再建築不可物件とは建物を新築できない土地のこと
そもそも再建築不可物件とは、既存の建物を解体して更地にしても建物を新築できない土地を指します。
再建築不可物件を建て替え可能にする裏ワザや活用方法をご紹介する前に、再建築不可物件に関する以下の内容を解説します。
- 再建築不可物件となる3つの接道条件
- 再建築不可物件はなぜ存在する?
- 再建築不可物件かどうか調べる方法
なお、再建築不可物件についての知識が豊富で建て替え可能にする方法をすぐに知りたい方は「更地の再建築不可物件を建て替え可能にする6つの裏ワザ」をご覧ください。
更地にした再建築不可物件の活用の仕方を知りたい方は「更地の再建築不可物件の活用方法6選」から先にお読みいただければ幸いです。
再建築不可物件の概要について、詳しく見ていきましょう。
再建築不可物件となる3つの接道条件
再建築不可物件が建て替えできないのは、建築基準法第42条・第43条で定められた接道義務を満たしていないためです。
接道義務とは、建物を建てる際には幅4m以上の建築基準法上の道路に建物の敷地が2m以上接していなければならないというルールのことです。
具体的には、以下3つの接道条件のいずれかに該当する家は再建築不可物件として扱われます。
- 建築基準法で定められた道路に接していない
- 建築基準法上の道路と接している敷地の幅が2mに満たない
- 敷地が建築基準法上の道路とまったく接していない
接道義務が定められているのは、災害発生時などの消火活動・救命活動をスムーズに行えるようにするためです。
消防車や救急車の幅は、約1.89mあります。
そのため、道路の幅が2mに満たないと緊急車両が通行できません。
また道幅が狭いと、災害発生時の避難経路を確保できないという側面もあります。
つまり接道義務には、「緊急車両が通行しやすいようにする」「災害発生時に地域住民が逃げやすいようにする」といった目的があるのです。
再建築不可物件はなぜ存在する?
再建築不可物件が存在するのは、建物を建てるルールである建築基準法が時代に合わせて都度改正されているためです。
建築基準法が制定されたのは、1950年(昭和25年)のことでした。
そのため、1950年以前に建てられた住宅のなかには、接道義務を満たしていないケースが多く存在するのです。
このように、建築当時の法令では合法だったものの、その後の法改正により基準に当てはまらなくなった住宅を「既存不適格物件」といいます。
既存不適格物件は現行の法率の基準には適合していないものの、決して違法建築物というわけではありません。
新たな法律が施行・適用されても、「既存不適格物件には当該規定は適用しない」と建築基準法第3条第2項で定められているためです。
したがって、既存不適格物件をそのまま利用する分には何ら問題ありません。
再建築不可物件が現在も数多く存在するのは、そのためです。
しかし既存不適格物件に該当する再建築不可物件を取り壊して建て替えをするには、現行の法律の規定を守らなければなりません。
後述の「更地の再建築不可物件を建て替え可能にする6つの裏ワザ」で解説するような対策を講じなければ、建て替えはできないということです。
なお、既存不適格物件以外にも、建築基準法などの法令に違反して建てられた建築物も再建築はできません。
これを「違反建築物」といいます。
既存不適格物件と違反建築物について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
再建築不可物件かどうか調べる方法
あなたが所有している土地が再建築不可かどうか確かめる方法は、以下の3つです。
- 役所で調べる
- 自治体のホームページで調べる
- 専門の不動産業者に調べてもらう
あなたの土地の所在地を管轄する役所の建築関連の部署で確認する際には、以下の書類を持参するとスムーズです。
資料名 | 目的 | 取得先 |
---|---|---|
登記事項証明書(登記簿謄本) | 土地の所有者や住所などを確認 | 法務局 |
公図 | 土地の位置や形状などを確認 | 法務局 |
地積測量図 | 土地の面積や位置、境界などを確認 | 法務局 |
建物図面 | 敷地に対する建物の配置や形状などを確認 | 法務局 |
窓口では以下の内容を問い合わせるとよいでしょう。
- 前面道路は建築基準法上の道路か
- 接道義務は満たしているか
- そもそも再建築が可能なエリアか
すると、役所の担当者があなたの土地が再建築可能かどうかを教えてくれます。
また、自治体がホームページ上に公開している指定道路図を見て、土地に接しているのが建築基準法上の道路かどうかを確認することも可能です。
