古家付き土地とは家を残したままの「土地」のこと
古家付き土地とは、古い家を解体せずに残したまま、土地として売り出す方法です。
つまり、売主は、買い手がつくかわからない土地のために、解体費用をかける必要がありません。
また、古家をリフォームしてから居住したい買い手にとっては、土地のみの価格で建物も購入できるので、安価に物件を入手できます。
このように、古家付き土地は、売主が売り出し前に解体費用をかけることなく、「新築目的」「リフォーム目的」両方の買い手に対し、土地を売り出せるテクニックです。
古家付き土地で売却する5つのメリット
古家付き土地についてご理解いただいたところで、実際どのようなメリットがあるのかを解説していきます。
古家付き土地として売却することで売主が得られるメリットは主に下記の4つです。
- 解体費用がかからない
- たとえ売却できなくても固定資産税を抑えられる
- 建物の契約不適合責任を免責できる
- マイホーム3000万円特別控除の適用期間が長い
- 土地を広く見せる効果がある
1つずつ解説していきます。
解体費用がかからない
前述したとおり、古家付き土地として売却するなら、売主は売り出し前に多額の解体費用が不要です。
もし、家屋を解体するとなれば、1件あたり数百万円以上もの費用がかかります。
たとえば、木造の家屋であれば、およそ120㎡の家屋を解体するのに、およそ200万円必要です。
古家付き土地であれば、売主は、売却できるかわからない古家に、数百万円もの費用をかけずに売り出せます。
家屋の解体にかかる費用については、こちらの記事をご覧ください。
もし売却できなくても固定資産税を抑えられる
古家付き土地であれば、もし物件が売却できず所有し続けることになっても、固定資産税の金額を抑え続けられます。
というのも、たとえ人が居住していなくても、家屋が建っている土地であれば、住宅用地の特例によって、固定資産税額が6分の1に抑えられています。
ところが、家屋を解体し、更地のまま年を越してしまうと、特例から除外され、その後は解体前の6倍もの固定資産税を納めなければなりません。
たとえば、今までは固定資産税が5万円だった場合、特例から除外されれば30万円もの金額に跳ね上がってしまいます。
しかし、古家付き土地であれば、買い手が見つからずに土地を所有し続けることになっても、家屋は残ったままなので、特例から除外されません。
結果、売主は、古家付き土地にかかる固定資産税を抑え続けられる、というわけです。
建物の契約不適合責任を免責できる
古家付き土地として売却する場合、売主は、古家に関する契約不適合責任の一切を免責(責任を問われないこと)できます。
不動産売却後、契約書にはなかった欠陥や不具合が見つかった場合に、売主が買主に対して果たさなければならない責任。
契約書の内容に一致するよう、売主は買主から不適合箇所の修復費用等を請求される。
古家付き土地は、古家が残っているものの、土地のみとして売却するからです。
そのため、築年数が経過し、ぼろぼろになった古家でも、売主は売却後に責任を問われる心配がありません。
ただし、土地の契約不適合責任については、売主は契約不適合責任を負います。
契約不適合責任について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
マイホーム3000万円特別控除の適用期間が長い
古家付き土地を売却し、所得(譲渡所得)が生じた場合、譲渡所得税を納めなくてはいけません。
譲渡所得と譲渡所得税は以下の計算式で算出できます。
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)
譲渡所得税=譲渡所得×税率(約20%~40%)
取得費は売却した物件の購入費などを指します。
また、譲渡費用にはリフォーム費や不動産業者に支払う手数料(仲介手数料)なども含まれます。
税率は所有期間によって変わりますが、20%~40%程度です。
「マイホーム3000万円特別控除」は、マイホームとして住んでいた物件を古家付き土地として売却する場合、要件を満たせば上記の譲渡所得が3000万円控除される制度です。
控除が適用され、譲渡所得がゼロになれば当然譲渡所得税もかかりません。
ただし、控除の適用には様々な要件があり、中でも「建物がある状態」で売却した場合と「解体した状態」で売却した場合とでは以下のように控除の適用期間が異なります。
- 「建物がある状態」で売却した場合の控除適用期間
- 転居してから3年後の12月31日まで
- 「解体した状態」で売却した場合の控除適用期間
