その種類は以下3つに分類されます。

借地を返還する際に建物の解体義務があるのかどうかは地主と契約を交わしている借地権の種類によっても変わってくるため、自分がどの借地権に基づいて土地を借りているのかをいま一度確認しておきましょう。

ここでは、3つの借地権の特徴について詳しく解説します。

なお、以下の記事でも旧借地権と新借地権の違いを解説しているので、併せて参考にしてください。

旧借地権と新借地権の違いは?契約内容の注意点、リスクをわかりやすく解説
借地権の概要や旧借地権と新借地権の違い、新旧借地権を取引する際の注意点を解説します。この記事を読むと旧借地権と新着知見の違いを理解でき、借地権にまつわるトラブルを未然に防げます。

借地上の建物を更地にしないで返還する方法を早く知りたい方は、「借地上の建物を解体せずに借地権を返還できる3つのケース」の章からお読みください。

確実に借地上の解体義務から解放されたい方は「借地上の建物の解体義務から逃れるなら買取業者への売却が確実」の章をご参照ください。

旧借地法に基づく借地権

現行の借地借家法は、1992年8月1日に施行されました。
したがって、1992年7月31日以前に借地契約を交わしていた場合は、旧借地法に基づく借地権が設定されていることになります。

借地借家法の施行前後で変わる借地権の種類

旧借地権の特徴は、借地人が持つ権利が強い点にあります。
基本的に契約期間は木造など非堅固な建物で20年(期間の定めがない場合は30年)、鉄筋コンクリート造など堅固な建物で30年(期間の定めのない場合は60年)と設定されていますが、借地人が希望する限り半永久的に更新が可能です。

旧借地権の更新

地主側が契約更新を拒絶するには「本人が居住するために使う」などの正当事由が必要であり、ほぼ認められることがないのが実情です。

なお、以下の記事では旧借地権でよく起こりがちなトラブル事例をご紹介しています。
旧借地権で土地を借りていてトラブルに見舞われたくない方はぜひご一読ください。

旧借地権にまつわるトラブル9選|地主と借地人に分けてわかりやすく解説
売れない訳あり不動産の活用方法なら

現借地借家法に基づく借地権

現行の借地借家法が施行された1992年8月1日以降に地主から土地を借りている場合は、以下2つの借地権のいずれかに基づいて借地契約を交わしていることになります。

2つの借地権のもっとも大きな違いは「契約更新の有無」です。

契約形態による借地権の違い

借地人の建物の解体義務に大きく関わってくるので、違いを押さえておきましょう。

2つの借地権の特徴について、詳しく解説していきます。

普通借地権

普通借地権は、地主から土地を借りる際の一般的な契約形態です。
契約期間は建物の構造にかかわらず「30年」と設定されていますが、借地人が拒絶しない限り契約が自動更新される点が特徴です。

普通借地権とは

地主側から借地契約を解除するには「その土地を使う必要がある」などの正当事由が必要であり、かつ一定の立ち退き料も支払わなければなりません。

普通借地権は旧借地権と同様、借地人に与えられた権利が強い借地権といえます。

定期借地権

定期借地権は、借地借家法の施行によって新たに設定された借地権です。
定期借地権の契約期間は「50年」と普通借地権よりも長いものの、期間満了後、借地人は地主へ土地を必ず返還しなければならない特徴があります。

定期借地権とは

旧借地法では借地人の権利が強く、地主にとっては土地を一度貸すと半永久的に返ってこないリスクがありました。
そこで、一定の契約期間が経過すると必ず土地が返還される定期借地権が新たに設けられることになったのです。

なお、定期借地権には以下の3種類があります。

定期借地権の種類 特徴
一般定期借地権 契約期間は50年以上。
期間満了後、借地人は建物を解体して土地を返還する必要がある。
建物譲渡特約付借地権 契約期間は30年以上。
30年以上経過した時点で地主が借地上の建物を買い取ることを約束する契約。
事業用借地権 契約期間は10年以上50年未満。
事業用の建物を建てるための借地権であり、住宅には利用できない。