インターネットで「市区町村名 指定道路図」と検索すると調べられるので、確認してみてください。
ただし、上記2つの方法で調べるのは非常に手間がかかるといわざるを得ません。
もしあなたの土地が再建築不可物件かどうかを簡単に知りたいなら、専門の不動産業者に調べてもらうことをおすすめします。
再建築不可物件の取り扱い実績が豊富な専門の不動産業者に相談すれば、書類を用意しなくても無料で調べてくれます。
弊社AlbaLink(アルバリンク)も、再建築不可物件の取り扱い実績が豊富な専門の買取業者です。
所有している土地が再建築不可物件かどうかを教えてほしいといったご相談も無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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なお、再建築不可物件かどうかの調べ方は以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
再建築不可物件を更地にする2つのメリット
再建築不可物件を取り壊すと新たな建物は建てられなくなりますが、更地にすることで以下2つのメリットを得られます。
- 建物の維持費がかからなくなる
- 土地活用が可能になる
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
建物の維持費がかからなくなる
再建築不可物件を更地にするもっとも大きなメリットは、建物の維持費がかからなくなる点です。
建物の維持管理に必要な費用には、以下のものが挙げられます(建物の評価額を500万円と仮定)。
費用の名目 | 年間費用の目安 |
---|---|
固定資産税 | 7万円 |
都市計画税 | 1万5,000円 |
火災保険 | 5万円 |
水道光熱費 | 15~20万円 |
修繕費 | 15万円~800万円(修繕箇所・範囲によって異なる) |
とくに築年数の古い再建築不可物件の場合は建物の状態を維持するための定期的な修繕が欠かせず、数百万円以上の費用がかかるケースは少なくありません。
ただし、多額の費用がかかるからという理由で劣化の進んだ家を放置するのはNGです。
建物の所有者は、建築基準法第8条、空家等対策の推進に関する特別措置法第5条により、建物を適切に維持管理しなければならないと定められているためです。
もし必要な維持管理を怠り、瓦屋根や外壁の落下、ブロック塀の倒壊などによって歩行者や近隣の方に被害を与えた場合は損害賠償を請求されかねません(民法第717条)。
公益財団法人日本住宅総合センターの「空き家発生による外部不経済の実態と損害額の試算に係る調査」では、建物の倒壊で近隣の方が亡くなった場合には2億円近い損害賠償が発生するとの試算もされています。
しかし再建築不可物件を取り壊してしまえば、建物の維持費を支払う必要がなくなるだけでなく、維持管理の負担からも解放されます。
再建築不可物件の維持が負担になっているのなら、更地化を検討する余地はあるといえるでしょう。
土地活用が可能になる
再建築不可物件を更地にすることで、土地単体で活用できるようになる点もメリットのひとつです。
劣化が進んでボロボロの状態の家を活用するのは難しい傾向にありますが、更地にすれば「駐車場として貸し出す」「自動販売機を設置する」などの方法によって収益を上げられる可能性があります。
詳しい活用方法は、「更地の再建築不可物件の活用方法6選」で解説します。
再建築不可物件を更地にする3つのデメリット
再建築不可物件の更地化にはメリットがある一方で、以下3つのデメリットも潜んでいます。
- 建物を新築できなくなる
- 土地の固定資産税が6倍になる
- 売れにくくなる
再建築不可物件を更地にしたほうがよいか迷っているときは、メリットとデメリットを踏まえたうえで慎重に検討することをおすすめします。
ここでは、再建築不可物件を更地にする3つのデメリットをご紹介します。
建物を新築できなくなる
ここまで解説してきたように、再建築不可物件を更地にすると新たな建物を建てられない点がデメリットとして挙げられます。
「駐車場経営をする」など具体的な活用方法が決まっている場合はともかく、再建築不可物件の安易な解体はおすすめできません。
解体費用として100万円以上の費用を負担しなくてはならないほか、次の見出しで解説するように固定資産税が無駄に上がってしまうためです。
土地の固定資産税が6倍になる
建物を解体すると、土地に課される固定資産税が6倍になってしまう点に注意しましょう。
固定資産税は毎年1月1日時点における不動産所有者に課される税金で、以下の計算式で算出します。
