空き家が倒壊した責任は所有者が負う
空き家が倒壊した責任は所有者が負うことになります。具体的には空き家が倒壊し、人や物に損害を与えた場合、損害賠償責任を負います。実際、民法717条でも以下のように建物の所有者の損害賠償責任について規定されています。
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
では、具体的にどのような損害賠償責任を負うことになるのか、以下で解説します。
損害賠償金額は「億」を超える恐れあり【モデルケースによる試算あり】
所有する空き家が倒壊し、隣家を全壊させ、人が亡くなってしまった場合、損害賠償額は2億円を超えるおそれがあります。実際、日本住宅総合センターが下記のようなモデルケースを紹介しています。
【空き家が倒壊し、隣地家屋が全壊し、夫婦と8歳の娘が死亡した場合】
○所在地 :東京都(郊外)
○敷地面積:165㎡(50坪)
○延べ床面積:83㎡(25坪)
○建築時期:平成4年(築後20年)
○居住世帯:世帯主:40歳、年収600万円
妻 :36歳主婦
子供 :8歳の女児(小学校3年生)
このモデルケースでは空き家の倒壊により隣家全壊と一家全員(3人)が亡くなるという、最悪のケースを想定しています。しかし、隣家が空き家のすぐ近くに建っており、夜間など、隣家の住民が全員家にいる時間帯に倒壊が起きれば、充分こうした事態は起こり得ます。
上記試算を見ると、人に被害を与えなくとも、隣家を全壊させてしまっただけでも1500万円もの損害賠償請求をされる恐れがあることがわかります。
さらに、空き家が倒壊すると残った柱などの解体費用もかかります。解体費用は家の状態や広さにもよりますが、一般的な木造住宅の場合、50坪程度で250万円前後かかります。
つまり所有する空き家が倒壊し、家や人に損害を与えてしまうと、億を超える損害賠償請求をされる恐れがあり、さらに、数百万円もの解体費用がかかるということです。
空き家を倒壊させると、経済的に大きな負担を負うこととなり、あなたの人生を狂わせかねません。そうした事態にならないためにも倒壊リスクのある空き家は早めに専門の買取業者へ売却することをお勧めします。
専門の買取業者であれば、倒壊しそうな空き家であっても活用法を見出せるため、問題なく買い取ってくれます。
弊社Albalinkも訳アリ物件専門の買取業者として倒壊しそうな空き家の買取を積極的に行っています。空き家を倒壊させ、払いきれない損害賠償請求をされる前に、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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火災保険に加入していても空き家は補償されない可能性がある
倒壊により隣家などに損害を与えた場合でも、火災保険に加入していれば保険金で被害を補償できる可能性があります。
たとえば実家などが空き家になった場合、実家に人が住んでいる時に加入した火災保険に加入し続けていることもあるでしょう。しかし、火災保険の多くは空き家は補償の対象外なため、火災保険に加入していても空き家が倒壊した場合は保障されない恐れがあります。
ですから、火災保険に加入している場合は内容を確認し、空き家でも補償されるように特約などに加入した方が良いでしょう。ただし、たとえ保険金が出ても、前述したように「億」単位の損害賠償を請求されてしまったらカバーしきれません。
つまり、火災保険の加入有無より、いかに倒壊させないようにするかが大事ということです。その方法についてはこの記事の「空き家を倒壊させないための対策5選」で解説していますのでご確認ください。。
なお、空き家の火災保険については以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はご確認ください。
空き家が倒壊する4つの前兆
空き家が倒壊する前兆として以下の4つが挙げられます。
- カビやシロアリにより柱や基礎が腐食する
- 外壁や屋根が劣化する
- 鉄製部分が錆びる
- 建物が傾く
1つずつ解説しますので、あなたの空き家に上記のような前兆が起きていないか、よく確認してみてください。もし1つでも当てはまる前兆があれば、早急に対策するか、売却を検討することをお勧めします。
なお、倒壊しそうな空き家の売却方法についてはこの記事の「倒壊しそうな空き家でも専門の不動産買取業者なら売却できる」をご確認ください。
カビやシロアリにより柱や基礎が腐食する