- 転居してから3年後の12月31日までか、取り壊し後1年以内
つまり、古家付き土地として売却した場合、控除適用には3年の猶予があるのに対し、建物を解体し、更地として売却すると1年以内に売却しないと控除が適用されない恐れがあるということです。
売却後にマイホーム3000万円特別控除を適用しやすくするという観点でも、建物を解体せず古家付き土地として売却した方が良いといえます。
なお、譲渡所得税を軽減する控除としては「相続空家の3000万円特別控除」もあります。
この控除については、記事内の「相続空家の3000万円特別控除が適用できれば節税できる」をご確認ください。
土地を広く見せる効果がある
意外に思えるかもしれませんが、更地にするより建物が建っている土地の方が視覚的に広く見える効果があります。
特に状態の良い家が残っていれば、買い手にその土地に住むイメージを与えやすくなります。
仮に状態の悪い家だとしても、買い手に「このくらいの大きさの家が建てられる土地なんだ」というイメージを与えられます。
購入後にその土地に暮らすイメージやその土地に建物を建てるイメージを買手に与え、購入に結び付けやすくするためにも、古家付き土地として売却することには意味があります。
古家付き土地で売却する4つのデメリット
ここまで、古家付き土地で売却するメリットについて、ご紹介してきましたが、デメリットもあります。
古家付き土地として売却するデメリットは以下の4つです。
- 買い手がつきにくい
- 買い手から値下げを交渉される
- 古家付き土地の印象が悪いと最悪一生売れ残るおそれがある
- リフォーム目的で物件を探している人に気づいてもらいにくい
ただし、この章をお読みいただけばわかりますが、上記2つめの「買い手から値下げを交渉される」という点については事前に対応可能なため、デメリットというほどのことではありません。
また、残りの3つについても、買取業者に買取を依頼することで解決が可能です(この記事の「買取での売却がおすすめな古家付き土地」を参照ください)
それでは、古家付き土地として売却するデメリットについて、1つずつ解説していきます。
買い手がつきにくい
古家付き土地は「土地」として売り出すため、基本的に買い手はマイホームなどを建てる土地を探している個人となります。
その場合、古家付き土地は既存の建物の解体費用を買主が負担しなくてはならないため、更地より売却しにくいのが現実です。
一般的な大きさの戸建(30坪程度)を解体するのに150万円程度かかります。
よほど立地の良い土地でない限り、新築の建築費に加え解体費として150万円を負担して購入しようとする人は稀でしょう。
土地が広い場合は分譲開発目的で不動産会社が購入するケースもありますが、そのような広大な土地を所有している人は多くありません。
古家付き土地は買い手の経済的負担が大きいことから売却のハードルが高いと思っておきましょう。
買い手から値下げを交渉される
古家付き土地として売却する場合、買い手から価格の値下げを交渉される場合があります。
一般の買い手は、古家をリフォームして住むにも、解体して新築をするにしても、費用がかかるため、少しでも土地の購入価格を抑えたいと考えるからです。
とはいえ、売主はそもそも古家の解体費用をかけずに、土地として売り出しています。
つまり、買い手から要求されたリフォーム費用分や解体費用分の値下げに応じても、売主の手元に残る金額が少なくなってしまうわけではありません。
そのため、古家付き土地の売り出し価格を決定する際は、値下げを交渉されることも考慮した価格で設定することで、土地の価格からなるべく値下げせずに売却できる可能性もあります。
たとえば、土地の価格3,000万円で、古家の解体に300万円かかるとします。
この場合、売主は、値引く予定の解体費用を上乗せした3,300万円で売り出すことで、買い手からの300万円の値下げ交渉に応じても、土地の価格から実質値下げせずに売却できる、ということです。
古家付き土地の印象が悪いと最悪一生売れ残るおそれがある
古家付き土地の印象が悪いと、買い手がつきにくくなり、最悪の場合、一生売れ残ってしまうおそれがあります。
一般の買い手にとっては、悪い印象を受ける土地を見ても、購入後に理想のマイホームを作り上げられるイメージができないからです。
買い手にとって印象が悪い古家・土地の一例
- 屋根や壁の一部が剥がれ落ちている
- 庭の手入れがされず雑草が生い茂っている
- 大量のツルが家屋に巻き付いている
このように、印象が悪い古家付き土地は、リフォーム目的で物件を探している買い手にとって、購入意欲が削がれてしまいます。