固定資産税評価額は毎年自治体から送られてくる固定資産税納税通知書に記載されているので、確認してみてください。
【固定資産税納税通知書の見本】
ただし居住用の家屋が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用されるので、以下の表のように敷地面積に応じて固定資産税額が軽減されます。
区分 | 敷地面積 | 固定資産税 |
---|---|---|
小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 固定資産税評価額×1.4%×1/6 |
一般住宅用地 | 200㎡超の部分 | 固定資産税評価額×1.4%×1/3 |
たとえば、あなたが所有している再建築不可物件の敷地面積が150㎡、固定資産税評価額が1,200万円と仮定したときに、特例が適用されるケースとされないケースとで固定資産税額を比較してみましょう。
「固定資産税評価額×1.4%×1/6」の計算式より、
固定資産税額=1,200万円×1.4%×1/6=2万8,000円
【住宅用地の特例が適用されないケース】
「固定資産税評価額×1.4%×1/6」の計算式より、
固定資産税額=1,200万円×1.4%=16万8,000円
つまり上記のケースでは、再建築不可物件を更地にすることで14万円も固定資産税の負担が増えていることが分かります。
もちろん、前述のように再建築不可物件を更地にすると建物にかかる維持費を負担しなくてもよくなるメリットはあります。
建物に課される固定資産税を納めずに済む点もメリットといえるでしょう。
しかし土地に課される固定資産税が上がることで、うまく活用できなかった場合には経済面で大きな負担となりかねない点には注意が必要です。
なお、再建築不可物件にかかる固定資産税について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
売れにくくなる
もしあなたが再建築不可物件の売却を考えているなら、建物を解体しないことをおすすめします。
なぜなら、新たな建物を建てられない土地を購入したいと考える方はまずいないためです。
再建築不可物件は建て替えできませんが、建物の一部をリフォームすることは可能です。
そのため、もし立地や建物の状態が比較的良ければ、買い手が見つかる可能性はあるでしょう。
実際弊社が行ったアンケート調査によると、マイホームの購入を検討している方がもっとも優先している条件は「立地」であるためです。
参照元:訳あり物件買取プロ|【家を購入する際に優先したことと妥協したこと】経験者493人アンケート調査
しかし建て替えのできない再建築不可物件は担保としての価値が低く、購入時に住宅ローンを組むのが難しい傾向にあります。
再建築不可物件を購入できるのは基本的に現金一括で支払えるほどの経済力を持った方に限られることから、早期売却は難しいのが現実です。
再建築不可物件の購入時に住宅ローンを組みにくい理由は以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
更地の再建築不可物件を建て替え可能にする6つの裏ワザ
再建築不可物件を更地にすると建物の新築ができなくなると説明してきましたが、以下6つのいずれかの対策を講じれば建て替えられるようになります。
- 敷地の接道部分をセットバックする
- 隣地の一部を買い取って接道幅を広げる
- 自分の土地と隣地の一部を交換して接道幅を広げる
- 建築確認申請時のみ隣地の一部を借りる
- 但し書き申請をする
- 位置指定道路の申請をする
たとえばあなたの土地に接している道路の幅が4mに満たない場合は、敷地を道路の中心線から2mの位置にまで後退させることで接道義務を満たせるようになります。
これを「セットバック」といいます。
セットバックには30~80万円ほどの費用はかかりますが、建築可能な敷地にすれば活用の幅が広がる点がメリットです。
そのほかの対策については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、再建築不可物件を積極的に買い取っている専門の買取業者です。
再建築不可物件をそのままの状態で買い取っておりますので、「費用や手間をかけてまで建築可能にはしたくない」とお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。
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更地の再建築不可物件の活用方法6選
