自治体は空き家の「買取」「寄付」を基本的に受け入れない
空き家の処分方法に困ったとき、「自治体に買い取ってもらいたい」「寄付したい」と考える方は少なからずいるかと思います。
しかし結論から言って、自治体が空き家の「買取」「寄付」を受け入れるのは、自治体にとって明確な使用目的がある土地のみです。
なぜなら、自治体が空き家の買取や寄付を受け入れてしまうと、固定資産税、エリアによっては都市計画税による税収が無くなってしまうからです。
固定資産税による税収は自治体の税収の約41%を占めており、重要な財源になっています。
そのため自治体としては、空き家所有するよりも地域住民が所有し固定資産税を納め続けてもらいたいのです。
また空き家を買い取るとなれば、購入費用やその後の管理費用等を税金から支払うことになるので、住民が納得できる公共目的で活用できる土地である必要があり、買取を受け入れることは滅多にありません。
公共的な使用目的の具体例
-
- 都市計画道路
- 多目的広場
- 防災広場用地
(ただし事業着手までの間は学童保育所や駐車場、資材置き場などとして利用される場合もある。)
ただし、がっかりする必要はありません。
自治体が買い取ってくれなくても、専門の不動産買取業者であれば、空き家を買い取ってくれるからです。
次章「処分方法に困った空き家は買取業者に買い取ってもらうのが一番」で空き家を買取業者に買い取ってもらうメリットについてお伝えしますので、ご確認ください。
なお、自治体への不動産の寄付に関する実情については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
自治体に空き家の買取を依頼する手順
とはいっても、自治体に土地買取希望申請書を提出すれば、空き家の買取を依頼すること自体は可能です。ただし前述のとおり、実際に買取依頼を受け入れてもらえることはほぼありません。
土地買取希望申請書は自治体ごとにフォーマットがありますが、記入事項に大きな違いはなく、主な記入内容としては以下の通りです。
【主な記入内容】
- 申請者の住所、氏名
- 土地の地番や地目(土地の用途)、面積
- 土地上にある建築物等の用途や構造
- 買取希望価格
記入時に注意したいのは、買取希望価格を記入しなければいけない点です。
高すぎる金額では余計買い取ってもらえませんので、国が定めている「路線価」をもとに算出しましょう。
道路に面している場所ごとに決められている土地を評価する価格のこと
路線価を求める方法は以下の通りです。
路線価から買取希望価格を求める方法
- 財産評価基準書の路線価図から空き家の所在地を探す。
- 接している道路の上に書かれた数字(千円/㎡)と記号(A、B、C~)を確認する。
- 数字(千円/㎡)に1000円を乗じて1㎡あたりの価格を算出する。
- 3で算出した単価に所有する空き家の土地面積を乗じる。
- 記号に応じた借地権割合を4で算出した価格に乗じる。
土地買取希望申請書を提出したのち、買取を希望する部署や公共団体が現れれば、部署等と空き家所有者とで協議し、成立すれば売買契約を締結して買取が完了します。
自治体に空き家の寄付を依頼する手順
自治体に対し、「買取」ではなく「寄付」を申し出ることも可能ですが、いずれにしても公共の場として大きな利用価値がない限り受け付けていませんので、空き家の処分方法として現実的ではありません。
もし自治体に空き家を寄付したい場合には、空き家が所在する自治体の窓口に寄付したい旨を伝えると、自治体の担当者が調査を始めます。
前述の公共的な使用目的のように、利用目的が明確にあり、空き家等で近隣トラブルや権利関係などに特に問題が無ければ、書類を提出して寄付が完了します。
10年間の土地無償貸与を条件に除却費を助成する自治体もある
買取や寄付とは異なりますが、墨田区では10年間土地を区に無償で貸し出すことを条件に、空き家の解体費用を上限200万円まで助成する制度があります。
無償貸与された土地はポケットパークや消火器置き場、その他防災等の公共的な目的で利用されます。
ただし実際にこの制度が利用されたのは、事業を開始した平成28年度から令和4年3月までの間でたったの2件だけですので、あまり実用的とは言えないようです。
平成28年度 1 件 除却後、防災用空地として整備
平成29年度 1 件 除却後、防災用空地として整備引用元:墨田区空家等対策計画
墨田区に直接確認したところ、まず不良住宅であるかどうかの調査を自治体職員と建築士が行い、審議がされるようです。
構造や設備等が著しく不良であり、居住用建築物として著しく不適当なもの。
そのため申請する土地の要件としては、まず不良住宅であることが前提と考えられます。