ただし、このような状態の悪い古家付き土地でも専門の不動産買取業者に依頼すれば売却可能です。
専門の買取業者はこのような古家付き土地をうまく活用し、利益を生み出すノウハウを持っているためです。
弊社Albalinkも古家付き土地の買取に強い専門の買取業者です。
状態の悪い建物が残っており、一般の個人に売却できず困っている場合は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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リフォーム目的で物件を探している人にとって見つけにくい
古家付き土地で売り出すと、古家をリフォームして居住したい買い手にとって、物件情報が見つけにくくなるおそれがあります。
まず、古家付き土地は家屋が建っているものの、あくまで「土地」として売り出しています。
一方、リフォーム目的で物件を探している買い手の多くは、「中古の建物」の物件情報から探している可能性があります。
そうすると、たとえ家屋が残っていても、「土地」として売り出している古家付き土地だと、そもそも物件情報を見つけてもらえないことにもなり得ます。
このように、リフォーム目的の買い手は、そもそも古家付き土地の物件情報にたどり着けていないおそれがあるのです。
古家を解体して更地として売却する2つのメリット
ここまで、古家付き土地を売却するメリット・デメリットについてお伝えしてきましたが、売却方法として、古家を解体して、更地にしてから売却する方法もあります。
古家を更地にしてから売却した方が良いのだろうかと迷っている方もいるかと思いますので、そうした方に向け、この章と次章で、更地にしてから売却するメリット・デメリットをお伝えします。
まず、更地として売却する際のメリットとしては以下の2つが挙げられます。
- 新築検討層に訴求しやすい
- 高値で売却できる可能性が高まる
それぞれ解説します。
新築のための土地を探している買い手がつきやすい
古家を解体し、更地にしてから売り出せば、マイホームを建てる土地を探している一般の買い手がつきやすくなります。
古家があるより土地の広さがわかりやすく、解体の手間もないため、新築建築にすぐに着工できるためです。
また、更地であれば地下埋設物や土壌汚染などの調査ができますので、買い手に安心感を与えられます。
ただし、最寄駅から徒歩で20分以上かかったり、市街地まで車で30分以上かかるような立地の場合、暮らすのに適さないため、更地にしても買い手がつかない可能性があります。
そのような悪立地の場合は、まずは費用をかけず古家付き土地で売り出して、半年以上売れなければ専門の不動産買取業者へ売却することを検討しましょう。
専門の不動産買取業者であれば悪立地であっても買い取ってくれるためです。
詳しくは記事内の「買取での売却がおすすめな古家付き土地」をご確認ください。
高値で売却できる可能性が高まる
古家を解体して更地にした方が古家付き土地より高額で売却できる傾向があります。
すでに更地になっているため、買い手から解体費用分の値引きを求められないためです。
また、更地であれば土地を自由に使えるため、マイホーム用の土地を探している買い手だけでなく、店舗や駐車場としての活用を考えている人も買い手となり得ます。
購入希望者が増えれば競争原理が働き、より良い条件で売却できる可能性が高まります。
古家を解体して更地として売却する2つのデメリット
古家を解体して更地にして売却することには以下のようなデメリットもあります。
- 各種調査や地盤改良のコストがかかる
- 再建築不可では建物を建築できない
それぞれ解説します。
特に自身の古家付き土地が、再建築不可の土地の場合、建物を解体してしまうと売却できる可能性が大きく下がってしまうため、ぜひご確認ください
各種調査や地盤改良のコストがかかる
古家の解体後には地中埋設物の確認、土壌調査、地盤調査などの調査が必要となります。
埋設物が見つかった場合は、撤去するにしても、調査を実施するにしても費用がかかります。
たとえば、コンクリートのがれきなどが埋まっていた場合、1㎡あたり最低でも12000円の費用がかかります。
仮に5㎡四方にコンクリートのがれきが埋まっていた場合、最低でも6万円の撤去費がかかるということです。
また、築年数が経過した古家の解体後の土地は地盤が固くなっているケースが多く、地盤の改良が必要となることもあります。
地盤改良の費用相場は以下の通りです。
- 浅い部分を改良する表層改良で30万円〜
- 深い改良の柱状改良で50万円〜
- さらに深いところを改良する鋼管杭を使用する場合は70万円〜
