兄弟で相続した実家売却時の5つの注意点
はじめに本章では、兄弟で相続した実家を売却するときの注意点についてご紹介します。
・実家の名義を被相続人から相続人に変更しなければ売却できない
・相続発生から3年以内に売却しないと空き家特例を利用できない
・実家の最低売却価格を兄弟間で決めておく
・実家を相続したら相続税を納めなければならない
共有名義不動産は共有者全員の同意がなければ売却できない
共有名義の不動産は共有者全員の同意がなければ、売却はできません。
なぜなら、不動産は所有者の同意なく勝手に売却を進めることはできないからです。
例えば、相続人が一人であればその人の意思のみで売却できますが、2人以上の相続人(共有者)がいれば全員の同意が必要となります。
よって、誰か一人でも売却に反対すれば、実家の売却はできないと理解しておきましょう。
なお、不動産の共有に関する民法についてくわしく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
兄弟が亡くなると共有者が増えて同意を得るのが困難になる
また、兄弟の誰かが亡くなると共有者が増え、同意を得ること自体が困難に陥ることがあります。
なぜなら、実家の共有持分が複数人に相続されてしまう可能性があるからです。
例えば、実家の共有持分の相続人が1人であれば共有者が増えることはありませんが、2人以上となると各々に売却の同意を得る必要があります。
つまり、兄弟が亡くなり相続されることで、売却の同意を得る人数が増えることや共有者と連絡が取りにくくなる可能性が高まるおそれがあります。
なお、共有名義の不動産を所有することのメリットやデメリットについてくわしく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
実家の名義を被相続人から相続人に変更しなければ売却できない
不動産は所有者本人でないと売却ができないため、売却前には相続登記が必要です。
不動産相続時に不動産の名義を被相続人から相続人に変更すること。
2024年4月1日より義務化されている。
相続登記(名義変更登記)を行うと、親の持ち物であった実家が相続人である兄弟の持ち物となります。
なお、登記手続きは個人で行うのではなく、司法書士に依頼するのが良いでしょう。
その理由は、登記手続きを円滑にできなければ、売却自体を進められないからです。
無事に相続登記を行い相続人名義の不動産となれば、売却ができるようになります。
相続登記を行う6つの手順や必要書類についてくわしく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
相続発生から3年以内に売却しないと空き家特例を利用できない
相続発生から3年を経過する日の属する12月31日までに譲渡しなければ、空き家の3000万円特別控除を利用できません。
相続人が空き家を譲渡して譲渡所得が発生した場合、3,000万円(相続人2人以下)もしくは2,000万円(相続人3人以上)を差し引ける制度。
例えば、相続発生が2024年4月1日であれば、2027年12月31日までに譲渡することになります。
なお、この制度には、「3年」以外にも下記の利用条件があります。
・昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された区分所有建物以外の建物であること。
・相続時から売却時まで、事業や貸付、居住に使われていないこと。
・相続により土地と建物を両方取得したこと。
・引き渡しの日までに家屋の解体もしくは耐震リフォームをすること
また、譲渡できる相手や譲渡資産の価額の制限は1億円以内であるなど、利用には多くの条件あるので注意しましょう(制度の利用には、税理士など専門家への相談がおすすめです)。
空き家特例についてくわしく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
実家の最低売却価格を兄弟間で決めておく
実家の最低売却価格については、兄弟間の話し合いで決めておきましょう。
なぜなら、売却金額について相続人間で揉めるケースが多いからです。
例えば、売却活動の状況によっては値引きや価格変更を行うケースがあります。
しかし、事前に最低売却価格について話し合いがなければ、相続人のなかで反対するものが現れ、迅速な売却完了に向けて支障となることがあるでしょう。
よって、このような事態を防ぐためにも、最低売却価格を予め決めておくことが必要です。