空き家は人が住んでいる家と比べ、換気の機会が少なく、室内に湿気が溜まります。そのため、カビやシロアリが発生しやすく、柱や梁(はり)が腐食されるリスクが高くなります。
実際、下記のように所有する空き家の基礎部と畳、家具がシロアリ被害に遭った事例も存在します。この事例では所有者がシロアリ被害に気づいて修繕をしたようですが、放置されていればいずれ空き家が倒壊していた可能性もあります。
また、上記の事例では床下が全面的にシロアリ被害に遭っていたにもかかわらず、クローゼットの中のシャツがシロアリに食われ、穴が開いているのを見るまで、シロアリ被害に気づかなかったそうです。
このように、シロアリやカビによる柱や基礎の腐食は気づかぬうちに進行します。自分の空き家は大丈夫と油断して放置していると、ある日突然倒壊してしまうこともあります。
外壁や屋根が劣化する
外壁や屋根は日々風雨にさらされるため劣化しやすい箇所です。外壁や屋根の劣化は建物全体の倒壊に繋がります。外壁や屋根が劣化すると建物内に雨水が侵入しやすくなり、前述したように柱や基礎が腐食する原因となるからです。
雨水の侵入だけでなく、下の写真のように外壁が劣化して剥がれ落ちると、建物の骨組みである柱が直接風雨にさらされるため倒壊のリスクが高まります。
引用元:サンテレビニュース
外壁や屋根などは外からでも見えるため、チェックしやすい場所です。倒壊の不安を抱えつつ、空き家を放置してしまっている方は、まずは外壁と屋根のチェックだけでもしてみましょう。
チェックした結果、損傷が激しそうであれば早めに専門の買取業者へ売却することを検討しましょう。外壁や屋根の損傷が激しい空き家であっても、専門の買取業者であれば問題なく買い取ってくれます。専門の買取業者は老朽化した空き家を再販・運用するノウハウを持っているためです。
弊社Albalinkも訳アリ物件専門の買取業者として老朽化した空き家の買取を積極的に行っております。老朽化が進んでしまい、空き家の処分に困っている方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(まずは査定額だけでも知りたい、という方も大歓迎です)。
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鉄製部分が錆びる
空き家の建材の中でも、風雨にさらされている鉄製部分は経年劣化により錆びてしまいます。鉄製部分の錆から建物全体の倒壊に発展することもあります。
たとえば下の写真のように鉄製のバルコニーの手すりや柱が錆びている場合、錆びたバルコニーが崩落し、その衝撃で建物全体が崩落する恐れがあります。
引用元:街の屋根やさん前橋店
外階段なども鉄製なことが多く、錆びやすいので注意が必要です。
自身の空き家で風雨にさらされる個所が鉄製の場合、錆び具合を確認しましょう。錆びにより表面に穴が空いている場合は、腐食が内部まで進んでいる可能性があるため、早急に修繕するか、売却した方がいいでしょう。
建物が傾く
建物の傾きは倒壊の前兆です。
建物が傾いているということは建物を支える柱が腐食するなどして、正常に建物を支えられなくなっている証拠だからです。
一般の方でも建物の傾きを簡単に調べる方法は、ビー玉を空き家の床に置いてみることです。ビー玉が転がれば、その方向に家が傾いていることになります。1ヶ所だけでなく、1階や2階の複数の部屋で確認してみましょう。
より正確に傾きを確認する場合は水平器を使うといいでしょう。水平器は水の傾きで水平を調べる機器で、100円ショップなどに売っています(下図参照)。
もし、家が傾いていると正常な状態に戻すには大規模なリフォームが必要になります。ですから、空き家を活用する予定がない場合は、リフォームを行うよりそのままの状態で専門の買取業者に売却してしまうことをお勧めします。
売却してしまえば倒壊のリスクを回避でき、リフォーム費用を負担する必要もありません。さらに売却金としてまとまった現金も手にできます。
弊社Albalinkも傾いていて、倒壊のリスクが高い空き家でも現状のままで買い取ることができます。ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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なお、傾いた家の売却方法については「傾いた家は売れる!|不動産業者が教える高額売却可能な4つの方法!」の記事をご確認ください。
老朽化した空き家はいつでも倒壊する恐れがある(事例付きで解説)
空き家は以下のタイミングで突然倒壊する恐れがあります。