定期借地権で土地を借りているときには、3種類のうちのどれに該当するのかを確認しておくことも大切です。
なお、基本的には一般定期借地権で契約を交わしているケースが多い傾向にあります。

他社で断られた訳あり不動産でも高額買取!
電話での簡単査定は下記をクリック!
0120-849-198
【365日受付中】10:00~19:00

借地人には更地返還する「原状回復義務」がある

借地人とは、契約終了時に建物を撤去し、更地に戻して地主へ返還する義務がある人のことです。
契約書にその旨が明記されていれば、原状回復は借主の責任となります。

ただし、建物を解体しても借地権自体は原則として消滅せず、旧法・新法いずれにも共通する取り扱いです。

あなたの底地・借地を
カンタン1分査定
Step1
Step2
Step3
Step4
他社で断られた訳あり不動産でも高額買取!
電話での簡単査定は下記をクリック!
0120-849-198
【365日受付中】10:00~19:00

建物を解体せず地主に返すための3つの交渉ポイント

借地を地主へ返すときには原則として建物を解体して更地にする必要がありますが、地主の同意が得られれば、その限りではありません。

地主に建物ごと引き取ってもらいたいなら、地主にとってのメリットを訴求することが大切です。

ここでは、地主に借地上の建物を引き取ってもらうための交渉でアピールしたいポイントを3つ解説します。

建物が再利用可能である

借地上の建物の築年数が浅く、設備などにも目立った劣化がない場合には、そのままの状態でも住めることを地主にアピールしましょう。

地主本人が住まない場合でも、子どもなどの親族や第三者に貸す選択肢があることを提示すると、前向きに建物の引き取りを考えてくれるかもしれません。

立地が良く再建築にも適している

地主が借地上の建物を借地権ごと購入すれば、土地と併せて自由に使える不動産を取得できます。

そのため、借地の立地が良く、地主が「自分の住む家を建てたい」「賃貸アパートを建てて活用したい」などと考えていれば、前向きに交渉に応じてくれる可能性があります。

解体費用よりも転用メリットが大きいと地主が判断できる

地主にとって、借地人から更地の状態で借地権を返還してもらえることには、すぐに次の活用を始められるメリットがあります。

しかし、建物を解体して更地にすると、住宅用地の特例が適用されなくなって土地に課される固定資産税が最大で6倍にまで増額します。

住宅用地の特例とは?

住宅用地の特例
居住用の家屋が建つ土地に課される固定資産税が6分の1に軽減される制度。

そのため、建物をそのまま残しておくと地主の税負担が引き続き軽減される点は大きなメリットです。

また、土地を駐車場などとして貸し出すよりも、借地上の建物を使って賃貸経営を行ったほうが多くの収益を得られる可能性がある点も地主にとってのメリットといえます。

したがって、地主が更地の状態で返還してもらうよりも、建物が建っている状態のほうがメリットが大きいと判断すれば、解体費用を負担せずにそのままの状態で引き取ってもらえる可能性があります。

他社で断られた訳あり不動産でも高額買取!
電話での簡単査定は下記をクリック!
0120-849-198
【365日受付中】10:00~19:00

建物解体決定後に地主と交渉すべき4つの内容

既存の建物を解体し、更地の状態で借地権を返還することが決まったときには、以下4つの内容を地主と交渉することが大切です。

解体費用の分担交渉

前述のように、借地権付き建物の解体費用は原則借地人が負担します。

ただし、地主の同意があれば解体費用の一部、または全部を負担してもらえることが可能です。
そのため、借地上の建物の解体が決まったら、まずは地主に解体費用を負担してもらえないか交渉してみるとよいでしょう。