なお、実家がどのくらいで売れるのかは、複数の不動産業者に査定を出すのがおすすめです。
弊社アルバリンクは他社よりも高く買取を行う買取業者として、これまでご利用いただいた多くのお客様よりお喜びの声を多数いただいています。
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寄与分を請求されることがある
兄弟で公平に分けようと思っていても、寄与分を請求されるケースがあるので注意します。
被相続人の財産の維持等に貢献した場合に、他の相続人よりも相続財産を多く分け与える制度。
被相続人の家業を手伝うもしくは介護を続けていたなどの場合、認められることがある。
寄与分を認めることで、被相続人の家業や介護等に貢献した人に対し不公平感が出ないようにしています。
なお、寄与分は遺産分割協議にて自らで主張を行い、他の相続人に認めてもらうことが必要です。
相続人全員で被相続人の遺産を分ける方法を話し合うこと。
相続開始後に速やかに相続人の確定と財産債務の調査、遺言書の有無の確認を行い、最終的に遺産分割協議書(遺言書がない場合)を作成する。
寄与分の話し合いで揉めないためには、予め兄弟間で気づかいや話し合いができる良好な関係を築いておくことが重要です。
なお、兄弟で実家を相続する方法やトラブル回避策についてくわしく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
実家を相続したら相続税を納めなければならない
相続が発生し相続財産が一定額以上ある場合に、財産を相続した相続人が支払うもの。
土地は路線価、建物は固定資産税評価額をもとに相続税が算出される。
相続税は、相続開始後の10カ月以内に現金納付が原則となります。
そのため、自己資金で相続税の支払いが難しい場合には、不動産の売却資金を充当するのが一般的です。
よって、実家を売却した資金で相続税の支払いを検討するなら、速やかに売却を進める必要があります。
なお、実家の売却活動を行うも相続税の支払い期日までに間に合わない場合には、買取業者の利用がおすすめです。
買取業者であれば、最短1週間程度の現金化が可能なので、仮に売却が難航したときでも買取業者への切り替えで現金化を迅速に行えます。
株式会社アルバリンクも、買取事業を積極的に行っている不動産業者で他社よりも買取金額が高い可能性があることが特徴です。
その理由は、弊社は買取した不動産を専門家との連携により迅速に商品化するスキームと、投資家等への独自販路があるため積極的な買取を行えるからです。
このように、仕入れた不動産を直ぐに商品化して再販売しているので、積極的且つ高値買取しやすい状況となっています。
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共有不動産の相続税についてくわしく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
兄弟で相続した実家を売却する方法4選
兄弟で相続した実家を売却するには、以下4つの方法があります。
なお、基本的には兄弟間での話し合い等の末に全員の同意が得られ、「兄弟で協力して実家全体を売却する」方法が理想的と言えるでしょう。
兄弟で協力して実家全体を売却する
兄弟で協力して実家全体を売却するには、仲介業者か買取業者に依頼する方法があります。
立地が良ければ仲介業者に依頼
売主と買主の間に入る不動産業者のこと。
売買が成立すると、不動産業者には成功報酬として仲介手数料が入る。
なぜなら、仲介業者であれば実家の高値売却を実現しやすいからです。
仲介では、売主側の仲介業者が一般消費者から買主を探し、取引を成立させていきます。
中古市場で一般消費者が求めるものは、「立地が良い不動産」であるため、実家の立地が良ければ買主を探しやすく且つ高値売却をしやすい状況となります。
実際、弊社で実施した「”家を購入する際に優先したことと妥協したこと”経験者493人アンケート調査」によると、全体の約66%は「立地」を優先して家探しを行っています。
つまり、立地が良い不動産は、中古市場で需要が高く売れやすい不動産と言えます。
以上により、実家の立地が「最寄り駅に近い」「都心部にある」「人気の住宅街」など立地が良ければ、仲介での売却がおすすめです。
立地が悪ければ買取業者に依頼
不動産業者が買主となり、不動産売買を進めていく方法。
買取であれば、一般消費者から買主を探す必要はなく迅速な現金化をできることが特徴。