- 劣化によりある日突然倒壊する
- 南海トラフなど突然の大地震で倒壊する
実際の事例を紹介しながら解説しますので、この章をお読みいただけば、「自分の空き家は大丈夫」という考えが危険であることがおわかりいただけるはずです。
【倒壊事例あり】劣化によりある日突然倒壊する
老朽化が進んだ空き家は、ある日突然倒壊します。もちろん、その前から傾くなど倒壊しそうな前兆はありますが、実際に倒壊するのは突然で一瞬のことです。
実際の倒壊事例を挙げると、2023年8月に福岡県にあった空き家が夜の23時に突然倒壊しました(下記参照)。
「倒壊しそうだけど何年も持ちこたえているし、大丈夫でしょ」と思っていると、あなたの空き家も突然倒壊するかもしれません。
しかも、上記の写真のように空き家は道路側に崩れることもあるため、周囲の人を巻き込む危険があります。前述したように、倒壊により人に怪我をさせると、空き家所有者は高額な損害賠償請求をされる恐れがあります。
空き家を放置している状態とは、明日にも倒壊するかもしれないリスクを抱えているということです。そのようなリスクから逃れたいのであれば、しっかり管理をするか、思い切って売却しましょう。
南海トラフなど突然の大地震で倒壊する
平時は何とか倒壊せずに建っている空き家でも、ひとたび大きな地震が起きればあっけなく倒壊してしまう恐れがあります。
実際、2024年1月の能登半島地震では多くの空き家が一瞬で倒壊しました。
また、同年年8月には宮崎日向灘沖地震(震度6)が起き、気象庁から「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)の発表も出ました。
ひとたび南海トラフが起きれば関東から九州の広域で空き家倒壊の被害が予想されます。
特に1981年より前に建てられた空き家は現在の新耐震基準を満たしていないため、震度6以上の地震には耐えられない恐れがあります。
参照元:建築基準法第二十条(構造耐力)
老朽化しており、築年数の古い空き家を所有している場合は、耐震補強工事を行うのも1つの手ですが、それよりも早めに売却することをお勧めします。
耐震補強工事には100万円程度かかるうえに、数ヶ月の時間を要しますが、専門の買取業者に売却を依頼すれば耐震工事などの費用もかかりません。
弊社Albalinkも平均1ヶ月程度で空き家を買い取れます。
倒壊する前に空き家を手放したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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倒壊以外の空き家のリスク4選
空き家を放置するリスクは倒壊だけではありません。
空き家には倒壊以外にも以下の4つリスクがあります。
- 敷地から異臭や害虫が発生し、近隣トラブルになる
- 放火や火災の被害に遭う
- 犯罪被害に遭いやすく、犯罪利用されやすい
- 特定空き家に指定され行政代執行により解体される
特に最後の「行政代執行による解体」は1000万円もの解体費用を請求される恐れがあります。以下で詳しく解説します。
なお、空き家のリスクについてはこちらの記事でも詳しく解説していますのでご確認ください。
敷地から異臭や害虫が発生し、近隣トラブルになる
管理されていない空き家は庭の雑草が伸び放題になり、そこから蚊などの害虫が大量発生する恐れがあります。また、空き家は人目がないため、庭にゴミを不法投棄されやすく、放置されたゴミの中身が腐り、周囲に異臭が漂うことがあります。
いずれの場合も、近隣住民にとっては大迷惑なため、所有者であるあなたにクレームが入り、近隣トラブルに発展しかねません。
あなたが状況を改善しない限り、昼夜問わずあなたの携帯電話にクレームの電話が入り続ける恐れがあります。そうなれば平穏な日常生活など送れなくなってしまいます。
所有する空き家から遠方に住んでいる場合は、空き家を放置していてもどこか他人事のように感じてしまうかもしれません。
しかし、空き家の近隣に暮らしている人にとってはあなたが放置している空き家は日常であり、迷惑がかかれば、どれだけ遠方に住んでいようと、その怒りや不満はあなたに向けられることを忘れないで下さい。
なお、放置空き家のトラブルの事例と解決策については「放置空き家はトラブルの元|実例と解決策」の記事でも解説していますので、参考にしてください。
放火や火災の被害に遭う
空き家は人目につきにくく、火をつけやすいゴミが不法投棄されていることも多いため、放火されるリスクが高いといえます。また、室内に電気が通っている場合、侵入したネズミなどがコードを齧って漏電し、火災が発生する恐れがあります。