地主にとっては、解体費用のみで借地権を取り戻せるメリットがあります。

したがって、地主が借地を自分で使いたいと考えていたら解体費用の一部、または全額を負担してもらえるかもしれません。

解体期限の延長要請

借地上の建物の解体費用をすぐに用意するのが難しいときには、地主に対して解体期限を延長してもらうように依頼するのはひとつの手です。

借地上の建物を解体したうえで借地権を地主へ返還するときには、いつまでに解体を行うのか具体的な日程を決めます。

原則として契約期間満了日までに借地上の建物は解体しなければなりませんが、それまでなら地主との交渉によって調整することが可能です。

また、次の見出しでご紹介するように、建物買取請求権を行使する方法も選択肢です。

建物買取請求権の行使を交渉材料として使う

建物の解体費用を負担しなくないなら、建物買取請求権を交渉材料として使用する方法も有効です。

普通借地契約の契約期間の満了時に借地人が契約更新を望んだにもかかわらず、地主が正当な理由なくそれを拒否したら、借地人は建物買取請求権を行使できます。

建物買取請求権とは、その名のとおり地主に借地上の建物の買取を要求する権利です。

借地上の建物を買い取るには、地主は数百万円から数千万円もの費用を負担しなければなりません。

一方で、建物の解体費用だけなら数十万円~百数十万円ほどの負担で済むケースが一般的であり、地主にとっての負担はより軽いものとなります。

そのため、建物買取請求権の行使を材料として地主と話し合えば、建物の解体費用を負担してくれる可能性があります。

第三者への譲渡や売却による解決策の提案

交渉の末、地主が解体費用を負担してくれない場合には第三者に借地上の建物を売却する方法を検討しましょう。

第三者に借地上の建物を購入してもらえば、あなたが解体費用を負担する必要はありません。
そればかりか、まとまった現金を手に入れられるメリットもあります。

ただし、借地上の建物には「毎月の地代支払いが発生する」「建て替えなどの際に地主の承諾が必要」などのデメリットがあるため、一般の買い手からは敬遠されがちです。

そのため、解体費用の負担を免れる目的で借地上の建物を売却したいなら、専門の買取業者に相談してみることをおすすめします。
詳しくは「借地上の建物の解体義務から逃れるなら買取業者への売却が確実」の章で解説します。

なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、借地権をはじめとする権利関係が複雑な不動産を積極的に買い取っている専門の買取業者です。
弁護士とも提携しているため、地主との売却交渉もすべてお任せいただけます。

借地上の建物を手放したいけど解体費用を負担したくないとお考えの方は、弊社へ一度ご相談ください。

>>【借地上の建物を高額売却!】無料の買取査定を依頼

他社で断られた訳あり不動産でも高額買取!
電話での簡単査定は下記をクリック!
0120-849-198
【365日受付中】10:00~19:00

借地上の建物解体費用の相場

前章で解説したように、借地を地主へ返還する際には建物を事前に解体しなければなりません。

解体費用は借地人が負担する必要があるため、事前にいくらかかるのかを把握しておきましょう。

ここでは、借地上の建物の解体にかかる費用について解説します。

建物の構造別の解体費用

解体費用は以下の表のように建物の構造によって異なりますが、100万円以上にのぼるケースは少なくありません。

建物の構造 1坪あたりの相場 30坪の場合 40坪の場合 50坪の場合
木造 3~5万円 90~150万円 120~200万円 150~250万円
鉄骨造 6~7万円 180~210万円 240~280万円 300~350万円
鉄筋コンクリート造 6~8万円 180~240万円 240~320万円 300~400万円

したがって借地契約の更新をせずに地主へ返還する場合には、建物の解体費用をどのように捻出するかを考えておくことも大切です。

もし借地上の建物の解体費用を支払えない場合には、「借地上の建物の解体義務から逃れるなら買取業者への売却が確実」の章で解説するように、建物を解体せずに借地権を処分する方法を模索するとよいでしょう。

弊社AlbaLink(アルバリンク)は、借地権をはじめとする権利関係が複雑な不動産の買取を専門におこなっている買取業者です。
あなたの借地権を建物ごと買い取らせていただきますので、「解体費用を支払えない」「解体費用を負担したくない」とお悩みの方は、弊社までお気軽にご相談ください。

>>【借地権を建物ごと高額売却!】無料の買取査定を依頼する

立地条件・土地の状態でも解体費用は変わる

借地上の建物の解体にかかる費用は、立地条件や土地の状態などによっても異なる点を押さえておく必要があります。

たとえば、借地上の建物に面する道路の幅が狭くて解体用の重機が入れなかった場合には、作業員による手作業での解体工程が増えるために人件費がかさみ、さらに費用がかかります。

