火事で人が亡くなった土地は20%〜50%ほど価格が下がる
火事で人が亡くなった土地は、通常の不動産と同様の価格帯では売れません。
この章では、人との死が発生することで価格が下がる要因や、どの程度下落するかについて解説します。
なお、次章では売却価格の大幅な下落を避ける方法について紹介するのでご安心ください。
まずは、いわくつき土地の価格の下落について理解を深めましょう。
火事が起きた土地は事故物件になる
事故物件とはどんな物件か?と聞かれると人が過去に亡くなった物件を想像しますが、火事の発生も事故物件に該当します。
「火元は七代祟る」ということわざがあるほど、火事があった土地は敬遠されがちです。
火災を起こした火元の家は多くの人から恨まれるので、7代経っても恨みが消えないという言い伝え。
火事が起きた土地は、火災の規模・経過年数を問わず、すべて心理的瑕疵に該当します。
心理的瑕疵とは、不動産売買における買主に心理的な抵抗感を与える事柄のことです。
後ほど解説しますが、土地・建物が本来あるべき住み心地を欠いている場合、売買契約時に買主に心理的瑕疵の事実を伝えなくてはならない「告知義務」があります。
なお、心理的瑕疵の定義については以下の記事で詳しく解説しています。
価格の下落幅は目安でしかなく一概には言えない
いわくつきの土地の下落幅は、事故の規模・買主の捉え方によって大きく異なります。
加えて、不動産全般に言える物件の立地・建物の状態などの要素によっても左右されます。
例えば、火事で人が亡くなった土地でも場所が人気の一等地などでは、むしろ購入したいと考える層も一定数見込まれるでしょう。
反対に、居住ニーズのない土地での火災事故では、永遠に売れ残る可能性が高いです。
このように、不動産の状況を総合的に判断して価格が決定されるので、一概に「火災事故があった土地 = ◯%下落する」と予想するのは難しいのです。
所有している土地の下落幅が心配な方は、不動産業者に査定を依頼して現地確認してもらいましょう。
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事故物件・いわくつき土地の相談も歓迎しておりますので、いつでもお気軽にご連絡ください。
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不動産業者の選び方にはいくつかポイントがあるので、後ほど詳しく解説します。
火事による売却額の下落を左右するポイント
火事で人が亡くなった土地の売却額の下落を左右するポイントは、下記の3つです。
- 建物の損傷具合
- 立地条件
- 人が死んだか
この中でも、人が亡くなったかどうかは売却額に大きく影響します。
価格の下落幅が小さく済むケース
火事で人が亡くなった土地が、いわゆる好立地であれば下落幅が小さくて済みます。
例えば、都心部の駅から徒歩10分圏内、または地方部では主要市街地まで車で15分圏内のエリアにある土地などです。
また、火災事故の程度として、家事がぼや程度であれば売却額に大きく影響しない傾向にあります。
ぼやとは、消防庁の定義では「焼損床面積が1㎡未満、または収容物のみ焼損したもの」を指します。
人が亡くなっておらず、壁の一部分に燃え跡がついた程度の火事であれば下落幅は小さいです。
価格の下落幅が大きくなりがちなケース
上記の逆で、都心部から駅まで徒歩10分以上・地方部では主要市街地まで車で15分以上などの悪立地だと下落幅は大きい傾向にあります。
火事の程度も大きく、人が亡くなっている土地は大きく下落します。
これは、前述した買主が感じる心理的瑕疵が大きくなってしまうためです。
例えば、壁一面に焼け跡があるなど物理的な問題であればリフォームなどで改善できますが、心理的瑕疵は気持ちが影響しているので改善しようがありません。
そのため、不動産の用途としても扱いづらく下落率は大きくなりやすいのです。
火事で人が亡くなった土地でも売却できる3つの方法