このように、更地にすることで調査や工事が必要となり、解体費用以外にも出費が必要となる可能性があります。
再建築不可では建物を建築できない
あなたが所有する古家付き土地が再建築不可物件の場合、現存する建物を取り壊すと、その場所に建物を建てられなくなります。
再建築不可物件とは、建築基準法を満たしていないなどの理由で、建て替えができない土地のことです。
再建築不可物件を更地にしてしまうと、建物が建てられないため、駐車場や資材置き場などの限定的な用途での活用しかできず、買い手も限られてしまいます。
ですから、古家付き土地の建物を解体する場合は、必ずその土地が再建築不可物件ではないか、役所に確認しましょう。
なお、解体してしまってから再建築不可物件だとわかり、売却できずに悩んでいる方はぜひ一度、下記無料買取査定フォームより、弊社Albalinkにご相談ください。
弊社は訳ありの土地の買取に強い専門の不動産買取業者ですので、再建築不可物件であっても問題なく買い取ることができます。
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また、下記の記事でも再建築不可物件の売却方法を解説していますので、合わせてご確認ください。
古家付き土地の売却価格を決める3つのパターン
古家付き土地を売却するメリット・デメリットについて理解していただいたところで、古家付き土地の売却価格について解説します。
古家付き土地の売却価格は以下の3パターンで決まります。
- 物に残す価値がある場合の売却価格
- 建物の解体を前提とした売却価格
- 開発分譲する土地としての売却価格
それぞれ解説します。
建物に残す価値がある場合の売却価格
築20年~25年以上の建物の「商品」としての価値はゼロとされています。
そのため、築20年未満の建物はまだ価値があり解体費用は不要と判断されます。
そのため、売却価格は土地の価格とイコールになります。
また、築20年以上であったとしても、買主が建物も利用できると判断すれば、売却価格は土地の価格となります。
つまり、建物に価値がある場合は、建物が残っていても同様の立地の更地と同等の価格で売却できる見込みがあるということです。
建物の解体を前提とした売却価格
前項で、築20年~25年以上の建物の「商品」としての価値はゼロになるとお伝えしました。
これは国が定めた耐用年数に基づくもので、20年を過ぎたからといってすぐに価値がゼロになるわけではありません。
しかし、一般的に築30年~40年以上経っている場合は資産価値は無いと考えた方がいいでしょう。
そうした建物が残る古家付き土地の売却価格は土地の価格から解体費用を差し引いた価格となります。
しかし、築30年~40年以上経っている建物が残る場合でも、専門の不動産買取業者であれば価値を見出し、適正価格で買い取ってくれる可能性があります。
弊社Albalinkも専門の買取業者として、築年数の古い建物をできる限り高値で買い取れます。
古家付き土地を少しでも高値で売却したい場合は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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開発分譲する土地としての売却価格
先述したように、土地が広い場合、開発分譲(複数の分譲住宅を建てるために土地を開発すること)用の土地として不動産業者が購入することもあります。
ただし、その場合の売却価格はここまで述べた2つの場合より安くなります。
なぜなら、上記画像を見てもらえばわかる通り、開発分譲するためには土地に道路を通す必要があり、元の土地の価格から建物の解体費用と道路部分の土地の価格が差し引かれるためです。
分譲用の土地として開発できるほど広い土地を所有している人は稀だと思いますが、もし広い土地を古家付き土地として売却する場合は、できる限り個人の買手を探した方が高く売れると覚えておきましょう。
古家付き土地の立地や希望条件に合った売却方法の選び方
古家付き土地を売却するには、所有する土地の立地やその他条件に合わせて、仲介業者に売却するか、専門の買取業者に売却するか、選択する必要があります。
仲介は仲介業者が一般の個人の売主と買主を結びつける売却方法です。
一方、買取は売主から介護り業者が直接物件を買い取る売却方法です。
仲介の場合、買手が一般の個人となるため、売却できる古家付き土地の条件が限られています。
そのため、仲介で買い手が付かない場合は、買取での売却に切り替えましょう。