また、建物を解体する際に地中から鉄くずや廃棄物などの埋設物が見つかった場合には、撤去費用も負担しなければなりません。

建材にアスベストが含まれていた場合も、解体時に飛散を防止するための対策が追加で必要になるために費用がかさむ傾向です。

アスベスト
天然の鉱石繊維で石綿とも呼ばれる。
値段が安い割に耐火性や断熱性などに優れていることから昭和30年頃から盛んに使われたが、吸い込むと肺がんなどの病気を発症することから昭和50年に使用が禁止された。

そのため、より正確な解体費用が知りたいのなら、解体業者に現地調査を行ってもらったうえで見積もりを作成してもらうことをおすすめします。

なお、建物の解体にかかる費用相場については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

空き家解体費用は数百万円!買取なら費用も手間もかけずに売却できる
空き家の解体費用の相場【構造・面積別で説明】 空き家を解体してから売却しようと検討している方もいるでしょう。 それでは、空き家を解体するには実際どれくらい費用がかかるのでしょうか? 構造別でおよその目安を確認しましょう。 ...
他社で断られた訳あり不動産でも高額買取!
電話での簡単査定は下記をクリック!
0120-849-198
【365日受付中】10:00~19:00

借地上の建物を解体せずに借地権を返還できる3つのケース

ここまで、地主へ借地権を返還する際には借地人が建物を解体する必要があると解説してきました。

ただし、以下3つのケースのうちいずれかを選択すると、建物を解体しなくても地主へ借地権を返還できるようになります。

借地契約が期間満了により終了

前述のように、借地人には「原状回復義務」があります。

ただし借地契約が期間の満了によって終了する場合、借地人は借地上の建物を時価で買い取るよう地主へ請求できる権利が認められていのです。
これを「建物買取請求権」といいます。

建物買取請求権

(建物買取請求権)
第十三条 借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。

引用元:e-Gov法令検索|借地借家法第13条第1項

ただし、すべてのケースにおいて建物買取請求権が認められるわけではない点に注意が必要です。

建物買取請求権に関する以下の事項について、詳しく解説していきます。

なお、以下の記事では借地権を返還する流れについて解説しているので、併せて参考にしてください。

借地の建物に解体義務はあるの?借地権を返還する方法4選!
売れない訳あり不動産の活用方法なら

建物買取請求権を行使できる条件

前提として、借地人が建物買取請求権を行使できるのは以下4つの要件を満たしている場合に限ります。

  • 借地上に建物があること
  • 借地契約満了のタイミングであること
  • 地主から借地人に対して契約更新しない旨を通知していること
  • 地主側に借地契約を更新しない正当事由があること

まず、借地上に建物が存在していることが条件です。

また、借地権の存続期間が満了を迎えるタイミングでなければ建物買取請求権は行使できません。
たとえば普通借地権の存続期間は初回が30年、更新後が20年なので、更新前なら30年目、更新後なら50年目が建物買取請求権を行使できるタイミングです。

それにくわえて、借地人が借地契約の更新を希望しているのにもかかわらず、地主側が契約更新を拒否していることも条件のひとつです。
地主側が借地契約の更新を拒否するには、「地主がその土地を使う必要性がある」などの正当事由も必要です。

これら4つの条件がそろって初めて、借地人は建物買取請求権を行使できるのです。

なお、立ち退きの正当事由については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

借地借家法における立ち退きの正当事由をどこよりもわかりやすく解説
売れない訳あり不動産の活用方法なら

建物買取請求権を行使する方法

建物買取請求権は、借地人から地主への一方的な通知によって効力が発生します。
つまり、借地人が地主に「建物を買い取ってほしい」と告げるだけで売買契約が成立するのです。

借地人から建物買取請求権を行使されたら、地主は基本的に応じなければなりません。
たとえ借地契約において「借地人は地主に建物買取請求権を行使しない」と取り決めてあったとしても、無効となります。

ただし定期借地権で土地を借りている場合、契約書に「建物買取請求権は認めない」と記載されていたら、借地人は建物買取請求権を行使できない点に注意が必要です。

なお、建物買取請求権を行使する際には口頭で伝えても問題ありません。
しかし「言った言わない」の論争を防ぐためにも、内容証明郵便で通知して証拠を残しておくことをおすすめします。