更地にした再建築不可物件は、以下の方法で活用すると収益を上げられる可能性があります。
- 駐車場を経営する
- 自動販売機を設置する
- 建築確認申請が不要な建物を建てる
- 太陽光発電を設置する
- 資材置き場にする
- レンタル農園にする
ここからは、各活用方法のメリットやデメリット、向いている人の特徴を解説します。
なお、以下の記事では、再建築不可物件を活用する12の方法をご紹介しています。
併せて参考にしてください。
駐車場を経営する
接道義務を満たしていない土地でも、自動車やバイクなどが出入りできる間口を確保できれば駐車場経営を行うことができます。
駐車場経営の方法は、「月極駐車場」と「コインパーキング」の2種類です。
月極駐車場経営は、利用者と1か月単位で賃貸借契約を交わして賃料を得る土地活用方法です。
敷地を舗装する必要がなく、精算機やゲートなどの機器の導入も不要なので、比較的初期費用をかけずに始められるメリットがあります。
地域の不動産業者に利用者の募集から管理までを委託するケースが一般的です。
一方、時間単位で駐車スペースを貸すコインパーキング経営には専門業者にすべてを委託する「一括借り上げタイプ」、整地や機械の設置は自前で行って運営を専門業者に委託する「管理委託タイプ」などがあります。
一括借り上げタイプなら専門業者に土地を貸すだけなので、初期費用が不要で毎月安定した地代収入を得られる点がメリットです。
ただし、駐車場を借りたいと思う方がいなければ、当然収益は得られません。
もしあなたの土地が駅から遠く離れていたり、近くに商業施設やオフィスがなかったりする場合には需要を見込めず、赤字経営に陥りかねない点に注意が必要です。
また、前面道路の幅や道路から敷地へ入る間口が狭い場合には駐車しにくく、やはり利用者の需要は期待しにくいでしょう。
駐車場経営は、駅や商業施設に近いなど駐車スペースを必要とする方が多い場所に再建築不可物件があるときに向いている活用方法だといえます。
自動販売機を設置する
更地の一角に自動販売機を設置して収益を上げる方法もあります。
業者に土地を貸して管理業務を委託するフルオペレーションタイプなら、自動販売機の導入にかかる初期費用は不要です。
ドリンクの補充なども任せられるので、初心者でも始めやすい活用方法です。
また自動販売機の設置にはそこまで広いスペースは必要ないので、駐車場経営などほかの土地活用方法と併用できるメリットもあります。
しかし、自動販売機経営で得た収益の一部は業者に手数料として支払う必要があります。
毎月得られる利益は多くて数万円程度であり、そこまで収益性の高い活用方法とはいえません。
自動販売機経営は周辺環境の影響も受けやすく、近隣にコンビニエンスストアやスーパーマーケットがある、そもそも人通りが少ない場合には成功を収めるのが難しいでしょう。
自動販売機経営は、再建築不可物件の周囲に店舗が少ないにもかかわらず人通りが多い、すでに更地をほかの用途に利用している方に向いている活用方法です。
建築確認申請が不要な建物を建てる
再建築不可物件では建物の新築ができませんが、自治体への建築確認申請が不要な以下の建物なら建築が可能です。
- ガレージ
- プレハブ
- コンテナハウス
- トレーラーハウス
更地に上記の建物を建てたのち、第三者に貸し出すのも選択肢のひとつです。
それぞれの土地活用方法の特徴を見ていきましょう。
ガレージ
ガレージは屋根のある車庫を指します。
床面積が10㎡以下であり、かつ土地のあるエリアが防火地域・準防火地域に該当していない場合は建築確認が不要なので、問題なく建てることが可能です。
青空駐車場とは異なり、ガレージ経営は立地条件の影響を受けにくい点が特徴です。
たとえあなたの土地が郊外にあったとしても、車やバイクを雨に濡らさずに保管したい、屋根付きの車庫でメンテナンスを行いたい車・バイクの愛好家からの需要が期待できます。
ただしガレージを建てるには数十万円以上の費用が必要であり、通常の駐車場経営よりも初期費用がかかる点はデメリットです。
またガレージは固定資産と見なされるため、固定資産税を納める義務が発生するところもデメリットといえるでしょう。
あなたの土地があるエリアが防火地域・準防火地域に該当していない、郊外にあって駐車場需要が少ない場合に向いている活用方法です。
プレハブ
更地にした再建築不可物件にプレハブ物置を設置し、倉庫やトランクルームとして貸し出して収益を上げる方法です。
前述のガレージ同様、土地が防火・準防火地域に該当しておらず、設置するプレハブ物置が10㎡以下であれば建築確認申請はいりません。
アパートやマンション経営とは異なり、初期費用や修繕費があまりかからない点がメリットです。