空き家が燃えてしまったら、室内に保管していた現金や貴重品なども焼失してしまいます。特に実家などを空き家にしている場合、室内に遺品など思い出の品が保管されていることもあるでしょう。火災が起きれば、そうした物も失われてしまい、二度と取り戻すことはできません。
さらに、燃え残った柱などの解体費用として60万円~180万円ほどかかります。
火災によって隣家などを延焼させてしまった場合は、失火法により損害賠償を請求されることはありません。しかし、延焼被害者に20万円~30万円ほど見舞金を包む必要があります。
参照元:失火ノ責任ニ関スル法律
また、見舞金を渡しに行った際に、日頃、空き家を放置していたことを面と向かって責められることも覚悟しなくてはなりません。
このように、ひとたび所有する空き家が火災に遭うと、所有者であるあなたは金品を失うだけでなく、延焼被害の加害者としても責められ、二重苦を味わうことになります。
犯罪被害に遭いやすく、犯罪利用されやすい
空き家は人目がないため、犯罪被害に遭ったり、犯罪者に利用されやすいといえます。
空き家の犯罪被害の代表的なものといえば、空き巣です。とくに放置されて荒れている空き家は空き巣犯に狙われやすくなります。なぜなら放置された空き家は窓などが割れていることがあり、侵入しやすく、めったに人が訪れないため、犯罪が発覚しにくいからです。
空き巣被害に遭うと火災同様、現金やあなたの大切な品が奪われてしまいます。仮に犯人が捕まったとしても、奪われたものが全て戻ってくる保証はありません。実際、近年でも関東近県で同一犯による空き家への空き巣事件が頻発しています。
参照元:空き家狙った侵入盗容疑で男2人を逮捕 関東4県で79件に関与か|朝日新聞
参照元:「日本の空き家には家電や貴重品」5県で窃盗繰り返した容疑、ベトナム人の男4人を追送検
また、空き家は犯罪者に利用されることも多くあります。実際、空き家が脱獄犯の潜伏場所として利用されたり、空き家で大麻が栽培されるといった事件が起きています。
参照元:愛媛・今治の脱走受刑者 逮捕の地点は島から西に70キロ|産経新聞
空き家を犯罪に利用されると、あなたも警察から事情聴取されることになります。空き家を放置していると警察から室内の状況や被害状況を聞かれた時にスムーズに答えられず、事情聴取が長引く恐れがあります。
また、空き家が犯罪被害に遭った事や、犯罪に利用されたことがニュースになれば、治安の悪い地域として地域全体の不動産の価値が下がってしまいます。そうなれば、近隣住民に恨まれるだけでなく、あなたが空き家を売却する際も、売れにくくなってしまいます。
なお、空き家の犯罪被害のリスクについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ご確認ください。
特定空き家に指定され経済的・社会的制裁を受ける
空き家の所有者には空き家を適切に管理するという義務があります。その義務を果たさず、空き家を放置していると、近隣住民から自治体の役所に苦情が入り、「保安上・景観上・衛生上問題がある空き家」として、自治体から特定空き家に指定される恐れがあります。
参照元:建築基準法第8条(維持保全)
「保安上・景観上・衛生上問題がある」とは具体的には以下のような空き家を指します。
- 倒壊し、近隣住民や隣家などに被害を与える危険がある空き家
- ゴミなどが不法投棄されており、周囲の景観に悪影響を与えている空き家
- 庭の管理がされていないために、害虫などが発生している空き家
特定空き家に指定されると、居住用地の特例が解除され、固定資産税が6倍に跳ね上がってしまいます。住宅用地の特例とは居住用の建物が建っている土地の固定資産税を軽減する特例です。
参照元:地方税法第三百四十九条(土地又は家屋に対して課する固定資産税の課税標準)
また、特定空き家の所有者の氏名をホームページなどに載せる自治体もあります。実際に神戸市では特定空き家の所有者の名前と現住所などをネットで公表しています。
氏名がネットに載せられてしまったら、あなたは「空き家を管理するという社会的義務を果たせない人間」として、社会的制裁を受けることになります。
このように所有する空き家が特定空き家に指定されると、税金の増額といった経済的制裁だけでなく、社会的制裁も受けることになります。
行政代執行により空き家を解体され、高額な解体費用を請求される
特定空き家に指定されても空き家を放置し続けると、50万円の罰金を科された上で、行政代執行により強制的に空き家を解体されてしまいます。