また公共的な目的で利用するため、やはり土地に利用価値があるかどうかも重要なポイントになりそうです。
その他の要件や申請方法については墨田区ホームページに記載がないため、利用を検討する場合は都市計画部 危機管理担当 安全支援課 安全支援・空き家対策係に連絡をしましょう。
処分方法に困った空き家は買取業者に買い取ってもらうのが一番
自治体が空き家の買取りや寄付を受け入れてもらえなかったとしても、処分する方法は他にもあります。
そのなかでも、空き家の処分は不動産の売却方法の一つである「買取」が一番です。
その理由を説明する前に、まずは不動産の2種類の売却方法「仲介」「買取」のそれぞれについて説明します。
仲介では、売主である物件の所有者から依頼を受けた仲介業者が、主に自身が居住するために物件を探しているような、不動産知識を持たない個人消費者を買主として探します。
3か月から半年ほどかけ、SUUMOやアットホームなどのポータルサイト等に空き家の情報を掲載したり、広告を出すなどの販売活動を行って買主希望者を募り、内覧や交渉を経て売買契約を結びます。
そのため、個人消費者のニーズが高い空き家であれば買い手を見つけやすく、仲介でも売却は可能です。
個人消費者のニーズが見込める空き家の一例
- リフォーム等が不要ですぐ居住できる
- 最寄り駅まで徒歩数分圏内(都市部の場合)
- 市街地までの距離が近い(地方の場合)
- 学校や病院等の施設が充実しているエリアにある
- 再開発予定があり利便性の向上が見込まれる
実際、弊社が行ったアンケート調査によると、マイホームの購入を考えている方がもっとも優先する条件は「立地」でした。
参照元:訳あり物件買取プロ|【家を購入する際に優先したことと妥協したこと】経験者493人アンケート調査
そのためあなたの空き家の立地がよければ、仲介で買い手が見つかる可能性があります。
対して買取では、売主である物件の所有者から依頼を受けた買取業者が直接買主となります。
たとえ、個人の消費者にとって必要なリフォーム等のイメージが付きにくかったり、購入したいと思えないような空き家でも、買取業者ならコスパ良く空き家のリフォーム等を行い、再生したうえで安く再販できるノウハウを持つため、買取が可能です。
そのため空き家の処分方法は「買取」が一番と言えるのです。
仲介よりも買取が特におすすめな空き家の一例
- 築年数が20年以上経過している
- 老朽化が進行している
- 駅や市街地等から遠く離れている
このような売却方法の違いから、買取で空き家を処分するのにはいくつかメリットがあります。
なお、空き家買取に強い買取業者については、以下の記事で特徴別に紹介しています。
買取での空き家処分は最もメリットが多い
空き家を買取で処分するメリットは大きく分けて以下の通りです。
- 1週間程度で空き家を現金化できる
- 解体費用やリフォーム費用が掛からない
- 契約不適合責任の一切が免責される
- 仲介手数料がかからない
それぞれ紹介していきます。
1週間程度で空き家を現金化できる
買取であれば、1週間程度で空き家を現金化できます。
買取業者が直接買主となるので、利益が見込める物件であると判断すればすぐに買取価格を提示し、売主が納得できれば売買が成立するからです。
一方仲介では、ボロボロだったり駅から離れているなど個人消費者からのニーズが低い空き家の場合、数年単位で売れ残ってしまったり、最悪の場合永久に買い手が付かないことすらあり得ます。
弊社では、買取価格や条件等にご納得いただければ、スピーディーに買い取らせていただきます。
査定のみやご相談のみでも大歓迎ですので、ぜひ一度ご連絡ください。
>>【倒壊寸前の空き家でも高額売却!】無料で買取査定を依頼する
仲介と買取の違いをさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
解体費用やリフォーム費用が掛からない
買取では、空き家所有者が売却前に解体やリフォーム等を行う必要がありません。
前述したとおり、買取業者はそもそも解体等をして再度販売することが目的だからです。
対して仲介では、築年数が古かったり老朽化している空き家を売り出す前に、資産価値を向上させるため解体やリフォームを行うよう仲介業者から勧められることがあります。
しかし、解体やリフォームをすれば確実に売却できるとは限りません。
下手に売主が解体等をしたことで、逆に買い手側のニーズや好みに合わなくなり、結局売れ残るおそれもあるからです。
また、解体費用やリフォーム費用を支払っても収支が成り立つ金額で空き家を売却できるのは、居住ニーズが非常に高いエリアのみです。
そのため、安易に高額な費用をかけて解体等をせず、そのままの状態で買取業者に相談してみましょう。