土地が街道沿いなど車で荷物を運びやすい場所にある、周辺に住宅街が形成されていて荷物の保管場所を探している人が比較的多い場合には、需要が期待できて安定した収益を得られるでしょう。
ただし、再建築不可物件の更地には約6畳の広さを持つプレハブ物置しか設置できません。
そのため、大きな収益を得ることは難しいでしょう。
コンテナハウス
再建築不可物件の土地にコンテナハウスを設置して貸し出す活用方法です。
コンテナハウスは、鉄道などで荷物を運ぶために使われる直方体の容器を住宅に転用したものです。
前述のように土地の所在地が防火・準防火地域に該当せず、床面積が10㎡以下なら再建築不可物件の土地にもコンテナハウスを設置できて賃貸経営を行えます。
鋼材で作られているコンテナは丈夫であり、木造住宅よりも防音性に優れている点が特徴です。
独特の外観が若年層を中心に人気を集めていることもあり、立地によっては安定した収益を得られる可能性は高いでしょう。
あなたの土地の周辺に大学があるなど、若者の賃貸需要が見込める場合に向いている活用方法といえます。
ただし、コンテナハウス経営を始めるにあたって数百万円ほどの初期費用がかかる点はデメリットです。
また再建築不可物件の土地に設置できるのは6畳以下のコンテナハウスに過ぎないため収益性は高くなく、初期費用を回収できない恐れがある点に注意が必要です。
トレーラーハウス
再建築不可物件の更地にトレーラーハウスを設置して貸し出す方法もあります。
トレーラーハウスとは車両と居住スペースが一体となった移動式住居のことで、建築基準法上は「車両を利用した工作物」として扱われます。
アメリカでは比較的ポピュラーな住居スタイルですが、日本では東日本大震災後の仮設住宅として提供されたことで広く知られるようになりました。
トレーラーハウスは建物としては扱われないので、再建築不可物件の更地上にも設置可能です。
加えて固定資産税がかからないという税金面でのメリットもあります。
またトレーラーハウスは新品でも200万円ほどで購入できるので、初期費用を比較的抑えたうえで賃貸経営を行えます。
トレーラーハウスの大きさや仕様次第では、単身者からファミリー層、飲食店経営者まで幅広い方にアプローチできます。
そのため、周辺の賃貸需要を見極めたうえで貸し出せば、安定した収益を得ることも不可能ではありません。
しかしトレーラーハウスには重量があるため、土地によっては設置に際して地盤改良工事が必要となることがあります。
またトレーラーハウスはどこにでも設置できるとはいえ、道路に面していない、前面道路や道路と接している敷地の幅が狭い場合には搬入できない恐れがある点に注意が必要です。
トレーラーハウスを搬入できるほど周辺道路の幅が広く、安定した賃貸需要が見込めそうな土地なら、トレーラーハウス経営に向いているでしょう。
再建築不可物件をトレーラーハウスにするメリット・デメリットは、以下の記事で詳しく解説しています。
太陽光発電を設置する
再建築不可物件の更地上に太陽光パネルを設置し、発電した電力を電気会社に売却することで収益を上げる経営方法です。
太陽光発電には「FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)」があるので、発電した電気を10年または20年にわたって電力会社に固定価格で買い取ってもらえます。
入居者が見つからないと収益を得られない賃貸経営よりもリスクが少なく、長期にわたって安定して収益を得られる点がメリットです。
また太陽光パネルには10~25年の保証がついているケースが一般的であり、一度設置するとランニングコストがほぼかからないメリットもあります。
しかし規模によって異なるものの、太陽光発電経営を行うにあたって1,000~2,000万円ほどの初期費用がかかる点がデメリットです。
日当たりが悪い土地では思うように発電できず、収益を上げられないリスクもあります。
そのため、再建築不可物件の更地の周囲に高い建物がなくて日当たりがよい、全国と比較して晴れの日が多いエリアにある場合に向いている活用方法といえるでしょう。
資材置き場にする
再建築不可物件の更地を資材置き場として活用する方法も選択肢のひとつです。
資材置き場経営は、建築会社や土木会社などが使用する資材の保管場所を貸し出して収益を得る方法です。
土地をそのまま貸し出すだけなので、初期費用はかかりません。
また借主が土地の管理を行ってくれるので、あなたの手間が大きく省ける点もメリットです。
しかし、資材置き場経営はアパート経営などと比較すると収益性が低く、得られる収入の目安は土地に課される固定資産税額の5~8倍です。