まずは、2種類の不動産売却方法「仲介」「買取」の違いを解説したのち、所有する古家付き土地の最適な売却方法をご案内していきます。
なお、仲介と買取の違いは以下の記事でも詳しく解説しています。
2種類の不動産売却方法「仲介」と「買取」の違い
仲介と買取の違いは主に以下の4点です。
- 売却までのスピード
- 売却額
- 売主が負担する売却経費
- 契約不適合責任の有無
上記の項目について、違いを表でまとめると以下のようになります。
項目 | 仲介 | 買取 |
---|---|---|
売却までのスピード | 平均3ヶ月~半年程度 | 平均1ヶ月程度 |
売却額 | 市場価格 | 市場価格から買取業者の経費が差し引かれた価格 |
売主が負担する売却経費 | リフォーム費用や仲介手数料など | 無し |
契約不適合責任の有無 | 有り | 無し |
売却スピードは買い手を探す必要がないため、買取の方が圧倒的に早くなります。
仲介の場合、買手が見つからなければ永遠に売れ残る恐れがあります。
また、買取業者は買取後に必要なリフォームなどを施すため、売主負担の売却経費もかかりません。
売買契約が成立した際に仲介業者に支払う報酬(仲介手数料)も買取では不要です(記事内の「【仲介のみ】買主と売買契約を結ぶ」参照)。
ただし、買取の場合、売却価格は仲介より安くなります。
買取業者が買取後に行うリフォームなどの費用が差し引かれるためです。
また、仲介の場合は売主に契約不適合責任が課せられますが、買取の場合は免責されることがほとんどです。
契約不適合責任とは売却後に売買契約書に記載のない不具合が不動産に見つかった場合、売主が買主に負う責任です。
たとえば、買主が購入後に古家付き土地の建物を解体したところ、地中から契約書に記載のない埋設物(建築材など)が見つかった場合、売主は契約不適合責任を問われ、埋設物の撤去などの対応を迫られます。
もし対応できなければ、損害賠償請求をされたり、売買契約を解消されてしまう恐れもあります。
買取の場合は、このような契約不適合責任を問われるリスクがありません。
専門の買取業者は購入前に物件の不具合をある程度見抜くことができるのと、仮に予期せぬ不具合があってもそうしたリスクを見込んだ買取価格にしているためです。
仲介と買取の違いを理解していただいたところで、次項では仲介での売却が向いている古家付き土地と、買取での売却が向いている古家付き土地について、具体的に解説していきます。
なお、契約不適合責任については以下の記事でわかりやすく解説していますので、参考にしてください。
仲介での売却がおすすめな古家付き土地
仲介は、一般人消費者からのニーズが高い古家付き土地でなければ、売却できません。
前述した通り、仲介の買主となるのは、主に一般消費者だからです。
そのため、生活に便利で、新築需要や、リフォームしてから居住する需要がある高いエリアに位置する古家付き土地は、仲介での売却がおすすめです。
具体的には、下記のような土地が例としてあげられます。
仲介での売却がおすすめな古家付き土地の例
- 最寄りの駅まで歩いていける距離にある土地(都会の場合)
- 市街地や、生活に必要な施設まで、車で数分程度で着く距離にある土地(地方の場合)
- 再開発が進み、新築住宅が積極的に建設されているエリアにある土地
とはいえ、仲介は、一般消費者からのニーズが高い土地を売却するにも、売買が成約できるまで、およそ3ヶ月から半年かかるうえに、金額以外のメリットはありません。
そのため、都心で好立地な場所にある土地でない限りは、豊富なメリットが得られる買取での売却をおすすめします。
買取での売却がおすすめな古家付き土地
買取は、一般消費者からのニーズが見込めない古家付き土地であっても、売却が可能です。
前述したとおり、買主である買取業者は、事業目的で不動産を購入するため、再販による事業が成り立つ見込みがあれば、買い取れるからです。
そのため、生活するうえで利便性が低い土地は、買取で売却しましょう。
具体的には、下記のような土地が例としてあげられます。
買取での売却がおすすめな古家付き土地の例
- 駅まで20分から30分以上かかる土地(都会の場合)
- 市街地まで車で30分以上かかる土地(地方の場合)
そのほか、下記のような古家付き土地でも、買取業者であれば売主の負担なく、買い取ってくれます。
- 建物内の家財やゴミの撤去が難しい土地
- 境界が未確定の土地
- 地中に埋設物等がある恐れがある土地
それぞれ解説します。
建物内の家財やゴミの撤去が難しい土地
古家に大量の家財やゴミがあるなど、売却前の撤去が難しい場合は、買取業者に依頼しましょう。