内容証明郵便
いつ、どのような文書を誰から誰に送ったかを郵便局が証明する制度。
切手代にくわえて一般書留代として480円、内容証明郵便代として480円が加算される。

建物買取請求権を行使した際の買取価格

借地借家法上、借地人が建物買取請求権を行使した際に地主に建物を買い取ってもらう際の価格は「時価」と定められています。

参照元:e-Gov法令検索|借地借家法第13条第1項

時価とは「いま建物を売却しようとしたときに売買できると予想される価格」のことです。

借地人が建物買取請求権を行使した時点で借地を使用する権利は失われるので、時価に借地権の価格は含まれません。
建物買取請求権行使時の建物の売却価格に「場所的利益」を考慮した金額が売買価格となります。

場所的利益
駅から近い、日当たりが良いなど建物が存在する環境によって生じる利益のこと。
一般的には更地価格の1~2割ほどと判断されるケースが多い。

ただし、建物の時価を自分で算出するのは難しいといわざるを得ません。
建物に定価は存在せず、立地条件や築年数、経済状況などの個別的要因によって売買価格は大きく左右されるからです。

したがって、地主への交渉材料として建物の時価が知りたいときは、不動産業者や不動産鑑定士に査定を依頼するとよいでしょう。

なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)では無料査定をおこなっております。
査定を依頼しても無理な営業をかけることはいっさいありませんので、借地上の建物がいくらで売れるのかが気になる方は、お気軽にお問い合わせください。

>>【借地権を建物ごと高額売却!】無料の買取査定を依頼する

建物買取請求権が認められないケースもある

ここまで解説してきたように、建物買取請求権は借地人に認められている権利です。

一方で、以下のケースに該当する場合は建物買取請求権を行使できない点に注意が必要です。

  • 借地権の契約期間がまだ残っている
  • 地代の不払いなど借地人側の債務不履行により借地契約を解除された
  • 地主との合意によって借地契約を解除した

借地権の契約期間中に地主へ「建物を買い取ってほしい」と申し出ることはもちろん可能です。
ただし、この時点では借地人に建物買取請求権は発生していないので、買取に応じてもらえるかどうかは地主の考え次第です。

また「地代を滞納した」など借地契約の解除理由が借地人側にあるときにも、建物買取請求権は行使できません。
借地契約を更新しないことが地主側の理由によるものではなく合意だった場合も、建物買取請求権は行使できない点に注意しましょう。

しかし、建物買取請求権が行使できない状況でも建物を解体せずに借地権を返還できる方法は存在します。
建物買取請求権を行使せずそのままの状態で借地権を返還する方法について、次の見出しから詳しく解説していきます。

借地権を地主に買い取ってもらう

建物買取請求権が発生していない場合でも、借地権を建物ごと地主に買い取ってもらえれば、建物の解体費用を負担せずに済みます。

借地権を地主に売却

借地人側から借地権の買取を地主に要求する場合の買取価格の相場は更地価格の50%ほどといわれていますが、それでも解体費用を支払わずに済む点は大きなメリットといえるでしょう。

ただし当然のことながら、地主側に借地権を買い取る意思がなければ売却はできません。

くわえて、解体せずに地主へ返還するには借地上の建物の状態が良好である必要があります。

「購入したい中古住宅」に関する下記アンケート調査でも、家屋には状態の良さが求められることがわかります。

訳あり物件買取プロ「こんな中古住宅なら買いたい」アンケート

引用元:AlbaLink【中古住宅の購入はあり?】

地主との交渉が難しい場合には、後述の「借地上の建物の解体義務から逃れるなら買取業者への売却が確実」の見出しで解説するように専門の買取業者への相談をおすすめします。

地主と協力して借地権と底地を同時に売却する

地主も土地(底地)を手放したいと考えているなら、協力して借地権と底地を同時に売却するのも選択肢のひとつです。

借地人と協力して底地と借地を同時売却する

基本的に借地権と底地をそれぞれ単体で売りに出しても、買主が見つかることはほぼありません。
借地権と底地のみを購入しても、土地全体を自由に活用できるようにはならないからです。