買取業者への売却であれば、どんな立地の不動産でも現金化を迅速にでき、相続税の支払いも支障なく行えるからです。
・現金決済で迅速な買取が可能
・契約不適合責任を免責にできる
他にも、契約不適合責任を免責にできるので建物の状態が悪い不動産でも、引き渡し後に買主より異議申し立てを受けるリスクもありません。
よって、「実家が最寄り駅から遠い」「田舎」などの立地が悪いときには、買取業者への売却がおすすめです。
アルバリンクの空き家買取事例
本章では、株式会社アルバリンクの空き家買取事例をご紹介します。
たとえば、下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ空き家」や「不用品で室内があふれてしまっている空き家」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された空き家の買取事例】
【不用品で室内があふれてしまっている空き家の買取事例】
引用元:アルバリンクの空き家買取事例
20年以上放置された空き家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっている空き家の所有者は、他の不動産業者から「不用品の回収だけで100万円近くかかる」と言われ、途方に暮れていたそうです。
それだけに「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
信頼できる買取業者に安心して空き家を売却したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。
兄(弟)に自分の共有持分を売却する
兄(弟)に自分の共有持分を売却する方法があります。
実家の売却に反対する兄(弟)がいる場合や兄(弟)が持分の取得を希望している場合におすすめの方法です。
共有持分を売却することで本人は現金化ができ、売却に反対する兄(弟)は実家を維持できるので両者にとってメリットがあると言えます。
ただし、共有持分の売却に関する兄弟間の話し合いは素人同士のみではトラブルに発展する可能性があるため、不動産業者などの専門家に仲介してもらうのがおすすめです。
兄(弟)の共有持分を買い取った後で実家を売却する
兄(弟)の共有持分を買い取った後で、実家を売却する方法があります。
これにより、兄(弟)の持分を取得できれば単独名義となり、売却に関する一切の裁量を得られることがメリットです。
売却のタイミングや売却金額について兄弟間で揉めることなく、売却を進められます。
ただし、こちらの方法もトラブル防止のために、不動産業者などの専門家に取引を仲介してもらうのがおすすめです。
自分の共有持分のみを専門の買取業者に売却する
自分の共有持分のみを専門の買取業者に売却する方法があります。
自らの持分の売却では、他の所有者の許可を取ることなく現金化できることがメリットです。
他にも、共有持分を買取業者に売却するメリットをご紹介します。
・他の共有者と顔を合わさずに売却できる
・短期間で売却できる
自分の共有持分のみ売却は、兄弟との話し合いが付かず実家の売却が進まない且つ現金化を急ぎたい場合などに、実家を売却する選択肢の一つとして考えてもよいでしょう。
なお、共有持分を処分する方法についてくわしく知りたい場合には、以下の記事を参考にしてください。
アルバリンクの共有持分買取事例
本章では、株式会社アルバリンクで行った共有持分の買取事例についてご紹介します。
弊社アルバリンクは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような複雑に利権が絡まる共有持分を多数買い取ってきました。
実際、弊社は下記のように全国各地の共有持分を買い取っており、なかには1000万円以上で買い取ったこともあります。
ただ、上記のような買取事例だけを見せられてもピンとこない方もいるでしょう。
そこで、弊社が共有持分を買い取ったお客様からいただいた、直筆のメッセージも紹介します。
このお客様は共有者である親族と折り合いが悪く、話し合いができる関係ではありませんでした。
そのため、弊社が共有持分を買い取ったことで「(共有者と)やり取りをしなくて済むようになり、気持ちが楽になった」というメッセージをお寄せくださいました。
信頼できる買取業者に安心して共有持分を売却し、共有関係から解放されたい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。
兄弟で相続した実家を売却する流れ