行政が義務を果たすべき者の代わりにその義務を遂行すること
今回の例でいえば、空き家を適切に管理するという義務を果たさない所有者に代わり、空き家を解体すること
「倒壊する前に自治体が解体してくれるなら都合がいい」などと思う方もいるかもしれませんが、その考えは改めた方が良いでしょう。
なぜなら行政代執行による解体費用は1000万円に及ぶこともあり、全て空き家の所有者に請求されるからです。なぜ行政代執行の解体費用がこれほど高額になるかというと、自治体は費用の安さより、スピーディーに解体してくれることを重視して大手の解体業者などに依頼するためです。
しかも行政代執行による解体費用は税金同様「強制徴収」が認められているため、たとえ自己破産しても支払い義務から逃れることはできません。
滞納している人の意思にかかわらず、滞納している税金等を強制的に徴収すること
参照元:破産法第253条1項
行政代執行が行われる前に所有者自ら業者に依頼して解体するのも手ですが、あまりお勧めできません。自身で業者に依頼しても解体費用として200万円程度かかりますし、建物を解体してしまうと前述したように固定資産税が6倍となってしまうためです。
では空き家を放置せず、倒壊させないためにはどうすれば良いのかについては、次章で詳しく解説します。
なお、空き家が行政代執行を受けるリスクについては、以下の記事で詳しく解説していますのでご確認ください。
自治体に協力しないと管理不全空き家に指定される(法改正あり)
空き家を放置し続けていると特定空き家に指定されてしまうとお伝えしました。しかし自治体からの改善要請に協力せず、空き家を放置していると、特定空き家に指定されなくとも、管理不全空き家に指定される恐れがあります。
管理不全空き家に指定されると、特定空き家同様、住宅用地の特例解除され、土地の固定資産税が最大6倍になってしまいます。
また、管理不全空き家については「空家等対策の推進に関する特別措置法」の一部が改正され、今までは「空き家の適切な管理に努める」ことが定められていましたが、それに加え「国や自治体の空き家施策に協力するように努める」ことも努力義務に加わりました。
空き家を適切に管理するだけでなく、改善要請を受けた際は自治体に協力しないと管理不全空き家に指定される恐れがあるということです。
なお、空き家対策特別措置法については「空き家所有者は要注意|空き家対策特別措置法と多額の維持管理費用」の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
空き家を倒壊させないための対策5選
空き家を倒壊させないためには当たり前ですが、適切に管理することが必要です。適切に管理を行うことで、空き家の不動産としての価値を保つこともできます。
空き家を倒壊させないための対策としては次の5つが挙げられます。
- 室内の掃除と換気をおこないカビとシロアリ被害を防ぐ
- 庭の雑草を刈り、外壁の劣化を修繕する
- 通水をして水回りからの異臭・カビを防ぐ
- 近隣住民とコミュニケーションを取り信頼関係を築いておく
- 自力で管理できない場合は空き家管理代行サービスを利用する
空き家を管理するための具体的な掃除の仕方や掃除箇所についても解説します。
なお、空き家管理の方法については以下の記事もご確認ください。
室内の掃除と換気をおこないカビとシロアリ被害を防ぐ
空き家の倒壊を防ぐには室内の掃除と換気が重要です。
掃除や換気をせず、ほこりや湿気が室内に満ちているとカビやシロアリが発生し、柱などが倒壊する危険があるためです。
月1回は空き家に行き、全ての窓を開けて換気をしましょう。窓だけでなく、押し入れやタンスなど家具の引き出しも開けましょう。先述したシロアリ被害の事例のように、気づかないうちにシロアリ被害が家具の中などにも及んでいる場合があるからです。
また、家具の引き出しを開けることで、保管している物が盗難被害に遭っていないかなども確認できます。
掃除は、まずは掃き掃除を行い、そのあとで水拭きを行いましょう。また、窓サッシなどはほこりと外から入り込んだ砂などがたまっています。そのため、ペットボトルに入れた水を流しつつ、不要な歯ブラシで掻き出しましょう。
空き家を放置してしまっている場合、こうした掃除にも時間がかかるかもしれません。しかし、大変なのは最初の1回だけです。定期的に掃除を行えば、2回目以降はそれほど掃除の時間はかかりません。
ですから、空き家を放置してしまっている人は最初の1回は覚悟を決めて掃除を行い、その後は「空き家管理の日」を1ヶ月の予定に組み込んで定期的に行うようにすると良いでしょう。