弊社は空き家を専門とした買取業者です。
多くの空き家を買い取った実績と経験から、必要な解体やリフォームをコスパよく行えるため、その分高値で買い取れます。
売却方法のご相談だけでも大歓迎ですので、お気軽にご連絡ください。
>>【解体・リフォーム不要で空き家を売却!】無料査定フォームはこちら
空き家の解体には数百万円必要
空き家を解体しようとすれば、一軒当たりおよそ数百万円ほどの費用がかかります。
空き家の構造、面積等によって異なりますが、およその相場は下記の通りです。
(1坪=約3.3㎡)
坪単価 |
20坪 |
30坪 |
40坪 |
50坪 |
80坪 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
木造 |
3~5 |
80~100 |
100~150 |
160~200 |
180~250 |
200~300 |
軽量鉄骨造 |
6~7 |
120~140 |
150~210 |
240~280 |
200~300 |
300~500 |
重量鉄骨造 | ||||||
RC(鉄筋コンクリート) |
6~8 |
120~160 |
180~300 |
240~320 |
250~400 |
500~800 |
※アパート・長屋は3.4万円~5.6万円/坪
解体費用の詳細は下記記事をご覧ください。
また空き家を解体し更地にすると、住宅用地の特例が外されて固定資産税が6倍になるため、買い手が見つかるまでの間支払い続けなければなりません。
このように、売れるかもわからない空き家をわざわざ解体してしまえば、高額な解体費用に加えて固定資産税の負担も大きくなってしまうのです。
リフォーム費用は工事内容によって大きく異なるが数十万円から数百万円
空き家のリフォームを行う場合、1㎡あたりおよそ5万円から10万円程かかります。
ただし、どのようなリフォームを行うのかによって金額は大きく異なります。
リフォームの工事内容の一例とおよその相場は以下の通りです。
【工事内容と費用目安の一例】
浴槽交換 | 100~150万円 |
---|---|
キッチン交換 | 50~100万円 |
洗面所交換 | 10~50万円 |
雨漏り補修 (屋根の張替え工事は含まない) |
5万円~20万円 ※外壁からの重度の雨漏りの場合は数百万円単位の費用が必要になることもある |
シロアリ被害 | (部分的な被害の場合)シロアリ駆除含め50万円前後 |
(床下全面被害の場合)300万円前後 |
空き家を売却するために必要な工事内容は、不動産知識を持たない個人や、買取ノウハウを持たない仲介業者では、なかなか正確に想定できません。
そのため、余計なリフォーム費用をかけてしまったり、購入を検討している人のニーズに添えず売れ残ってしまいやすいのです。
なので買取業者、特に空き家を専門とした買取業者に空き家を買取ってもらうのが最も確実です。
以下の記事では、売れない空き家にリフォームなどを行っても買い手を見つけるのが難しい理由について解説しています。
併せて参考にしてください。
契約不適合責任の一切が免責される
買取業者に空き家を買取ってもらえば、特約によって契約不適合責任の一切が免責されるのが一般的です。
物件の売買完了後、契約書に記載が無い欠陥や不具合(雨漏りやシロアリ被害、家の傾き等)があれば、売主が負わなければならない責任。
不適合箇所の修繕等の費用は売主が負担し、最悪の場合売買契約自体を取り消されてしまうこともある。
なぜなら、買取業者はリフォーム等を行うことを前提で物件を購入するため、不具合や欠陥の有無は関係ないからです。
また所有者が安心して空き家を売却しやすくなるというメリットもあります。
一方で仲介では、不適合責任を免責すると不動産知識を持ち合わせない買主にとっては購入リスクが大きくなりすぎてしまうため、免責されません。
そのため、雨漏りやシロアリ被害など、なにかと欠陥が付き物である空き家を売却するなら、買取が断然安心なのです。
空き家の契約不適合責任の詳細については下記記事をご覧ください。
仲介手数料がかからない
買取では、買取業者が直接売主と売買するので、仲介手数料が発生しません。
一方仲介の場合には、売却額に応じた仲介手数料を支払う必要があります。
売却額(消費税を含まない) | 仲介手数料(消費税を含む) |
---|---|
売却額が200万円以下 | 売却額の5%+消費税 |
売却額が200万円以上400万円以下 | 売却額の4%+2万円+消費税 |
売却額が400万円超 | 売却額の3%以内+6万円+消費税 |
参照元:国土交通省|宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額