本章では、兄弟で相続した実家を売却する流れについて解説します。
相続登記をおこなう
相続登記を行うことで実家の所有者となり、実際に売却を進められます。
相続登記にかかる費用のうち、司法書士の報酬は事務所により異なるため、司法書士を選ぶときには複数社に見積もりを取るとよいでしょう。
兄弟間で売却に関して合意する
全員の合意がなければ、実家の売却を進められないので、この話し合いは売却を進めるうえでは極めて重要です。
よって、実家を売却する前には兄弟間で連絡が取れるような体制にしておくことや、話し合いを円滑に進めるために親睦を深めておくなどが必要となります。
不動産業者に売却を依頼する
査定額は周辺の売却事例を参考に算出されますが、最終的な見解は不動産業者ごとに異なります。
よって、不動産業者は複数社ピックアップして査定を依頼しましょう。
複数社に査定を出すことで、実家の売却相場を掴みやすくなり、わざと高値査定を出して顧客を誘因する悪徳不動産業者を排除しやすくなります。
また、信頼できる担当者を選ぶことで売却が円滑に進む可能性が高まります。
査定額や売却時のサービス内容等について比較を行いながら不動産業者を選ぶことで、満足度の高い結果を得られやすくなるでしょう。
売買契約を締結する
まずは、売買契約前に買主より手付金(物件価格の10%が目安)を受け取ります。
売買契約は口頭でも可能ですが(諾成契約)、トラブル防止のために書面、もしくは電子化されたもので契約を交わしておきましょう。
売買契約を無事に完了できれば、実家に残る家財道具の撤去など引き渡しに向けた準備をはじめていきます。
買主に実家を引き渡して売却代金を受け取る
引き渡し手続きの場所は、買主がローンを利用するなら銀行の応接室、現金であれば不動産業者の事務所が一般的です。
引き渡し後は、買主が依頼した司法書士が所有権移転登記手続きを行い、仲介業者に成功報酬として仲介手数料を支払います。
仲介業者に支払う成功報酬のこと。
成約価格400万円以上の場合、「(成約価格×3%)+6万円+消費税」で計算される。
譲渡所得税を納める
譲渡所得から特別控除を差し引いたものに対してかかる税金。
所有期間により税率は変わる。
不動産の売却で利益が出た場合の金銭を譲渡所得と言います。
※①土地や建物の譲渡代金、固定資産税・都市計画税の精算金
※②取得に要した費用(実額法‥土地建物の購入に要した費用+取得に要した費用-建物の減価償却費、概算法‥譲渡収入金額×5%)
※③売却するために直接かかった費用(仲介手数料や土地の測量に要した費用など)
譲渡所得があれば、課税譲渡所得を求めます。
譲渡所得税は、下記にて算出できます。
税率は所有期間5年以下(短期譲渡所得)の土地や建物で39.63%、所有期間5年超で20.315%です。
なお、所有期間10年超となると軽減税率が適用されます。
譲渡所得税が発生する場合には、譲渡した翌年に確定申告で納税します。
なお、譲渡所得(売却益)が出た場合の確定申告についてくわしく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
まとめ
本記事では、兄弟で相続した実家を売却する方法や売却時の注意点等について解説してきました。
兄弟で相続した実家を公平に分けるベストな方法は、売却して現金化することです。
そのためには、兄弟全員の売却への同意や相続登記の実施が必要となります。
また、売却を揉めずに進めるには、最低売却価格を決めておくなど兄弟間の意思疎通や話し合いができる人間関係も重要な要素の一つと言えるでしょう。
なお、実家の立地が悪く仲介での売却が難しい場合やそもそも兄弟全員の売却の同意がないなかで自らの持分のみ売却したい場合には、専門の買取業者への売却がおすすめです。
専門の買取業者は、一般的な買取業者が敬遠する立地が悪い不動産、もしくは共有持分の買取を問題なく行えます。
株式会社アルバリンクも、いわゆる訳あり不動産を専門で買取る不動産業者ですが他社よりも高値買取を実現できる可能性が高いことが特徴です。
なぜなら、弊社アルバリンクでは買取した不動産もしくは共有持分を専門家との連携により一般に流通しやすい不動産に商品化するノウハウと、投資家等への独自販路を確立しているので積極的な買取を行っているからです。
実際、訳あり不動産を高く買い取る不動産業者としてフジテレビ「イット」など、多くのメディアでご紹介されています。
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