買取業者であれば、撤去に必要な費用だけ差し引いたうえで、そのまま買い取ってくれます。
そのため、売主はわざわざ残置物を処分する必要が一切ありません。
なお、室内に家財やゴミ(残置物)のある家を売却したい方は以下の記事をご参照ください。
境界が未確定の土地
境界が未確定の土地でも、買取業者であれば、そのまま買い取れます。
売買手続きと合わせて、境界を確定する手続きもおこなってくれるからです。
仲介であれば、売却前に売主が費用を支払って「土地家屋調査士」という専門家に依頼し、土地の境界を確定しなければなりません。
ですが、買取であればその費用も含めた金額で買い取れるため、売主自身が直接費用を支払ったり、手間をかける必要はありません。
なお、境界が未確定の土地の売却方法については以下の記事をご参考にしてください。
地中に埋設物等がある恐れがある土地
地中埋設物が心配な土地でも、前述のとおり、専門の買取業者であれば売主の契約不適合責任を免責できます。
コンクリート片や木材など、地中に埋まっている建築資材等の廃棄物のこと。建物を建てる際の基礎工事を阻害する原因になる。
本来、建物を取り壊した際に発生した廃棄物は、廃棄物処理法にのっとって適切に処分することが定められています。
しかし、現在より法令遵守の意識が低かった頃(およそ30年から40年以上前)は、解体業者等が建築資材等を適切に処分せず、地中に埋めて隠してしまうことが頻繁にありました。
そのため、築年数が30年から40年以上、またはそれ以上経過している古家が建っている土地の場合、埋設物が発見される可能性があります。
弊社Albalinkも契約不適合責任なしで古家付き土地を買い取れます。
売却後まで物件の責任を負いたくない方や、契約不適合責任を問われないか、心配しながら過ごしたくないという方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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古家付き土地の売却の流れと費用
古家付き土地の売却方法を理解していただいたところで、実際の売却の流れや売却にかかる費用について解説します。
古家付き土地の売却の流れは以下の通りです。
- 【仲介・買取】複数の業者に査定依頼をする
- 【仲介・買取】不動産業者と契約を結ぶ
- 【仲介のみ】仲介業者が売却活動を行う
- 【仲介のみ】買主と売買契約を結び、仲介業者に仲介手数料を支払う
- 【仲介・買取】決済・引き渡し
- 【仲介・買取】確定申告を行い譲渡所得税を納める
上記で【仲介・買取】となっているものは仲介、買取共通の項目となります。
一方【仲介のみ】となっているものは買取では不要な手続きとなります。
前章でもお伝えした通り、買取は仲介より売却手順が少なく、素早く売却することができます(下図参照)。
では、どのタイミングでどんな費用がかかるかも含め、順に売却の流れを解説していきます。
【仲介・買取】複数の業者に査定依頼をする
仲介、買取いずれで売却する場合でも「古家付き土地」を扱った経験のある複数(3社以上)の不動産業者に査定依頼を出しましょう。
不動産業者によって査定額が異なるためです。
また、仲介の場合は事前に自身の古家付き土地の相場を調べておくと査定額が相場と比べて高いか安いかの判断がつきます。
古家付き土地の相場は不動産ポータルサイト(SUUMOなど)で同様の地域、立地の土地の売却価格を調べることがでわかります。
建物が古い場合は同様の更地の売却価格から解体費用として150万円程差し引いた額が相場となります。
一方、買取価格は土地の立地や状態、建物の状態によって変わるため、一般の方が正確に把握することは困難です。
そのため、事前に相場を調べることはせず、すぐに査定依頼を出して構いません。
なお、査定依頼を出す買取業者の選び方については記事内の「古家付き土地を高額売却できる専門の買取業者を選ぶ手順」で解説していますので、参考にしてください。
【仲介・買取】不動産業者と契約を結ぶ
不動産業者が決まったら、契約を結びます。
仲介の場合は仲介業者と媒介契約を結び、その後、その仲介業者に物件の売却活動を任せることになります。
一方、買取の場合は買取業者が売主から直接物件を買い取るため、不動産売買契約を結ぶことになります。
なお、不動産売買契約書を作成する際は契約書を作成する費用として印紙代がかかります。
印紙代は売却価格によって異なります(下図赤枠参照)。
また、購入した印紙は下図のように売買契約書に貼付します。
買取の場合、販売活動などはないため、売買契約を結んだ後は決済と引き渡しに進みます(この記事の「【仲介・買取】決済・引き渡し」を参照ください)。