通水をして水回りからのサビ・悪臭を防ぐ
室内の蛇口の通水(蛇口から水を出すこと)も行いましょう。水道は使わないと水道管に古い水が溜まり、サビや悪臭が発生しやすくなるためです。
通水は、前述した水拭きの際に同時に行うことができます。水拭きのための水を換えるたびに、台所や風呂場、洗面所など、順に室内の蛇口の通水を行うと効率的です。
通水の際に、シンクの下(たいてい収納スペースになっています)の水道管を確認し、パッキンの劣化により水漏れが発生していないかも確認してください。水漏れを放置していると水が漏れて濡れた箇所からカビが発生し、周囲へ広がる恐れがあります。
空き家の水回りのチェックは掃除や換気と同じくらい重要です。前述したように、水拭き掃除と絡めて効率的に行いましょう。
庭の雑草を刈り、外壁の剥がれを修繕する
室内の掃除が終わったら、庭の管理や外壁のチェックを行います。
空き家はゴミを不法投棄されやすいので、庭にゴミが捨てられていたら、回収して処分しましょう。
また、庭の雑草の除去と庭木の剪定も必要です。雑草が生い茂ると害虫が発生しますし、庭木を剪定しないと枝が隣家の敷地に侵入する恐れがあります。
ゴミの不法投棄も雑草も庭木も放置すると近隣トラブルに繋がります。倒壊とは直接関係ないことですが、空き家を所有する限り、こうした管理は必要不可欠です。
庭の管理と同時に外壁が剥がれていないか、窓が割れていないかのチェックも行いましょう。早めに気づいて修繕すれば、修繕費用(約6000円/1㎡)も抑えられます。また割れた窓は犯罪者の侵入経路となりますので放置してはいけません。戸建の平均的な窓ガラスの金額は2万円程度です。
ここまで読んで、「空き家を管理するのは手間も費用もかかって大変だ」「他人が捨てたゴミまで処分しなきゃいけないのか…」と思った方は、空き家の売却を検討してもいいかもしれません。
弊社Albalinkは空き家の買取に強い専門の買取業者ですので、放置された空き家でも高額買取が可能です。いくらで買い取ってもらえるのか気になる方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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近隣住民とコミュニケーションを取り信頼関係を築いておく
空き家の管理に行った際には、近隣住民に挨拶をしておきましょう。
先述したように、近隣住民にとってあなたの空き家は日常であり、不安材料でもあります。ですから挨拶を行い、定期的に管理していることを印象づけておきましょう。同時に、直近の近隣の治安状況などについても聞いておくと良いでしょう(空き巣被害が起きていないかなど)。
また、普段あなたの空き家を身近に見ている近隣住民だからこそ気づくことや要望もあるでしょう。たとえば夏であれば「草刈りはもっと頻繁におこなって欲しい」といった要望があるかもしれません。そうした要望に応えていくことも大切です。
日ごろから近隣住民と信頼関係を築いておけば、近隣住民が空き家の苦情を言うために役所に駆け込むこともなく、特定空き家に指定されることもないでしょう。
自力で管理できない場合は空き家管理代行サービスを利用する
ここまでお読みいただいたらわかるように、空き家の管理を行うには空き家まで行かなくてはなりません。しかし、遠方に住んでおり、定期的に管理に行くのが難しい場合もあるでしょう。
そうした場合は、業者に空き家の管理を委託する、空き家管理代行サービスを利用するのも1つの手です。業者に任せればあなたが空き家まで行って管理を行う必要はありません。
空き家管理のプロがあなたに代わって掃除や換気などを行ってくれます。外壁や屋根などもプロの目でチェックし、修繕の必要があれば報告してもらえます。
ただし、委託費として月1万円ほどかかるため、年間だと10万円ほどになります。戸建の固定資産税がだいたい年間10万円ほどなので、それと同程度の委託費がかかるということです。さらに、修繕費用はあなたが負担しなくてはなりません。
将来的に住んだり活用する可能性があり、費用がかかっても、手間をかけずに空き家を管理・維持したい方は空き家管理代行サービスの利用を検討してもいいでしょう。
以下の記事で、空き家管理代行サービスについてより詳しく解説していますので、ご確認ください。