火事で人が亡くなった土地は事故物件となってしまい、価格の下落が避けられません。
しかし、次に解説する3つの方法のいずれかを選択すれば大幅な下落は避けやすくなります。
事故物件の売却方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
更地にして売却する
建物が火事を想起するような損傷状態であれば、解体して更地にしたほうが心理的抵抗感が薄れるでしょう。
ただし、更地にするには30坪程度のコンパクトな木造住宅でも90万円〜150万円と高額な費用がかかってしまいます。
また、次の見出しで解説しますが、建物が無くなっても火事があった事実を告知する義務が消えるわけではないので、費用対効果に見合わない結果になる恐れがあります。
しかし解体しても売却できるとは限らないため、事前に需要があるかどうかをしっかりと見極める必要があります。
建物を解体したほうがよいか迷っている方は、以下の記事をご参照ください。
解体しても告知義務は無くならない
不動産売買では、事故物件を解体したとしても告知義務は永遠に残るとされています。
告知義務とは、不動産売買において売主から買主へ、物件の瑕疵を正直に伝えなければならない義務のことです。
欠点や欠陥など、一般的に不動産に備わっているはずの機能・品質・性能・状態が欠けていること
つまり、契約の時点で買主が「知っていたら契約しなかったのに」と思うようなことは伝えなくてはなりません。
告知義務を怠ると、契約書と適合しないとみなされ、買主は売主に対して損害賠償や契約解除を求められる恐れがあります。
実際に起きた告知義務の判例を見ていきましょう。
建売住宅用地として購入した土地が、売買より約1年4ヶ月前に自殺事件があった建物を取り壊して更地にされた土地だった。
売主が本物件において自殺があったことを買主に告げなかったとして損害賠償を請求し、売買価額の25%に相当する262万円が容認された事例。
参照元:東京地裁18.7.27
この判決からわかるのは、解体して更地になっていても告知義務が生じることです。
告知義務に関しては、「後々トラブルになったら嫌だから、とにかく小さなことでも契約書に記載して伝えておこう」といったスタンスのほうが安全と言えます。
告知義務については、以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
心理的抵抗感の少ない用途で売りに出す
人が住む前提で売りに出すと、住宅としては瑕疵が大きいので安価になりやすいです。
しかし、不動産の用途を駐車場や商業地として売りに出すのであれば、さほど火災の事実が心理的に影響しません。
基本的には、住宅地として売り出すほうが不動産価値は高くなりますが、火事が起きた場合は逆転するケースもあります。
専門の不動産買取を利用する
専門の不動産買取業者に依頼すれば、火事が起きたそのままの状態でも適正価格で売却可能です。
上記2つの方法は建物を更地にする必要がありますが、不動産買取では売主が手を加える必要がありません。
なぜ不動産買取が丸焦げの家でもそのまま買い取れるのかというと、不動産のプロである業者が買取した物件を再生して再活用する前提だからです。
そして、同じ買取業者の中でも「事故物件に強い専門の買取業者」であれば、活用のノウハウを豊富に蓄積しており、どのような物件でも強気な価格で買取できます。
弊社も、事故物件・いわくつき土地などをはじめとした不動産を、年間600件の買取実績(※2023年1月~10月の実績)をもつ専門の買取業者です。
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信頼できる不動産買取業者の探し方
信頼できる不動産業者は、下記の手順で探しましょう。
- 事故物件に強い専門の業者をピックアップする
- 査定金額の根拠が明確な業者を選ぶ
- 担当者の言動やマナーもしっかりチェックする