【仲介のみ】仲介業者が売却活動を行う
媒介契約後、仲介業者が物件の売却活動を行います。
具体的には不動産ポータルサイトや店頭で物件情報を公開し、買い手を募ります。
古家付き土地を売却する場合は、売主も土地の測量を家屋調査士などに依頼し、土地の正確な面積を算出する必要があります。
測量の依頼費用は50万円程です。
また、前述しましたが、室内に家財やゴミなどが残っている場合は事前に回収しなくてはなりません。
家財やゴミが残った家は解体するにも解体するにも余計に費用がかかり、買い手がつきにくいためです。
ただし、回収業者に回収を依頼すると、家財やゴミの量にもよりますが、5万円~10万円ほどかかります。
そうした費用をかけても、仲介で買い手が見つかるまでには3ヶ月から半年ほどかかります。
古家付き土地は更地より買い手が付きにくいため、最悪、永遠に売れ残ってしまう恐れもあります。
もし、半年以上売れない場合は買取での売却を検討した方がいいでしょう。
【仲介のみ】買主と売買契約を結び仲介手数料を支払う
仲介で買い手が見つかったら、売主と買主の間で不動産売買契約を締結します。
また、売買契約が成立したら仲介業者に仲介手数料を支払います。
仲介手数料の上限は売却金額に応じて以下のように定められています。
基本的に仲介手数料は上限いっぱいまで請求されます。
そのため、たとえば500万円で売却できたとしても、仲介手数料で21万円(500万円×3%+6万円)支払うことになります。
仲介の場合は売却後も仲介手数料として十万円以上の出費があるかもしれないことを頭に入れておきましょう。
【仲介・買取】決済・引き渡し
売買契約を締結したら、決済と引き渡しを行います。
仲介の場合は買主から、買取の場合は買取業者から売却代金を受け取り、物件を引渡したら売買手続きは完了です。
なお、その後司法書士が物件の所有権移転登記(物件の所有権を売主から買主へ移転させる手続き)を行いますが、売主の費用負担はありません。
ただし、物件に抵当権が設定されたままになっている場合は、売主負担で抵当権抹消登記を行う必要があります。
抵当権
金融機関などが、債務の担保にした不動産などについて、他の債権者に先立って自己の債権を回収する権利
抵当権設定の有無は法務局で登記簿謄本を確認すれば調べられます。
【登記簿謄本】
抵当権抹消費用は1件1000円ですが、登記手続きは煩雑なため、司法書士などに依頼する方が確実です。
依頼費用は1件15000円ほどです。
古家付き土地を売却する際は、事前に抵当権が抹消されているか確認しておきましょう。
【仲介・買取】確定申告を行い譲渡所得税を納める
古家付き土地を売却し、譲渡所得が発生した場合は、売却した翌年の2月16日~3月15日の間に最寄りの税務署で確定申告を行い、譲渡所得税を納めます(譲渡所得税については記事内の「マイホーム3000万円特別控除の適用期間が長い」を参照ください)。
相続空家の3000万円特別控除が適用できれば節税できる
相続した空き家を古家付き土地として売却する場合、要件を満たせば「相続空家の3000万円特別控除」が適用される可能性があります。
この控除は先述の「マイホーム3000万円特別控除」同様、譲渡所得を3000万円控除できる特例です。
控除が適用され、譲渡所得がゼロになれば譲渡所得税を支払う必要はありません。
適用要件は以下の通りです。
- 相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋であること
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
- 区分所有建築物(マンション等)以外の家屋であること など
また、適用期間は平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売却した物件となります。
なお、細かい適用要件については国税庁のHPをご確認ください。
また、マイホーム3000万円特別控除については以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
古家付き土地を高額売却できる専門の買取業者を選ぶ手順
ここまで、古家付き土地を売却する「仲介」「買取」2種類の方法について、それぞれご紹介してきました。
たしかに、前述の通り立地がよく、高い新築需要が見込まれる古家付き土地は、仲介で売却することで、より高い金額設定で売り出すことが可能です。
しかし、それ以外の仲介で売却するメリットはどうでしょうか?