弊社Albalinkの空き家の買取事例
弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような空き家も数多く買い取ってきました。
たとえば下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ空き家」や「不用品で室内があふれてしまっている空き家」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された空き家の買取事例】 【不用品で室内があふれてしまっている空き家の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
20年以上放置された空き家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっている空き家の所有者は、他の不動産業者から「不用品の回収だけで100万円近くかかる」と言われ、途方に暮れていたそうです。
それだけに「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)。
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
信頼できる買取業者に安心して空き家を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
なお、空き家売却時の注意点を知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
相続した土地を国に帰属できるケースはかなり限定的
相続した土地を国に帰属する(国の所有にできる)法律が令和5年(2023年)4月27日に施行されました。
ただ、空き家を国に返還するためには、解体して更地にする必要があり数百万円という解体費用を負担しなくてはなりません。
くわえて、返還できる土地の条件は限定的であるため、空き家の処分方法として現実的ではないといえます。
空き家を解体して国に返還するのであれば、専門の不動産買取業者に売却する方法のほうがスムーズに解決します。
専門の買取業者に売却する場合、現状のままで売却できるうえ、まとまった売却益も取得できるためです。
弊社Albalinkにご依頼いただけば、国に返還できない空き家も適正価格で買い取れます。
なぜなら、空き家の活用ノウハウ・再販ルートが豊富にあり、将来的な収益が見込める分買取価格に反映ができるからです。
空き家をできるだけ高く売りたい方は、下記の無料査定フォームよりお問い合わせください。
相続土地国庫帰属法についての詳細は下記記事をご覧ください。
自治体が運営する空き家バンクに登録しても買い手が付かないことは多くある
空き家バンクとは、空き家を売りたい・貸したい所有者が、所在する自治体のホームページに空き家情報を掲載し、その情報から空き家を買いたい・借りたい希望者が好みの空き家を探し、売買する仕組みです。
しかし、空き家バンクに登録すれば売却しやすくなるわけではありません。
なぜなら、上記した売買方法の仕組みは仲介とほぼ同様であり、空き家情報の掲載先が民間のポータルサイトか、自治体が運営するホームページかの違いしか無いからです。
また自治体はホームぺージを運営しているだけで、空き家所有者に販売活動への助言や手厚い保証等はありませんし、仲介を業者に依頼できるのは自治体と業務提携した仲介業者のみなので、空き家所有者は自分で業者を選べません。
このように、空き家バンクに登録したところで売却しやすくなるわけではなく、もし所有する空き家が個人消費者からのニーズをある程度見込める場合には、自分で仲介業者を選べる一般的な仲介のほうが高額で売却できる可能性すらあるのです。
そのほか空き家バンクの詳細については下記記事をご覧ください。
自治体によって空き家の活用を支援する補助金がある
前述したとおり、空き家の「買取」「寄付」を自治体が受け入れることは難しくほぼ不可能とも言えますが、多くの自治体では空き家に利用できる補助金制度を設けています。
空き家所有者が利用できる補助金の用途は主に以下の3つです。
- 空き家の解体に利用できる補助金
- 空き家のリフォームやリノベーションに利用できる補助金
- 空き家バンクに登録すると利用できる補助金
ただし補助金額には上限があり、空き家所有者の金銭的負担がゼロになるわけではありませんので、結局買取業者に買取ってもらうのが最もリスクがなく、費用もかかりません。
また工事着手前に申請する必要があるので、利用を検討する場合には前もって自治体ホームページを確認して下さい。