一方、活用するあてもなく、管理するためだけに費用をかけたくない場合は、売却することをお勧めします。空き家専門の買取業者であれば、倒壊の危険がある空き家であってもそのままの状態で買い取ってくれます。専門の買取業者は、訳アリの空き家を再生・運用し、利益を上げるノウハウを持っているためです。
弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者ですので、空き家の運用・再販ノウハウがあるだけでなく、運用・再販のコストを必要最低限に抑えることができるため、高額買取が可能です(下図参照)。
空き家の倒壊リスクや管理の手間や費用から解放されたい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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倒壊しそうな空き家でも専門の買取業者なら売却できる
空き家は放置して倒壊させると、億単位の損害賠償請求される恐れがあります。かといって定期的に管理すのも手間や費用がかかります。
そのため、空き家を活用する予定がないのであれば、倒壊のリスクを抱えて所有し続けるより、専門の買取業者に売却する方が賢明です。
倒壊しそうな空き家は、通常の不動産業者(仲介業者)に依頼して一般の個人に売却しようとしてもまず売れません。一般の個人は、マイホームとしてキレイですぐに住める家を求めているからです。
実際弊社Albalinkが行ったアンケートでも8割以上の方が不動産を購入するなら築20年以内の物件が良いと答えています(下記参照)。
しかし、専門の買取業者であれば倒壊しそうな空き家であっても現状のままで買い取ることができます。事態の悪い空き家を活用し、利益を生み出すノウハウを持っているためです。
弊社Albalinkも空き家買取に強い専門の買取業者ですから、以下のような倒壊の危険がある空き家を買い取ったことがあります。
放置された結果、上記のように畳が腐って陥没している状況でした。この状況から弊社は以下のようにリフォームを行い、再販しました。
このように、弊社は再販という「出口」が見えているため、他社が買取れないような空き家であっても自信を持って買い取ることができるのです。
実際、買取を行わせていただいたお客様からも「想像以上にすぐに売却できた」「他社では断られたが買い取ってもらえた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Googleの口コミ参照)
また、弊社は訳アリ物件専門の買取業者としてテレビ朝日の「グッド!モーニング」などメディアでも多数取り上げられており、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあります。
社会的信用度の高い買取業者に安心して空き家を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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なお、仲介と買取の違いについては、以下の記事でわかりやすく解説していますので、参考にしてください。
倒壊しそうな空き家を専門の買取業者に売却するメリット3選
専門の買取業者に依頼すれば倒壊しそうな空き家でも売却できるとお伝えしましたが、ここでは、専門の買取業者に依頼するメリットをより詳しく説明します。
専門の買取業者に倒壊しそうな空き家を売却するメリットは大きく以下の3つです。
- 倒壊する前にスピーディーに売却できる
- 費用をかけずにそのままの状態で売却できる
- 契約不適合責任なしで売却できる
それぞれ解説していきます。
倒壊する前にスピーディーに売却できる
倒壊しそうな空き家の売却は時間との勝負です。売却する前に倒壊してしまったら意味がないからです。
その点、専門の買取業者に依頼すれば、平均で1ヶ月程度で売却が完了します。買取業者が利益が見込めると判断し、売主が買取価格に同意すれば売買契約が成立するためです。売却に時間がかからないため、周囲の人に売却したことを知られる心配もありません。
一方、仲介では買手が見つかるまでに3ヶ月~半年程度かかります。倒壊しそうな空き家の場合、買手が永遠に見つからない恐れもあります。
前述のお客様の口コミにもあったように、空き家を仲介で売却しようとすると、現れるかわからない買い手を待つだけで時間が過ぎていってしまいます。その間に台風や地震で空き家が倒壊するかもしれません。
倒壊する前に確実に空き家を売却したいのであれば、仲介ではなく、専門の買取業者に依頼しましょう。