実際のところ、売却が見込める金額の高さ以外においては、専門の買取業者に古家付き土地を買い取ってもらう方が、圧倒的に多くのメリットを得られます。
専門の買取業者に買取を依頼すれば、どのような古家付き土地であっても、売主は売却にかかる経費等を一切負担せず、短期間で売却できるからです。
そのため、需要がない物件なら、仲介で何か月も、あるいは何年も買い手を待たずに、専門の買取業者に直接買い取ってもらいましょう。
それでは最後に、古家付き土地を少しでも高く買い取ってくれる専門の買取業者を見極める、下記3つの手順をご紹介していきます。
より高額買取してくれる専門の買取業者を選ぶ手順
- 買取実績が豊富な業者をピックアップする
- 複数の買取業者に査定を依頼する
- 査定価格の明確な根拠を担当者に聞く
手順を1つずつ見ていきましょう。
古い家屋を買い取る高い専門性がある買取業者をピックアップする
古い家屋を積極的に取り扱っている専門の買取業者は、古家付き土地を高額で、高確率で買い取れます。
これまで古い家屋を買い取ってきた経験や知識、再活用の選択肢、売却が見込まれる取引先などを、豊富に蓄積しているからです。
だからこそ、必要以上に売れ残りのリスクヘッジしないため、その分を買取価格に還元できます。
逆に、古い家屋を専門としない買取業者は、売れ残るリスクを考慮して査定価格が安価になることや、そもそも買い取ってもらえないこともあります。
そのため、まずは、古い家屋を専門としている買取業者かを、ホームページを見て確認しましょう。
弊社では、これまで多くの古い家屋等を買い取り、再生してきました。
テレビ朝日の「グッド!モーニング」にも、訳あり物件専門の買取業者として紹介された実績もあります。
全国を対象として買取査定をおこなっておりますので、「とりあえず査定だけ」という方も、ぜひご連絡ください。
>>【古家付き土地のままでも高額売却!】無料で買取査定を依頼する
複数の買取業者に査定を依頼する
実績が豊富な買取業者をピックアップしたら、先述したように3社以上に査定を依頼します。
3社以上の査定を比較しなければ、およその平均額を把握できないからです。
査定を依頼する業者が多すぎても、担当者とのやりとりが売主にとって負担になってしまうので、およそ3社程度にしぼって査定を依頼しましょう。
査定価格の根拠を担当者に聞く
複数の買取業者から査定を受け取ったら、査定価格の根拠を各業者の担当者に聞きましょう。
買取業者のなかには、高い査定価格を提示しておきながら、契約直前になにかと理由を付けて金額を下げようとする悪質な業者もいるからです。
そのため、必ず担当者に査定価格の根拠を聞き、納得できる説明をしてくれた業者の中で、もっとも高額な査定価格を提示した買取業者を選びましょう。
なお、弊社Albalinkでは、周辺の買取事例や、再販までにかかるコスト(リフォーム費や、解体費等)等を提示しながら、査定価格の根拠をわかりやすく説明しています。
また、弊社は不動産買取業者として上場も果たしており、社会的信用もあるため、先述したような悪質な買取は行いません。
なお、以下の記事では空き家となっている古家を買い取っている専門の買取業者を30社ご紹介しています。
古家を早く売却したいとお考えの方は、ぜひご参照ください。
古家付き土地の売却事例
実際の古家付き土地の売却事例として弊社Albalinkに売却いただいた事例を紹介します(下記参照)。
【築30年と築80年以上の建物が建つ土地】
築30年の物件は盛土(斜面などを平地にするため、土地に土を盛って固めること)がされており、盛土に排水機能がない。
また、築80年の建物は未登記物件。
上記のような問題を抱えた建物が2棟建つ土地でしたが、弊社は60万円で買取を行いました。
弊社がこのような土地でも買い取れるのは、問題を解消したうえで、以下のように土地を活用し、利益を生み出すノウハウがあるためです。
- リフォームし、賃貸物件として貸し出す
- 不動産投資家に販売する
実際弊社に古家付き土地を始め、物件を売却いただいたお客様からは「スムーズに買い取ってもらえた」「親切に対応してもらえた」といった感謝の言葉を多数いただいております。
古家付き土地をスピーディーに、なるべく高値で売却したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
>>【古家付き土地のままでも高額売却!】無料で買取査定を依頼する
まとめ
古家付き土地として売却することで、売主は下記のようなメリットを得られるため、土地を売却する方法として大正解の選択肢と言えます。
- 解体費用がかからない
- たとえ売却できなくても固定資産税を抑えられる
- 建物の契約不適合責任を免責できる
ただし、買い手にとってニーズが無ければ、永遠に売れ残ってしまうおそれもあります。
そのため、一般消費者からのニーズが見込めない古家付き土地は、買取業者に依頼し、直接買い取ってもらいましょう。
買取業者に依頼することで、高い確率で1週間から1ヶ月程度で売却できます。
買取を依頼する業者を選ぶ際は、より高額買取してくれる専門の買取業者を選ぶ手順を参考にしてみてください。
なお、ここまでご案内してまいりました弊社「株式会社AlbaLink(アルバリンク)」では、全国の古い家屋を積極的に買い取っています。
スピーディーに買取可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。