再建築不可物件のように固定資産税評価額が低い土地の場合は、年間で数万円ほどの収益しか得られないというケースも少なくありません。
また、資材の出し入れをする際に発生する騒音やほこりなどで近隣トラブルが生じる可能性がある点にも注意が必要です。
再建築不可物件の更地を手間や費用をかけずに活用したい、自分では土地を管理できない場合に向いている土地活用方法といえます。
レンタル農園にする
再建築不可物件の更地を農地に転用し、レンタル農園として貸し出す方法です。
「野菜や草花を栽培したい」という理由で農地を借りたいと考える方は少なくありません。
そのため、再建築不可物件の更地でも借り手が見つかりやすく、安定した収益を上げられる点がメリットです。
ただし、レンタル農園の賃料相場は月に5,000円~1万円ほどであり、収益性はそこまで高くありません。
土地の維持・管理を自分で行う手間も発生します。
また、地域の農業委員会や自治体への届け出が必要であり、承認されるまでに時間がかかる点もデメリットです。
宅地を一度農地にしたら、そう簡単には戻せない点にも注意しましょう。
レンタル農園は、今後も土地を所有し続けたいものの自分では活用する気がない方に向いている経営方法といえます。
更地の再建築不可物件は手放すのが最適!3つの方法
ここまで再建築不可物件の更地を建築可能にする方法、および活用する方法について解説してきました。
しかし再建築不可物件を建築可能にするのは簡単ではなく、ケースによっては数百万円以上の費用がかかることもあります。
更地の再建築不可物件を活用するにしても、明確な事業計画がなければ失敗に終わってしまいかねません。
そのため、「今後も再建築不可物件を活用する予定がない」「再建築不可物件の更地で事業を行う自信がない」なら手放すことをおすすめします。
再建築不可物件の更地を手放す方法は、以下の3つです。
- 相続放棄する
- 自治体に寄付する
- 売却する
それぞれの方法について、詳しく解説します。
なお、以下の記事でも再建築不可物件を手放せる方法を解説しているので、併せて参考にしてください。
相続放棄する
更地の再建築不可物件を相続した場合は、相続放棄を選択することもひとつの方法です。
相続放棄とは、被相続人の遺産を受け継ぐ権利をすべて放棄することです。
相続放棄をすれば、更地の再建築不可物件を最初から所有せずに済みます。
更地の再建築不可物件にかかる維持費の支払いや活用方法で悩む必要もなくなるでしょう。
ただし、相続放棄をすると現金や株式などのプラスの財産を受け継ぐ権利も放棄しなければなりません。
「更地の再建築不可物件は相続したくないが、現金は相続したい」といった使い方はできないのです。
そのため被相続人の遺産のなかに受け継ぎたい財産がある場合はいったんすべてを相続し、その後、更地の再建築不可物件を売却するとよいでしょう。
更地の再建築不可物件の売却方法は、後述の「売却する」の見出しで解説します。
自治体に寄付する
更地の再建築不可物件を自治体に寄付することで手放す方法もあります。
東京財団の『土地の「所有者不明化」~自治体アンケートが示す問題の実態~』によると、土地の寄付を受け入れている市町村は365自治体中343にのぼります。
ただし、やみくもに土地の寄付を受け入れているわけではありません。
自治体にとっては、土地の寄付を受け入れることで固定資産税の税収が減るという大きなリスクがあるためです。
また、寄付を受け入れた土地の維持管理費用も自治体が負担しなければならなくなります。
そのため、土地の寄付はあくまでも「公的な利用が見込める」場合に限定されます。
たとえば、「地震など自然災害発生時の避難場所として活用できる」「自治体が所有する土地に隣接していて活用しやすい」などのケースです。
したがって、接道義務を満たしていない更地の再建築不可物件を自治体へ寄付するのは現実的に難しいといわざるを得ません。
更地の再建築不可物件をできる限り早く手放したいなら、次の見出しでご紹介するように売却を検討することをおすすめします。
なお、自治体への土地の寄付の実態については、以下の記事で詳しく解説しています。
売却する
更地の再建築不可物件を手放す方法のうち、もっともおすすめなのは「売却」です。
再建築不可物件の更地を売却すれば、まとまった現金が手に入るだけでなく、土地を維持管理する手間からも解放されます。
更地の再建築不可物件を売却する方法は、以下の2つです。
- 仲介業者に売却を依頼する
- 専門の買取業者に売却する
それぞれの売却方法について、詳しく解説します。
仲介業者に売却を依頼する
仲介業者は、不動産の売主と買主との間に立って売買契約の成立をサポートする不動産業者を指します。