弊社Albalinkも訳アリ物件専門の買取業者ですので、スピーディーに空き家を買い取れます。まずは下記弊社の無料買取フォームからお気軽にお問い合わせください(売却前提でなくとも構いません)。
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費用をかけずにそのままの状態で売却できる
専門の買取業者に依頼すればそのままの状態で空き家を売却できます。売却するために、売主が費用を負担して、リフォームや残置物の撤去などを行う必要はありません。専門の買取業者はリフォームすることを前提に買取を行うためです。
一方仲介の場合は、売却前に売主が費用を負担してリフォームや残置物を撤去する必要があります。仲介の買手はマイホームを求めている一般の個人ですので、リフォームされてなく、倒壊の危険があり、残置物のある空き家など見向きもされないためです。
倒壊しそうな空き家をリフォームするとなると、1000万円近くかかる可能性があります。また、残置物撤去も量によりますが、業者に依頼すると1万円~3万円ほどかかります。売却にあたりこれらの費用がかからないのは買取の大きなメリットといえます。
売却費用がかからないだけでなく、専門の買取業者に売却すれば売却金としてまとまった現金も手にできます。
倒壊のリスクを避け、費用をかけずになるべく高値で空き家を手放したいのであれば、専門の買取業者に売却を依頼しましょう。
契約不適合責任なしで売却できる
専門の買取業者に依頼すれば契約不適合責任なしで空き家を売却できます。
契約不適合責任とは不動産を売却後に、売買契約書に記載がない不具合が見つかった場合、売主が買主に負う責任のことです。
契約不適合責任に問われると、売主は買主の要求に従って、不具合箇所を修繕するなどの対応に追われます。もし対応できなければ契約解除や損害賠償請求をされる恐れもあります。
仲介では一般の個人の買主が、物件購入後に不利益をこうむらないために、売主に契約不適合責任が課されるのが一般的です。
しかし、専門の買取業者は不動産のプロであり、事前に物件の不具合箇所を見抜けるため、契約不適合責任を免責できます。また、リフォームすることを前提に買い取るため、多少の不具合は気にする必要がありません。
倒壊しそうな空き家は基礎部や屋根裏の柱が腐食しているなど、一般の個人では気づかない箇所に不具合が潜んでいる可能性が大いにあります。そのため、契約不適合責任が免責されるのは大きな安心材料です。
弊社Albalinkも契約不適合責任を免責して空き家を買い取ることができます。空き家を放置してしまっていて、不具合箇所を把握できない場合や、売却後まで空き家の責任を負いたくない場合は、ぜひ弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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なお、契約不適合責任については以下の記事で詳しく解説していますので、ご確認ください。
まとめ
今回は空き家が倒壊した際に所有者が負うべき責任について解説しました。また、倒壊以外の空き家のリスクや、リスクを回避する方法についても紹介しました。
空き家が倒壊し、人や建物に損害を与えた場合、所有者は損害賠償責任を負うことになります。記事内で紹介したように、損害賠償額が2億円を超える恐れもあります。
空き家を倒壊させないためには適切に管理するしかありませんが、空き家を管理をするには現地まで行く手間や、劣化箇所の修繕費など手間や費用がかかります。
そのため、将来的に空き家に住んだり活用する予定がない場合は、専門の買取業者に売却することをお勧めします。なぜ買取が良いかといえば、仲介で一般の個人に売却しようとしても、「倒壊しそうな家」を欲しがる人はまずいないためです。
一方、専門の買取業者であれば倒壊しそうな空き家であっても問題なく買い取れます。専門の買取業者はそうした状態の悪い空き家を再生させ、利益を生み出すノウハウを持っているためです。
専門の買取業者に売却すれば、空き家が倒壊するリスクや、管理の手間・費用から解放されます。さらに専門の買取業者は契約不適合責任を免責してくれるため、売却後は空き家の責任を負う必要はありません。
弊社Albalinkも契約不適合責任を免責してあなたの空き家を買い取ることができます。
「倒壊する前に一刻も早く空き家を手放したい」「売却後は空き家の全ての責任から解放されたい」という方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。