しかし借地権と底地をセットにして販売すると、買主はその土地をどのような用途にも活用できるようになります。
そのため、買主が見つかりやすくなるだけでなく、相場に近い価格での売却が期待できる点がメリットです。

ただし、借地権と底地を同時売却するには借地人と地主両者の同意が不可欠です。
地主側に売却の意思がなければ、交渉してもうまくはいかないでしょう。

また、地主が同時売却に同意してくれたとしても、立地が悪ければ買い手を見つけるのは難しい点に注意が必要です。
実際、弊社がおこなったアンケート調査によると、マイホームを購入した方がもっとも優先している条件は「立地」であるためです。

家の購入で優先したこと

引用元:訳あり物件買取プロ|【家を購入する際に優先したことと妥協したこと】経験者493人アンケート調査

そのため、借地権付き建物が建っている土地が駅から徒歩15分以上かかるなど、そもそもの立地が悪い場合には同時売却ではなく、専門の買取業者に買い取ってもらうことをおすすめします。

なお、借地権と底地を同時売却する方法や注意点は以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

底地と借地権を同時売却する際の流れを分かりやすく解説!
同時売却とは底地と借地権のセット販売 同時売却とは、借地権(もしくは借地権付き建物)と底地(借地権が設定されている土地のこと)を同じタイミングで第三者に売却することです。 借地権と底地をセットにすれば完全所有権の土地として売...
他社で断られた訳あり不動産でも高額買取!
電話での簡単査定は下記をクリック!
0120-849-198
【365日受付中】10:00~19:00

借地上の建物の解体義務から逃れるなら買取業者への売却が確実

借地権を解体費用や手間をかけることなく手放したいなら、専門の買取業者に売却することをおすすめします。

専門の買取業者は弁護士などの専門家と連携しており、地主との交渉術に長けています。
専門の買取業者は各専門家と連携がある

買い取った借地権を活用して収益を上げるノウハウも持っているため、建物ごとスピーディーに買い取ってくれるのです。

また借地権の売却を専門の買取業者に依頼すれば、あなたが地主から売却に関する承諾を得る必要もありません。
手間をかけることなく借地権を建物ごと手放せる点は、専門の買取業者に売却する最大のメリットといえます。

なお、以下の記事でも借地権を建物ごと売却する方法について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

借地権付き建物を売却する3つの方法!相場や売却時の注意点も解説
借地権付き建物売却前に確認すべき2つの注意点 通常の不動産とは異なり、地主と借地人という2人の権利が介在している借地権付き建物を売却する際には、以下2つの注意点を押さえておく必要があります。 借地権の種類によっては、まず地主...

アルバリンクの借地権買取事例

弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者として、地主と借地人がトラブルになっているなど、他社では断られるような底地・借地を多数買い取ってきました。

たとえば、弊社では以下のような借地を190万円で買い取った実績もあります。

築年数 54年
物件の所在地 東京都荒川区
借地の状況 ・10坪ほどの土地に木造2階建の戸建が建っている ・建築基準法を満たしておらず再建築できない土地
借地売却に関する地主様の要望 ・売却を承諾するための費用(譲渡承諾料)を更地価格の10%とする ・借地の更新料を更地価格の8%~10%とする ・宅建業者が買い取った場合、転売時に承諾料を支払うこととする など
買取価格 190万円
買取時期 2023年8月

上記の「借地売却に関する地主様の要望」を見て頂けばわかるように、この借地は売却に関する地主様の要望が厳しく、依頼主様(借地人)は他社では買取を断られてしまったようです。
とくに転売時に承諾料がかかることは買取業者にとって直接的な負担となるため、買取を敬遠する業者が多いのも当然といえます。

このように、地主の要望が厳しく、再建築もできず、建物の築年数も古い借地であっても、弊社が190万円で買い取れる理由は以下の2つです。

  • 土地の利権に強い弁護士と提携しており、利権問題を解決した上で運用・再販できるため
  • 借地の再販先が豊富であり、買取に際して費用がかかっても(承諾料など)利益を生み出せるため