それぞれ事例とともに紹介していきます。
別の事例や補助金の手続き方法、必要書類等については下記記事をご覧ください。
空き家解体に利用できる自治体の補助金事例
空き家の解体(除却)を行う前に、条件を満たし申請すれば受け取れる補助金があります。
ただし多くの場合50万円が上限となっているうえ、補助金の交付は工事完了後なので、空き家所有者には結局大きな負担がかかります。
秋田県羽後町空き家除却費補助金制度
町民の生活環境の景観および安全性向上のため、自発的に空き家等を除却する空き家所有者に対して、費用の一部を補助する制度です。
対象となるのは下記要件のいずれかを満たす人で、申請時点で空き家である戸建て住宅かつ事業等を目的としない空き家等の条件が付けられています。
・補助対象空き家の登記事項証明書に所有権を有する者として登録されている者(所有者)
・所有者の相続人
・公的機関が発行する書類により、不在者財産管理人、成年後見人等の補助対象空き家を処分する権限を有する者
また補助対象となる工事内容や補助金額等は下記の通りです。
【工事対象と補助金交付率および交付上限】
工事対象 | 交付割合 | 交付上限 |
---|---|---|
危険空き家 | 2分の1 | 50万円 |
空き家 | 3分の1 | 30万円 |
空き家のリフォームやリノベーションに利用できる自治体の補助金事例
空き家のリフォームを行う前に、条件を満たし申請すれば受け取れる補助金があります。
ただし交付額に上限があるため、工事内容によっては解体同様に空き家所有者は金銭的に大きな負担を負うことになります。
群馬県渋川市空き家活用支援事業
空き家所有者や、居住目的で空き家を購入した人を対象に、リフォーム費用の一部を補助する支援事業です。
また、下記にあてはまる場合には交付率に対して20万円が加算されます。(複数該当の場合も20万円まで)
- 居住誘導区域内にある空家
- 市外からの転入者
- 若者夫婦世帯(夫婦いずれかが40歳未満)
- 若者パートナーシップ宣誓世帯(パートナーいずれかが40歳未満の世帯)
- 子育て世帯(15歳以下の子供を扶養している世帯)
ただし補助対象とならない工事内容もあるので、予定している工事内容が対象になっているかを事前に確認する必要があります。
補助金の交付率は10分の1までとし、上限は50万円(加算額込み)です。
参照元:群馬県渋川市HP
空き家バンクに登録すると利用できる自治体の補助金事例
自治体によっては、空き家バンクに登録していることを条件に、利用できる補助金制度が設けられています。
補助金交付率は工事費用の半分までとし、上限が100万円から200万円としている場合が多くあります。
玄海町空き家バンクリフォーム等促進事業補助金
玄海町の空き家バンクに登録した空き家所有者や、空き家バンクを介して売買又は賃貸を行った人等であれば、下記いずれかの補助金申請が可能です。
【補助内容と交付率および交付上限】
補助内容 | 交付割合 | 交付上限 |
---|---|---|
仲介手数料補助 | 全額 | 5万円 |
家財処分等補助 | 全額 | 10万円 |
空き家登録者改修補助 | 2分の1 | 100万円 |
空き家解体補助 | 2分の1 | 100万円 |
参照元:佐賀県玄海町HP
新島村定住化対策事業交付金
新島村内の空き家の改修や除却等費用の一部を助成する助成事業で、下記対象者要件を満たしていれば手続きを踏むことで助成金を得られます。
村税等の滞納がなく、下記のいずれかに該当する人であれば申請が可能です。
対象者の要件
- 空き家バンク登録済みの空き家所有者
- 空き家バンクを利用して村内の家屋や土地を購入または賃借した移住者
【工事内容と交付率および交付上限】
工事内容 | 交付割合 | 交付上限 |
---|---|---|
改修等 | 2分の1 | 100万円 |
除却 | 2分の1 | 100万円 |
参照元:東京都新島村HP
空き家の放置は所有者にとってリスクしかない
そもそも空き家を放置することは、空き家所有者にとってリスクしかありません。
たとえ使っていなくても、空き家を所有している限り税金を支払わなければならないうえに、空き家の所有者は適切に管理する責任を負うからです。(空家等対策の推進に関する特別措置法による)
空き家対策特別措置法の詳細は下記記事をご覧ください。
そのため空き家所有者は空き家を決して放置せず、たとえば将来確実に居住する予定があるなら適切に管理し、特に活用する予定がなければ買取で売却しましょう。
それでは、空き家の放置によって所有者が負うリスクについて、具体的に説明していきます。
空き家は所有しているだけで費用と手間がかかる