まずは、買取業者の公式サイトを見て、過去の買取実績を確認します。
そこに、事故物件・いわくつき土地などの買取実績の記載があれば、ピックアップしていきましょう。
複数社をピックアップしたら相見積もりを取ります。そのうち、高く買い取ってくれそうな業者を目安として3社程度に絞り、それぞれ現地確認で正確な査定額を出してもらいます。
査定額を提示されたら、担当者になぜこの金額になったのかを聞いてみましょう。
信頼できる不動産業者であれば、過去の取引事例・再生コストなど、金額を算出するために参考にしたデータがあるはずです。
査定額の根拠が明確で担当者のマナーや言動にも問題がなければ、優良業者と言えます。
同様に、絞った3社を巡って1番査定額が高く、信頼におけると感じた不動産買取業社を選びましょう。
弊社も、売主様とWin-Winの関係が築けるような不動産取引を目指しています。
無料査定は365日承っているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
なお、以下の記事でも売れない土地を売却する方法について解説しているので、併せて参考にしてください。
火事で人が亡くなった土地を売却する際の注意点
前述した買取業者以外にいわくつき土地を売却する場合は、いくつか注意点があります。
売却後のトラブルを未然に防ぐためにも、次に解説するポイントを理解しておきましょう。
買主への告知義務は怠らない
不動産取引の中でも、賃貸契約は事故物件の告知義務の期限は原則3年が原則とされています。
一方で、不動産売買の事故物件においては告知義務に時効がありません。
参照元:国土交通省|宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取り扱いについて
売買契約の際に「家事で人が死んだ土地」と伝えると、間違いなく不利になります。
できれば、瑕疵の事実を隠したいと考える売主もいるでしょう。
しかし、不動産が抱える心理的瑕疵は、近隣住民の噂などで買主が後日知る可能性は非常に高いです。
もし、契約書に瑕疵の事実を書かないまま売買契約を締結して後日バレると、後々損害賠償など大きな損害につながりかねません。
事故物件の告知義務期間については、以下の記事で詳しく解説しています。
告知義務が生じる4つの条件
告知義務が生じるのは、下記の4つの瑕疵を不動産が抱えているケースです。
- 心理的瑕疵:自殺・殺人・火災死など過去に人の死などが発生して心理的抵抗感のある状態
- 環境的瑕疵:墓地・風俗などの嫌悪施設が近くにある、あるいは騒音・異臭などで嫌悪感のある状態
- 物理的瑕疵:雨漏り・シロアリ・壁のヒビ割れなどの物理的な欠陥がある状態
- 法律的瑕疵:消防法・建築基準法・都市計画法などの法律に違反している状態
このような買主にとって契約を締結するかどうかの判断に重要な影響を及ぼすであろう事柄は、契約時に伝えなければなりません。
これらを買主に伝えずに売買契約を締結すると、次に解説する契約不適合責任を課せられる恐れがあります。
契約不適合責任を負う羽目になる
告知義務を怠ると、売主は契約不適合責任を負う羽目になってしまいます。
契約不適合責任とは、不動産を引き渡した後に、契約書に書かれていない不具合が発覚した場合に売主が負う責任のことです。
例えば、雨漏りであれば修理をし、修理ができなければ購入代金を減額するなど、なにかしら責任を負わなければなりません。
売主の対応次第では、損害賠償や契約解除に至る可能性があり、大幅な損害となりかねない責任です。
契約不適合責任は、不動産の知識をもたない一般の買主を保護する意味合いで制定されたものです。
そのため、買取業者に売るのであれば契約不適合責任は免責になりますが、仲介業者・一般個人へ売却する場合は契約不適合責任を負わなければなりません。
>>【契約不適合責任は一切ナシ】訳あり不動産の売却はアルバリンクへ!