実際、弊社は底地・借地をはじめ、訳あり不動産の買取実績が600件以上(2023年1月〜10月時点)あり、これまで買取をおこなったお客様からも「買い取ってもらえてホッとした」「早く依頼すればよかった」といった好意的な評価を多数いただいております。

また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。

底地・借地を手間や費用をかけることなく、なるべく高値で売却したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたことが地主に知られることはありませんので、ご安心ください)。

>>【借地でも高額売却!】無料で買取査定を依頼する

他社で断られた訳あり不動産でも高額買取!
電話での簡単査定は下記をクリック!
0120-849-198
【365日受付中】10:00~19:00

まとめ

借地権を地主へ負担する際には、原則として借地人の負担で建物を解体して更地にする必要があります。

ただし借地契約が期間満了により終了し、地主側から契約更新をしない旨を通知されたときには、建物買取請求権を行使して建物ごと地主に買い取ってもらうことが可能です。

建物買取請求権を行使できない場合でも、専門の買取業者に依頼すると建物ごと借地権を買い取ってもらえます。
借地契約が満了していない、解体費用を負担したくない場合には、借地権を建物ごと専門の買取業者に売却することをおすすめします。

なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、借地権をはじめとする権利関係が複雑な不動産を積極的に買い取っている専門の買取業者です。
過去には、一般の不動産業者が取り扱わない訳あり物件専門の買取業者としてフジテレビの「newsイット!」にも紹介されました。

イットで紹介されました

弊社なら、あなたの借地権を建物ごとスピーディーに買い取ることが可能です。
弁護士などの専門家とも提携しているので、地主との交渉もお任せいただけます。

解体費用を負担せずに借地権を建物ごと売却したい、地主との交渉が難しいとお悩みの方は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。

>>【借地権を建物ごと高額売却!】無料の買取査定を依頼する

「底地を査定依頼をすべきか迷っている方へ」

底地の売却を考えているものの、「本当に査定を依頼して大丈夫?」「どの買取業者を選べばいいの?」と不安を感じていませんか?

そんな方のために、失敗しない買取業者の選び方や、おすすめの買取業者を紹介する記事をご用意しました。ぜひ参考にして、納得のいく決断をしてください。

>>買取業者の選び方&おすすめ業者をチェックする

「借地人の建物の解体義務」に関するよくある質問

借地権の建物の解体費用は、原則として借地人が負担する必要があります。 ただし借地契約の満了に伴い建物買取請求権を行使すると、建物ごと地主に買い取ってもらえるので解体費用を負担する必要はありません。
借地人には原状回復義務があるので、借地権を返還する際には建物を撤去して更地に戻さなければなりません。 しかし建物買取請求権が発生している場合には、借地契約の終了をもって地主に建物を買い取ってもらえます。
借地権はあくまでも「建物を建てる目的で土地を借りる権利」なので、建物を解体しても消滅することはありません。 しかし借地権の存続期間の満了時に建物が存在しない場合は契約更新をすることができず、借地権が消滅します。
旧借地権で存続期間の定めがない場合、建物が老朽化すると借地権が消滅します(旧借地法第2条第1項)。 たとえば築60年が経過し、雨漏りによって構造部分が腐って居住できない状態に陥っている場合は借地権が消滅したと判断される可能性があります。
監修者
河田憲二
株式会社AlbaLink代表取締役の河田憲二です。同社は空き家や事故物件などの売れにくい不動産の買取再販を行う不動産業者です。同社が運営しているサービスサイトである「訳あり物件買取プロ」の運営者も務めています。同社は東京証券取引所東京プロマーケット市場にも上場している不動産会社になります。

底地のみでも高額売却できる無料の買取査定を依頼する

    物件種別必須

    物件住所必須

    お名前必須

    電話番号

    メールアドレス必須

    備考

    「個人情報の取扱いについて」に同意いただける場合は、
    ボックスにチェックを入れて送信してください。

    同意する

    簡単入力30秒
    訳あり物件の売却は
    今すぐご相談ください
    底地・借地
    この記事をシェアする
    facebook twitter
    訳あり物件買取プロ
    タイトルとURLをコピーしました