空き家はたとえ使っていなくても、所有しているだけで年間数十万円もの費用がかかります。
なぜなら、固定資産税の支払いや、空き家を管理するための費用が発生するからです。
所有する空き家の所在地や管理方法によって金額は異なりますが、空き家の所有に必要な費用は主に下記の通りです。
【空き家の所有にかかる主な費用】
内容 | 目安金額 | 備考 |
---|---|---|
固定資産税 | 年間数万円~ | 空き家が受けた損害や、空き家が原因で起きた事故の損害賠償等を補償するため加入する必要がある。 |
火災保険料 | 年間数万円~ | 空き家を使っていなくても、毎年必ず支払わなければならない。 |
水道料金 電気料金 |
年間数万円~ | 解約しなければ、最低でも基本料金はかかる。 |
交通費 | 年間数千円~ | 自分で管理する場合には、毎月交通費が発生。
(例)東京~和歌山の場合 |
委託費 | 年間数千円 ~10万円超え |
空き家管理代行サービスに委託する場合には、毎月委託費が発生。 |
空き家の火災保険についての詳細はこちら
空き家に必要な管理についてはこちら
空き家が原因で近隣に危害や損害を与えると賠償金を請求される
空き家の管理は所有者の責任であるため、老朽化した空き家が倒壊等により近隣の建物や通行人を傷つけてしまうと、損害賠償を所有者に請求されることがあります。
最悪の場合、死亡事故を起こしてしまえば1億円もの損害賠償を請求されかねません。
倒壊した空き家の解体費用および隣接家屋の外壁損傷部分の修理費用を空き家所有者が負担。
隣接家屋の損傷が大きく建て替えが必要となれば数千万円もの費用が必要となる場合もある。
空き家が倒壊するリスクについて知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
あまりにも危険な空き家は固定資産税が増額したり罰金や解体費用を請求される
放置され危険な状態になった空き家は、自治体によって特定空き家に指定されてしまいます。
管理不足により著しく危険な状態であると認識された空き家
特定空き家に指定されると、下図の流れで自治体から適切な管理に向けた指導等を受け、従わなければ住宅用特例から除外されて固定資産税が6倍になったり、50万円以下の罰金が科されます。
最悪の場合、空き家を強制的に解体(行政代執行)されることもあり、解体費用等は空き家所有者負担になります。
空き家を処分するか適切に管理さえしていれば、払う必要が無かった高額な費用が発生してしまうのです。
和歌山県湯浅町で空き家の解体作業が開始。(令和4年(2022年)7月18日)
対象となった空き家は75歳女性が所有する木造2階建ての空き家3棟。
瓦が落ちるなど老朽化が進行しており、倒壊の危険性から特定空き家へ指定。
平成28年から指導や命令等を続けてきたが改善が見られず、行政代執行による解体が決定。
解体費用は約1,100万円で、空き家所有者に請求される。
空き家のリスク8選については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
この記事では、主に以下の内容について紹介しました。
- 自治体は空き家の「買取」「寄付」を基本的に受け入れてくれない
- 空き家バンクに登録しても買い手が付かないことは多くある
- 自治体によって空き家に利用できる補助金制度はあるが大きな費用負担はかかる
- 自治体に受け入れてもらえなかった空き家でも買取業者なら買取ってくれる
地域住民からの税収により運営している自治体は、空き家の「買取」を基本的に受け入れておらず、空き家の処分方法として現実的ではありません。
またたとえ寄付であっても、固定資産税による税収が無くなってしまうので、よほどの利用目的がない限り「買取」同様受け入れることは滅多にないのです。
2023年4月から始まる相続土地国庫帰属法も、適用できる土地はかなり限定的で、さらに申請費用も数十万円から数百万円と高額です。
空き家を処分するなら、不動産会社の1つである買取業者に直接買取ってもらうのが一番多くのメリットを得られます。
買取業者が直接買取るので、売主である空き家所有者が工事費用をかけたり、売却後の欠陥等を心配する必要が無いからです。
空き家を早く、そして工事費用や手間をかけずに処分するために、まずは空き家専門の買取業者へご相談ください。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、フジテレビの「newsイット!」で紹介されたように築古や放置された空き家を積極的に買い取っている専門の買取業者です。
買取対応エリアは全国におよぶため、空き家をできる限り早く手放したいとお考えの方は、ぜひ弊社へお気軽にお問い合わせください。