火災保険に加入していれば保険金で修繕しておく
火災保険に加入しているのであれば、売却活動の前に保険金で修繕しておきましょう。
保険金の申請の流れは下記のとおりです。
- 保険会社へ連絡をする
- 修理業者へ見積もり依頼をする
- 必要書類の準備・提出をする
- 保険会社による調査を受ける
- 保険金が入金される
なお、空き家でも加入できる火災保険について知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
売買契約を結んでから引き渡しまでの火事が発生した際は売主の責任になる
売買契約の締結から引き渡しまでの期間内に火事が発生した場合は、売主の責任になります。
売主の過失によって火事が発生したのであれば、民法415条の債務不履行により、損害賠償責任・契約解除・代金減額請求などの責任を負わなくてはなりません。
契約によって約束していた義務を果たさないこと
売主に過失がなかった場合は損害賠償の義務はありませんが、契約解除は免れません。
一般的に不動産売買では、売買契約から引渡しまでに1週間〜1ヶ月程度の期間があきます。
引き渡すまでの間に、万が一のことが発生しないよう留意しましょう。
物件で火災が起きた際にやることリスト
この章では、所有している物件で火災が起きた際にとるべき対応を解説します。
総務省消防庁の令和3年版消防白書によると、令和2年には3万4,691件もの建物で出火が起こっており、火災は身近な災害であることがわかります。
万が一、自身の所有している物件に火災が起きたときの対処法を把握しておきましょう。
保険会社への連絡
火事が起きたら、まずは契約している保険会社へ連絡しましょう。
火災保険に加入していれば、保険の対象物が受けた損害に対して支払われる「損害保険金」と、火事によって必要になった生活費などをプラスで支払われる「臨時費用保険金」の2種類を受け取れます。
臨時費用保険金は損害保険金に付帯したプランで契約していれば適用になるので、契約内容もしておきましょう。
一般的に火災保険の多くは実損払いの契約となっています。
実損払いは、あらかじめ設定された保険金額を上限として、実際に発生した損害額が支払われる仕組みのことです。
火事が起きた後に修繕や解体などで手を加えてしまうと、これらの保険サービスが受け取れなくなる恐れがあるので、まずは保険会社への連絡が重要です。
損害保険等、様々な保険について詳しく知りたいという方はエコスマほけんの記事も参考にして下さい。
参考:気軽にわかりやすく保険・お金を学べるエコスマほけん
罹災証明書の発行
物件で火災が起きてしまった際には、罹災証明書の発行を忘れずに行いましょう。
罹災証明書とは、消防署で発行できる建物の被災状況を証明する書類です。
罹災証明書の発行手順は下記のとおりです。
- 住所地を管轄する消防署に罹災証明書の発行申請をする
- 消防署から委託されている調査員が現場の被害状況を確認する
- 調査員が被災状況を確定して罹災証明書が発行される
罹災証明書の申請から発行までにかかる期間は、1週間〜1ヶ月程度です。
建物が全焼した際は家屋滅失登記
建物が全焼している場合は建物(家屋)滅失登記の申請をしましょう。
建物滅失登記とは、建物が火災で焼失したり、建て壊したりして建物が滅失したときに行う登記のことです。
土地の売却をする際に、建物の登記情報が残ったままになっていると、売却活動時に支障をきたす可能性があります。
建物滅失登記の申請に必要な書類・取得方法を下記にまとめました。
必要書類 | 取得方法 |
---|---|
建物滅失登記申請書 | 法務局の窓口・もしくは法務局ホームページでダウンロード |
建物滅失証明書 | 解体業者から取得 |
解体業者の資格証明書(印鑑証明書・代表者事項証明書など) | 解体業者から取得 |
また、建物滅失登記の申請を1ヶ月以上怠ってしまうと、不動産登記法第57条・第164条により、10万円以下の過料に処せられる恐れがあります。
建物が全焼した場合には、すみやかに法務局へ申請をしましょう。
まとめ
今回の記事では、火事で人が亡くなったいわくつき土地の売却方法や注意点について解説しました。
心理的瑕疵を抱えた土地は、普通の不動産と同じ価格では売れません。一概に◯%下がるといった定義はなく、買い手の捉え方次第で売却価格は大幅に下落する可能性もあります。
少しでも高く売却したいとお考えでしたら、訳あり不動産の取り扱いに長けている専門の買取業者へ査定を依頼しましょう。
一般的に敬遠されやすい不動産でも再生させるノウハウがあるので、強気な価格で買取ができます。
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