しかし、再建築不可物件の売却を仲介業者に依頼しても買主を見つけるのは困難です。
仲介で買主となるのはマイホームの購入を検討している個人の方が中心であり、建物の新築ができない土地をあえて購入したいと考える方がほぼいないためです。
再建築不可物件を手放したいなら、次の見出しで解説するように専門の買取業者に相談しましょう。
専門の買取業者に売却する
専門の買取業者は、自社が買主となって再建築不可物件を直接買い取る不動産業者です。
専門の買取業者に依頼すれば、再建築不可物件を高確率で売却できます。
専門の買取業者には、買い取った再建築不可物件をリフォームして賃貸物件として活用したり、不動産投資家などに再販したりして収益を上げられるノウハウがあるためです。
また、買取では専門の買取業者から提示された査定価格に合意したら再建築不可物件を売却できるので、現金化までのスピードが速いメリットもあります。
所有している更地の再建築不可物件をできる限り早く手放したいなら、専門の買取業者に相談するとよいでしょう。
なお、当サイトを運営している弊社AlbaLink(アルバリンク)は訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような再建築不可物件を多数買い取ってきました。
たとえば下記は弊社が買い取った千葉県富津市の再建築不可物件です。
この物件は前面道路の幅員が2m未満で接道義務を果たしていませんでした。 また、下の写真の「BEFORE」を見てもらえばわかる通り、室内も老朽化が進んでいましたが、弊社はこの物件を600万円で買取り、リフォームを施したのち、提携している不動産投資家へ再販致しました。 このように弊社は再建築不可物件の再販先や運用方法を豊富に持っているため、老朽化が進んだ再建築不可物件であっても買い取ることができます。
実際、再建築不可物件をはじめ、弊社に物件の買取依頼をしていただいたお客様からは「売れずに困っていたが買い取ってもらえてホッとした」「もっと早く依頼すれば良かった」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)。
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
ですから、「再建築不可物件の売却など初めてで不安なことばかり」という方こそ、弊社にご依頼いただければと思っております。
これまで培ったノウハウをフル活用し、あなたの再建築不可物件をできる限りスピーディーかつ高値で買い取らせていただきます(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
>>【再建築不可物件でも高額売却!】無料で買取査定を依頼をする
以下の記事では再建築不可物件の売却相場や高く買い取ってもらうためのテクニックをご紹介しています。
再建築不可物件を少しでも高く売却したい方は、ぜひ参考にしてください。
まとめ
再建築不可物件を更地にするメリットは、「建物の維持費がかからなくなる」「土地活用が可能になる」点です。
しかし再建築不可物件は建物を建てるときのルールである接道義務を満たしていないため、既存の家屋を取り壊すと建物の新築ができません。
それに加えて、住宅用地の特例が適用されなくなって土地の固定資産税が最大で6倍になるデメリットもある点には注意が必要です。
更地の再建築不可物件でも、セットバックをするなどして接道義務を満たせば建築できるようになります。
また、更地の再建築不可物件を駐車場などとして活用すれば収益を上げることも可能です。
ただし、再建築不可物件を建築可能にするには費用がかかります。
更地の再建築不可物件を活用しても収益を上げられるとは限りません。
そのため、今後も再建築不可物件を活用する予定がないなら、専門の買取業者に売却して現金化することをおすすめします。
弊社AlbaLink(アルバリンク)では、全国の再建築不可物件を積極的に買い取っております。
過去には、一般の不動産業者が扱わない訳あり物件を専門に買い取っている業者としてフジテレビの「newsイット!」に紹介された実績もあります。
弊社には買い取った再建築不可物件を再生して活用できる豊富なノウハウがあるので、できる限り高く、かつスピーディーに買い取ることが可能です。
査定は無料なので、更地の再建築不可物件をいくらで売却できるのかが知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
査定を依頼しても無理な営業をかけることはいっさいありませんので、安心してご活用いただければ幸いです。